超サイヤ人   作:桂ヒナギク

5 / 20
5.そんなに弱くてよく用心棒と名乗れたものだ……

 取調室。

「金もないのになぜ店に入った?」

「腹が減ってたから」

「金がないなら食うんじゃない。それとも、無銭飲食が目的なのか?」

「いや、決してそんなことは。ていうか、那由他って高すぎだと思うわよ?」

「反省の色が見えないな。お前たちにはお仕置きをしてやる」

 ベジータが取調官に気弾をぶつけて消し炭に変えた。

「ちょっと何やってんのよ!?」

 そこへ、大勢の警察官が集まってくる。

「貴様、よくも!」

「捕らえろ!」

「あーあ、知らない」

 二人は目にも留まらぬ速度で警察官を薙ぎ倒し、署から脱出する。

 そしてその足でポッドの着地点まで向かうが。

「あれ?」

「ポッドはどこに行ったんだ?」

「あ!」

 キャルロットがポッドを乗せて移動するトラックを見つけた。

「追うぞ!」

 ベジータが飛び立つ。

 キャルロットもポッドを追い、どこかの宮殿へと辿り着く。

 宮殿の王室で、ゴウ・キヤーがお金を数えている。

 そこに慌てた様子の兵隊。

「キヤー様、大変です! 我が警察隊が壊滅しました!」

「なんですって?」

「警察隊が押さえた賊の写真です!」

 兵隊がキャルロットとベジータの写真を見せる。

「総力を上げて捕まえるんだ!」

「その必要はないわ!」

 と、そこにキャルロットとベジータが現れる。

「衛兵は何をしてるんだ!?」

「衛兵は全員殺させてもらった」

「なんですって!?」

「命が惜しくば俺たちの宇宙船を返すんだな」

 ゴウが逃げ出す。

「待て!」

 二人が追おうとすると、迷彩模様の体を持った男が現れた。

「なによあんた?」

「ゴウの用心棒をしているレジックだ」

「レジック先生、そんなやつやっつけておしまい!」

「ふん」

 レジックがキャルロットに襲いかかる。

 キャルロットはレジックの乱打を全てかわし、カウンターで怯ませる。

「貴様、サイヤ人か?」

「ご名答」

「貴様のパワーはその程度か? まだ力を隠しているのだろう? 本気でかかってこい」

「いいわ。見せてあげる」

 キャルロットは超サイヤ人に変身する。

 それを見ていたベジータは、ショックを受けていた。

 自分がエリートサイヤ人のはずが、何処の馬の骨とも知らぬ下級のサイヤ人が、超サイヤ人になってみせるのだから。

 自然と怒りが込み上げてくるベジータ。

 自分がナンバーワンだとばかり思っていたのに、一気にその座から引きずり下ろされたような気分だった。

 そうこうしているうちに、キャルロットの勝利で戦闘は終わっていた。

「大したことないわね。それでよく用心棒を買って出れたものね」

「くっ……!」

 レジックは去っていった。

「さて、ゴウとやら」

「ひえ!?」

 怯えて震えるゴウ・キヤー。

「宇宙船、返してくれるよね? それから、お金にがめついのも控えてほしいわね」

「はいいいい!」

 宇宙船を取り返した二人は、惑星フリーザを目指すのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。