ポッドに乗り込んだキャルロットは、消滅寸前のナメック星を脱出した。
宇宙空間に飛び出した刹那、ナメック星が完全に消滅した。
悟空が乗った宇宙船とすれ違う。
悟空は宇宙船の中からナメック星を見ながら言う。
「星が消えちまった」
一方、キャルロットの乗るポッドは。
「ん?」
キャルロットはポッドの燃料の残りを確認した。
燃料は残り少なく、途中で入れる必要があった。
ポッドは近くの星に着陸した。
燃料を入手し、ポッドに給油する。
そこへ、灰色の赤ん坊が現れる。
「お前、すごいパワーを秘めている」
「ん?」
キャルロットが振り返った瞬間、赤ん坊が飛びかかってきた。
赤ん坊はジェル状になり、キャルロットの体内に侵入しようとする。
「ぐ! なんだ!?」
キャルロットは苦痛に顔を歪めながら、赤ん坊の侵入を許してしまった。
ニヤリと笑みを浮かべるキャルロット。
キャルロットに侵入したのは、ツフル人が作った寄生生物ベビーだった。
「この体は私のものよ!」
「なに!?」
キャルロットは宙に舞い上がり、超サイヤ人となって気でベビーを体外へ押し出した。
ベビーが地面に転がる。
不敵に微笑むベビー。
「う!?」
一瞬、キャルロットの瞳が赤く染まった気がした。
キャルロットは地上に降りる。
「お前、名はなんという?」
「キャルロットです、ベビー様」
「ではキャルロット、お前のサイヤパワー、全て俺によこせ」
「はい」
キャルロットは自身のエネルギーのほぼ全てをベビーに与えた。
ベビーはすくすくと成長し、少年くらいの大きさになった。
「キャルロット、俺も地球とやらに連れて行け」
「ですが、このポッドは一人用です」
「ではもう一度、お前の体を貸してもらおうか」
ベビーはジェル状になりキャルロットの中に入り込んだ。
キャルロットはポッドに乗り飛び立った。
宇宙にポッドが飛び出すと、フリーザの宇宙船が近くに見えた。
(フリーザ……)
フリーザの宇宙船からビームが放たれ、ポッドが破壊される。
「なっ!」
粉砕されたポッドから、星の引力で地上へと落下していくキャルロット。
ベビーはキャルロットの体から飛び出し、フリーザの宇宙船に潜入した。
地上に落下するキャルロット。
そこに、医師が現れる。
「おやおや、怪我をしてるではありませんか」
「ここは?」
「ここは惑星ピタル。医療が盛んな星であります」
「治療してくれるの? でも、お金ないですよ」
「構いませんよ。あなたは宇宙の帝王と呼ばれた悪名高いフリーザを倒されたので、特別サービスです」
「なぜそのことを知って?」
「先程、受け入れ要請があったのですよ。亡くなられたようですがね」
「そうなんですね。それより、手当を」
「ついてきて下さい」
キャルロットは医師について行く。
通されたのは病院の診察室。
そこで医師の治療を受けるキャルロット。
「ねえ、この星は定期便ってある?」
「もちろんですとも。ここから少し離れたところに、空港がございます」
「ありがとう」
治療を終え、病院を出るキャルロット。向かう先は空港だ。
空港に着き、宇宙船に乗り込む。
宇宙船はピタルを発った。