星空へ架かる橋2   作:真田信之

23 / 24
第23話・元人気女演歌歌手は、元極道

とある日、よろづよの玄関に長い槍を手にして笠をかぶって、着物を着た高身長の黒髪ロングヘアーの女の姿があった。

鎌子「頼もう!」

旅館の中から女将の千歌が出てきて、その女の前に現れた。

千歌「ようこそ、よろづよ、へ!」

鎌子「拙者は」

千歌「あ、あなたは!?」

鎌子「……」

その頃、雷牙達は帰りのHRをしていた。

南国原先生「それじゃ、今日のHRは、ここまで、全員、宿題を忘れずに、特に!」

大吾「わかっているよ、お袋!」

南国原先生「学校では、先生と呼ばんか! 日直」

伊吹「起立、礼」

こうして、帰りのHRが終わり、雷牙達は、なでしこ、楓、かさねと共に登校した。

初「グレンちゃん」

グレン「何だ、中津川?」

初「初で、いいよ、グレンちゃん」

グレン「わかった、じゃ、初」

初「昨日、どこに行って来たの?」

グレン「春日部市、緊急のオペで、行って来たんだ」

初「ふーん、それで、走くんと楓ちゃんは」

走「…我と…楓…」

楓「動物園で、診察です」

と雷牙達が楽しくおしゃべりする中

鎌子「……」

初達「……?」

さきほどよろづよに現れた、長い槍を手にして笠をかぶって、着物を着た高身長の黒髪ロングヘアーの女が出てきて、雷牙達の前に仁王立ちで立ちふさがった。

初「ん?」

伊吹「あなたは?」

つむぎ「どちら様、でしょうか?」

かさね(また!)

大吾(高身長だな、190㎝以上あるぞ! それに)

ポヨン。

初達(胸デカ!)

そして、その女は、かぶっていた笠を上に投げ、初たちはその素顔を見た。女は少し腰をかがめて、右手を前に、左手を腰のうしろにポーズをとり、名乗り始めた。

鎌子「お控えなすって!!!」

初達「!?」

鎌子「手前、生国と発しますは、東京歌舞伎町、この度、よろづよでお世話になります、雷牙十勇士の一人」

初達「?」

鎌子「由利鎌子!!!」

大吾「ウソだろ」

鎌子「以後面体、お見知り、おきの上」

かさね「あの人?」

つむぎ「かさねちゃん?」

かさね「どこかで?」

鎌子「よろしく、お頼み、申します!!!」

雷牙「……」

鎌子「わっはっはっ!! ただいま参りましたぞ、お館様」

初達「お館様!?」

雷牙「鎌子~~!!!」

初達「鎌子!?」

雷牙、我夢、なでしこ、走、楓、グレンは、高身長の女性のもとに駆け寄って来た。

初「ライくん、その人って?」

雷牙「ああ、改めて紹介します、こちらは、十勇士の一人で、由利鎌子です」

鎌子「拙者、由利鎌子、よろしく頼む」

大吾「拙者って?」

軽くお辞儀したと同時に、鎌子の豊かな胸が、ポヨン、と揺れ、それを見た、雷牙、日向、海野兄弟、なでしこ、走、グレン以外は驚いた表情を見せ、それぞれ心の中で思っていた。

初(うわぁー、すごい。大和撫子ってやつかな? 着物がよく似合う、それに)

ポヨン

初(この人も、胸、大きいな~!)

伊吹(楓ちゃん、グレンより!)

大吾(大きいぜ!)

かさね(バストサイズは、この前、来た、三好兄妹の不二子さんに負けず劣らず)

つむぎ(すごいわ、私や陽菜ちゃん、円佳ちゃんよりも、大きいわ!)

かさね(いや、それより、由利鎌子、ゆり、かまこ、ん? 鎌!)

かさねはスマホを取出し、検索した。

つむぎ「かさねちゃん?」

かさね「やっぱり!」

そう言うと、かさねは初達にスマホの画面を見せた、そこに、写っていたのは。

伊吹「こ!」

鎌子「……」

伊吹「この人って!?」

そこに移っていたのは、歌手として有名になったが突然引退し、今なお、人気を博している、鎌由利という名前で歌っていた、鎌子の画像だった。

かさね「どこかで見た人だな思ったら、あなた! 演歌歌手を親に持つ、芸能一家に生まれた、数年前に突然引退した、伝説の演歌歌手・鎌由利」

大吾「あ、俺も思い出したぜ、鎌由利、俺っちのお袋、大ファンだぜ、あれ? さっき、由利鎌子って?」

グレン「鎌由利は、芸名、本名は、由利鎌子」

初「芸名か~」

伊吹「でも、どうしてそんな、伝説の演歌歌手が、こいつの下についているのよ? 売れていたのにかかわらず?」

かさね「そうです、もったいないですよ、どうして引退したんですか?」

鎌子「飽きたからじゃ」

かさね「飽きたからってそんな!?」

大吾「ガキじゃあるまいし、そんなわけ」

鎌子「……」

雷牙達「……」

大吾「マジかよ!?」

かさね「本当にもったいない」

そんな、一同が鎌子に注目する中、

太郎入道「……」

鎌子「……」

太郎入道が現れた。

雷牙「太郎」

太郎入道「……」

雷牙「入道? は! 皆さん、頭を下げて!」

初達「!?」

雷牙に言われ、日向、海野兄弟、初、伊吹、大吾、かさね、つむぎ、楓は頭を下げ、なでしこ、走、グレンは大きくジャンプして、近くの木の枝にとまった。

すると、鎌子の背後から金棒が投げつけられた。

雷牙「金棒? まさか?」

不二子「……」

楓「不二子様!?」

不二子が投げたのだ。サッと身を交わして、鎌子が金棒をよけると、金棒はさらにその先に居た兄、太郎入道の顔に当たり、倒れた。

かさね「きゃー!」

つむぎ「大丈夫ですか!?」

そう言いつつ、つむぎが太郎入道の元駆け寄って来た。しかし。

太郎入道「うっ! 不二子、おどれ何さらしとんじゃあ!」

すぐ立ち上がった。

不二子「ひい~、兄じゃ~、すまん」

そう言いながら、三好兄妹は鎌子の方へ向かって走って行く。二人して鎌子の腕を試そうとしているのだ。

鎌子「荒々しい歓迎でござるな」

鎌子はそう言うと、槍を巧みに操って、太郎入道と不二子の金棒をはね返した。そして、槍をクルクルと回しながら、その先を二人の首元に突きつける。前に走が追い詰められた時とまったく同じシチュエーションだ。

太郎入道「またかいな~」

不二子「兄じゃ~…」

太郎入道が再び不二子を ろうとしたその時、二人の金棒が上から落ちてきた。タイミングを計算し尽くした鎌子の仕業だ。二人は鎌子の見事な槍さばきに改めて舌を巻いた。

それは、初達も同じだった。

初「今のって!?」

伊吹「やっぱり」

大吾「只者じゃ、ないみたいだな」

かさね「あの人も?」

グレン「腕は落ちてないみたいだな」

グレンの声だ、いつの間に家の屋根の軒先に腰掛けて、鎌子の立ち回りを眺めてたのだ。

かさね「ねぇ、お兄さん?」

雷牙「ん?」

かさね「あのー」

鎌子「ん?」

かさね「鎌子さんって、これまで何をしていたんですか? 演歌歌手になる前」

大吾「かさねっち、それ、聞いちゃう」

鎌子「なる前は、拙者、極道で、若頭をしていた」

鎌子は、元極道で、ナンバー2・若頭だった。

初「えー! 極道って!? あのヤクザとかマフィアとかの怖い人たちのことだよねー!?」

大吾「しかも、その若で、年齢は?」

かさね「確か、引退したのは、数年前ですよね、その若さで」

鎌子「いかにも」

つむぎ「若頭って?」

なでしこ「極道で、言うところの、ナンバー・2っす!」

いつの間にかなでしこも屋根に上がっていた。

             つづく

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。