星空へ架かる橋2   作:真田信之

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第24話・ここ、カード使えないよ

それから、しばらくして、鎌子は、雷牙達と一緒に歩いていた。

かさね(また、真田のお兄さんの所にまた、新しい人が増えたわね、しかも、元極道で、元人気演歌歌手だなんて!)

「これは!」

雷牙「……?」

かさね「ビッグニュースですよ、載せてもいいですよね? 鎌子さん、お兄さんも?」

鎌子「拙者は、構わぬが、お館様の方は?」

雷牙「鎌子が、よいのなら、私も構わない」

かさね「決まりですね」

大吾「それはそうと、兄弟?」

雷牙「なんですか、大吾殿?」

大吾は雷牙に近づき、小声で雷牙に喋り始める。

大吾「さっきから、気になっていたんだが? 兄弟と由利、いや、鎌子さんとは一体?」

と言っている間に、商店街に入った雷牙達は、鎌子の希望でお酒を買いに陽菜の家・酒井酒店にやって来た。

初「ごめんくださ~い」

陽菜の母「いらっしゃ~い、ん? 誰かと思ったら、つむぎ、うちの陽菜が、世話になっているね」

つむぎ「いえ、いえ、こちらこそ! 陽菜ちゃんは?」

陽菜の母「配達、それと、中津川の所と日向、南国原先生のバカ息子」

大吾「バカ息子って!」

陽菜の母「それに」

雷牙「……」

陽菜の母「あんた達は、あまり見ない顔だけど?」

雷牙「はい、山比古町に最近引っ越してきました、真田雷牙です、で」

日向「兄の真田日向です、よろしく」

陽菜の母「それで、そっちのそっくりさんは?」

我夢「私は真田雷牙様にお仕えする、執事の海野我夢でございます、以後お見知りおきを、そしてこちらが私と同じ執事で双子の弟」

七海「海野七海でございます、日向様の執事をやっております、兄同様、以後お見知りおきを」

兄弟そろって軽くお辞儀した。

陽菜の母「で、のこりは?」

我夢「ええ、まずこちらは、私の従妹で、メイドの楓です」

楓「月村楓です」

軽くお辞儀したと同時に、楓の豊かな胸が、ポヨン、と揺れた。

我夢「そして、こちらは、楓の婚約者で、この若さで獣医の資格持っております」

走「……」

我夢「猿飛走です」

陽菜の母「えー! 獣医って、あんたいくつ?」

走「我…猿飛…走…16歳」

陽菜の母「16って!」

雷牙「走は、海外で飛び級して、獣医になったのです」

我夢「で、こちらは、男性に見えますが、女性です」

陽菜の母「えー!」

グレン「霧隠グレン、医者兼整体師兼心理カウンセラーだ、よろしく」

陽菜の母「ああ、そうか、(どこからどう見ても、男にしか見えないな?)」

グレン「ああ、俺も、こいつと同じ飛び級だ」

陽菜の母「……」

なでしこ「そんでもって」

陽菜の母「……!?」

なでしこ「あっしが、春野なでしこっす」

陽菜の母「まさか、あんたも!?」

なでしこ「いえ、いえ、あっしは、何も、飛び級も何もありません」

陽菜の母「ふー、……」

それを聞いて、陽菜の母はホッとした顔を見せた。

陽菜の母「それはそうと」

なでしこ「なんすっか?」

陽菜の母「あんた、身長いくつ?」

なでしこ「あっしのっすか? 175㎝っす、ちなみに、楓ちゃんは」

楓「……」

なでしこ「158㎝っす」

陽菜の母「175㎝(って、うちの陽菜と同じ身長じゃないか! それに)」

そう言うと、陽菜の母は、雷牙、日向、海野兄弟、なでしこ、走、楓、グレン、鎌子を見た、ちなみに、鎌子は笠をかぶっていて顔がよく見えていなかった。

陽菜の母(よく見たら、初めて見る顔全員、高身長、まあ)

楓「……」

陽菜の母「あの、豊かな胸の子は」

つむぎ「……?」

陽菜の母「(つむぎと同じくらい、身長は、でも、胸はつむぎ以上あるわね、それはさておき、他は陽菜よりも大きい、一体? 何㎝あるんだ?)つかないことを聞くが、身長何㎝あるんだ、お前ら?」

雷牙「身長ですか、私は185㎝です」

陽菜の母「は!?(185㎝って! 陽菜よりもデカい、じゃないか、こいつ!)」

雷牙「それで」

陽菜の母「……」

雷牙「兄さんは」

日向「188㎝です」

陽菜の母(こっちは、3㎝大きい!)

我夢「それで、我々、兄弟は」

七海「そろって」

海野兄弟「180㎝です」

陽菜の母(この兄弟もか!)

走「そして…」

陽菜の母「……」

走「我は…179㎝…グレンは…」

グレン「182㎝だ」

陽菜の母「(185から、188、180に179、182って、こいつら全員、高身長、信じられない!?)ん? おい、あんたは?」

鎌子「……?」

陽菜の母「あんたも見かけない、顔だね、身長は?」

鎌子「拙者でござるか?」

陽菜の母「拙者、ござるって?」

鎌子「拙者、身長は197㎝でござる」

陽菜の母「197㎝って、あんたは?」

鎌子「これは、ご無礼捕まった、拙者」

そう言うと、鎌子かぶっていた笠を取り、素顔を見せた、すると。

陽菜の母「あ!」

鎌子「……」

陽菜の母「あなたは!」

驚いた表情をして、大声を出したと同時に。

?「うるせいぞ」

雷牙達「……!?」

泰造「人が気分よく、寝ている時に!」

機嫌悪そうな、男性が勝手口から現れた。

泰造「騒がしいぞ」

陽菜の母「だって、あんた!?」

泰造「なんだ? は!?」

鎌子「……」

泰造「あんたは!?」

陽菜の母の夫。泰造もまた、鎌子の顔を見て、驚いた表情をして、大声を出した。

泰造「鎌由利じゃ、ねぇか!?」

陽菜の母「どうして、ここに!? あ!」

陽菜の母は、慌てて、勝手口に入り戻って来た。色紙2枚を手に持ち、そのうちの1枚を夫・泰造に渡し、二人は鎌子に駆け寄ってきたのだった。

陽菜の母「あの、よかったら、サインくれませんか? 鎌由利さん!」

泰造「俺のも、頼む」

色紙を両手でもち、頼みこむ二人に対し鎌子は。

鎌子「分かり申した、誰か筆を」

と言い、鎌子は渡された、ペンと色紙を手にして、サインをし、二人に渡した。

陽菜の母「ありがとうございます、鎌由利さん」

泰造「それにしても、あなたのような、有名人が、どうしてここ山比古町にいるんですか?」

泰造「そうだ、あんた、演歌界の申し子とうたわれた、あんたがどうして?」

鎌子「有名人、演歌界の申し子って、それはもう、昔の話、今の拙者は」

と話そうとした次の瞬間。

おばさんA「あら~、やっぱり、鎌由利さんだわ!」

おじいさんA「あの伝説の…」

おばあちゃんA「なぜここに?」

おじいちゃんB「それはともかく、せっかくのチャンスじゃ、儂と握手しておくれ。それに、サインを」

沢山の近所のおばさん、おじさん、おじいちゃん、おばあちゃん、他にも、お母さん、お父さんも酒井酒店に集まって来て、サインと握手を求められた、鎌子は。

鎌子「ちょ、押すなでござる、順番、順番に、サインも握手もするでござるから、慌てるなでござる」

そう言われて、全員、順番にサインと握手をし、満足そうな表情をして去って行くのだった。

鎌子「済まなかった、ご主人!」

泰造「いや、別に平気だぜ、これぐらい」

雷牙「なら、いいのですが?」

泰造「つか、お前、誰だ? それに」

走達「……」

泰造(何なんだ、こいつら? 陽菜より、でけぇ)

雷牙「申し遅れました、私は」

雷牙達は、陽菜の父・泰造にさっき同様に自己紹介をした。

泰造「んで、お前ら、俺ん家、何の用だ?」

鎌子「何の用って、酒を買いに来たに決まっておろう、ここは酒店なのだから」

陽菜の母「そうだね、どんな酒にする?」

そう言われ、鎌子は店の中を見渡した。

鎌子「んー よし、この店の酒を全部くれ」

陽菜の母「えー!」

泰造「何!」

鎌子「それで」

鎌子は胸の谷間から、あるものを取り出した、それは。

初達「ん!」

鎌子「これ、ここで使えるか?」

つむぎ「それって!? まさか」

かさね「噂に聞く!」

鎌子「……」

大吾「ブラックカード?」

初「って、何?」

かさね「限度額無制限のクレジットカードですよ、先輩、いや、まさか、噂には聞いていましたが!?」

伊吹「本物を、見る日が来るなんて、それにしても!」

初達(あんた所に、しまってるなんて!)

陽菜の母「悪いけど」

初達「……」

陽菜の母「ここ、カード使えないよ」

鎌子「そうでござるか、では」

カードを再び、胸の谷間に戻し、そこから、また別のものを取り出した。

初「それって?」

鎌子「知らんのか、小切手でござる、支払いはこれで」

そう言っている間に、三好兄妹が、荷車と共にやって来た。三好兄妹はお店の中の酒を全部、荷車に乗せ、その間に鎌子は小切手に金額を書いて、泰造に渡した。

鎌子「これで、よろしいでござるか?」

泰造「ああ、間違いなく」

鎌子「では、また、来るでござる」

そう言って、酒井酒店を去る一同、そして、よろづよに帰ると、女将の千歌と仲居の人たちが、鎌子を出迎え、彼女の歓迎会いが始まり、それは朝まで続くのだった。

             つづく

 

 

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