転生メデューサの日常   作:ぺかちゅう

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第13話 コンタクトレンズ

 こんにちは、メデューサです。

 この前はずっとしがみついたままでいて、邪神ちゃんには迷惑かけちゃったなぁ……。

 でも、邪神ちゃんが死んじゃったわけじゃなくて本当に良かったです。

 ……泣きはらしたあとに気づいたのですが、あれって多分敬語メデューサちゃんのエピソードだったんだと思います。

 とても好きなお話だったので今でも覚えているのですが、いざ自分がその状況に置かれたら悲しくて、怖くて……。それどころではなくなってしまいました……。

 ま、まあ過ぎてしまったことは仕方ないです!……そもそも原作再現をするために生きているわけではないので、仕方ないもなにも無いような気もしますが。

 

 

 さて、今日は邪神ちゃんとお買い物。なんと邪神ちゃんの方からのお誘いです!

 泣かせちゃったお詫びだって言って誘ってくれたんです!優しいなあ、邪神ちゃん。

 邪神ちゃんの提案で、センタッキーというフライドチキンのお店の前で待ち合わせ。

 お隣だから待ち合わせの必要なんて無いのですが、こういう演出が楽しいんだそうです。うんうん、すごくよく分かるよ邪神ちゃん!

 

 

 そろそろ待ち合わせの時間だし出発しようかな。

 ……そうだ!ちょっと前に魔界から送られてきたコンタクトレンズを使ってみましょう!

 このコンタクトレンズにはあっと驚く機能があるのです!邪神ちゃん、びっくりするかな?

 

 

 

 着いた着いた、センタッキー。

 ぷっ●んプリン食べてたらちょっと遅れちまいましたの。

 まぁいいや、なんたって親友だからな!多少の遅れは許されますの!

 さてメデューサは……おっ、いたいた。

 

「おーい、メデューサ~」

 

「あ、邪神ちゃ……!」

 

 ん?いきなり黙ってどうしたんですの?

 ……ジェスチャー?……私の……後ろ?後ろになにか……げっ!

 キ●ガイ婦警の橘芽依!?なんでこんな時にこんな所で……。パトロールでもしてたんですの?

 とにかく、気づかれないうちにさっさと移動……。

 

「大蛇丸!?」

 

 あああ……あっさり見つかった……。

 しかも目まで合っちまった……。なんでタイミングよく振り返るんですの……。

 

「逃げるぞメデューサ!……メデューサ?」

 

 なんで固まってるんですの?

 

「大蛇丸~!」

 

「固まってないで走れメデューサ!」

 

「じゃ、邪神ちゃん……。私、足がすくんで……」

 

 何言ってんだ!この程度、ゆりねに殺されかけることに比べれば!

 ……ああ、毎度殺されかけてるのは私だけだった……。そりゃ足もすくむわけですの……。

 って、納得してる場合じゃねー!

 

「ほら、手を貸しますの!」

 

「う、うん!」

 

 

 

「待って大蛇丸~!待ってってば~!」

 

 お、追ってきた!

 邪神ちゃんが手を引いてくれてるけど感動してる余裕なんてないです!

 私は標的から外れてるけど、いきなり掴みかかられた時の恐怖を思い出してしまって……。

 怯えながらも後ろを振り返ると……。うそっ!?

 

「邪神ちゃん避けてー!」

 

「え?……ぐえぇっ!」

 

「じゃ、邪神ちゃーん!」

 

「めーちゅー!」

 

 と、飛んできた女の子の像が邪神ちゃんの後頭部に!

 芽依さんが投げたみたい……。

 

「つかまえた~!……あぁ……大蛇丸……!美しい……可愛い……!」

 

「やめろぉ……」

 

「あわわ、邪神ちゃん……」

 

「あら?そっちのあなたは……」

 

「ひっ!」

 

 やっぱり怖い!

 

「紙袋の中身ちゃん。大蛇丸の友達だったのね」

 

 な、中身ちゃんって……。

 

「ど、どうも……」

 

「お久しぶり。……それよりも大蛇丸、今日も記念の一枚撮ろうね!」

 

 もはや私は眼中に無いみたい……。

 私から意識を外した芽依さんはぐったりしている邪神ちゃんを抱き寄せ、スマホで自撮りを始めました。

 ……無理矢理ピースさせてるの怖いよぉ……。

 

 

 

「ふぅ、楽しかったわね大蛇丸!それじゃまたね~」

 

「またって……。もう会いたくねーよ……」

 

 マジで芽依とは関わりたくねーですの……。

 それにしても……。

 

「メデューサもあいつと知り合いだったんですの?」

 

「う、うん。紙袋を被ってる時に会って、中身が気になるって言って掴みかかられて……」

 

 芽依のターゲットになりかけたのか……そりゃ怖がるわけですの。

 ん?紙袋といえば……。

 

「いつもの紙袋はどうしたんですの?」

 

「あっ、そうだった!実は……あっ……」

 

「……?実は、どうしたんですの?」

 

「まずは怪我の手当てしよっか……」

 

 ……そうでしたの……。

 

 

 

 手当てといっても、邪神ちゃん……というか悪魔は基本的に治癒力が高いのでこのくらいなら消毒だけで十分です。

 

「これで、よし」

 

「サンキューですの……で?なんで紙袋を被ってないんですの?」

 

 あ、そうでした。

 

「あのね、石化能力を封じるコンタクトレンズを使ってみたの!」

 

「コンタクト?そんなもんでお前の強力な石化能力を防げるんですの?」

 

 うわぁ、物凄く疑ってる目です……。

 あたりまえだよね、私も実際使ってみるまでは不安だったもん。

 

「試作品が魔界から届いたの、うまく機能したら製品化するかもしれないんだって。私もちょっと不安だったけど、今の所誰も石化してないし……ちゃんとしたものみたい」

 

「ふーん、ずいぶん都合のいい話ですの。……でもよかったな、メデューサ」

 

「うん!」

 

 

 

「で、どこに買い物に行くんですの?」

 

「え?……私が決めていいの?」

 

 ……そんな驚くことか?まるで私がいつもメデューサを振り回してるみたいな……いや、振り回してるのか?

 ま、まぁいいですの。

 

「お前のために出かけるんだから当たり前ですの」

 

「あ、そっか。……じゃあ、お洋服!人間の女の子みたいな服が欲しいな!」

 

「よし、じゃあせっかくだし新宿に行きますの」

 

 

 

 で、メデューサと一緒に服屋に来たわけだけど……。

 

「邪神ちゃん、これはどうかな?かわいい?」

 

「……服とかほとんど着ないから、かわいいとかよく分かりませんの」

 

 どれでも良いんじゃねーの?メデューサが着るんだから、どれを選んでもそれなりにはなるはずですの。

 

「そ、そっか。うーん、じゃあ……これとこれならどっちがかっこいい?」

 

 かっこよさなら……。

 

「こっち」

 

「ふむふむ……。じゃあ、これとこれならどっちが強そう?」

 

「こっち」

 

「なるほど。じゃあこれにする!」

 

「ちょ、ちょっと!私の意見だけで決めちゃっていいんですの!?」

 

「いいの!邪神ちゃんが選んでくれた服が欲しかったんだもん!」

 

「お、おぉ……そうか……」

 

 そういうもんなのか?

 ……それにしてもメデューサのやつ、すげー楽しそうですの。

 紙袋よっぽど嫌だったんだなー。……そりゃそうか。

 

 

 

 人間界で顔を出してお買い物なんて、前世以来です!

 広い視野で周りを見られるのってやっぱり楽しいな。

 

「邪神ちゃん、次は喫茶店に行きたい!一緒にお食事……きゃあ!」

 

「メデューサ!大丈夫ですの?」

 

「えへへ、慣れない靴で転んじゃった。大丈夫……あれっ……」

 

 うまく立てない……?

 

「メデューサ、脚!石化しかけてますの!」

 

「えっ?」

 

 な、なんで?

 

「とにかくどっか座れるところ……近くに遊歩道公園があるからそこに行きますの!」

 

「う、うん!」

 

 

 

「とりあえずここで休みますの」

 

「うん。ありがとう、邪神ちゃん」

 

「そのコンタクトの副作用じゃないんですの?外してみますの」

 

「う、うん……。あ、石化が止まった気がする」

 

「メデューサの能力がそんな簡単に抑えられるわけなかったんですの。インチキコンタクト作りやがって……あとでカスタマーサービスに文句を言ってやれ!」

 

 邪神ちゃんのおかげで、少し落ち着けました。

 ……そういえば原作でもありましたよね、自分が石化しちゃうコンタクトレンズ。

 知ってたはずなのに……。浮かれて忘れちゃうなんて……。

 

「ごめんね邪神ちゃん……せっかく付き合ってもらったのに、こんなことになっちゃって……」

 

「メデューサ……」

 

「ごめんね……」

 

 また泣いちゃってる……。情けないなぁ……。

 

 

 

「泣くなメデューサ!お前はなにも悪いことをしてないんだぞ!」

 

 悪いのはこんな出来損ないの品物を送りつけてきたヤツですの!

 

「邪神ちゃん……」

 

「だいたいお前は一々責任を感じすぎなんですの!」

 

「そう、かな……?」

 

「そーなの!もうちょっと私を見習ってだな!こう……図太さを身につけるべきなんですの!」

 

「……」

 

「……」

 

 

 さ、さすがにクサい言い方だったか?

 沈黙が痛いですの……。

 

「……ふふっ」

 

「?……なんですの?」

 

「あははっ!無理だよ、私じゃ邪神ちゃんみたいに図々しく振る舞えないよ!」

 

「な、なにー!?」

 

 私渾身の励ましを笑い飛ばしやがってー!

 

「私が言いたいのはだな……」

 

「ありがとう、邪神ちゃん。元気出てきたよ」

 

「……そーか」

 

 だったら、良いんですの。

 

 

「ほら、涙を拭きますの」

 

「うん」

 

「買い物袋を一つ空にして穴を開けたから、被りますの」

 

「ありがと」

 

「じゃ、帰るか。……ほれ」

 

「え?」

 

「それじゃうまく歩けないだろ?おんぶしてやるから」

 

「あ、うん……。気を遣わせちゃってごめんね、邪神ちゃん」

 

 よっ……と。軽いなーこいつ。

 

「邪神ちゃん、重くない?」

 

「……重い」

 

「ごめんね……」

 

「……メデューサ。お前、今日はもう謝るの禁止な」

 

「え、なんで?」

 

「いいから」

 

「……うん。……邪神ちゃん」

 

「なんですの?」

 

「今日はありがとう……」

 

「……おう。感謝しろよ」

 

 

「メデューサ……」

 

「……ん……なぁに?」

 

「あー、その……なんだ……」

 

 ……ん?

 

「おーい、メデューサ?」

 

「……すぅ……すぅ……」

 

 ……寝ちゃってますの。

 はしゃいだり泣いたりしたもんな……。

 ……。

 

「いつも一緒にいてくれてありがとうですの、メデューサ」

 

 

 

 やっとアパートの前に着きましたのー!

 

「ほれメデューサー、起きますのー。アパートだぞー」

 

「ん、んぅ……」

 

「起きたかー?」

 

「あれ、私……寝ちゃってたんだ……。ねぇ、邪神ちゃん……さっきなにか言いかけて……」

 

「な、なんでもねーですの!……もう脚の石化も解けてるし、自分で歩けるだろ?」

 

 ……ていうか、よく考えたら歩いてこなくてもタクシーでも使えばよかったですの。

 

「……邪神ちゃん」

 

「ん?」

 

「部屋までおんぶして?」

 

「……なんでですの?」

 

「えへへ、今日は邪神ちゃんみたいに図々しくするんだもん」

 

 ……しょーがねーなー!

 

「今日だけだぞ、メデューサ!」

 




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