超サイヤ人   作:桂ヒナギク

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19.帰ってきたキャルロット セルの消滅

 キャルロットが死んで一日が経とうとしていた。

 セルの暴挙は、悟空たちが必死に食い止めている。

「キャルロット、お前さん、フリーザを倒したそうじゃな?」

「ええ、まあ」

「どうれ。超サイヤ人というのを見せてはくれんか?」

「超サイヤ人ね。いいよ」

 キャルロットが気を開放すると、髪が金色に輝き始めた。

(こ、こいつは凄い。悟空に教えた界王拳、重ねたらどうなるかの)

「お主、界王拳に興味はないか?」

「界王拳?」

「そうじゃ。悟空にも教えたんじゃがな、超サイヤ人に界王拳を乗せたらどうなるのかと思っての」

「それでセルを?」

「倒せるはずじゃ、セルだけに」

 界王は笑い出した。

「界王様、寒いですよ」

 更に半日、キャルロットは界王のトレーニングを受け、界王拳を習得した。

「おーい」

 水晶玉に乗った老婆が現れる。

「占いオババじゃ」

「お主を一日だけ地上に下ろしてやる」

「その間にセルを倒してこい」

 キャルロットは占いオババと共に地球に降り立つ。

「私が案内できるのはここまでじゃ」

「構わないわ」

「その状態でもう一度死ぬと消滅してしまうからのう。絶対に死ぬんじゃないぞ」

「わかった」

 キャルロットはそう答えると、セルの元へと飛び立った。

「うん?」

 セルはキャルロットの戦闘力に気づく。

「生きていたのか!?」

「いや、死んでるわ。けど、本当に死ぬのはあんたを倒してからよ!」

「この私を倒す、だと? 笑わせるな」

 キャルロットが辺りを見渡すと、多くのものが地に()していた。

「はああああ!」

 キャルロットは気を解放して超サイヤ人に変身する。

 刹那、キャルロットの姿が消え、セルの腹部に彼女の拳が埋まった。

「ぐえ!」

 くの字に折れ曲がり、吹っ飛んでいくセル。

「絶望というものを味わわせてあげるわ」

 界王拳発動。

 キャルロットは吹っ飛ぶセルを追尾し、上部から殴り落とし、地上に先回りして落下してきたセルの背中を片手で受け止めた。

「ぐは!」

 吐血するセル。

「ふん!」

 キャルロットはセルを放り投げた。

 セルは身動きが取れないでいた。

 キャルロットはセルに向けて手の平を突き出した。

「や、やめて……くれ……」

 キャルロットは無言を回答に、セルに向かって気功波を放った。

「ぐおおおお!」

 セルは悲鳴を上げながら消滅した。

 同時に、17号と18号が投げ出される。

「う……」

 17号がキャルロットを見る。

「あんたが俺たちを?」

 続いて18号も顔を上げた。

「へえ。強いんだね、あんた」

「おい、その輪っかはなんだ?」

 17号はキャルロットの頭の輪を見て言った。

「私、死んじゃったのよ」

「そうか」

「それじゃ、行くわね」

 キャルロットはそう言うと、占いオババの元へ向かう。

「無事にセルを倒したようじゃな」

「界王拳使ったら一瞬だった」

「全く、サイヤ人には驚かされるわい。さて、戻るとするかのう」

 キャルロットは占いオババと共にあの世に戻るのであった。

 


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