超サイヤ人   作:桂ヒナギク

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13.怒涛の反撃

 悟空とベジータの戦いが始まった。

 差は歴然だった。

 ナメック星へ向かう宇宙船の中で修行をしていた悟空は、ベジータの上をいっていたのだ。

「ぐ……!」

 圧倒的なパワーで追い詰められるベジータ。

「なにをしている、ベジータ?」

「申し訳ありません、ベビー様。カカロットがあまりにも強いので」

「ほおう?」

「ベビーっちゅうんか、おめえ。みんなを元に戻せ!」

「それはできない相談だ。俺の卵は絶対に取り除けない」

「卵だ?」

「俺は一度入った相手には必ず卵を産み付けている。その卵が孵り、脳まで達すれば、そいつは俺の思い通りに動く」

「いやな能力だな」

「全くその通りね」

 と、キャルロットが現れる。

「遅いぞ、キャルロット!」

「申し訳ございません」

 キャルロットはベビーの背後に降りると、不意打ちの回し蹴りを浴びせた。

「ぐお!?」

 吹っ飛んでいくベビー。

「全く。正直焦ったわ。界王神様とキビトさんがいなかったらどうなってたか」

 ことは三十分前。

 地球に到着したキャルロットは、ベビーの元へ向かうつもりだったが、界王神を名乗る者とその付き人であるキビトに囲まれ、行手を阻まれたのだ。

「なに、あなたたち?」

 界王神は小瓶に入った不思議な液体、超神水(ちょうしんすい)をキャルロットにふっかける。

「ぎゃ!」

 苦痛に顔を歪めたキャルロットの体から禍々しい霧のようなものが抜け出して消滅した。

「あ? 動ける!?」

「キャルロットさんですね。あなたのことは界王神界から拝見させてもらっていました」

「界王神界?」

「神の世界ですよ」

「……?」

 疑問符を浮かべるキャルロット。

「おっと、こうしてはおれません。あの邪悪なベビーを倒して下さい」

「ヘビー?」

「それは重量! ヘビーじゃなくて、ベビーです!」

「わかってるわよ。あいつには一泡吹かせたいからね」

「再び洗脳されないよう気をつけて下さい」

「大丈夫!」

 キャルロットはベビーの元へ飛んだ。

「あの子で大丈夫でしょうか?」

「キャルロットさんなら大丈夫でしょう」

 というわけで、現在。

「正気か貴様?」

「あんたに操られて生きて行くぐらいなら、死んだ方がマシよ」

「ほおう。そうかね。じゃあお望み通り殺してやる」

 ベビーがキャルロット目掛けて突進してきた。

 キャルロットはベビーの攻撃をかわす。

「死ぬのは、あんたの方だけどね!」

 キャルロットの光線がベビーを襲う。

 ベビーは光線を潜ってキャルロットの肉体を狙う。

 キャルロットはジェル状になったベビーをかわす。

「くっ! その肉体、俺によこすのだ!」

「いやーだよ!」

「きいいいい!」

 怒り狂ったベビーが気弾を連射する。

 キャルロットは迫り来る無数の気弾をかわし、反撃のチャンスを窺う。

(どうするか)

「取り押さえろ、ベジータ」

「はい!」

 ベジータがキャルロットを取り押さえる。

「しまった!」

 ベビーがニヤリと笑み浮かべ、ジェル状になって接近してきた。

 焦った表情を見せるキャルロット。

「なんちゃって。対策済みです」

 ジェル状のベビーが、キャルロットに侵入する刹那、何かに弾かれて吹っ飛んだ。

「なんだ? なにが起きた?」

「気のバリアよ。あんたに入られる瞬間に張らせてもらったのよ」

 キャルロットはベジータをベビーに向かって放り投げた。

 ベビーはベジータをかわす。

 キャルロットは静かに気を溜め、超サイヤ人に変身した。

「さて、反撃といきますか」

 キャルロットはベビーの懐に潜った。

 


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