保健室を出た雷牙達は、初、伊吹、大吾の3人と合流し共に下校し後、なでしこ、楓、かさねとも合流し共に下校していたが、そんな中、雷牙は。
雷牙「はぁー」
初「ライくん?」
ため息をしながら、暗い顔をしていた。
雷牙「はぁー」
初「ライくん?」
大吾「どうしたんだよ、兄弟そんな暗い顔をして? 兄弟らしくないぜ?」
雷牙「はぁー? そうですか?」
伊吹「あれでしょ、あんた円佳ちゃんに投げ飛ばされてそれを気にして落ち込んでいるんでしょ、あんたは」
雷牙「はい」
かさね「日向先輩、ストレートですね!」
すでに、学園中、雷牙が円佳に投げ飛ばされた事は、生徒全員の耳に入っていた。
伊吹「フン、事実を言ったまでよ」
雷牙「あ、いえ」
伊吹「!」
初「じゃ、どうして落ち込んでいるの、ライくん?」
雷牙「いえ別に、神本殿に投げ飛ばされて、落ち込んでいるわけではありません、それに」
みんな「それに?」
雷牙「投げ飛ばされる事には、私は慣れていますから」
かさね「な!」
つむぎ「慣れているのね!」
雷牙「私だけではありません」
日向「私も」
つむぎ「日向さんも!」
日向「私達、兄弟だけではありませんよ」
我夢「はい」
七海「ええ」
我夢「我々兄弟も」
七海「投げ飛ばされることには」
海野兄弟「慣れていますよ」
なでしこ「当然、あたしもッスよ、もちろん」
走「……(ペコリ)」
なでしこ「走くんも」
楓「あ、私は少しだけですけど」
大吾「み、みんな、慣れているんだな!?」
伊吹「投げ飛ばされる事に!?」
かさね「まあ、あんな動きしていたら」
つむぎ「投げ飛ばされるのにも慣れるわよね!」
初「それじゃ、何で落ち込んでいるの、ライくんは?」
雷牙「はい、知らなかったとはいえ、男性が苦手な神本殿に近づいて、傷つけてしまった事です」
伊吹「そおいうこと」
雷牙「はい、どうしましょう?」
そう言って立ちすくみ、また、ため息をした。それに合わせ一同も足を止めた。
つむぎ「そんなの簡単よ、ねぇ、日向さん」
日向「はい」
雷牙「え、なんですか!?」
つむぎ「ごめんなさいって、普通に誤れば」
雷牙「ですが、誤ってすむことなんでしょうか?」
日向「つむぎ殿の言うとうりだ、雷牙、とりあえず」
我夢「誤ってみるべきかと思います、雷牙様」
雷牙「むぎ姉さん、兄さん、我夢、そうですよね、まずは誤らないといけませんよね、よし、我夢」
我夢「は」
雷牙は我夢の耳元でひそひそと話した。
そして。
我夢「かしこまりました、ただちに手配します、私だ、大至急、用意してほしい物がある」
電話を兼ねながら、歩き始めた。
そして、次の朝、土曜日、雷牙はスーツを着て二段重ねの風呂敷で包まれてある重箱を両手でもち玄関で靴を履いていた。我夢、なでしこ、走、そして楓は買い物袋手に持ち同様靴を履いていた。
雷牙「それでは行ってまいります、兄さん、千歌殿、むぎ姉さん、楓も」
日向「ああ」
千歌「また、投げ飛ばされないよう気をつけなさいよ」
我夢「我々、全員投げ飛ばされることには」
七海「…慣れていますから、平気です」
走「……(ペコリ)」
千歌「ああ、そうだったわね、昨日言っていたわよね」
雷牙「はい、ですからお気遣いなく、千歌殿」
千歌「まぁ、いいわ」
つむぎ「4人とも、気を付けて行って来てね」
雷牙「はい」
楓「では、私は買い出しに行ってまいります」
走「……(ペコリ)」
こうして一同はよろづよを後にした。
雷牙の部屋では、白炎と子虎達が、呑気にあくびをして眠っていた。
白炎「がはぁー」
子虎達「きゃはぁー」
そして、雷牙達は楓と別れて、あっと言う間に、木霊神社の石段へとたどりついた。
雷牙「私1人で行く、そなた達は、ここで待機してくれ」
我夢「かしこまりました」
走「……(ペコリ)」
なでしこ「了解ッス」
雷牙はこの前同様、目にも止まらぬ早さで、石段を飛んで行った。
あっと言う間に、木霊神社の上へとたどりついた。
そして、これもこの前と同様、箒を持った円佳がいた、しかし。
円佳「あ!」
雷牙の姿を見て、走りだし逃げて行ったが。
雷牙「あ、お待ちください」
人声を聞いて、逃げるのを辞めてくれて、足を止めるのだった。
雷牙「昨日は、本当に申し訳ございませんでした!」
謝罪を聞いた、円佳は雷牙の方に体を向けると、その雷牙は深々と頭を下げていた。
それに対し、円佳も。
円佳「あ、いや、あの、あの、私の方こそすみません!」
気付けば、お互い深々と頭を下げていた。
それからしばらくして、2人は社の屋根の下に座って話をしていた。
円佳「本当にすみません、あんなことするつもりはなかったのですけど、気が付けば体が勝手に動いちゃって」
雷牙「いえ、誤らないでください、知らなかったとはいえ、男性苦手な、神本殿に触れようとした、私が悪いのです、私の自業自得です、どうか、誤らないでください、このとうりです」
雷牙は二段重ねの重箱を置いて立ち上がり、再び深々と頭を下げた。
円佳「ちょ、やめてください」
雷牙「ですが、こうでもしないと、私の気が収まらないのです」
円佳「もう、十分伝わりましたから、どうか、顔をお上げください!」
それを聞くと雷牙は、頭を上げた。
雷牙「ならいいのですが、神本殿」
円佳「はい!?」
雷牙「先ほども申しましたが、ああなってしまったのは、私が悪いのです、私の自業自得です、どうか、お気になさらないでください、神本殿」
円佳「ありがとうございます、そう言ってくれると、助かります」
それから、ちょっと黙り込んでから、また、放し始める。
円佳「あ、あと、私の事は円佳でいいです、真田さん先輩ですから、そう呼んでください」
雷牙「え、はい、分かりました、それでは、私の事も、雷牙でいいですよ、円佳殿」
円佳「あ、はい、せ、いや、らいがさん…」
そう言うと円佳は頬を少し赤くした。
また少し、黙り込んだ後、雷牙立ち上がった。
雷牙「あ、それでは、仕事の邪魔をしてはいけませんし、私はこれで、あ、いけない、いけない、あの」
円佳「はい?」
雷牙「これ、よかったら」
円佳「あ!」
雷牙は二段重ねの風呂敷で包まれてある重箱を開けた、入っていたのは。
円佳「らいがさん、それって?」
雷牙「はい、お詫びの印です、昨日、私が我夢に頼んで、北海道、十勝から取り寄せた、ふくよかな極上小豆で、私が作った、おはぎです」
重箱には、二段共、おはぎがたくさん敷き詰められていた。
円佳「北海道、十勝から取り寄せて作ったのですか!? 雷牙さんが、このおはぎの小豆を!?」
雷牙「はい、粒の触感が肝となる小倉杏に用いられる小豆はしょうずと、呼ばれる極上の物、小豆をより分けて大きな粒だけを分けて作りましたので、とても美味しいですよ、どうぞお納め下さい、円佳殿」
雷牙は、おはぎが入った二つの重箱を円佳に寄せた。
円佳「そ、そんな、悪いですよ、こんなにたくさんもらうなんて、それに、もう気にしてませんから、どうか」
円佳は、寄せた重箱を雷牙に帰した。
雷牙「いえ、どうか受け取ってください、これは私の気持ちでもあります、どうか、ご家族と一緒にお召し上がりください」
円佳「らいがさん…」
雷牙「……」
円佳「わかりました、では、一緒に食べましょう」
雷牙「え?」
円佳「でないと、このおはぎは受け取れません?」
雷牙「円佳殿…」
円佳「……」
雷牙「わかりました、では、お言葉に甘えて」
円佳「はい、じゃ、私、お茶とお皿を持ってきますので、少々お待ちください」
そう言って円佳は、自分の家に行ってしばらくして、お茶が入った湯呑みとお皿2人分をお盆に乗せて戻って来た。
重箱に入っていた、おはぎ2個づつお皿に移し替えした。
円佳「それでは、いただきましょうか、らいがさん」
雷牙「はい、では」
円佳「いただきます」
雷牙「いただきます」
食べ始め、おはぎを口を口に入れた。
円佳「もぐもぐ…お!」
雷牙「もぐもぐ…お?」
円佳「とても、美味しいです、らいがさん、このおはぎ!」
雷牙「ほ、ホントですか!」
円佳「はい、見た目もそうですけど、甘さもちょうどいいです、このおはぎ」
雷牙「それは、光栄です作ったかいがありました」
円佳「はい、もぐもぐ…とっても美味しいです」
そう言うと円佳は、たちまち笑った。それを見た雷牙も笑ったのだった。
雷牙「は、は、は」
円佳「へ?」
雷牙「いや、さっきほども見ましたが、円佳殿は笑顔がよく似合います」
円佳「え、あ、ありがとうございます」
雷牙少年期「円佳殿…」
回想
円佳のなぜか、幼き日の雷牙の姿を思い出していた。
雷牙少年期「円佳殿は! やはり笑顔がお似合いです!」
円佳少女期「あ、ありがとう、らいがくん…」
回想終わり
雷牙「円佳殿、円佳殿」
円佳「は!?」
ふとお我に返った円佳は、自分が涙を流していることに気づいた、次の瞬間。
ゴスッ!
雷牙「は!?」
それは、まさに唐突、近く木の上から何かが飛んできた。
鈍い音がしたかと思うと、我夢が来て、その飛んできた物を、人差し指と中指で受け止めたそれは。
雷牙「我夢!?」
我夢「海野さん!?」
雷牙「どうした?」
我夢「はい、雷牙様の身の危険を察知したので」
雷牙「そうか、すまない」
我夢「いえ、私はあなた様の執事ですから」
一礼した。
円佳「それより、さっき、飛んできた物っていったい!?」
我夢「ええ、これです」
円佳「どんぐり、ですか?」
我夢「はい、いったいなんのつもりですか?」
雷牙「こより殿!」
円佳「こよりちゃん!?」
一戸のどんぐりが飛んできた、木の上から、こよりが姿を現した。
こより「気づいていたのか、お前たち2人は!?」
我夢「私や雷牙様だけでは、ありませんよ、昨日あなた様が、保健室を出た後、注意を無視して、まだ、雷牙様をつけ回し、ストーキングをしていたのを、我々が気づいていないとでも思っていたか!」
こより「ぐぬぬー」
円佳「こよりちゃん!?」
こより「ともかく」
我夢(無視された)
こより「ついに本性を見せたな、真田雷牙」
雷牙「……!?」
こより「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ! 悪・即・斬とあたいを呼ぶ!悪を断罪するため、藤堂こより、ここに、見っ参っ!」
何やら、名乗りを上げるこよりに対し、雷牙と我夢、円佳の3人は。
雷牙「今、名乗りは一体?」
我夢「何の為にやったのでしょうか?」
雷牙「円佳殿」
円佳「はい?」
雷牙「こより殿は、いつもあんな感じなのでしょうか?」
円佳「えーっと?」
ひそひそ話を始めた。
こより「おい、こら!」
3人「!?」
こより「そこ、ひそひそするな」
雷牙「それで、今日は何の御用でしょうか?」
こより「都会の害虫、真田雷牙! 山比古町の平穏を乱す、お前は許してはおけん! このあたいが、成敗してくれる!」
雷牙「え!?」
我夢「ちょっと待ちなさい! 人を害虫、呼ばわりの上、わが主がいつ、日隠を乱したと言うのですか!?」
こより「とぼけるな!ういっちゅを毒牙にかけたという話は、あたいの耳にも、入ってるぞ!」
我夢「ういっちゅ?」
雷牙「初殿のことですか? ですからあれは、誤解でして」
こより「誤解だと?」
我夢「はい、雷牙様はそのような無礼なことをするような、方ではありません」
こより「ならば、円佳を、泣かしたことは、どう弁解するつもりだ!」
雷牙「いや、これは?」
我夢「我々もよく、解らないのです…」
と言った次の瞬間、こよりは再び、どんぐりを雷牙に投げつけた。
こより「問答無用! 成敗っ!」
投げた一戸のどんぐりは、雷牙に当たる寸前。
ヒュン!?
何かがどんぐりに当たり刺さり、雷牙を守った。
こより「今のは、一体? あ、あれは! 苦無!?」
どんぐりに刺さったのは、忍者の武器に使われる、苦無。苦無がどんぐりに刺さり、雷牙を守った。
こより「一体、なぜ、苦無が飛んできたんだ?」
なでしこ「雷牙様には、指一本、触れさせないっすよ♪」
そこに現れたのは、苦無を手に持ち、クルクルと回して、得意げな笑みを浮かべ颯爽と現れたのは。
こより「お、お前は!?」
なでしこ「……」
こより「春野なでしこ、春野なでしこではないか!? どうしてここに!?」
なでしこ「私は雷牙様の忍び、それに、我夢さん同様、雷牙様の身の危険を察知したので、我夢さんと走くんと一緒に来たんだにゃ」
なでしこは、雷牙と円佳の元へと走って行った。
こより「猿飛走もか?」
走「あ…あ…」
こより「は!?」
走は姿を見せずに、こよりの背後に近づき、羽交い絞めにして、首元に苦無の刃を突きつけた。
こより「き、貴様!?」
走「否…」
円佳「こよりちゃん!?」
こより「き」
走「……」
こより「き、貴様、何の真似だ、これは!?」
走「否…お前…我が主…傷つけた…我…許さない…」
走はさっきよりも、苦無の刃をこよりの首に突き付けた。
こより「や、や、やめろ!?」
走「否…」
雷牙「走!」
走「やめろ、こより殿を離すんだ」
走「否…しかし…」
円佳「お願いします、猿飛さん、こよりちゃんを離して」
走「神本…」
2人に言われた走は、こよりを離すのだが、それにも関わらず、こよりは再び、雷牙をどんぐりで攻撃した。
こより「問答無用だ! 今度こそ、成敗っ!」
走「否…」
走今度こそ、こよりを苦無でやろうとした。
なでしこ(まずい、あの子、殺されちゃう!)
急いで止めようと、なでしこが走った次の瞬間。
円佳「やめて、こよりちゃん!」
円佳が雷牙の前に出てかばった。
円佳「らいがさんに、酷いこと、しないで!」
こより「円佳…」
雷牙「円佳殿…」
こより「…真田雷牙! 円佳に免じて、今は引いてやる!」
我夢「それ、あなたが、言える立場ですかね?」
こより「だが、円佳を、泣かせるような、事をしたら、次は容赦せんからな!」
走(また…)
なでしこ(あの子、我夢さんの言う事)
我夢(無視された)
こより「どろん」
一同「……?」
こより「……」
どろんと言ったままこよりは、忍者ポーズをとったまま動かなくなった。
それを見た一同は不思議な表情をしたまま動かなくなった。
こより「こらー! 「どろん」って、言ったらしゃがんで、目をつぶるのが、お約束だぞ! 姿を消せん、だろーが!!」
雷牙「あ…確かに」
我夢「いや、いや、そんな」
なでしこ「ちびっ子、ローカルルール、持ち出されても…?」
走「困る…」
雷牙「そうだ」
円佳とこより「!」
雷牙「走!」
走「!」
雷牙「なでしこ!」
なでしこ「!」
雷牙「そなたたち、こより殿に本物を、見せてあげなさい」
走「は!」
なでしこ「了解っす」
円佳とこより「本物?」
雷牙に言われ、走となでしこの二人は両手でポーズを撮ったまま動かなくなった。
こより「おい、真田雷牙」
雷牙「!」
こより「一体何を?」
円佳「するつもりですか?」
雷牙「見ていれば」
我夢「分かります」
そして。
走となでしこ「消え身の術」
煙幕と共に走となでしこが目の前から姿を消した。それをまじかで見ていた。円佳とこよりは。
こより「何!?」
円佳「そ!?」
こより「そんな、バカな、一体何が起こったというのだ!?」
次の瞬間。
なでしこ「何が、起きたって」
ポン
こより「!」
ポン
走「これが…」
ポン
円佳「!」
ポン
なでしこ「本物の」
ポン
こより「!」
ポン
なでしこ「消え身の」
ポン
円佳「!」
ポン
走「術…!」
ポン
と走となでしこは、こより、雷牙の所を消え身の術で、行ったり来たりしていた。それを見た、円佳とこよりは目を丸くして黙り込むのだった。
雷牙「どうでしたか、本物の消え身の術を見た気分は?」
しばらくして、こよりの口が開いた。
こより「とにかく、目を閉じろ!」
円佳の口も開いた。
円佳「らいがさん、皆さん」
円佳に言われ、その場にいた全員、しゃがみ目を閉じるのだった。
そのすきに、こよりは木から降りて木霊神社の石段を下がり去って行った。
それからしばらくして。
初「円佳ちゃ~ん、来たよ~、ライく~ん、我夢く~ん、なでしこちゃ~ん」
こよりが去ると同時に、初、伊吹、かさね、楓、そして大吾がやって来た。
大吾「おーい、兄弟」
かさね「先輩」
伊吹「さっき、こよりとすれ違ったけど?」
初「どうかしたの?」
楓「……」
雷牙「いや、それが」
我夢「……」
走「……」
なでしこ「かくかくしかじか」
楓「ありまして」
一同「?」
初「ねぇ、ねぇ、それより、おはぎまだある?」
円佳「はい、このとうり」
おはぎの入った重箱を、初たちに見せた。
大吾「おー!」
かさね「これは!」
伊吹「お!」
初「美味しそう、これ、ライくんが作ったってホント!?」
雷牙「え?」
我夢「はい、私が、雷牙様に頼まれ北海道、十勝から取り寄せた、ふくよかな極上小豆で雷牙様が、私が作った、おはぎです」
一同「えー!」
かさね「わざわざ、北海道から取り寄せたのですか!」
雷牙「はい」
我夢「ええ」
雷牙「どうせ作るのであれば、質のいい小豆で、おはぎを作りたかったからです」
伊吹「うわぁー!」
大吾「よくそんなことできたな! 兄弟、我夢!」
雷牙「はい」
我夢「はい、ええ、まあ」
雷牙「どうして、ここに、初殿たちが?」
我夢「私にも?」
円佳「私が呼んだのです、どうせなら、みんなで食べたほうが、美味しかと思った、ダメでしたでしょうか?」
雷牙「いえ、そんなことありませんよ、みんなで食べたほうが、もっと美味しくなりますからね、そうだろ、我夢、走、なでしこ」
我夢「はい」
走「……(ペコリ)」
なでしこ「そのとうりっすよ、神本先輩」
円佳「ありがとうございます、えーと?」
なでしこ「あー、ご紹介が、遅れてましたね、あたしは、雷牙様の一番の忍び・春野なでしこっす、これからろしくっす、神本先輩」
円佳「あ、はい、私のことは、らいがさんと同じで、円佳でいいですよ、春野さん」
なでしこ「なら、私のことも、なでしこでいいっすよ、円佳ちゃん、先輩ですから」
円佳「あ、はい、は、いや、なでしこちゃん」
我夢「それなら」
円佳「!」
我夢「私や、七海、楓の事も、そう呼んでいいですよ」
円佳「え?」
我夢「構わないな、2人とも」
七海「私は別に」
楓「いいですよ、ああ、私も紹介が遅れましたね、私は、我夢兄さん、七海兄さんの従妹で、こちらの」
走「……」
楓「猿飛走様の婚約者で、真田家のメイドをやっております、月村楓と言います、これからよろしくお願いします」
軽くお辞儀したと同時に、また、楓の豊かな胸が、ポヨン、と揺れ、それを見た、心の中で思っていた。
初(うわぁー、噂どうりすごい美人、それに胸! 私よりも大きい)
楓「どうかしましたか?」
円佳「い、いえ、何でもありません、それなら、私も円佳でいいですよ、楓ちゃん、我夢さん、七海さん」
楓「はい、円佳ちゃん」
海野兄弟「こちらこそ、円佳様」
それぞれ挨拶が終わり、海野兄弟以外全員、雷牙が作ったおはぎを食べ始めた。
初「美味しい、ライくん、このおはぎ!」
伊吹「これ、本当にあんたが作ったの!」
雷牙「はい、本当に美味しいですか!」
かさね「なんで、こんな美味しいおはぎを、まずいって噓を、言わなくちゃいわないんですか?」
大吾「ああ、本当に美味しいぜ、兄弟!」
雷牙「それは、光栄です作ったかいがありました」
なでしこ「それでは、あたしたちも、走くん」
走「……(ペコリ)」
なでしこと走の二人が、おはぎを食べようと重箱を見たが。
なでしこ「あれ?」
走「?」
雷牙「どうした、二人とも!?」
二つの重箱、両方にもおはぎは一個も入っていなかった。
我夢「これは一体、どいう!?」
雷牙「は!」
雷牙は気づいた、誰が重箱に入ってあった残りのおはぎを、だれが食べたかを。
雷牙「初殿!」
初「もぐもぐ、ん?」
初の口元は、あんこでいっぱいだった、そんな彼女を見た、伊吹はハンカチを出して、口元をふいた。
伊吹「ほら、口にいっぱい付いてるわよ、初!」
初「!」
伊吹「ほら、動かない」
雷牙「まあ、良いか、二人」
走「……(ペコリ)」
なでしこ「えー、久々に雷牙様のおはぎが食べられると思っていたのに~」
雷牙「まあ、まあ、よろづよにまだある、帰ったら、食べればよい」
走「!」
なでしこ「マジっすか、やったー!」
飛び跳ねたなでしこ、それを見た円佳は心の中で思っていた。
円佳(なでしこちゃんって、同じ日本人でも、私や楓ちゃん、つむぎ先輩や陽菜先輩とは、全然違うタイプ、お人形さんみたい、スタイルもいわゆるモデル体型… 肌も真っ白で、妖精みたいな…)
我夢「さて、雷牙様」
雷牙「!」
我夢「お昼の時間になりすますので、そろそろ」
雷牙「ああ、そうだな」
我夢「それでは、皆様、我々はお昼になりましたのでこれで」
なでしこ「失礼します」
走「……(ペコリ)」
雷牙「また、学校でお会いしましょう」
そう言って雷牙たちは、木霊神社を後に去って行った。
そしてその頃、よろづよでは、日向、千歌、つむぎの3人は、雷牙の作ったおはぎを、七海の入れたお茶と共に食べている真っ最中だった。
千歌「もぐもぐ、ん! 美味し、美味しいわ、このおはぎ」
つむぎ「はい、この絶妙な、甘味の加減と、なめらかな、舌触りは一体…!?」
日向「はい、毎度ながら、我が弟ながら、大変美味です、お前もそう思うだろ、七海」
七海「はい」
千歌「雷牙くんって、一体どこで、料理を習ったの?」
つむぎ「私も、良かったら教えて、日向さん?」
日向「それは」
七海「私と兄は、幼いころから、日向様、雷牙様と共にあらゆることに精通するよう勉強してきた結果、基本何でもこなすようになったのです、その中には料理も」
千歌「それじゃ、日向くんも料理作れるのかしら?」
日向「ええ、いいですよ♪」
千歌「それなら、今度、作ってもらおうかしら、お手並み拝見?」
日向「はい、構いませんよ、いつもお世話になっている、お礼として、私の手料理を」
七海「!」
千歌「ええ、楽しみにしているわ♪」
七海「そ、それは」
つむぎ「その時は、私も呼んでくださいね、女将、日向さん」
日向「はい」
七海「はぁー」
七海がため息、すると同時に。
雷牙「ただ今戻りました、兄さ~ん千歌殿、むぎ姉さん」
走「ただ…いま…」
我夢「ただ今戻りました、楓」
楓「はい」
我夢「今から、昼食を作る、お前も手伝え」
楓「はい、わかりました」
我夢「七海、昼食を作る、お前も手伝え」
七海「……」
千歌「なら、お願いするわ、私とつむぎは、仕事に戻るけど、いいわね」
日向「はい」
七海「無論、お二人の分を作っておきます」
千歌「なら、お願いするわ、行きましょ、つむぎ」
つむぎ「ええ、女将」
2人は旧館を後にして新館へと向かった。
そして、時はあっという間に過ぎ、つむぎは自分の家につくのだった。手に風呂敷に包まれた重箱らしき物と共に。
つむぎ「ただいま~」
こより「お帰りなのだ、むぎ姉」
かさね「お帰り~」
こより「ん、むぎ姉?」
つむぎ「ん?」
こより「何なのだ、その風呂敷は?」
かさね「何々?」
つむぎ「ああ、これね、こよりちゃんにお土産よ」
こより「私にか、やったー」
かさね「えー、ずるい~、むぎ姉、私には、私にはお土産内の?」
つむぎ「私のもって、これ」
と言っている間に、こよりは風呂敷を開けると、中には一個の一個の重箱があった、そして、中身は。
こより「お!」
かさね「おはぎ!」
そう、おはぎが5個入ってあった
つむぎ「ええ、雷牙さんがこより殿にって渡してくれたの」
そして、こよりは黙って、おはぎを食べるのだった。
こより「ん! まあ、まあ、だな」
つづく