超サイヤ人   作:桂ヒナギク

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15.覚醒せよ!超サイヤ人!

 キャルロットはパオズ山の悟空の家にやってきた。

「おう。来たか、キャルロット」

「兄さん、超サイヤ人になりたいの?」

「ああ。オラ、もっともっと強くなって、地球を守りてえ」

「そっか。じゃあ、特訓だね」

「それじゃあ、天界の精神と時の部屋行くか」

「天界? それどこにあるの?」

「あっちの方だ」

 キャルロットは気を探る。

(強い戦闘力を二つ感じる。一つはデンデか)

「兄さん、私に掴まって」

「掴まってってどうすんだ?」

「瞬間移動よ」

「瞬間移動?」

「ベビーに操られてる時、ヤードラット星ってところで教わったわ」

 悟空がキャルロットの肩に手を置く。

 キャルロットは額に指を当てて意識を集中し、悟空と共に天界へと瞬間移動した。

「うわあ!?」

 いきなり眼前に出現した二人にデンデが驚いて尻餅をついた。

「キャルロットさん! と、こっちは?」

「オラとは初めてだったな。孫 悟空ってんだ。キャルロットの兄ちゃんだ」

「もしかして、悟飯さんの?」

「ああ、そうだ」

 悟空の肯定の後、キャルロットが口を開く。

「私たち、精神と時の部屋? ってのを使いたいんだ」

「精神と時の部屋ですか。どうぞ、ご自由に使って下さい」

「ありがとな」

 と、悟空。

 キャルロットと悟空は精神と時の部屋へと入った。

「……!?」

「重いだろ?」

「そうね」

「最初入った時、オラもそうだった」

「まあ、動けなくはないわね。慣れれば普通に動けるかも」

 キャルロットは果てしなく続く白銀世界の中で体を鳴らすために入口の周辺をマラソンで数周する。

「こんなところか」

 キャルロットと悟空は向き合う。

 そして、本気の戦いを始めた。

 互いに乱打し合い、隙を突かれたキャルロットの顔に悟空の拳がめり込む。

「ぐわ!」

 吹っ飛んで地面に転がるキャルロット。

「今のはちょっと効いたわ」

「なあ、おめえ超サイヤ人になってくれねえか?」

「いいの? 火傷じゃ済まないかもよ」

「超サイヤ人に界王拳で対抗してみる」

「……そう」

 キャルロットは静かに気を溜め、超サイヤ人に変身する。

「界王拳!」

 悟空は界王拳を発動し、目にも留まらぬ速さでキャルロットの懐に潜って拳を突き出す。

 が、キャルロットは微動だせず、反撃して悟空を吹っ飛ばした。

「うえあ!」

 悟空が地面に転がる。

「強えな。流石、超サイヤ人。だけんど……」

 立ち上がる悟空。

「一〇〇倍だ——っ!」

 悟空はパワーをアップさせてキャルロットを攻撃する。

 キャルロットは涼しい顔で、悟空の攻撃を耐える。

「ほれ」

 ワンパンで悟空を吹っ飛ばした。

 地面に転がる悟空。

「くそ! 全く歯が立たねえ!」

「超サイヤ人には怒りが必要よ。大切な者が殺されたところを思い浮かべて」

 悟空は、親友のクリリンが、何者かに殺される瞬間をイメージした。

 プチン!

 悟空の髪質に変化が起こる。

 毛根から段々を黄金に染まり始め、最終的には超サイヤ人へと変貌した。

「やったよ兄さん! それが超サイヤ人だよ!」

「力が満ち溢れてくる……、これが超サイヤ人……!?」

「そのまま行くよ!」

 キャルロットが悟空に迫る。

 悟空はキャルロットの攻撃をかわし、その顔面のぶん殴って吹っ飛ばし、追撃の乱打を浴びせ、かめはめ波を放った。

「……!?」

 悟空の暴走に気づいたキャルロットは光線をかわし、連続エネルギー弾をぶっ放して彼の体力を減らしていく。

「兄さん、目を覚まして!」

 キャルロットが巨大なエネルギーボールを作り出して悟空に投げ飛ばした。

「ぐわ!」

 爆煙に包まれた悟空は超化が解けて地面に倒れた。

 


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