第15話・ペロペロ
昼休み、1人の女子生徒は、スマホの画面を見ながら何かを見たまま歩いていた。
陽菜「……」
そして、雷牙は我夢と共にお手洗いを済ませ、2年の教室に戻るところであった。
雷牙「さて、手を洗ったところで、昼食にするか、我夢」
我夢「は、さっそく、弁当を持ってまいります。雷牙様は先に教室にお戻りください」
そう言い残し、我夢は行ってしまった、それに合わせるかのように、大吾が現れた、小さな紙袋を手に持って。
大吾「よう、兄弟!」
雷牙「大吾殿、また、購買でパンを買ったのですか?」
大吾「ちょうどよかった、俺、しょんべんしてくるから、これ」
大吾は紙袋を、雷牙に向かって投げ男子トイレに入り、雷牙はそれをチャッチするため後ろに下がるが。
雷牙「あ!」
陽菜「あ!」
そこを通りかかった、女子生徒にぶつかってしまい、女子生徒は手に持っていたスマホを落としてしまい、お互い倒れてしまうのだった。
雷牙「い、いててて、は!」
人に当たったことに気づいた雷牙は急いで立ち上がった。
雷牙「ご、ごめんなさい、お怪我はありませんか!? すみません、よそみしていたもので」
そう言って、頭を下げた。
陽菜「いや、私こそ、ごめん、私もよそ見していたから、お互い様、それに」
雷牙「……」
陽菜「スマホも、無事だから、問題ないから」
女子生徒も立ち上り、落としたスマホを拾った。
陽菜「だから、気にしないで!」
雷牙「……?」
女子生徒は呆然としていた、それもそのはず、ひときわ身長が大きい男子が、前にいるのだから。
陽菜「君、身長いくつ?」
雷牙「え、身長ですか、185㎝です?」
陽菜「185㎝!?(私より、10㎝大きいこの子! 真田と海野と少し同じ、身長!)」
雷牙「あの?(よく見たら、この人の身長、なでしこと同じ175㎝ぐらいある!)」
陽菜「……」
雷牙「本当に、大丈夫ですか?」
陽菜「は!」
雷牙「どこか具合が悪いのなら、保健室に行った方が、よろしいかと?」
陽菜「大丈夫、心配いらない」
雷牙「そうですか、ん?」
陽菜「何?」
雷牙「ジー」
陽菜「ん?」
女子生徒を、ジーと見つめる雷牙
雷牙「可愛いですね♪」
陽菜「ん、からかわないで!」
雷牙「え、別にからかったつもりで言ったのでは」
雷牙の話しを聞かずに、女子生徒は機嫌悪そうに去った。
そして、それに合わせるかのように、大吾が男子トイレから出てきた。
大吾「お、またせ~、ん、どうした、兄弟?」
雷牙「ん?」
大吾「あれって、酒井先輩じゃん?」
雷牙「知っているのですか、大吾殿?」
大吾「知っているの何も」
そう言って大吾は、雷牙の首を絞め始めた。
雷牙「い、て、てて?」
大吾「3年の酒井陽菜と言えば、山比古町一の老店・酒井酒店の一人娘にして、つむぎさんと並ぶ、ヒコナンの2大ヴィーナスじゃねぇか!」
雷牙「2大ヴィーナスですか?」
大吾「つむぎさんがあったかふんわりお姉さんタイプなら、酒井先輩は対照的なクールビューティ、モデル並みの長身とその冷たいまなざしから、男子からは叱られたい先輩ナンバーワンとして、女子からは、バレンタインのチョコを受け取ってほしい同性第1位として、憧れられているんだぜ」
それを聞くと雷牙は、酒井陽菜が降りていった、階段を見つめていた。
雷牙「そうですか(3年と言うことは、兄さんと同じ学年)
そして、あっという間に時は過ぎ、夜、雷牙達はよろづよで夕食を食べていた。
雷牙「兄さん」
日向「ん、なんだ、雷牙?」
雷牙「酒井陽菜殿の事知っていますか? 七海も」
日向「酒井陽菜殿、知っている、私と同じ学年のクラスメイト」
七海「……(ペコリ)」
雷牙「はい、大吾殿の話だと、むぎ姉さんと並ぶ、ヒコナンの2大ヴィーナスと言われているみたいです」
なでしこ「あー、その話なら、私達も、中等部で聞いたっす、ねぇ、楓ちゃん!」
楓「ええ、なんでも、比古町一の老店・酒井酒店の一人娘にして、つむぎ様と並ぶ、ヒコナンの2大ヴィーナスとか?」
我夢「はい、つむぎ様があったかふんわりお姉さんタイプなら、酒井様は対照的なクールビューティ、モデル並みの長身とその冷たいまなざしから、男子からは叱られたい先輩ナンバーワンとして」
七海「女子からは、バレンタインのチョコを受け取ってほしい同性第1位として、憧れられているみたいですね」
日向「ああ、らしいな、だが」
一同「……」
日向「それとは対照的に、酒井殿は私に親切だったぞ」
雷牙「そうでしたか」
夕食を食べ終わると、雷牙は分厚い一切れの肉と5本の哺乳瓶を持って、自室に戻って来た、小虎たちに授乳させるため。
雷牙「白炎、子虎たち、夕食持ってきた、ぞ?」
雷牙が自室に入ると、白炎はぐっすり寝ていたが、5匹の子虎たちの姿はなかった。
雷牙「白炎起きろ!」
白炎「が?」
目を覚ました白炎。
雷牙「子虎たちは?」
白炎「がぅ?」
雷牙と白炎の一人の一匹は子虎たちを探し始めたころ、よろづよの新館の玄関では、酒瓶を乗せた原付がやって来た。
そして、それに乗って来たのは。
陽菜「はー」
夕食の時にみんなが話していた、酒井陽菜であった。
陽菜「よいしょと、ん?」
酒瓶が入った、ボトルクレートを持って、玄関に入って行った。
すると、そこにいたのは?
小虎達「みゃー」
陽菜「ん!?」
小虎達が、楽しそうにじゃれあっていた姿だった。
陽菜「何この子たち?」
小虎達「みゃ?」
陽菜「ん?」
小虎達「みゃー」
陽菜「!?」
子虎達は、一斉に陽菜に飛び掛かり陽菜はバランスを崩し倒れてしまった。
そして、小虎達を探していた、雷牙と白炎は新館の玄関に向かっていた。
雷牙「小虎達、出てきなさーい!」
白炎「がぅー」
陽菜「ちょっと」
雷牙と白炎「?」
陽菜「くすぐったい」
雷牙と白炎が、新館の玄関につくとそこにいたのは。
陽菜「もう、くすぐったいから、やめて❤」
子虎1「みゃー♪」
子虎3「にゃー♪」
子虎2「みゃ♪」
玄関で倒れ、子虎達に顔をペロペロ舐められ、嬉しそうに喜んでいる陽菜の姿だった。
子虎5「にゃ♪」
子虎4「みゃう♪」
陽菜「やめて、もー❤ は!」
雷牙と白炎「……」
2人の気配に気づいた、陽菜は子虎達を払い急いで立ち上がった。
雷牙「酒井殿?」
陽菜「き、君は、どうしてここに!? それに」
白炎「がぅ」
陽菜「うわ!? なんで、虎がしかも白い!?」
小虎達はすぐさま、白炎に向かって行き、じゃれ始めた。
小虎達「みゃー♪」
白炎「がぅ♪」
陽菜「…その子たちの親なの、その大きい虎、もとい、ホワイトタイガー?」
雷牙「はい、この小虎達は、白炎の子供です」
陽菜「白炎って名前なの? カッコイイ名前だね」
雷牙「ありがとうございます、良かったな、白炎」
白炎「がぅー♪」
陽菜「え!?」
喜ぶかのように、白炎も小虎達同様陽菜を押し倒し顔にペロペロ舐めた。
陽菜「なん、で、また?」
白炎「がぅー♪」
雷牙「カッコイイと、ほめたからですよ」
陽菜「そうなんだ、で?」
雷牙「?」
陽菜「話を戻すけど、どうして君がここにいるの?」
雷牙「え、それは?」
?「雷牙様」
陽菜「……?」
そこにあらわれたのは、
我夢「小虎達、見つかりましたか?」
雷牙の執事・我夢だった。
陽菜「七海!?」
我夢「七海、違います!」
陽菜「え、じゃ?」
日向「雷牙」
雷牙と陽菜「……!」
我夢「……」
また今度は、雷牙の兄・日向、それに。
七海「……」
我夢の双子の弟で、日向の執事・七海もあらわれた。
日向「ここにいたの、か!?」
陽菜「ひゅ!」
七海「これは、これは、陽菜様、お勤めご苦労様でございます」
軽くお辞儀をした。
陽菜「日向、それに」
海野兄弟「……」
陽菜「七海が二人、これって一体?」
我夢「だから、違いますって!」
陽菜「え!?」
七海「この者と一緒にしないでいただきたい!」
我夢「七海」
七海「……!」
我夢「仕方ないだろ、私とお前は、容姿、能力、戦い方、ほくろの位置までそっくりなのだから」
七海「フン!」
陽菜「それで、君は?」
我夢「あ!」
七海「……」
我夢「ご紹介が遅れました、私は、海野我夢、この」
七海「……」
我夢「海野七海の双子の兄です、以後お見知りおきを」
陽菜「ああ、双子、道理でそっくりだと思った!」
七海「……」
顔をそむけた。
陽菜「で?」
雷牙「……!」
陽菜「どうして、あなたが、ここにいるの?」
我夢「それは」
雷牙「我夢は、私の執事です」
陽菜「で、どうしてここに、君は一体?」
日向「……」
陽菜「君がここに、それに、日向も?」
雷牙「私たちは、ここ、よろづよに住まわせてもらっているのです、兄さんと一緒に」
陽菜「兄さん!?」
日向「ああ、そうだった、我夢と一緒で、紹介が遅れた、これが私の自慢の弟の雷牙です」
陽菜「らいが!?」
雷牙「真田雷牙です、兄さんとむぎ姉さん、それに、七海がいつもお世話になっています」
軽くお辞儀をした、それに対し、陽菜も。
陽菜「あ、いえ、こちらこそ、ご丁寧に、ん、むぎ姉さん?」
我夢「雷牙様とつむぎ様は、幼馴染なのです」
陽菜「そうだったの」
雷牙「はい」
陽菜「君が、日向の弟だったんだね、驚いたよ」
雷牙「それよりも」
陽菜「?」
雷牙「大丈夫でしたか、申し訳ございません、私の虎達が・・・。ほら、そなた達も」
白炎「がぅ」
小虎達「ニャウ」
雷牙と一緒に頭を下げた、白炎と小虎達。
陽菜「いや、別に、大丈夫、むしろ」
?「むしろなんっすか?」
陽菜「!?」
いきなり、陽菜の背後に誰かがいることに気づき、振り向くと、自分と同じ身長の女子が、なでしこがいた。
なでしこ「どうもー」
陽菜「うわ!?」
突然現れたので、陽菜は驚いて尻餅をついた。
陽菜「ビ、ビックリした!?」
なでしこ「あ、は、は、は、は、すみません、驚かせるつもりはなかったっすけど」
そう言いつつなでしこは、尻餅をついた、陽菜に手を差し伸べ、立ち上がらせた。
陽菜「君は一体、それに?」
そこに、走、楓、それに、グレンが現れた。
なでしこ「ありゃ?」
楓「皆様、玄関に揃って、どうしましたか?」
走「……」
陽菜「君たちは一体?」
雷牙「ここにいる全員、私の大事な家族です」
陽菜「家族?」
雷牙「はい、血のつながりはありませんが、私、いや、私達、真田にとって、彼らは家族同然なんです」
陽菜「そうなの?」
雷牙「はい」
なでしこ「ええ、では、申し遅れましたが」
陽菜「……」
なでしこ「あっしは、雷牙様に使える一番の忍び、春野なでしこっす、そして」
陽菜「春野なでしこ、あなた、身長いくつ?」
なでしこ「175㎝っす」
陽菜「175㎝(私と同じ!)」
なでしこ「ちなみに」
陽菜「?」
なでしこ「酒井さんは、何㎝あるんですか、見た感じ私と同じに見えますが?」
陽菜「うん、私も、あなたと同じ、175㎝」
雷牙「やはりそうでしたか、道理で同じ背丈」
陽菜「ん……!」
雷牙「……?」
なでしこ「そんで」
陽菜「……」
なでしこ「こっちは、後輩の忍び、猿飛走くん」
走「……(ペコリ)」
陽菜「知ってる、君、商店街に出た熊を山に帰したって、それ、本当?」
走「……(ペコリ)」
楓「本当ですよ、走様は動物の心の声を聞くことができるのです」
陽菜「動物の、声を?」
楓「はい、それで、熊をなだめることができたのです。」
陽菜「あなたは?」
楓「私は、月村楓です、走様の婚約者です」
陽菜「婚約者!?」
楓「よろしくお願いいたします」
軽くお辞儀したと同時に、楓の豊かな胸が、ポヨン、と揺れ、それを見た、陽菜は心の中で思っていた。
陽菜(す、すごい、噂には、聞いてたけど、私やつむぎ、円佳よりも、大きい、この子!)
なでしこ「後」
陽菜「……?」
なでしこ「走くんは、こう見えても、獣医なんっすよ」
陽菜「うん、それも、知ってる、かさねタイムズで見た」
なでしこ「うんで」
陽菜「……」
なでしこ「最後に控えしは、医者兼整体師兼心理カウンセラーで、走くんのライバル、霧隠グレンちゃん」
グレン「霧隠グレンです。よろしく」
陽菜「(霧隠、確か?)君、女の子だよね?」
グレン「ああ、俺は女だ! れっきとした」
陽菜「どうして、男の、格好を?」
日向「それよりも」
陽菜「……?」
日向「陽菜殿、仕事しなくっていいのですか?」
陽菜「あ!」
陽菜は慌てて、原付に乗り、よろづよを後にした。
雷牙「酒井殿?」
ふと、雷牙は、小虎達が陽菜の顔にペロペロ舐め回していたことを思い返していた。
回想
陽菜「もう、くすぐったいから、やめて❤」
子虎1「みゃー♪」
子虎3「にゃー♪」
子虎2「みゃ♪」
玄関で倒れ、子虎達に顔をペロペロ舐められ、嬉しそうに喜んでいる陽菜の姿だった。
子虎5「にゃ♪」
子虎4「みゃう♪」
陽菜「やめて、もー❤ は!」
回想終わり。
雷牙「あ、もしかして、酒井殿?」
日向「雷牙?」
そして、次の日の昼休み、生徒たちは昼食に入るところだった。
七海「それでは、日向様、私はお弁当を持ってきますので、少々お待ちください」
日向「ああ」
そう言って、七海は教室を出て、弁当を取りに行った。
それに合わせるかのように、陽菜も教室を出て行くところを、
雷牙「兄さん」
我夢「……」
陽菜「あ!」
雷牙「あ!」
我夢「……!」
雷牙と我夢が来て、ぶつかりそうになり、出入り口を塞いでしまった。
雷牙「す、すみませんでした、酒井殿!」
我夢「おけがは、ありませんか?」
陽菜「うん、大丈夫、それより?」
つむぎ「何しに来たのかしら、3年の教室に来るなんて珍しいわね?」
雷牙と我夢が来ると、3年生たちは、ひそひそ話をし始めた。
男子Y「あれが?」
男子M「ああ、真田の弟らしいぜ?」
男子B「兄弟そろって、高身長だな!」
女子G「それに、兄弟そろって、イケメン!」
女子Ⅴ「確か、弟くんの方は185㎝で、兄が188㎝らしいわよ?」
女子L「マジ!? 私、告っちゃおうかしら?」
女子F「それはそうと」
我夢「……」
女子Ⅴ「海野くん、帰って来るの早くない、それに、お弁当持って来てなくない?」
我夢「私は、雷牙様の執事・海野我夢でございます!」
男子B「海野我夢?」
男子Ⅴ「七海じゃないのか?」
日向「我夢は七海の双子の兄で、七海は弟なんです」
女子Ⅴ「双子、道理で!」
女子C「それにしても?」
我夢「……?」
女子C「見れば見るほど、弟さんとそっくりね、君!」
雷牙「ええ、我夢と」
日向「七海は」
雷牙「容姿」
日向「能力」
雷牙「戦い方」
日向「ほくろの位置までそっくりなのです」
男子M「マジかよ!」
日向「はい」
雷牙「本当です」
女子C「容姿はともかく?」
女子Ⅴ「能力、戦い方、ほくろの位置までそっくりなんて!?」
陽菜「信じられない?」
我夢「私たち、兄弟のことより」
3年生たち「……」
我夢「雷牙様」
雷牙「……?」
我夢「酒井様に、お弁当を届けに来たのでしょう、雷牙様は。」
雷牙「あ、そうだった」
雷牙が左手を前に差し出したのは、
陽菜「それって?」
雷牙「……」
つむぎ「お弁当かしら?」
風呂敷に包まれた、お弁当だった。
我夢「はい、雷牙様手作りの弁当でございます」
陽菜「手作り!」
雷牙「はい、昨日のお詫びに、って思って」
陽菜「お詫び?」
雷牙「昨日、仕事中に引き止めてしまったお詫びに、これを!」
陽菜「いや、別に、支障はなかったから、いい、気にしなくて」
雷牙「いえ、これは、私の気持ちです。受け取ってください!」
陽菜「でも、それだと、君の食べる分が」
我夢「その心配は、無用ですよ、酒井様」
陽菜「……?」
そう言って、我夢はどこからともなく、雷牙のお弁当を出した、それを見た、日向以外の3年生は驚いていた。
つむぎ「それが、雷牙さんのお弁当!?」
雷牙「はい」
陽菜「それ、全部!?」
雷牙「はい」
それを聞いて、また、3年生は驚いた。
男子P「おい、中津川よりも、お弁当の数が多いぞ、真田の弟!」
女子K「ええ、確かに多いわね!」
雷牙「ともかく!」
3年生「……!」
雷牙「この、お弁当、食べてみてください、お願いします!」
そう言って、頭を下げる雷牙に対し陽菜は仕方なく、お弁当を受け取り開けてみると中身は。
3年生「おー!」
陽菜「これは!」
つむぎ「凄い! これ、本当に雷牙さんが作ったの、この、デコ弁?」
デコ弁、しかも、女子が好きそうな色どりであった。
雷牙「さあ、食べてみてください」
陽菜「でも」
雷牙「ん?」
陽菜「可愛くて、食べるの、もったいない」
雷牙「いいから、いいから、食べてみてください、お願いします」
雷牙は陽菜を説得して、陽菜は試しに一口食べてみた、すると。
陽菜「美味しい!」
3年生「……!」
陽菜「味もだけど、お弁当の見栄えもいい!」
つむぎ「確かに!」
雷牙「あの」
つむぎ「?」
雷牙もどこからともなく、お弁当一つをつむぎに渡した。
つむぎ「え!?」
雷牙「作りすぎたので、良かったら、むぎ姉さんも食べてみてください」
男子P「む?」
男子B「ぎ?」
男子たち「姉さん?」
そんなこんなで、昼休みが終わり、放課後になった。雷牙達は、初達と別れ、帰る途中、つむぎと陽菜にでくわし、二人は雷牙からもらった、お弁当箱を返した。
陽菜「ごちそうさまでした」
つむぎ「とても美味しかったわよ、雷牙さん」
日向「喜んでもらってよかったな、雷牙」
雷牙「はい、あ、そうだ、酒井殿」
陽菜「ん?」
雷牙「ちょっと、この後、よろしいでしょうか?」
陽菜「家の仕事があるから、時間がかからなければ、いい」
雷牙「ええ、そんなに時間はかかりません」
こうして、雷牙達は、よろづよへと着き、つむぎと別れ、雷牙は我夢たちを残して、陽菜を案内した。
陽菜「一体、どこに連れていくつもり?」
雷牙「行けばわかります、きっと、酒井殿が、喜ぶこと間違いありません」
陽菜「ん?」
雷牙が足を止めると、陽菜も足を止めた。
そして、雷牙は前にある襖をあけた。すると、そこにいたのは、走が三郎に連れてこさせた動物達、その中には、雷牙の白炎と小虎達もいた。それを見てすぐさま、陽菜は飛びつき、すりすり、なでなで、し始めた。
陽菜「かわいい…っ」
動物達も嬉しそうに、陽菜にじゃれあっていた。
雷牙「やっぱり、酒井殿、あなた!」
陽菜「!?」
雷牙「可愛いものが、好きなのですね」
陽菜「いや、これは!」
雷牙「別に、誰かに話すつもりはありません、私たちは。そうだろ、我夢」
我夢「はい、ご心配なく、酒井様」
陽菜「…… なら、いいけど」
我夢「雷牙様」
陽菜「……!」
雷牙「持って来てくれたか」
我夢がお盆に乗せて持って来てくれたのは、小虎達に授乳させるための哺乳瓶、五頭分その一本を、陽菜に差し向けた雷牙。
陽菜「これは?」
雷牙「見ればわかるでしょ、哺乳瓶ですよ、小虎達に授乳させる、やってみませんか?」
陽菜「いいの?」
雷牙「はい」
陽菜は嬉しそうに、小虎達に授乳させるのだった。
つづく