熊が去った後。
三郎「おーい、走、頼まれていた物運んで来たベさ」
千歌「頼まれていた物って、何?」
三郎「それは、これだべさ」
男が、トラックの荷台を開けた次の瞬間。動物たちが、一斉に吠えて出てきて、走に飛びついてきた。
それを見た、雷牙、日向、海野兄弟、なでしこ、楓、それと、トラックを運転してきた1人の男以外の全員驚いた表情を見せた。
それもそのはず。
一斉に吠えて出てきて、走に飛びついてきた。動物たちは、まるで、白雪姫のように、走の周りを囲ってすりすりしてくるのだから。
つむぎ(走くんって、何か!)
伊吹(白雪姫以上の!)
大吾(アビリティを持った!)
千歌(美少年ね、今日の朝といい!)
初(それにしても!)
走「よし…よし…よし…いい子…いい子…だ…❤」
初(走くんって)
みんな(動物を前にした時だけは、破顔し骨抜きになるなー)
心の中で、それぞれ思いながら、走を見つめていた、それに気づいた、本人は。
走「……は!?」
みんな「ジー」
走「い…い…否…」
頬を赤くして、どこかへ行ってしまった。
雷牙「あー」
なでしこ「照れて、どっか行っちゃったみないッスね」
楓「走様」
かさね「それは、ひとまず、置いといて、すごーいですね、よく見ると」
大吾「めったに見れない、動物ばかりじゃないか」
雷牙「連れてきたのは? ダチョウ、ミーアキャット、イボイノシシ、ダチョウ、サーバルキャット、それと」
つむぎ「カ!」
みんな「カバ!」
かさね「にしては、小さいですね?」
我夢「いえ、正確には、コビトカバです、皆さま」
つむぎ「コビトカバって?」
かさね「世界4大珍獣の?」
七海「……(ペコリ)」
みんな(すごい)
楓「他にも」
みんな「……?」
1匹の動物を抱き抱えた楓。
楓「イリオモテヤマネコ!」
みんな「イリオモテヤマネコ!」
かさね「って、まさか、あの」
大吾「天然記念物で、レッドマークアニマルの?」
七海「ええ、西表島に生息する、絶滅危惧種です」
伊吹「そんな動物がどうして!?」
かさね「まさか!」
大吾「密猟!」
我夢「失礼な!」
楓「特別な、許可を得て、走様と一緒にいるのです」
大吾「そうなのか」
楓「まだ、他にも」
みんな「……?」
また、1匹の動物を抱き抱えた楓。エル今度は。
楓「フェネックギツネ!」
初「フェネックって!?」
かさね「ペットとしても飼われてる、あの!?」
伊吹「世界最小の狐よね?」
今度は、雷牙が1匹の動物を抱き寄せた。
雷牙「狐なら、まだいますよ、この、チべスナです!」
みんな「チべスナ?」
初「って何、その狐!?」
かさね「顔が、面白いですね!!」
我夢「チベットスナギツネ、略して、チべスナです」
つむぎ「でも、あんまり聞かない、動物ね?」
楓「はい、それは、まだ発見されて少ししか、たっていなからです、つむぎ様」
みんな「へえ…」
大吾「つか、何!? 兄弟の仲では、既にそんな略称がついてる程気にかけていた動物なのかよ!?」
初「どんな人なの、走くんは!?」
すー
楓「こんな人です、走様は」
楓に合わせるかのように、走が戻って来たと同時に、動物達も再び、走の周りを囲ってすりすりしてくるのだった。
伊吹「大体わかったわ」
初「走くんって、やっぱり、動物が好き、いや、大好きなんだね」
走「否…」
雷牙「はい、走は元々山で動物と一緒に暮らしていたもので、私と一緒に暮らす際、そのまま暮らす動物もいました」
楓「そこから、段々増えていき、今こうです」
雷牙「それを見て「あ、こういうことしていいんだ」と感心し、白炎と出会い、育てて5匹の子虎を設けました」
みんな(走(この人)がいたから誰も、こいつがホワイトタイガーを飼うのを止めなかったのかッッ!!)
雷牙「で、これなるが、走が初めて中国を訪れた際、連れてきたのが、この」
雷牙の後ろから、ひょっこり出てきたのは。
初「世界最大の珍獣だ!!」
中国の帽子をかぶった、さっき出てきたコビトカバ同様世界4大珍獣に入る、ジャイアントパンダだった。
伊吹「妙に納得!」
みんな「ジャ、ジャイアントパンダ、すごい!」
かさね「しかもですよ、パンダがこんな中国の帽子を被って、現れたら!? 喜ばない国がないわけですよ」
みんな「確かに!!!」
雷牙「走は山で、暮らしてる時から家に、よく動物が遊びに来るほど、動物と仲良しなのです」
大吾「セロ弾きのゴーシュか」
つむぎ「でも確かに、敵意がなくて」
千歌「近づきやすい」
七海「他にも、走は森に行けば動物たちに囲まれますよ」
みんな「すごい!?」
千歌「だから、今日の朝、カラスが!?」
つむぎ「すごすぎわ、走さん!?」
走「……」
かさね「ホント、ホント、それはそうと」
三郎「……ん!?」
かさね「配達のおじさん」
三郎「……ん!?」
かさね「仕事に戻らなくてもいいんですか?」
楓「あ、紹介が遅れましたね、こちらは雷牙十勇士の一人にして、真田家剣術指南役兼格闘術指南役兼火薬製造兼発明家兼化学技術顧問の」
三郎「望月 三郎でございます、おら、一度帰りますが、これから、雷牙様たちと一緒に暮らすことになります雷牙十勇士、以後お見知りおきを」
軽くお疑似をした。
千歌「え、ちょっと、雷牙くん、そんなこと聞いていないわよ!?」
雷牙「私も!?」
我夢「初耳です!?」
かさね「いやそれよりも!?」
伊吹「雷牙十勇士って!?」
初「何?」
我夢「雷牙十勇士とは、そもそも、皆様は、勇士とは何か、ご存じなのですか?」
大吾「いや?」
つむぎ「私も、詳しくは、知らないは?」
かさね「私も?」
我夢「はい、では、皆様」
みんな「……?」
我夢「勇士とは、何かを、ご説明させていただきます」
みんな「おおー」
我夢「そもそも、勇士とは、勇者。特に、雄々しく立派な武士・軍人の事です」
みんな「ほ~」
なでしこ「そして、雷牙十勇士とは、こちらの猿飛 走くんを筆頭(リーダー)に」
我夢「私(わたくし)、海野 我夢と」
三郎「おら、望月 三郎を入れた、雷牙様を支える組織だ」
初「なるほどー?」
かさね「その顔だと、初先輩わかっていないでしょう」
初「え、へへへー」
なでしこ「ちなみに、私(あっし)は含まれてはいません、雷牙十勇士には」
かさね「え、そうなの以外!?」
初「それで、雷牙十勇士は全員で何人いるの?」
なでしこ「その名とうり、十人ッス」
千歌「まあ、ここで立ち話もなんだし、中にはいるはよ、みんな」
千歌に言われ、新館の玄関にいた、人、動物全員、旧館へと入って行った、初たちは旧館の茶の間で、三郎が連れて来た、走の動物達と触れ合っていた頃、三郎は、旧館の庭へ出て、佐助のメンテナンスをしていた。バイクモードの状態で。
三郎「どうだ、調子は?」
佐助「ああ、やっぱり、博士に見てもらえると違うぜ」
三郎「そうか」
初「博士って」
楓「あ、言ってませんでしたね、佐助を開発したのは、三郎様でございます」
みんな「えー!」
大吾「この、バイクの人を作ったの、おっさん!?」
三郎「うだ」
大吾「すげー!」
かさね「いったい何者ですか?」
三郎「よし、これでどう、だべさ」
さすけ「ああ、すげぇー、いい」
三郎「よし、テスト走行に、いくべさ、走!」
走「……(ペコリ)」
三郎に言われたとうり、走は佐助に乗って行った、ついでに楓を後ろに乗せて。
三郎「どこかおかしいと思ったら、すぐ帰って来いー」
雷牙「夕食までには、帰ってきなさい」
大吾「気を付けてなー」
雷牙、我夢、三郎、そして大吾の4人は、走と楓の2人を見送るのだった。
大吾「はぁー、羨ましいな~、走」
雷牙「どうしましたか、大吾殿?」
三郎「……?」
大吾「だって、楓ちゃんが後ろに乗ったらさ、前に乗っている走の奴、あの豊かな胸が当たるんだぜ、羨ましい限りだぜ~、な、兄弟も我夢も三郎のおっちゃんも、そう思わないか?」
それを口にした次の瞬間。我夢と三郎から、怖いオーラが大量に出てきたと同時に、我夢は蹴り、最後に三郎はスリーパーを、2人それぞれ技を、大吾に食らわせるのだった。
何度も食らわせため、大吾は倒れてしまった。
大吾「いきなり何するんだよ?」
我夢「従妹を、楓を」
三郎「うちのメイドを」
我夢「変な目で見るの、やめていただきませんか」
三郎「仏菩薩がくだるべさ」
怖い顔しながら、2人はそう言って大吾をビビらせた。
そして。
大吾「は、は、はい」
大吾は、びくびく震えさせるのだった。
我夢「次は」
三郎「骨を折るべさ」
静かにその場を去った、2人。
倒れた大吾を雷牙は、肩を貸して大吾を旧館へと運んだ。
大吾「ありがとな、兄弟」
雷牙「次は、ありませんよ、大吾殿」
大吾「そう言う、兄弟はどうなんだ、楓ちゃんの胸、興味がないのか?」
雷牙「ないと言えば、嘘になる」
大吾「だろ」
雷牙「しかし」
大吾「お?」
雷牙「胸の大きさで、評価するのは女性に失礼です、見た目だけで、人を判断するのはよくないと思いますよ、いくら見た目が美しくても、心が醜ければ、そんな美しさは、見せかけです」
大吾「だけどよ、兄弟」
雷牙「ん?」
大吾「内面の美しさは、外見に滲み出すって言うぜ」
雷牙「確かに、それは言えますね、しかし、何度も申しましたが、楓は走の婚約者なんです、そこの所、忘れないでいただけたい」
大吾「分かってるよ、兄弟、寝取りゃしねぇーよ、俺っちは」
雷牙「ならいいのですが」
大吾「それにしても、あんな美人が婚約者だなんて、ホント、羨ましい限りだぜ、走」
と言いつつ、2人は旧館へと戻った。
雷牙は戻ってすぐブラシを手に持って、白炎のブラッシンを始めた。
雷牙「どうだ、気持ちいか?」
白炎「がぁー❤」
寝ころがり、腹をブラッシングされながら気持ちよさそうに舌をだしていた。
初「気持ちよさそうだね、白炎ちゃん、ねぇ、伊吹ちゃん」
伊吹「ええ、まるで、普通の家猫みたいね!」
かさね「実際のところ家猫ですが、正確に言えば、家猫ならぬ、家虎ですよ、中津川先輩、日向先輩」
伊吹「あ、確かに!?」
初「そうだね」
雷牙「初殿たち」
初「ん、何、ライくん?」
雷牙「子虎達のごはんをやってはくれませんか? 我夢」
我夢「……」
襖をあけ、我夢が現れた、5匹の子虎の飲むミルクが入った哺乳瓶を手にして。
初「え、この子虎ちゃん達に?」
雷牙「はい」
初「うん、やる、伊吹ちゃんもかさねちゃん」
かさね「やります、やります」
伊吹「ええ、いいわよ、やっても」
初、伊吹、かさねの3人は、我夢に渡されたミルクが入った哺乳瓶を、5匹のうちの3匹を、3人は抱えミルクを飲ませた、残りの2匹の子虎は、白炎のブラッシングを済ませた雷牙、我夢が飲ませるのだった。中には、飲み終わっても、まだお腹いっぱいにならなくて、ミルクをおかわりする子虎もいた。飲み終わると子虎たちは、気持ちよさように眠った。
初「はぁー❤」
かさね「気持ちよさそうに、寝てますね~❤」
伊吹「ホントね」
初「!」
伊吹「どうしたの、初?」
我夢「お持ちしました、雷牙様」
雷牙「そうか」
我夢がワゴンに乗せてきたのは、一枚の分厚い肉それは、白炎の夕食用のステーキ肉だった。
かさね「その、肉って?」
我夢「はい、白炎の夕食です」
大吾「マジで、かよ!」
我夢「ええ」
雷牙「はい」
初「いいな~、白炎ちゃん、ねぇ、私に少し分けてくれないかな?」
伊吹「ちょっと、初」
初「ん?」
伊吹「何、動物のエサを、欲しがっているのよ」
初「え~、だって、あんなに大きいステーキ肉、半分でもいいから、食べたいよ❤」
伊吹「あんたね」
かさね「ちなみに、そのステーキ肉は何の肉、何ですか?」
雷牙「我夢」
我夢「毎日、日替わりで、今日はアメリカ産の牛肉ステーキです」
初「白炎ちゃん、やっぱり、半分でもいいから、食べたいよ、おねが~い❤」
伊吹「もう、初、あんたはもう」
かさね「と言っている間に、中津川先輩に日向先輩!」
初「ん?」
伊吹「何よ?」
かさね「その、牛肉ステーキなら、もう!」
大吾「ないぜ、跡形もなく!?」
初と伊吹「えー!?」
2人はステーキがあった方に視線を向けると、ステーキはもうなかった。
そこにあったのは、満足げな顔をした、白炎が子虎たち同様気持ちよさそうに眠っていた姿だった。
伊吹「って、もう!?」
初「食べ終わっちゃったの!?」
雷牙「はい、ペロリと」
初と伊吹「……!?」
我夢「白炎」
白炎「……!」
我夢「デザート、食べないのですか?」
今度、我夢がワゴンに乗せてきたのは、大量のフルーツだった。
それを見た、みんなは。
伊吹「デザートって!?」
かさね「まさか!?」
大吾「まさかとは思うが、兄弟、我夢も、このフルーツも、こいつらが食うとは、言わないよな、虎は肉食動物なんだぜ!?」
雷牙「いえ、そのまさかですよ、みなさん、白炎は果物、フルーツが食べられます」
みんな「えー!?」
我夢「ええ、元々虎は、味覚が優れている動物です、子虎の時から、白炎は果物、フルーツが好きで食べさせていましたから、その成果もあってか、たとえば、ミックスジュースの原材料のフルーツをひとつひとつ、当てる事が出来るほどに」
初「えー!?」
大吾「嘘だー!?」
かさね「そんなことできるわけがありませんよ、ねぇ、日向先輩」
伊吹「ええ、さすがにそれは無理」
雷牙「そこまで言うのであれば、我夢」
我夢「……(ペコリ)」
我夢は襖をあけて、どこかへ行ってしまった。
初「あれ、我夢くん?」
大吾「どこへ行ったんだ?」
雷牙「準備が整うまで」
日向「雷牙、それに、皆」
七海「夕食の準備が整えましたので、来てください」
伊吹「え!」
初「いいの、昨日もごちそうになったけど?」
かさね「いいんですか?」
雷牙「ええ」
我夢「はい」
初「やったー、我夢くんと七海くんが作るご飯は美味しいから、また、食べれるなんて」
大吾「嬉しいぜ、兄弟、我夢も」
伊吹「悪いはね、2日もごちそうになって」
雷牙「いいえ、食事は多い方が」
我夢「それと、みなさん、今日の夕食を作ったのは、私と弟ではありません」
みんな「え?」
我夢「三郎、望月三郎です」
伊吹「三郎って、あの?」
かさね「走先輩のペットを、連れて来てくれた?」
雷牙「はい」
伊吹「え、ちょっと、意外ね、まさか!」
大吾「あの、おっさんが、料理を作るなんて!?」
雷牙「そんなことありませんよ、ねぇ、我夢」
我夢「はい、彼の作る料理は、私と弟の作る料理に、負けず劣らずですよ、皆様」
雷牙「ともかく、行きましょう、みなさま、動物たちの夕食も済ませたようですし」
かさね「そうなんですか!?」
雷牙「ええ、なでしこがやってくれましたから」
初「早く、行こうよ、みんな」
伊吹「はい、はい」
夕食ができると同時に、走と楓が、佐助のテスト走行を終えて、帰って来た。
茶の間では、日向、つむぎ、千歌、なでしこが、ちゃぶ台の周りに座って、雷牙、初、伊吹、かさねの4人を待っていた。
その4人が座ると同時に、三郎を先頭に海野兄弟が料理が乗ったお盆を両手に持ち現れた。
千歌「じゃ」
みんな「いただきます」
食べ始めた。
三郎が作ったのは、さつまいも、にんじん、かぼちゃ、ナス、ピーマン、などの衣を、油で揚げた。
野菜天ぷらである。
かさね「ほぐ、ほぐ」
雷牙「美味しい」
なでしこ「美味しいッス」
大吾「美味しいぜ、おっちゃん、この天ぷら」
三郎「なら、よか」
初「ねぇ、おじさん、これ何、すごく美味しいだけど?」
三郎「それは、さつまいも、だべさ」
初「え、さつまいも!?」
三郎「さつまいももこぎゃんに、細かく切って衣を、つけて揚げぐっと、酒のつまみにも子供のおやつに最高にうまかばい」
千歌「確かに、これは、ビールに合うはね」
つむぎ「今は、お仕事の中ですよ、女将」
千歌「分かってるわよ、冗談よ」
とあっという間に食べ終わり、みんな、新館の玄関に集まっていた。
大吾「悪いが、兄弟、白炎の味覚の件は、また今度でいいか?」
雷牙「はい」
大吾「日向も、初も、かさねっちも」
伊吹「別にいいわよ」
初「うん」
かさね「私は、早く見て見たいです」
つむぎ「でも、かさねちゃん、今日の天気予報、見てたでしょう、この時間は、雨が降るって、だから」
三郎「振って来る前に、家に帰る、べさ、4人とも」
かさね「わかりましたよ、では、明日にでも、お願いします、お兄さん達」
雷牙「ああ」
海野兄弟「……(ペコリ)」
日向「車に気を付けて」
つむぎ「帰るのよ」
なでしこ「それじゃ、また」
楓「学校で、かさねちゃん」
かさね「ええ、楓、走先輩も、また、登校中で」
走「……(ペコリ)」
こうして、初、伊吹、かさね、そして大吾の4人は、よろづよを後にした。
三郎「それでは、女将さん、今度、住むことになるんでよろしくおねげえします」
軽くお疑似をして、三郎はトラックに乗って帰って行った
それと同時に雨が降ってくるのだった。
つづく