それから、しばらくして、鎌子は、雷牙達と一緒に歩いていた。
かさね(また、真田のお兄さんの所にまた、新しい人が増えたわね、しかも、元極道で、元人気演歌歌手だなんて!)
「これは!」
雷牙「……?」
かさね「ビッグニュースですよ、載せてもいいですよね? 鎌子さん、お兄さんも?」
鎌子「拙者は、構わぬが、お館様の方は?」
雷牙「鎌子が、よいのなら、私も構わない」
かさね「決まりですね」
大吾「それはそうと、兄弟?」
雷牙「なんですか、大吾殿?」
大吾は雷牙に近づき、小声で雷牙に喋り始める。
大吾「さっきから、気になっていたんだが? 兄弟と由利、いや、鎌子さんとは一体?」
と言っている間に、商店街に入った雷牙達は、鎌子の希望でお酒を買いに陽菜の家・酒井酒店にやって来た。
初「ごめんくださ~い」
陽菜の母「いらっしゃ~い、ん? 誰かと思ったら、つむぎ、うちの陽菜が、世話になっているね」
つむぎ「いえ、いえ、こちらこそ! 陽菜ちゃんは?」
陽菜の母「配達、それと、中津川の所と日向、南国原先生のバカ息子」
大吾「バカ息子って!」
陽菜の母「それに」
雷牙「……」
陽菜の母「あんた達は、あまり見ない顔だけど?」
雷牙「はい、山比古町に最近引っ越してきました、真田雷牙です、で」
日向「兄の真田日向です、よろしく」
陽菜の母「それで、そっちのそっくりさんは?」
我夢「私は真田雷牙様にお仕えする、執事の海野我夢でございます、以後お見知りおきを、そしてこちらが私と同じ執事で双子の弟」
七海「海野七海でございます、日向様の執事をやっております、兄同様、以後お見知りおきを」
兄弟そろって軽くお辞儀した。
陽菜の母「で、のこりは?」
我夢「ええ、まずこちらは、私の従妹で、メイドの楓です」
楓「月村楓です」
軽くお辞儀したと同時に、楓の豊かな胸が、ポヨン、と揺れた。
我夢「そして、こちらは、楓の婚約者で、この若さで獣医の資格持っております」
走「……」
我夢「猿飛走です」
陽菜の母「えー! 獣医って、あんたいくつ?」
走「我…猿飛…走…16歳」
陽菜の母「16って!」
雷牙「走は、海外で飛び級して、獣医になったのです」
我夢「で、こちらは、男性に見えますが、女性です」
陽菜の母「えー!」
グレン「霧隠グレン、医者兼整体師兼心理カウンセラーだ、よろしく」
陽菜の母「ああ、そうか、(どこからどう見ても、男にしか見えないな?)」
グレン「ああ、俺も、こいつと同じ飛び級だ」
陽菜の母「……」
なでしこ「そんでもって」
陽菜の母「……!?」
なでしこ「あっしが、春野なでしこっす」
陽菜の母「まさか、あんたも!?」
なでしこ「いえ、いえ、あっしは、何も、飛び級も何もありません」
陽菜の母「ふー、……」
それを聞いて、陽菜の母はホッとした顔を見せた。
陽菜の母「それはそうと」
なでしこ「なんすっか?」
陽菜の母「あんた、身長いくつ?」
なでしこ「あっしのっすか? 175㎝っす、ちなみに、楓ちゃんは」
楓「……」
なでしこ「158㎝っす」
陽菜の母「175㎝(って、うちの陽菜と同じ身長じゃないか! それに)」
そう言うと、陽菜の母は、雷牙、日向、海野兄弟、なでしこ、走、楓、グレン、鎌子を見た、ちなみに、鎌子は笠をかぶっていて顔がよく見えていなかった。
陽菜の母(よく見たら、初めて見る顔全員、高身長、まあ)
楓「……」
陽菜の母「あの、豊かな胸の子は」
つむぎ「……?」
陽菜の母「(つむぎと同じくらい、身長は、でも、胸はつむぎ以上あるわね、それはさておき、他は陽菜よりも大きい、一体? 何㎝あるんだ?)つかないことを聞くが、身長何㎝あるんだ、お前ら?」
雷牙「身長ですか、私は185㎝です」
陽菜の母「は!?(185㎝って! 陽菜よりもデカい、じゃないか、こいつ!)」
雷牙「それで」
陽菜の母「……」
雷牙「兄さんは」
日向「188㎝です」
陽菜の母(こっちは、3㎝大きい!)
我夢「それで、我々、兄弟は」
七海「そろって」
海野兄弟「180㎝です」
陽菜の母(この兄弟もか!)
走「そして…」
陽菜の母「……」
走「我は…179㎝…グレンは…」
グレン「182㎝だ」
陽菜の母「(185から、188、180に179、182って、こいつら全員、高身長、信じられない!?)ん? おい、あんたは?」
鎌子「……?」
陽菜の母「あんたも見かけない、顔だね、身長は?」
鎌子「拙者でござるか?」
陽菜の母「拙者、ござるって?」
鎌子「拙者、身長は197㎝でござる」
陽菜の母「197㎝って、あんたは?」
鎌子「これは、ご無礼捕まった、拙者」
そう言うと、鎌子かぶっていた笠を取り、素顔を見せた、すると。
陽菜の母「あ!」
鎌子「……」
陽菜の母「あなたは!」
驚いた表情をして、大声を出したと同時に。
?「うるせいぞ」
雷牙達「……!?」
泰造「人が気分よく、寝ている時に!」
機嫌悪そうな、男性が勝手口から現れた。
泰造「騒がしいぞ」
陽菜の母「だって、あんた!?」
泰造「なんだ? は!?」
鎌子「……」
泰造「あんたは!?」
陽菜の母の夫。泰造もまた、鎌子の顔を見て、驚いた表情をして、大声を出した。
泰造「鎌由利じゃ、ねぇか!?」
陽菜の母「どうして、ここに!? あ!」
陽菜の母は、慌てて、勝手口に入り戻って来た。色紙2枚を手に持ち、そのうちの1枚を夫・泰造に渡し、二人は鎌子に駆け寄ってきたのだった。
陽菜の母「あの、よかったら、サインくれませんか? 鎌由利さん!」
泰造「俺のも、頼む」
色紙を両手でもち、頼みこむ二人に対し鎌子は。
鎌子「分かり申した、誰か筆を」
と言い、鎌子は渡された、ペンと色紙を手にして、サインをし、二人に渡した。
陽菜の母「ありがとうございます、鎌由利さん」
泰造「それにしても、あなたのような、有名人が、どうしてここ山比古町にいるんですか?」
泰造「そうだ、あんた、演歌界の申し子とうたわれた、あんたがどうして?」
鎌子「有名人、演歌界の申し子って、それはもう、昔の話、今の拙者は」
と話そうとした次の瞬間。
おばさんA「あら~、やっぱり、鎌由利さんだわ!」
おじいさんA「あの伝説の…」
おばあちゃんA「なぜここに?」
おじいちゃんB「それはともかく、せっかくのチャンスじゃ、儂と握手しておくれ。それに、サインを」
沢山の近所のおばさん、おじさん、おじいちゃん、おばあちゃん、他にも、お母さん、お父さんも酒井酒店に集まって来て、サインと握手を求められた、鎌子は。
鎌子「ちょ、押すなでござる、順番、順番に、サインも握手もするでござるから、慌てるなでござる」
そう言われて、全員、順番にサインと握手をし、満足そうな表情をして去って行くのだった。
鎌子「済まなかった、ご主人!」
泰造「いや、別に平気だぜ、これぐらい」
雷牙「なら、いいのですが?」
泰造「つか、お前、誰だ? それに」
走達「……」
泰造(何なんだ、こいつら? 陽菜より、でけぇ)
雷牙「申し遅れました、私は」
雷牙達は、陽菜の父・泰造にさっき同様に自己紹介をした。
泰造「んで、お前ら、俺ん家、何の用だ?」
鎌子「何の用って、酒を買いに来たに決まっておろう、ここは酒店なのだから」
陽菜の母「そうだね、どんな酒にする?」
そう言われ、鎌子は店の中を見渡した。
鎌子「んー よし、この店の酒を全部くれ」
陽菜の母「えー!」
泰造「何!」
鎌子「それで」
鎌子は胸の谷間から、あるものを取り出した、それは。
初達「ん!」
鎌子「これ、ここで使えるか?」
つむぎ「それって!? まさか」
かさね「噂に聞く!」
鎌子「……」
大吾「ブラックカード?」
初「って、何?」
かさね「限度額無制限のクレジットカードですよ、先輩、いや、まさか、噂には聞いていましたが!?」
伊吹「本物を、見る日が来るなんて、それにしても!」
初達(あんた所に、しまってるなんて!)
陽菜の母「悪いけど」
初達「……」
陽菜の母「ここ、カード使えないよ」
鎌子「そうでござるか、では」
カードを再び、胸の谷間に戻し、そこから、また別のものを取り出した。
初「それって?」
鎌子「知らんのか、小切手でござる、支払いはこれで」
そう言っている間に、三好兄妹が、荷車と共にやって来た。三好兄妹はお店の中の酒を全部、荷車に乗せ、その間に鎌子は小切手に金額を書いて、泰造に渡した。
鎌子「これで、よろしいでござるか?」
泰造「ああ、間違いなく」
鎌子「では、また、来るでござる」
そう言って、酒井酒店を去る一同、そして、よろづよに帰ると、女将の千歌と仲居の人たちが、鎌子を出迎え、彼女の歓迎会いが始まり、それは朝まで続くのだった。
つづく