超サイヤ人   作:桂ヒナギク

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11.乗っ取られたキャルロット

 ポッドに乗り込んだキャルロットは、消滅寸前のナメック星を脱出した。

 宇宙空間に飛び出した刹那、ナメック星が完全に消滅した。

 悟空が乗った宇宙船とすれ違う。

 悟空は宇宙船の中からナメック星を見ながら言う。

「星が消えちまった」

 一方、キャルロットの乗るポッドは。

「ん?」

 キャルロットはポッドの燃料の残りを確認した。

 燃料は残り少なく、途中で入れる必要があった。

 ポッドは近くの星に着陸した。

 燃料を入手し、ポッドに給油する。

 そこへ、灰色の赤ん坊が現れる。

「お前、すごいパワーを秘めている」

「ん?」

 キャルロットが振り返った瞬間、赤ん坊が飛びかかってきた。

 赤ん坊はジェル状になり、キャルロットの体内に侵入しようとする。

「ぐ! なんだ!?」

 キャルロットは苦痛に顔を歪めながら、赤ん坊の侵入を許してしまった。

 ニヤリと笑みを浮かべるキャルロット。

 キャルロットに侵入したのは、ツフル人が作った寄生生物ベビーだった。

「この体は私のものよ!」

「なに!?」

 キャルロットは宙に舞い上がり、超サイヤ人となって気でベビーを体外へ押し出した。

 ベビーが地面に転がる。

 不敵に微笑むベビー。

「う!?」

 一瞬、キャルロットの瞳が赤く染まった気がした。

 キャルロットは地上に降りる。

「お前、名はなんという?」

「キャルロットです、ベビー様」

「ではキャルロット、お前のサイヤパワー、全て俺によこせ」

「はい」

 キャルロットは自身のエネルギーのほぼ全てをベビーに与えた。

 ベビーはすくすくと成長し、少年くらいの大きさになった。

「キャルロット、俺も地球とやらに連れて行け」

「ですが、このポッドは一人用です」

「ではもう一度、お前の体を貸してもらおうか」

 ベビーはジェル状になりキャルロットの中に入り込んだ。

 キャルロットはポッドに乗り飛び立った。

 宇宙にポッドが飛び出すと、フリーザの宇宙船が近くに見えた。

(フリーザ……)

 フリーザの宇宙船からビームが放たれ、ポッドが破壊される。

「なっ!」

 粉砕されたポッドから、星の引力で地上へと落下していくキャルロット。

 ベビーはキャルロットの体から飛び出し、フリーザの宇宙船に潜入した。

 地上に落下するキャルロット。

 そこに、医師が現れる。

「おやおや、怪我をしてるではありませんか」

「ここは?」

「ここは惑星ピタル。医療が盛んな星であります」

「治療してくれるの? でも、お金ないですよ」

「構いませんよ。あなたは宇宙の帝王と呼ばれた悪名高いフリーザを倒されたので、特別サービスです」

「なぜそのことを知って?」

「先程、受け入れ要請があったのですよ。亡くなられたようですがね」

「そうなんですね。それより、手当を」

「ついてきて下さい」

 キャルロットは医師について行く。

 通されたのは病院の診察室。

 そこで医師の治療を受けるキャルロット。

「ねえ、この星は定期便ってある?」

「もちろんですとも。ここから少し離れたところに、空港がございます」

「ありがとう」

 治療を終え、病院を出るキャルロット。向かう先は空港だ。

 空港に着き、宇宙船に乗り込む。

 宇宙船はピタルを発った。

 


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