ウルトラリリカルキュアファイト《リメイク》 作:JINISH
トランプ共和国にユグドラシルの残党を押し寄せられ、窮地に陥りかけている事を知るシン達はディアーナの案内でトランプ共和国付近に通じる抜け道で向かう。
トランプ共和国に到着したシン達はヴィヴィオとアインハルトと同じナカジマジムでトレーニングを努めているフーカ・レヴェントンと、ヴィヴィオと対戦したリンネ・ベルリネッタ、そして、なのは達と共に地球で起こったマクスウェル事件を解決したアミティエ・フローリアンとキリエ・フローリアンと出会う。
フーカ達とアミタ達を加えたシン達は大統領府に向かった。
その大統領府に攻め込もうとするユグドラシル兵は今も結界を破ることができず、手間取っていた。
「ホシイナーやナケワメーケ、それに機械兵器を使っても破れんとは・・・」
「怪獣達もウルトラマンの妨害でこちらに来れん・・・」
「待機させている例のクローン怪獣を使うか・・・」
ユグドラシル兵達は大統領府に攻め込むことができず、イライラしている。
「いた!あそこよ!」
ユグドラシル兵達は声がした方に振り向くと、シン達が向かってきた。
「お前達!」
「もうここまで来たのか!?」
ユグドラシル兵達はシン達が来たと分かった途端身構える。
その直後にホシイナーとナケワメーケはネッシーとランスロットによって浄化され、ガジェットドローンはなのはとエクセルによって破壊される。
「懲りねぇ奴らだな。デニーズってオッサンはもう護送されたってのによ。」
「でもここまでです。すぐに降伏してください。」
なのははユグドラシル兵達に投降を呼び掛ける。
「黙れ!何も知らん余所者風情が我々を捕えるだと!?笑わせるな!」
「我らはトランプの国を取り戻す!例えそれが悪質なやり方だとしても!」
「そして、ジコチュー共に乗っ取られる前の、古き良き強きトランプ王国を再建させる!」
「あぁ。それこそがデニーズ様の意志を受け継ぎ、真の平和と誇りを取り戻す唯一の道筋なのだ!」
ユグドラシル兵達はなのはの呼びかけに応じず、断固してトランプ共和国を作り変えると言い出す。
「お前達、なぜそこまでして・・・」
「よっぽど引っ込みがつかねぇんだろう・・・」
「えぇ・・・」
エクセルはなのはと並び立つように前に出る。
「アンタ達だって、本当は分かってるんでしょ?こんなことしても国の為にならないって。」
「な、なにを・・・」
「そうだね。こうしてテロ行為をしたところで、あなた達に付いていく人達が一人でもいたでしょうか?」
「っ・・・!」
なのははユグドラシル兵達の心を抉るかのように説教する。
「あなた達のやっている事はただ国民の方々に恐怖を齎すだけです。特に怪獣と言う不確かな存在を誇示した所でこの国に平和を齎すことは有り得ないはずです。なのにどうして?」
ミコトはなのはに続くように説教する。
「っ・・・!何故だと!?あの戦いはジコチュー共に奪われたトランプ王国の未来をかけた戦いだったのだ!キングジコチューが誕生し、この国の住民達がジコチューとなり、トランプ王国が滅ぼされた・・・!そのキングジコチューはプリキュア達に浄化され、国民達が解放された事は認める・・・。だが、今のトランプの国は共和国となり、国王陛下が王位を引退し、ジョナサン・クロンダイクが初代大統領に任命され、人間界と友好関係を築いた・・・?ふざけるな!!その為にかつて平和だったトランプ王国の面影をなかったことにするなど我慢できるか!」
ユグドラシル兵は涙が出そうになりかけるも、抑えていた怒りをぶつけなければ気が済まないと言わんばかりに言い訳をする。
「だからユグドラシルを・・・」
「・・・」
なのはは黙りこくっているが、エクセルより前に進み、ユグドラシル兵に詰め寄る。
「世界はいつだってこんなはずじゃなかった事ばかり・・・私が魔法と出会ってからそれを知りました。フェイトちゃんのお母さんを救けられなかった事、はやてちゃんの大切な人を見送るしかできなかった事、あの時の私は何もできませんでした。だから私は自分の目の前で悲しい物語が哀しいまま結末を迎えないように何としてでも助けるんだって決めたんです。」
「なのはさん・・・」
なのはは自分の過去を話し出す。
PT事件の事、闇の書事件の事。
あの時の事件が起きた頃、なのははまだ未熟だった。
それ故にプレシア・テスタロッサは庭園崩壊後、虚数空間に放り込まれる所を見届ける事しかできず、夜天の魔導書の防衛プログラムの再生を防ぐ為にリインフォース自身が消滅する所を見守る事しかできなかった。
だからこそ、なのははそのようなことがないようにフィル・マクスウェルを逮捕し、彼に利用されたイリスとユーリを救い、海鳴市に照準を向けた衛星砲を破壊した。
「あなた達がどれだけ国を愛していたか分かりました。でも、こんなやり方をしてトランプの国の為になりますか?亜久里ちゃんを誘拐して、無理矢理戴冠させようとして、トランプ共和国の秘宝を盗んで、クローン技術を兵器にして、一度だけならず二度もテロを及んで、もし願いが叶えられたとして、これこそがトランプ王国の未来だと胸を張って言えるんですか!?」
「・・・ぐっ・・・!」
なのはの言葉に口籠るユグドラシル兵達。
「大事なのは過去じゃなく未来なのよ。あなた達が求めたトランプ王国はもう戻ってこない。でも、未来を変える事は出来る。それは力を誇示するとかじゃなくて、守り合ったり、助け合ったり、同じ過ちを繰り返さないように解決策を模索していくの。その為にもあなた達を助けます。前回のテロや、今起こしたテロで傷ついた人達に報い、新しい一歩を踏み出す為にも!」
エクセルはユグドラシル兵にそのように言う。
「・・・フ、フフフ・・・ハ、ハハハ・・・どこまでも甘い・・・甘すぎる・・・!もう遅いのだ!何もかも!!」
ユグドラシル兵は紫の水晶を嵌めた杖を取り出し、頭上に掲げる。
すると、水晶が光り出し、大統領府の付近に魔法陣が展開される。
その魔法陣から、黒い体に胸部の発光体が備わり、赤い体表で覆われたサメのような怪獣が現れた。
「なっ!?」
「この怪獣は一体!?」
エクセル達は魔法陣から現れた怪獣を見て絶句する。
「フッハハハ!!これこそが我らの切り札!ゼットンとパンドンの細胞を組み合わせて誕生したクローン怪獣!今までのクローン怪獣と違っていう事聞かなかったが、このモンスターズルーラーの力があれば造作もない!行け!合体クローン怪獣ゼッパンドンよ!今こそ大統領府を攻め落とし、真のトランプ王国を再建するのだ!」
ユグドラシル兵は魔法陣から現れた怪獣をゼッパンドンと呼び、大統領府を攻め込めと命ずる。
本来この怪獣は合体魔王獣・ゼッパンドンと呼ぶ。
ジャグラス・ジャグラーがダークリングによってフュージョンアップする事で誕生したゼットンとパンドンを合体した魔王獣である。
ゼットンとパンドンの能力を持っており、オーブのサンダーブレスターですら苦戦を強いられた。
「そんなことさせない!」
なのは達はゼッパンドンの進攻を阻止しようと飛び上がろうとしたが、シンに止められる。
「俺に任せろ。お前らはこいつらを見張っておけ。」
シンはなのは達にユグドラシル兵達を見張るように言い、ウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出し、それを自身の目に嵌める。
よってシンはウルトラマンゼロに変身し、ゼッパンドンの前に立つ。
「勝てるでしょうか。真理奈さんから聞いた話ではゼットンとパンドンはハヤタさんやダンさんが苦しめた怪獣、その2体を合体した怪獣が相手なら・・・」
「大丈夫だよ。シン君は負けない。」
ネッシーはゼロとゼッパンドンが互いに対峙している光景を見て不安そうに言うが、なのははゼロの勝利を信じている。
「エクセルとミコトちゃんとセレナちゃんはガジェット達の対処をお願い。」
「はい!」
エクセルとネッシーとランスロットはなのはの指示により、城下町に残っている他のユグドラシル兵、ホシイナーとナケワメーケ、そしてガジェットドローンの対処に向かう。
「親父達を苦しめたゼットンとパンドンが合体した怪獣か。久々に腕が鳴るな?ブラックホールが吹き荒れるぜ!」
ゼロはゼッパンドンに攻撃を仕掛ける。
ゼッパンドンは瞬間移動でゼロの攻撃を躱し、紫色の破壊光線を放つが、ゼロはそれをウルトラゼロディフェンサーで防ぐ。
「エメリウムスラッシュ!」
ゼロはゼッパンドンにエメリウムスラッシュを放つが、対するゼッパンドンは六角形のバリアを展開してゼロの光線を防ぐ。
ゼッパンドンは反撃する為、口からゼッパンドン撃炎弾を放つ。
ゼロはウルティメイトブレスレットからウルトラゼロランスを出し、ゼッパンドンの火球を斬り落とす。
ゼッパンドンは接近してくるゼロに尻尾で攻撃するが、ゼロはそれを受け止め、ハンマー投げの如く投げ飛ばす。
ゼッパンドンは起き上がり、再びゼッパンドン撃炎弾を放つ。
ゼロはジャンプしてゼッパンドンの攻撃を躱した直後、ウルトラゼロキックを繰り出す。
しかし、ゼッパンドンは稲妻状の光線でゼロを弾き飛ばす。
ゼロはゼッパンドンの光線で地に転がるが、すぐに立ち上がり、ウルトラゼロランスを投げ飛ばす。
ゼッパンドンは全身の高熱でウルトラゼロランスを溶かす。
ゼロはこの隙を逃さなかったのか、超高速で接近し、ゼロナックルを繰り出す。
ゼッパンドンはゼロの超高速によるパンチで後ろに倒れ込む。
ゼッパンドンは起き上がり、ゼッパンドン撃炎弾を数発放つが、一方のゼロはゼロスラッガーでゼッパンドンの火球を防ぐ。
その後、ゼロはゼロスラッガーを合体させたゼロツインソードを手に持ち、ゼッパンドンに接近する。
ゼロのゼロツインソードによる斬撃はゼッパンドンの胸の発光体を一の字に斬られる。
本来オーブを苦しませたゼッパンドンはジャグラス・ジャグラーがフュージョンアップした魔王獣の為、本能で戦う並の怪獣とは違って、戦況を的確に判断し、臨機応変に対応できる強敵である。
しかし、今ゼロが戦っているゼッパンドンはバリアを展開したり、瞬間移動で回避したり、全身の高熱で武器を溶かすなどするものの、所詮はクローン怪獣。
しかもユグドラシル兵が持つモンスターズルーラーで操られている為、そんじょそこらの怪獣と変わらなかった。
それがプリキュアの世界で誕生した個体とオーブが苦戦した個体の違いである。
「止めだ!」
ゼロはゼロツインソードを分離し、ゼロスラッガーをカラータイマーに装着し、エネルギーを充填する。
「ゼロツインシュート!」
ゼロはゼッパンドンにゼロツインシュートを放つ。
ゼッパンドンは六角形のバリアを展開するが、ゼロの光線に耐えきれず、バリアが打ち砕かれ、そのまま直撃される。
ゼッパンドンはそのまま仰向けに倒れ、爆散される。
「ば、バカな・・・」
「我らの切り札が・・・」
ユグドラシル兵達はゼッパンドンが倒された光景を見て、戦意を失ったかのように地に膝を付く。
「おぉぉぉ・・・!うおぉぉぉっ!!」
中には悔しそうに拳を地面に叩く者もいた。
更にモンスターズルーラーを手放して呆然とする者もいた。
「すごい・・・」
「あれがウルトラマンの力・・・」
「流石じゃのう・・・」
「うん・・・」
アミタ、キリエ、フーカ、リンネはスケールの違う戦いを目の当たりにして圧巻する。
なのはとユーノはユグドラシル兵に近寄る。
「ユグドラシルの皆さん、テロの現行犯であなた達を逮捕します。あなた達の身柄はクロンダイク大統領に預けます。どうか神妙にして下さい。」
「このモンスターズルーラーもロストロギア扱いとして封印させてもらいます。」
こうして、ユグドラシルの残党によるテロは幕を下ろした。
ウルトラ6兄弟が対峙している怪獣軍団も全滅。
城下町に放たれているホシイナーやナケワメーケ、ガジェットドローンもエクセル、ミコト、セレナによって全滅。
モンスターズルーラーはロストロギア扱いとして封印されるが、時空管理局に戻れない為、一時真理奈の家で保管する事になった。
その夜、トランプ共和国郊外にて・・・
「魔法を封じるゴスペル・・・2体の怪獣の細胞を併せ持つクローン怪獣・・・どうやら裏で手を引いてるようじゃな・・・」
タロットはトランプ共和国を見て意味深な言葉を言い残し、杖を地面に付く。
「星に住む精霊達よ。我らの手を取りて、新たなる地へと導き給え。」
タロットは呪文を唱えると光に包まれ、何処かへと消えていく。
ようやくユグドラシルの後始末が終わった。
これで本格的に次のステップへ行けます・・・(やっとやで・・・)