超サイヤ人   作:桂ヒナギク

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12.悟空帰る。地球はみんなオラの敵

 地球にフリーザの宇宙船が着陸した。

 コルド大王とメカフリーザが降りてくる。

「フリーザよ、ここがサイヤ人の仲間が住んでいる星か?」

「そうだよ、パパ」

「ふん。そのサイヤ人が戻ってくる前にそいつらを消してしまうか」

 二人の背後にベビーが現れる。

「そんなことはさせない」

「誰だ!?」

 振り返るコルド大王とフリーザ。

「なんだ貴様は?」

「俺はツフル人だ。お前たちにこの星の人間どもを消されては困るのだよ」

「それはなぜだ?」

「なぜ? この星のものどもを奴隷にするからだ。無論、お前たちも例外ではないぞ」

「貴様、この私をコルド大王と知っての狼藉(ろうぜき)か?」

「ふん」

 ベビーがジェル状になってコルド大王に飛びかかった。

「ぬお!?」

「パパ!」

 ベビーがコルド大王に浸透する。

「うわ!」

 コルド大王はバランスを崩して倒れた。

「大丈夫? パパ」

「……………………」

 コルド大王は無言で立ち上がる。

「大したことないな」

 コルド大王の首がちぎれ、ベビーが飛び出してくる。

「貴様!」

「さて、お前はどうだ?」

 ベビーがフリーザに侵入した。

「ぐ!?」

「こいつもか」

 前屈したフリーザの背中からベビーがニュルッと出てくる。

 倒れるフリーザ。

(やはり狙うはサイヤ人)

 ベビーは気を探った。

(西の都に強い気を感じる)

 ベビーは西の都に移動した。

 そこではベジータたちが休息を取っていた。

「ん?」

 ベジータが邪悪な気に気づく。

「気をつけろ、お前たち!」

 ベビーがベジータの前に降りてくる。

「何者だ!?」

「お前、サイヤ人だな?」

「なに?」

「お前の体、いただくぞ」

「なにを言って?」

 ベビーはベジータに侵入する。

「ベジータ!」

 クリリンの声に振り返るベジータ。

「お前も俺のシモベになれ」

 ベジータの体からベビーが飛び出し、次はクリリンへと寄生する。

 ベビーは地球にいるものに次々と寄生を繰り返し、ついには全員を下僕へと変えてしまった。

 そんなカオスと化した地球に、悟空を乗せた宇宙船が帰還した。

「あり? なんでみんな迎えてくれねえんだ?」

「出迎えてほしかったのか、カカロット?」

 と、ベジータが現れる。

「ベジータ! なんでおめえがここに?」

「ナメック星の神龍で移動してきたんだ。それより」

 ベジータが徐に悟空へ歩み寄る。

「ふん!」

 ベジータの拳が悟空の腹部にねじ込まれた。

「ぐおえ!」

(一瞬だが、ベジータの中に別の気を感じた)

 悟空は体勢を整え、ベジータの方を向いた。

「おめえ、ベジータじゃねえな」

「ふ、お見通しか」

 ベジータの中からベビーが現れる。

「お前の方が強そうだ。その体、いただくぞ」

「何?」

 ベビーがジェル状なる瞬間、悟空が気弾でベビーを攻撃した。

「ぐわ!」

 バラバラになって飛び散るベビーの細胞。

 ベビーの細胞は一箇所に集まり、元の姿に戻る。

「お前を手下にするのはやめだ」

 ベビーが悟空に接近し、攻撃をする。

 悟空は攻撃をガードし、隙あらば反撃してベビーを怯ませた。

 そこへ、クリリンと悟飯がやってくる。

「お父さーん! 手伝いにきましたー!」

「来るんじゃない! 悟飯、クリリン!」

 ベビーの横に着地する悟飯とクリリン。

 クリリンが悟空に気弾を放つ。

 悟空は迫る気弾を弾いた。

「誰を、とは言わなかったな」

「クリリン、どういうつもりだよ?」

「この二人は俺に従ってくれるそうだ。そうだよな?」

「「はい」」

「なんだと?」

「二人とも、悟空を殺せ」

「「はい!」」

 悟飯とクリリンが悟空へと迫る。

 悟空は気合で二人を吹っ飛ばして気絶させた。

 ベジータが起き上がり、ベビーの元へ移動する。

「ベジータ、おめえもなんか?」

「ふん!」

 ベジータが悟空に気弾を放った。

 悟空は気弾を弾く。

「ベジータ、やつを殺せ」

「かしこまりました、ベビー様」

 ベジータが悟空へと迫る。

 


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