しばらくしてから、前に見た門が見え、荷物検査でくまなく調べられた後、俺は初めて神護区に入っていった
見ればわかるくらい整備されているのがわかる、建物は俺のいた村はどこか溶けたり崩れてたりと住むのにも危険が伴う感じだったが、神護区は話で聞いた大工がいるのだろうか、汚くはあるがちゃんとした建物が立ち並んでいる。
「なぁ、なんで俺は連れて行かれているんだ」
「貴様に話すようなことではない、口を閉じろ」
うーむ、やはり教えてくれないか、まぁいいか、さて、今何処に向かっているのかな。
しばらく歩くと、大きな建物が見えてくる、明らかに偉い人がいそうな場所だ、俺はその中に入っていくと、中にいた人間が一人、何かを持ってきた。
俺は後ろ手にされると、それを両手につけられ、鍵が閉まるような音がした。
あぁ、これは手錠ってやつか、本格的に罪人だな、俺はそのまま兵士5人に囲まれながら歩いていくと、扉が見え、冷たい空気が開かれると同時に入り、階段を降り、独房が見えると、俺はその中に入れられた。
「ここで
鍵が閉められ、兵士達は一人の見張りを残して去っていく。
「はぁ、なーんでこんなことになるのかなぁ、俺まだ10歳だぞ」
「あら、同い年ね」
不意に声が聞こえたほう、部屋のすみを見ると、壁に持たれながら、俺と同じ手錠をされながらも、のんきにあくびをしている少女がそこにいた。
あぁ、そういえば仲良くとか言っていたな、どうやら俺より前にここに投獄された人なのだろう
「誰だ?」
「あたし?、あたしは織姫」
「俺は彦星だ、なぁ、おまえなら何か知っていないか、ここに入れられたわけとか」
「んー、そうね」
織姫は少し考える素振りをして後、話し始めた。
「あなた、異獣の血液を浴びて何か変化あったりする?」
「異獣の血液?、あぁ、甘くて高揚感覚えるやつね」
「あ、うん、当たりね、どうやら間違えて来たわけでは無さそうね」
何か納得したようだが、異獣の血液に何かあるのか?。
「あなた、異人ね」
「偉人?」
「偉いじゃなくて、異常、異形、異質な人って意味で異人、あなたも異獣の母胎から生まれたんでしょ」
「あぁ、ハナコからな」
「そう、はな――え?」
織姫は少し驚いた様子だ、なんだ、名前が変なのか、単純だと自分でも思うが。
「あなた、異獣に名前をつけてるの、というかその様子だとあなた、異獣が死なずに生まれてかつ一緒に暮らしていたと」
「理解力が凄いな、そうだがまずいか?」
「まずいというよりありえないと言ったほうがいいわね、そもそも一緒に住めているなんてことが驚き、本来異獣は人を襲う存在よ?、本当に、なんか、ねぇ」
「そこまでかぁ、ははは、まぁ他の異獣が襲ってくる時点で異常なのはわかっていたけどさ」
乾いた笑いが出るぜ、こういう現実言われるとな。
それから俺と織姫はこの独房の中で時間が来るまで話し合った、思っていた以上に話が弾み、笑い、哀しみ、怒り、楽しんだ。
そして、時は訪れた。
「二人、出てこい」
独房を鍵が開き、俺は織姫との雑談を終える。
「お、もう出ていいのか、身体こってないか、織姫」
「えぇ、別にそこまで動いてないから大丈夫よ、彦星」
わりともう砕けて話し合えるくらいには相手のことを知った。
織姫は服屋に生まれ、なんとかこの世界で服を織って、暮らしていたところを、親に金で売られてきたらしい。
それでも織姫は服を作るのが好きで、早く服を作りたくてしょうがない、親は恨むほど執着してない、なんせ本当の親でもないし、愛情も貰ったことない。
だからこそ本当の愛情を貰いたい、授けたい、本当によく喋ってくれた、俺も一から十まで自分のことを話し尽くした。
いや本当によく喋り合ったな、まるで
俺と織姫は兵士達に連れられ、何処かに向っている、他の独房ではないのは確かだ、綺麗な建物の中を歩いていく、しばらくすると、清潔な白の建物になっていく。
部屋に通されると、俺達の手錠を外すと、すぐに兵士達は出ていく。
そこはだだっ広い異獣の血が香る場所だった、上を見上げると、硝子張りで、そこから白衣を着た人達が多数見つめている。
「なぁ、なんだと思う」
「研究、かしらね、こういう感じの人達本で読んだわ」
「はー、本でねぇ、どんな内容?」
「また今度ね、で、定番としては、実験かしら」
「戦闘能力試験を開始します、フェーズ1 Cランクを放て!」
偉そうな白衣の長的な人がそう告げると、目の前にある扉が重々しく開き、異獣が飛び出してくる。
「ギギギガガァァァ!」
奇声を上げて、だいたい8匹ほどがでてきた、小柄で、このくらいなら数秒もかからないだろう。
「むかってくるならやっ」
「おいおい!、やめておけ!、てめぇじゃ一匹も殺せるはずがないだろ!」
上の硝子越しから、声が聴こえる、罵倒かな。
「おい!、狼少年!、私語を慎め!」
白衣の人達に咎められ、狼少年と呼ばれた少年はそそくさと去っていく。
「彦星!」
織姫の声が聞こえると同時に、今起きてる状況に頭を回すことにする。
「ギギギ!」
俺は、向かってくる三匹の異獣の攻撃を――避けた。
「彦星?」
てめぇじゃ一匹も殺せるはずが無いだろう、ねぇ、こんな状況におかれてその発言は少し引っかかった、引っかかる程度だが、ここは織姫に頼ることになるが、避けることに専念しよう。
何か、
「何か考えがある動きね、わかったわ」
俺は襲い来る異獣の攻撃を避け続け、織姫は素手で簡単に異獣を殺していく、血に汚れながら、それと同時に、
「あは、あは、あはははは!」
織姫は高揚していき、髪も白く染まり、眼もピンク色になる、そして、手からはピンク色のオーラの糸が伸び、それで一気に異獣を切り裂いた。
「わぁお、こぇぇ」
異獣から血が飛び散り、俺にもそれがかかる、やはり俺も高揚感を覚えている。
「フェーズ1終了!、彦星、ただちに実験場から退去せよ」
「ん?、おう」
俺だけか、なんか織姫に悪いな。
「織姫すま」
「別にいいわ、あたしもあの発言に違和感覚えてるし」
「そうか……頑張れよ」
「わかってる」
俺は織姫を置いて、開かれた扉から外に出た。
再び兵士達に連れられ、今度は休憩部屋的なところに入る。
「つけろ」
俺はそこにある机に置かれた大きめの腕輪をつけろと言われ、付け方を説明されながら、つけてみた、その瞬間、腕に痛みが走る。
「いったぁ!、なんだこれは、欠陥、て、わけではないだろうな」
俺がつけたのを確認すると、兵士達はすぐに部屋から出ていき、鍵がかかる音がした。
「……ふぅ、とりあえずちゃんと休憩はできそうだな」
俺はちゃんとしたベッドの上で寝そべり、これからのこと、疑問点を思う。
「この神護区のことはもちろん、何故連れてこられたのか、あの狼少年っていうやつの発言とか、さて、これからどうなることやら」
とりあえず、眠気が凄いので、眠ることにした、起きて元気になった後、動くとしよう、おやすみ。