とある日、よろづよの玄関に長い槍を手にして笠をかぶって、着物を着た高身長の黒髪ロングヘアーの女の姿があった。
鎌子「頼もう!」
旅館の中から女将の千歌が出てきて、その女の前に現れた。
千歌「ようこそ、よろづよ、へ!」
鎌子「拙者は」
千歌「あ、あなたは!?」
鎌子「……」
その頃、雷牙達は帰りのHRをしていた。
南国原先生「それじゃ、今日のHRは、ここまで、全員、宿題を忘れずに、特に!」
大吾「わかっているよ、お袋!」
南国原先生「学校では、先生と呼ばんか! 日直」
伊吹「起立、礼」
こうして、帰りのHRが終わり、雷牙達は、なでしこ、楓、かさねと共に登校した。
初「グレンちゃん」
グレン「何だ、中津川?」
初「初で、いいよ、グレンちゃん」
グレン「わかった、じゃ、初」
初「昨日、どこに行って来たの?」
グレン「春日部市、緊急のオペで、行って来たんだ」
初「ふーん、それで、走くんと楓ちゃんは」
走「…我と…楓…」
楓「動物園で、診察です」
と雷牙達が楽しくおしゃべりする中
鎌子「……」
初達「……?」
さきほどよろづよに現れた、長い槍を手にして笠をかぶって、着物を着た高身長の黒髪ロングヘアーの女が出てきて、雷牙達の前に仁王立ちで立ちふさがった。
初「ん?」
伊吹「あなたは?」
つむぎ「どちら様、でしょうか?」
かさね(また!)
大吾(高身長だな、190㎝以上あるぞ! それに)
ポヨン。
初達(胸デカ!)
そして、その女は、かぶっていた笠を上に投げ、初たちはその素顔を見た。女は少し腰をかがめて、右手を前に、左手を腰のうしろにポーズをとり、名乗り始めた。
鎌子「お控えなすって!!!」
初達「!?」
鎌子「手前、生国と発しますは、東京歌舞伎町、この度、よろづよでお世話になります、雷牙十勇士の一人」
初達「?」
鎌子「由利鎌子!!!」
大吾「ウソだろ」
鎌子「以後面体、お見知り、おきの上」
かさね「あの人?」
つむぎ「かさねちゃん?」
かさね「どこかで?」
鎌子「よろしく、お頼み、申します!!!」
雷牙「……」
鎌子「わっはっはっ!! ただいま参りましたぞ、お館様」
初達「お館様!?」
雷牙「鎌子~~!!!」
初達「鎌子!?」
雷牙、我夢、なでしこ、走、楓、グレンは、高身長の女性のもとに駆け寄って来た。
初「ライくん、その人って?」
雷牙「ああ、改めて紹介します、こちらは、十勇士の一人で、由利鎌子です」
鎌子「拙者、由利鎌子、よろしく頼む」
大吾「拙者って?」
軽くお辞儀したと同時に、鎌子の豊かな胸が、ポヨン、と揺れ、それを見た、雷牙、日向、海野兄弟、なでしこ、走、グレン以外は驚いた表情を見せ、それぞれ心の中で思っていた。
初(うわぁー、すごい。大和撫子ってやつかな? 着物がよく似合う、それに)
ポヨン
初(この人も、胸、大きいな~!)
伊吹(楓ちゃん、グレンより!)
大吾(大きいぜ!)
かさね(バストサイズは、この前、来た、三好兄妹の不二子さんに負けず劣らず)
つむぎ(すごいわ、私や陽菜ちゃん、円佳ちゃんよりも、大きいわ!)
かさね(いや、それより、由利鎌子、ゆり、かまこ、ん? 鎌!)
かさねはスマホを取出し、検索した。
つむぎ「かさねちゃん?」
かさね「やっぱり!」
そう言うと、かさねは初達にスマホの画面を見せた、そこに、写っていたのは。
伊吹「こ!」
鎌子「……」
伊吹「この人って!?」
そこに移っていたのは、歌手として有名になったが突然引退し、今なお、人気を博している、鎌由利という名前で歌っていた、鎌子の画像だった。
かさね「どこかで見た人だな思ったら、あなた! 演歌歌手を親に持つ、芸能一家に生まれた、数年前に突然引退した、伝説の演歌歌手・鎌由利」
大吾「あ、俺も思い出したぜ、鎌由利、俺っちのお袋、大ファンだぜ、あれ? さっき、由利鎌子って?」
グレン「鎌由利は、芸名、本名は、由利鎌子」
初「芸名か~」
伊吹「でも、どうしてそんな、伝説の演歌歌手が、こいつの下についているのよ? 売れていたのにかかわらず?」
かさね「そうです、もったいないですよ、どうして引退したんですか?」
鎌子「飽きたからじゃ」
かさね「飽きたからってそんな!?」
大吾「ガキじゃあるまいし、そんなわけ」
鎌子「……」
雷牙達「……」
大吾「マジかよ!?」
かさね「本当にもったいない」
そんな、一同が鎌子に注目する中、
太郎入道「……」
鎌子「……」
太郎入道が現れた。
雷牙「太郎」
太郎入道「……」
雷牙「入道? は! 皆さん、頭を下げて!」
初達「!?」
雷牙に言われ、日向、海野兄弟、初、伊吹、大吾、かさね、つむぎ、楓は頭を下げ、なでしこ、走、グレンは大きくジャンプして、近くの木の枝にとまった。
すると、鎌子の背後から金棒が投げつけられた。
雷牙「金棒? まさか?」
不二子「……」
楓「不二子様!?」
不二子が投げたのだ。サッと身を交わして、鎌子が金棒をよけると、金棒はさらにその先に居た兄、太郎入道の顔に当たり、倒れた。
かさね「きゃー!」
つむぎ「大丈夫ですか!?」
そう言いつつ、つむぎが太郎入道の元駆け寄って来た。しかし。
太郎入道「うっ! 不二子、おどれ何さらしとんじゃあ!」
すぐ立ち上がった。
不二子「ひい~、兄じゃ~、すまん」
そう言いながら、三好兄妹は鎌子の方へ向かって走って行く。二人して鎌子の腕を試そうとしているのだ。
鎌子「荒々しい歓迎でござるな」
鎌子はそう言うと、槍を巧みに操って、太郎入道と不二子の金棒をはね返した。そして、槍をクルクルと回しながら、その先を二人の首元に突きつける。前に走が追い詰められた時とまったく同じシチュエーションだ。
太郎入道「またかいな~」
不二子「兄じゃ~…」
太郎入道が再び不二子を ろうとしたその時、二人の金棒が上から落ちてきた。タイミングを計算し尽くした鎌子の仕業だ。二人は鎌子の見事な槍さばきに改めて舌を巻いた。
それは、初達も同じだった。
初「今のって!?」
伊吹「やっぱり」
大吾「只者じゃ、ないみたいだな」
かさね「あの人も?」
グレン「腕は落ちてないみたいだな」
グレンの声だ、いつの間に家の屋根の軒先に腰掛けて、鎌子の立ち回りを眺めてたのだ。
かさね「ねぇ、お兄さん?」
雷牙「ん?」
かさね「あのー」
鎌子「ん?」
かさね「鎌子さんって、これまで何をしていたんですか? 演歌歌手になる前」
大吾「かさねっち、それ、聞いちゃう」
鎌子「なる前は、拙者、極道で、若頭をしていた」
鎌子は、元極道で、ナンバー2・若頭だった。
初「えー! 極道って!? あのヤクザとかマフィアとかの怖い人たちのことだよねー!?」
大吾「しかも、その若で、年齢は?」
かさね「確か、引退したのは、数年前ですよね、その若さで」
鎌子「いかにも」
つむぎ「若頭って?」
なでしこ「極道で、言うところの、ナンバー・2っす!」
いつの間にかなでしこも屋根に上がっていた。
つづく