キャルロットが死んで一日が経とうとしていた。
セルの暴挙は、悟空たちが必死に食い止めている。
「キャルロット、お前さん、フリーザを倒したそうじゃな?」
「ええ、まあ」
「どうれ。超サイヤ人というのを見せてはくれんか?」
「超サイヤ人ね。いいよ」
キャルロットが気を開放すると、髪が金色に輝き始めた。
(こ、こいつは凄い。悟空に教えた界王拳、重ねたらどうなるかの)
「お主、界王拳に興味はないか?」
「界王拳?」
「そうじゃ。悟空にも教えたんじゃがな、超サイヤ人に界王拳を乗せたらどうなるのかと思っての」
「それでセルを?」
「倒せるはずじゃ、セルだけに」
界王は笑い出した。
「界王様、寒いですよ」
更に半日、キャルロットは界王のトレーニングを受け、界王拳を習得した。
「おーい」
水晶玉に乗った老婆が現れる。
「占いオババじゃ」
「お主を一日だけ地上に下ろしてやる」
「その間にセルを倒してこい」
キャルロットは占いオババと共に地球に降り立つ。
「私が案内できるのはここまでじゃ」
「構わないわ」
「その状態でもう一度死ぬと消滅してしまうからのう。絶対に死ぬんじゃないぞ」
「わかった」
キャルロットはそう答えると、セルの元へと飛び立った。
「うん?」
セルはキャルロットの戦闘力に気づく。
「生きていたのか!?」
「いや、死んでるわ。けど、本当に死ぬのはあんたを倒してからよ!」
「この私を倒す、だと? 笑わせるな」
キャルロットが辺りを見渡すと、多くのものが地に
「はああああ!」
キャルロットは気を解放して超サイヤ人に変身する。
刹那、キャルロットの姿が消え、セルの腹部に彼女の拳が埋まった。
「ぐえ!」
くの字に折れ曲がり、吹っ飛んでいくセル。
「絶望というものを味わわせてあげるわ」
界王拳発動。
キャルロットは吹っ飛ぶセルを追尾し、上部から殴り落とし、地上に先回りして落下してきたセルの背中を片手で受け止めた。
「ぐは!」
吐血するセル。
「ふん!」
キャルロットはセルを放り投げた。
セルは身動きが取れないでいた。
キャルロットはセルに向けて手の平を突き出した。
「や、やめて……くれ……」
キャルロットは無言を回答に、セルに向かって気功波を放った。
「ぐおおおお!」
セルは悲鳴を上げながら消滅した。
同時に、17号と18号が投げ出される。
「う……」
17号がキャルロットを見る。
「あんたが俺たちを?」
続いて18号も顔を上げた。
「へえ。強いんだね、あんた」
「おい、その輪っかはなんだ?」
17号はキャルロットの頭の輪を見て言った。
「私、死んじゃったのよ」
「そうか」
「それじゃ、行くわね」
キャルロットはそう言うと、占いオババの元へ向かう。
「無事にセルを倒したようじゃな」
「界王拳使ったら一瞬だった」
「全く、サイヤ人には驚かされるわい。さて、戻るとするかのう」
キャルロットは占いオババと共にあの世に戻るのであった。