ウルトラリリカルキュアファイト《リメイク》 作:JINISH
富士山の麓で2体の実体カオスヘッダー、カオスヘッダー・イブリースとカオスヘッダー・メビュートと対峙するゼロ。
その戦いでカオスヘッダー・イブリースとカオスヘッダー・メビュートはゼロの光線により消滅する。
一方、真理奈はなのはを練習相手にスピカとネッシーの戦闘データを採取していた。
それが終わった後・・・
「ブレイブハート!」
『了解!』
スピカはアクセルシューターを放ち、ネッシーを襲い掛かる。
一方のネッシーはファンタジラインのレンズをブローチに翳す。
「フリージング・ブレイク!」
ネッシーは右手から氷の結晶を放ち、アクセルシューターを氷漬けにした直後、バラバラに砕け散る。
『ソニックムーブ!』
スピカの体に青い光が包まれ、高速移動でネッシーの元へ飛翔する。
しかし、ネッシーは先程バラバラになった氷に吸い込まれるように入っていく。
スピカはネッシーの能力でワープしたんだと悟り、地上に着地した後、周りを見渡す。
その時、スピカは背後から気配を感じ取り、ラウンドシールドを展開する。
スピカの視線の先には、ネッシーが青い光のレイピアを手に持っており、そして更にネッシーの背後に湧き水があった。
「成程・・・!これはこれで厄介ね!」
「スピカも・・・!流石です・・・!」
現在、スピカとネッシーはなのはの提案で練習試合をしている。
「やれやれ・・・ついさっき高町に相手をさせてやったのにもう一度一戦交えるなんて物好きな娘ね・・・」
真理奈の小言からして、練習試合をしてほしいとお願いしてきたのはエクセルである。
ミコトは最初は困惑していたが、先日シンを助ける為にプリキュアの力を得た経緯もあり、今後共に戦うその意味もあってか、彼女も了承していた。
「世界中に怪獣達が出て来てるからね。エクセルとミコトちゃんにも戦力になってもらわないと。」
「アンタもアンタで物好きね・・・」
真理奈はなのはの言葉に呆れる。
「おっ。やってるな、あの二人。」
「シン君。セレナちゃん。」
「もう来たの?」
いつの間にか戻ってきたシンとセレナに「おかえり」と言うなのは。
「セレナちゃん、なんだか表情が柔らかくなったね。」
「えっ?」
「シン君と偶然会ってデートでもしてたの?」
「っ!?で、デートなどしてません!(////)」
セレナはなのはの質問に顔を赤面しつつ否定する。
「いやいや、空間の歪みで子供の姿になったとはいえ、アラサーのアンタが言っても説得力・・・あだぁっ!?」
真理奈が言いかけてる最中、なのはにデコピンされる。
「も~。失礼なこと言わないの。」
(こ、こいつ~・・・!)
真理奈は額を抑えながらなのはを睨みつける。
「まぁ、いいわ。近い内にバラージ王国に行くって時に暗い顔されちゃあやり辛いったらありゃあしないわ。」
真理奈の言葉からすると、今日の午後バラージ王国に向かう予定になっている。
そこにユグドラシルの残党がいるのなら、早めに確保した方がいい。
幸い、ゴスペルは破壊され、ガジェット・ドローンは昨日の戦闘で撃破されている。
もしユグドラシルの残党に戦力があるとするなら、ホシイナーとナケワメーケくらいだろう。
クローン怪獣の存在にも頭に入れているが、問題はない。
ここには新たに誕生したスピカとネッシーがいるし、仮に怪獣が出てきてもゼロが対応してくれる。
加えて、なのはとユーノの魔法も頼りになる。
そこにトランプ共和国と連携すれば、ユグドラシルは今度こそ壊滅する。
「ご心配をおかけました。」
「気にしないでよ。」
セレナは声がした方に振り向くと、スピカとネッシーが歩み寄ってきた。
先程練習試合をしていたが、シンとセレナが戻ってきた事を知り、練習試合は一旦中止した
「なぎささんとほのかさんも迷惑だなんて思っていません。自分を責める事はありませんよ。」
「またあいつらに操られるようなことがあったら、もう一度目を覚まさせてやるんだから。」
「2回目もあったら困るでしょ?」
セレナはスピカとネッシーと真理奈のやり取りを見て、微笑ましくなる。
『マスター。空間の歪みが発生しています。』
「えっ!?」
なのは達はレイジングハートに言われ、周囲を警戒する。
「!あそこ!」
ネッシーが指を指した方向に振り向くシン達。
そこに空間の歪みが発生し、その歪みからコスモスのコロナモードとエクリプスモードによく似た青いウルトラマンと赤いウルトラマン、ダイナによく似た異形の巨人と足が3本のクモのような怪獣と岩石に頭と手足が付いた外見をした怪獣が現れる。
まず、青いウルトラマンの名はカオスウルトラマン。
カオスヘッダーがコスモスの力を分析・コピーした事で実体化した実体カオスヘッダーである。
コスモスのコロナモードと同じ能力を持ち、コスモスの意表を突いて倒したことがある。
次に赤いウルトラマンの名はカオスウルトラマンカラミティ。
カオスウルトラマンが更に進化し、エクリプスモードのコスモスの能力を学び取った事で実体化した実体カオスヘッダーである。
エクリプスモードのコスモスを苦しめたことがある。
そして、異形の巨人の名は超合成獣人ゼルガノイド。
人造ウルトラマン・テラノイドをスフィアが合成した事で誕生したスフィア合成獣である。
ダイナと同じ技を持っており、背中の突起からバリアを展開できる。
続いて三本足のクモのような怪獣は合成獣ダランビア。
スフィアが火星の岩石や砂を取り込んで怪獣化したスフィア合成獣である。
TPC火星基地をスフィアと共に破壊し暴れまわった。
最後に頭と手足が付いた岩石のような怪獣は宇宙合成獣ジオモス。
ネオマキシマエンジンや岩石を取り込んで怪獣化したスフィア合成獣である。
ネオマキシマエンジンでパワーアップした亜空間バリヤーによりダイナを苦戦させたことがある。
「また怪獣が!」
「あのコスモスのそっくりさん、ヤバい雰囲気なんだけど・・・」
「実体カオスヘッダーにスフィア合成獣か!」
ダランビアとジオモスはカオスウルトラマンとカオスウルトラマンカラミティとゼルガノイドより先に前進する。
「皆は怪獣達を、あのニセモン共は俺がやる。真理奈、セレナを頼む。」
「えぇ。アンタ、一旦下がるわよ。」
「しかし・・・!」
「今のアンタは怪獣と戦える力はないわ。さ、早く。」
セレナは真理奈に安全な場所に連れて行かれる。
なのははバリアジャケットにセットアップし、シンはウルトラゼロアイでウルトラマンゼロに変身する。
「べリアル程じゃねぇが、骨がありそうだな?」
ゼロはカオスウルトラマンとカオスウルトラマンカラミティを見て、自分の拳をポキポキと鳴らす。
「ブラックホールが吹き荒れるぜ!」
ゼロはカオスウルトラマンとカオスウルトラマンカラミティを、なのはとスピカとネッシーはゼルガノイドとダランビアとジオモスを引き受ける。
「悪党面のウルトラマン2人と怪獣3体、いかにもヤバい状況ね。あのデカブツを倒せたゼロは兎も角、高町達だけじゃ・・・」
岩陰に隠れる真理奈とセレナ。
真理奈はゼロ達の戦況を見て、ルルイエで戦ったガタノゾーア程ではないが、最悪な状況を目の当たりにする。
「シン・・・」
セレナはゼロを見て、自分だけ戦場に出れないことに口惜しむ。
ゼロはゼロスラッガーでカオスウルトラマンとカオスウルトラマンカラミティを斬りかかるが、コスモスの能力を模写したためか、ゼロの攻撃に受け流されてばかりである。
「チッ!一筋縄じゃいかねぇか・・・だがなぁ!」
ゼロはルナミラクルゼロにタイプチェンジし、ウルトラゼロランスを召喚する。
「ニセモンが俺様に勝とうなんざ・・・2万年早いぜ!」
ゼロは自身のスピードを駆使してのウルトラゼロランスによる攻撃で、カオスウルトラマンとカオスウルトラマンカラミティを攻め続ける。
しかし、カオスウルトラマンとカオスウルトラマンカラミティには決定打にならない。
「レイジングハート!」
『チェーンバインド!』
なのはは今、ゼルガノイドの相手をしている。
チェーンバインドで動きを封じようとするが、すぐに引き千切られる。
ゼルガノイドはビームスライサーを放つが、なのははラウンドシールドで防御する。
ゼルガノイドは更にソルジェント光線を放とうとする。
「ケイジングサークル!」
その時、ゼルガノイドの周囲に緑のリングが展開され、更にゼルガノイドの両手両足にオレンジのリングが囲み、動けなくなる。
「なのは!大丈夫かい!?」
「ユーノ君!うん、平気だよ!」
なのは達は態勢を立て直し、ゼルガノイドに攻撃を加える。
一方のスピカとネッシーはダランビアとジオモスの亜空間バリヤーに苦しめられている。
「攻撃が通りません!」
「防御魔法とは比べ物にならないわね!」
スピカとネッシーはダランビアの糸状の破壊光線やジオモスの破壊電磁波を避けるのに精一杯である。
「ミラクルゼロスラッガー!」
ゼロはミラクルゼロスラッガーを放つ。
カオスウルトラマンは自身を光の粒子化して躱し、カオスウルトラマンカラミティは素手で全てゼロに弾き返す。
ゼロは自身が放ったミラクルゼロスラッガーを弾き返され、全て被弾される。
「あのウルトラマン、とんでもなく手強いわね・・・」
「お前、そんな暢気なことを・・・」
カオスウルトラマンカラミティはカラミュームブレードを放つ。
ゼロはウルトラゼロランスからウルトラゼロディフェンダーに変化させ、カオスウルトラマンカラミティの攻撃を防ぐ。
その時、ゼロの背後に青黒い超高熱火炎の圧殺波動が命中される。
「ぐわあぁっ!?」
ゼロはその波動に吹き飛ばされ、元のゼロの姿に戻る。
ゼロは後ろに振り向くと、先程粒子化して躱されたカオスウルトラマンがいた。
先程の波動はカオスウルトラマンのインべーディングウェーブである。
カオスウルトラマンカラミティは立ち上がろうとするゼロにカラミュームショットを放つ。
ゼロはウルトラゼロレクターでカオスウルトラマンカラミティの光線を防ぐ。
カオスウルトラマンはゼロがカオスウルトラマンカラミティの光線を防いでいる隙にダーキングショットを放つ。
ゼロはカオスウルトラマンの攻撃を喰らい、ウルトラゼロレクターが破れ、カオスウルトラマンカラミティのカラミュームショットが直撃される。
「これはマズいわね・・・」
真理奈はこの光景を目の当たりにし、焦りを見せる。
「シン!」
「ちょっ、アンタ!」
セレナは居ても立ってもいられず、岩陰から走り出す。
(私は逃げない!私を救ってくれた彼がこのまま敵に追い詰められるのを見ているなど、私の誇りが許しません!)
セレナは三島大社の参道でシンに言われた言葉を思い出しながら戦場に走る。
その時、ディメンジョンゲートから黄色い光が現れ、その光がセレナの方に飛んでいき、そのままセレナを包み込む。
「今のは!?」
真理奈は今の展開を見て、ミコトがネッシーに変身した時の事を思い出す。
「これは・・・!?」
セレナは光に包まれた状態に呆気をとられる。
その時、セレナの目の前に黄色い光の球が現れ、その光がファンタジラインに変わる。
ファンタジラインの画面に「Tap the link」と表示される。
「これは!?あの2人が持っていた・・・!」
セレナは言いたい事が色々あるが、それは後回しにし、画面にタッチする。
その時、画面が黄色に拡がり、そこから黄色い光が溢れ出し、セレナを包み込む。
「ファンタジック・ダウンロード!」
セレナは黄色いコスチュームを身に纏い、胸に2本の剣を×の字に重ねた上に盾を上乗せしたような形をしたブローチを飾り、金色に染めたティアラを嵌め、湖畔の金木犀の木の下に居座る貴婦人に抱えられた幼子が描かれたスマホポーチが付けられる。
「輝く花の如く気高き騎士!キュアランスロット!」
プリキュアに変身したセレナはキュアランスロットと名乗る。
「キュアランスロット!?」
「新しいプリキュア・・・!」
「セレナちゃん・・・」
スピカとネッシー、なのはとユーノはセレナがキュアランスロットに変身した事に驚く。
「・・・私が・・・プリキュアに・・・」
ランスロットは自身の姿に動揺する。
「・・・シン・・・今、参ります!」
ランスロットは自分がプリキュアになった事に焦ってはいたが、今は平静になり、ゼロの元に走り出す。
一方・・・
「あやつの実家の近くに通り掛かってきたが、この頃合でテイルズハートチップが反応するとは・・・」
真理奈の家の近くに立っているアカデミックドレスの少女がそのように呟く。
そう、セレナに飛んでいた光の球はアカデミックドレスの少女が持っていたメモリーカード、つまりテイルズハートチップである。
「あなたは・・・」
「ム・・・」
アカデミックドレスの少女は声をかけられた者の方に振り向く。
「真理奈の母君・・・真奈美か・・・」
「3年間、何の音沙汰もなかったけど、元気そうでよかったわ。」
アカデミックドレスの少女の前にいる女性、真理奈の母、新真奈美はホッとしたような表情で言う。
「何の報せもなくすまぬな・・・」
「気にしないで、タロット。もう気にしてないわ。」
真奈美はアカデミックドレスの少女にタロットと呼ぶ。
「それより、あなたがたった今姿を現したという事は・・・」
「今は何も教えん。近い内にまたここに来ることになる。その時に話すぞ・・・」
タロットはそのように告げ、真奈美から去って行く。
真奈美は去って行くタロットを心配そうに見届ける。
いやー、黄色のオリジナルプリキュアは悩みましたよ・・・
あんまりピンとした名前浮かばなかったし・・・