4月▷日
昨日、俺は葛葉高校のトップレギオン『LG(レギオンと呼ぶ)ヤマトタケル』に加入した! ……のだが、高校からの編入組である俺の実力は素人に毛が生えた程度なので、今日から放課後は同じレギオンメンバーと共に自主練習を行う事になったのだった。
それで今日は訓練場でアーサー先輩が『まずはとにかく戦う事に慣れる所からだ。……なので、今から俺達と模擬戦をしてもらおう』と言って、俺と晴人は他のレギオンメンバーと模擬戦をする事になったのだが……まあ、俺は見事にボコボコにされた。
まず最初に戦ったアーサー先輩は見切るのが困難なレベルの剣技で斬りかかって来て俺は防戦一方になり、『第1世代型なら射撃武装ないだろ』と思って距離を取ってシューティングモードにしようとしたら何故か剣からビーム(後で聞いたところソニックウェーブとか言う高等技法らしい)が飛んできてぶっ飛ばされたし。
次に戦った
そして最後に戦った
……とか思っていたら、ドリルの基部についた四連装レーザーマシンガンでの弾幕を張って来たり、ドリル部分が展開されて高出力砲を発射出来るモードもある(訓練では使用禁止)らしく、本人の射撃技術も普通に高かったから遠距離戦では圧倒されっぱなしだった。近接戦? 回転するドリルが超怖いからそれどころでは無かったです。
……
本当にキツイ訓練だったから終わった後のお風呂が沁みるわ〜(傷口に)……何でも浸かるとマギが回復する『聖泉』ってヤツらしいと授業で習った。凄いね。
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4月▶︎日
今日はヒュージと初めて戦った! ……といってもVR──仮想現実的なシュミレーターでの話だけどね。何でもウェルキンゲトリクス・インダストリー製の最新機器で現実とほぼ変わらない五感を再現した物なのだとか。
……あ、隣に居た暁良から『正確にはAR──拡張現実って書く方が正しいぞ。ダイレクトフィードバックシステムで五感を拡張して目の前にヒュージが居ると錯覚云々……』とか言われた。現実の肉体を動かす形式だからだとか。そもそも仮想現実自体よく知らんから違いがよく分からないんだが……まあ、つまり偽物のヒュージ相手に模擬戦したって事である。
それで俺と晴人が戦ったのはミドル級のヒュージで球体の身体に足が三本生えているヤツ……そう、あの『甲州撤退戦』で俺を散々追い回してくれやがった憎っくきアイツの同型である。
……このタイプは現在確認されているミドル級ヒュージの中でも最も多く目撃されている種類らしく、最初の対ヒュージ模擬戦の相手としては丁度いいと言うのが
そんな訳で三本足と一対一で色々とパターンを変えつつ何度か戦ったのだが勝率は半々ぐらいだったかな。最初は何度か不覚を取ったけど動きのパターンが分かってきた後半は安定して勝ちを拾う事が出来る様になった。他のメンバーからも飲み込みが早いと言われた程度には戦えたかな。
……まあ、晴人の方は持ち前の
……いかんいかん、ちょっと
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4月◁日
今日も今日とて訓練の日々。レギオンメンバーと模擬戦をしたり、色々な仮想ヒュージと戦ったり……ただ、これまでの訓練で分かった事は、どうにも俺がレギオン内で一番弱いんだよなぁ。
他の実戦経験済みメンバーは言うに及ばず、同じ編入組の晴人はあの
……と、そこまで日記を書いていたらそれを見ていた暁良に『やめろ! 筋肉の暗黒面に落ちるんじゃない! お前までネタ枠になったら俺の負担が増えるだろ!!!』全力で静止された。
暁良が言うには、俺は編入して一週間弱の割には優秀な方らしい。そもそも初等部からの生え抜き組にすら始めての仮想ヒュージ相手にビビって戦えないヤツもいるんだから十分良くやってる。あの三本足はかなり強めに設定されてるから普通は初見じゃ倒せないし! との事。
……晴人は倒せてたよな? って言ったら『アレはうちの理事長やウェル博士とかの同類であるバグ枠だから比較対象に入れてはいけない。まず、あの手の連中を見たら心に仕切りを作って別のジャンルだと思うんだよ』と肩を掴まれて物凄く熱心に語られた。昔何かあったのだろうか?
まあ、そんな暁良の励まし? もあってちょっと気分がスッキリしたので改めて今日の事を振り返ってみるが、今日は訓練以外にもレギオンで行う連携必殺技についての説明が隊長からあった。
俺達LGヤマトタケルが使う連携必殺技は『ノインヴェルト戦術』だそうだ。これはかの百合ヶ丘女学院で発案され、特殊なマギバレットを使ってマギを込めた球『マギスフィア』を生成、それを9人のCHARMユーザー同士でパス回ししながらマギを込め続け、最後に強大となった魔法球をヒュージに打ち込むという戦術なのだ(授業内容ママ)
……ちなみに葛葉高校でもマギ同調の基礎理論を発案したウェル博士の下で連携必殺技を開発しようとはしたのだが、男で連携必殺技の条件を満たす人間が少な過ぎてロクに実戦データを集める事が出来ずに開発は頓挫。最終的に百合ヶ丘からノインヴェルト戦術を逆輸入したとか。
ノインヴェルト戦術は様々なガーデンで採用されているぐらいに完成度の高い連携必殺技らしいからね。必要な物も九人のメンバーとマギバレットだけで、何か特殊な技術や装備は要らないから敷居が低い事も大きなメリットだそうだし。
まあ、隊長曰く『ノインヴェルトは完成度が高く敷居も低い優れた戦術だが、ただ“使う”だけなのと実戦で“使いこなす”事が出来るのには大きな違いがある。具体的には“斬月・偽”と“斬月・真”ぐらい違う。故に相応の技術と連携と訓練が必要なのだ』という事だが。
……後、具体例は『仮面ライダー鎧武』に出て来るライダーの名前だと暁良が言ってたが、俺は見た事無いので良く分からなかった。詳しく説明するとシナリオのネタバレになるから言えないのだとか。
それはともかくとして、まず参考として百合ヶ丘のトップレギオン『アールヴヘイム』のノインヴェルト戦術のPVをを見たのだが……うん、ちょう凄い(小並感)
……小学生並みの感想だが、なんかもう戦闘中なのにマギスフィアがリリィの間をピンボールみたいに高速移動してて目で追い切るのがやっとなレベルだからそんな感想しか出てこなくてねー。PVの時間が30秒ちょいでラストのフィニッシュショットでのラージ級粉砕だったし。
まあ、隊長の『使えるのと使いこなせる』の言葉の意味がよく分かるPVだったべ。やっぱり訓練無しだと使いモノにはならなさそうだな。
後、前から言われていたテレビで特撮見放題や隊長の例え話で出て来た『仮面ライダー鎧武』が気になったと暁良に言ったら、気晴らしも兼ねてと部屋のテレビで『仮面ライダー鎧武第1話』を勧められたので見てみた。
うん、特撮なんて今は殆ど見れないからどんなものかと思ったら結構面白いな。オレンジが頭に刺さって鎧になったり、オレンジ薙刀で怪人をぶった斬ったりと凄くインパクトがあったな。
……でも、俺が仮面ライダー鎧武が怪人(インベスって言うらしい)を倒した後に『カッコいいなデビュー戦だな。これから仮面ライダー鎧武の物語が始まるのか』って言ったら、何故か物凄い微妙な顔で『あ……う、うん。セヤナ』って凄い微妙な顔で言われたのは何でだろう?
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4月◀︎日
今日の授業では普通科との合同戦闘訓練があった……教導官も『本校では対ヒュージ戦闘の際でのCHARMユーザーと非CHARMユーザーとの連携を重要視している。……マディックをただのCHARMユーザーの予備だとか、或いは“守るべき対象”などという戯けた事を思っているなら直ぐにその考えを改める様に。彼等は間違いなく我等と共にヒュージと戦う“仲間”であり“戦友”なのだ』と非常に真剣な表情で仰ってたので余程重要な訓練なんだろう。
……実際、この学校のCHARMユーザーの個人戦闘能力の平均はリリィ達には及ばないから、こういった集団戦での連携は必須なのだと暁良も言っていた。特に実戦では防衛軍の人達と連携する場合もあるので非常に重要な授業なのだとか。
ただ、やはりCHARMユーザーと非CHARMユーザーの連携は難しいらしく色々な試行錯誤の最中だとか。特にマギを使ってビュンビュン飛んだり走ったりするユーザーとの移動速度の差で行軍速度を合わせるのが難しいのがネックになっているらしい。
……この機動力は戦場におけるユーザーの最大の武器だからそれを抑えるのはあり得ないし、だからと言って闇雲に好き勝手動けば連携どころでは無いからな。他にもユーザーには戦場でのある程度の独自の行動権があるがマディックには無いとか、そもそもマディックのアンチヒュージウェポンではミドル級を倒すのも難しいとか色々と連携を難しくする要因もあるのだ。
なので、基本戦術としてはマディックや防衛軍にスモール・ミドル級の相手をしつつラージ・ギガント級への道を作り、そこにユーザー機動力で突っ込んで先に大物を潰すとか、不利になった場所にユーザーを向かわせる遊撃戦術などが主体になるらしい。
そんで重要なのが戦域全体を把握出来る優秀で『信頼できる』指揮官と、その命令にちゃんと従うメンバーと情報の効率的な共有を可能にする手段である……のだが、毎回こんな都合の良い条件が揃えば苦労はしないよね! 特に“信頼出来る”命令元! とは暁良の弁である。
……CHARMユーザーに対するいくつかの特権って言うのは十代の少女であるリリィを守る為のものだそうだからな。リリィの能力は精神状態に大きく左右されるから防衛軍とかの連携よりも彼女達を守る方が遥かにメリットが多いから何だと。
葛葉高校がこういった方針が出来るのは男子校である以上に、上が理事長とウェル博士とかで協力関係にある防衛軍にもウチのOBが沢山いるからこそ成り立っている……と、放課後の訓練で
やっぱり信頼出来る上の人って重要だよね……と、だんだんと展開がきな臭くなって来た『仮面ライダー鎧武』を見ながら思いました。ユグドラシル・コーポレーション凄い怪しい。
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4月□日
ユグドラシルとかヘルヘイム
まあ、『仮面ライダー鎧武』視聴が中盤を超えた感想は置いておいて、今日の放課後訓練はCHARMをクルクル回していた……別に遊んでいた訳では無く、これは『CHARMフリップ』と言う自在に自分の獲物を扱う練習の一つなのだ。
隊長から『実践ではCHARM捌き、特に第二世代以降を使う場合には近接形態と遠距離形態の切り替え速度と精度は非常に重要だからな。陸はまだその辺りが拙いから練習はした方が良い』と言われたから、ひたすらにグングニルを回していた。
実際これまでの模擬戦でもグングニルのモード切り替えに手間取り事はそこそこあったからね。CHARMはマギを込めれば重量軽減・強度上昇の効果もあるから、使い手の腕次第では物理法則を超えた超高速で変形させる事も出来るのだし。
今日指導してくれた隊長も『一流のCHARMユーザーなら瞬きよりも早い時間でCHRAMの変形を終えて行動出来る』と言っていたし、実際隊長は獲物のダインスレイフを回しながらそのぐらいの時間で変形されてたからもっと練習するべきか。
後、明日は俺達LGヤマトタケルが防衛任務の当番の日……これまでも三度ぐらい当番の日はあったけど二度は時間内にヒュージが来なかったり、一度だけ来たけどまずは実戦の空気を感じる事からだと言われて晴人と一緒に戦闘を見るだけだったりだしな(ちなみにミドル級までで数は少なかったのでメンバー達に一蹴されてた)
……だが、明日からはもしヒュージが出たら俺達にも戦って貰うと隊長に言われたのだ。既に実戦でも通用するレベルになっているからだとか……
あとがき・各種設定解説
一柳陸:最近平成をキメ始めた
・本人の自己評価は低いのだが編入組としては高い成績と戦闘能力を持っており、他のレギオンメンバーからは何かレアスキルが目覚めれば十分に戦力になると思われている。
雪音暁良:ぶっきらぼうだけど割と面倒見の良い性格
・葛葉高校では編入組のルームメイトに人格面で問題ない生え抜き組をあてがう事で、慣れないガーデンでの生活をフォローする方針を取っている。
・なので彼も
・ただ、その気晴らしの為に『仮面ライダー鎧武』を進めるなど頭はだいぶ平成。
イガリマ&シュルシャガナ:雪音暁良専用ユニークCHARM
・イガリマの形状はブレードモードが大型の片刃斧で、射撃モード時には持ち手部分が折り畳まれて斧上部の大口径の銃口が展開されるカノンモードになる。
・シュルシャガナは腕に装着するタイプの盾でシールドモードでは盾の前方側面からマギを高速移動させる事で生成されるレーザーチェーンソーが展開出来て、そのブレード部分が折り畳まれて内部に格納したレーザーマシンガンを展開する射撃モードになる。
・また、イガリマを持ち手、シュルシャガナを刃部分として変形合体させ二つのマギクリスタルコアを直結、大型レーザーブレードを展開する大鎌モードにする機能もあるが、この状態だとマギを攻撃に全振りするので防御結界が薄くなる欠点がある。
・元々はウェル博士が複数名のマギ同調による攻撃力強化の実験として、二人のユーザーのCHARMを合体させてマギを同調させる試験機として作られた物。
・だが、合体モードだと二人で一つのCHARMを使う必要がある乗っで非常に使い難く、実戦では使い物にならないとされそれぞれ試作機が一機作られただけでお蔵入りになった。
・しかし、レアスキル『円環の御手』が発見された事でその専用機として再注目され、暁良の“特性”に合わせた一人用の強化改修を施された上で彼に与えられた。
読了ありがとうございました。
ノーブルリリィ・レポートは実に良いかえふみイベントだった……意見・感想・評価などはお待ちしてます。