超サイヤ人   作:桂ヒナギク

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10.フリーザの最期

 フリーザが第三形態に変身する。

「フッフッフ、こうなってしまえば、お前はもうおしまいだ。本気を出す前に倒してあげますよ」

「本気?」

「ええ」

「本気のあなたと戦ってみたいわね」

 フリーザが猛スピードでキャルロットに迫る。

 キャルロットはフリーザの攻撃をいなし、カウンターを浴びせる。

「ぐ!」

 怯むフリーザ。

 追い討ちの蹴り。

「うおわ!」

 フリーザはバランスを崩して倒れる。

 キャルロットは地面に伏したフリーザを蹴り転がす。

「あなた、やりますね。少々(かん)に障りますよ!」

 フリーザは眉間に青筋を立てながら最終形態に変身する。

「あなたには本気を見せてあげます。後悔しても知りませんからね」

 フリーザがキャルロットの懐に潜る。

 キャルロットはフリーザに拳を腹部にねじ込まれ、くの字に折れ曲がって吹っ飛ぶ。

 岩壁にめり込むキャルロット。

「やっとまともになったわね」

「なんですって?」

 キャルロットは一瞬でフリーザの懐に潜り、拳を腹部にお見舞いする。

「ぐおえ!」

 吐血するフリーザ。

 キャルロットはフリーザを乱打し、遠くへ吹っ飛ばして光線を放った。

 フリーザは間一髪のところで光線をかわした。

「貴様、いったい何者だ!?」

「ただのサイヤ人、らしい」

「貴様、(スーパー)サイヤ人なのか?」

「フリーザ、今のあんたじゃ私には勝てないわ。早々にこの星を去りなさい?」

「うるさい! 黙れ! こんな星、貴様もろとも破壊してやる!」

 フリーザが特大の気弾を作り、地面に向かって投げつけた。

 気弾は地面にぶつかると、そのままめりめりとめり込んで地上に大穴を開けた。

 すると、大地が揺れ、地中からマグマが噴出し始める。

「ベジータ、他の人たちを連れてこの星から逃げて!」

「お前はどうするんだ?」

「私は、フリーザを倒してからなんとかするわ」

「わかった。勝てよ」

 ベジータは悟飯たちを見る。

「お前たち、ここはやつに任せて、この星を出るぞ!」

「あ……ああ……」

「だけど、この星の人たち全員を脱出させるのなんて無理ですよ」

「バカが! ドラゴンボールがあるだろう?」

「そうか! 神龍(シェンロン)でナメック星人たちを地球に移動させればいいんだ!」

「それじゃあ、僕が神龍を呼びます」

 デンデがドラゴンボールの元へ飛び立つ。

「そんなことは許しませんよ!」

 フリーザがデンデに気弾を投げようとするが、キャルロットに回り込まれてしまう。

「いいでしょう。あなたを殺して、この星ごとみなさんに消えてもらいましょう」

「死ぬのは、あんただけよ!」

 キャルロットはフリーザを下方に叩きつける。

「ぐわ!」

 フリーザはマグマに突っ込む直前で急停止した。

 そして、キャルロットの懐に潜って拳を乱打する。

 キャルロットは涼しい顔をしていた。

「おのれ、おのれ、おのれええええ!」

 フリーザの渾身の一撃をキャルロットは右手で掴んで受け止める。

「往生際が悪いぞ」

 その時、空が暗くなり、遠くに神龍が現れる。

「しまった!」

 フリーザは神龍の元へ向かう。

「行かせない!」

 キャルロットはフリーザを追う。

 フリーザは神龍の元に辿り着く。

「この私を不老不死にしろ!」

 神龍は反応しない。

「なぜだ!?」

「タッカラプトポッポルンガプピリットパロ!」

 デンデの呪文のような一言で、キャルロットとフリーザを残した全員が、神龍ごと地球へ瞬間移動してしまう。

「おのれー!」

 フリーザはキャルロットの方を振り向く。

「こうなったら、貴様だけでも消してやる! 今見せてやるぞ……一〇〇%の力を!」

 フリーザが力を溜め、筋肉を膨張させた。

「いくぞ!」

 フリーザの怒涛の攻撃がキャルロットを襲う。

 キャルロットは傷つき、ボロボロになりながらもなんとか攻撃を耐えていた。

「はあ……はあ……はあ……はあ……!」

 疲弊するフリーザ。

「し、しぶとい奴め……」

 フリーザは気円斬を放つ。

 キャルロットは気円斬をかわす。

 だが気円斬はブーメランのように戻ってきてキャルロットの背後に迫る。

 キャルロットはフリーザの背後に一瞬で移動する。

「わかっているさ」

 フリーザとキャルロットがジャンプで気円斬をかわす。

 キャルロットはフリーザの前方に回り込んだ。

「あんた、もう諦めな」

 フリーザの背後に気円斬が迫る。

「伏せて!」

「ふん! その手には……!?」

 フリーザの上半身と下半身が気円斬で真っ二つになる。

「ぐお!」

 地に伏すフリーザ。

「たす……け……助けて……くれ」

「ふざけないで! あんたはそうやって命乞いしたものを何人殺してきたの!?」

 キャルロットはフリーザにエネルギーを分け与えた。

「私のエネルギーを分けてあげたわ。あんたならそれで助かるはず。あとは勝手にしな」

 キャルロットはポッドの元へ飛び立つ。

「ゆ……赦さん。お前は、この俺に、殺されるべきなんだああああ!」

 フリーザの光線がキャルロットに迫る。

「馬鹿者!」

 キャルロットの反撃がフリーザを襲う。

「やばい……!」

 キャルロットはポッドに急いだ。

 


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