転生メデューサの日常   作:ぺかちゅう

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第14話 ミノスに観光案内

 こんにちは、メデューサです。

 

 

 今日は駅に来ています。

 ミノスから人間界に来るという連絡をもらったので、ここで待ち合わせ中。

 観光案内の準備もバッチリです!

 そういえば、原作のミノスはどういうきっかけで人間界に来たんだっけ?やっぱり観光だったかな?

 ……まあそれは置いておきましょう、気にしても仕方ないですからね。

 

 

 そろそろ連絡があった時間です。……えっと、あの電車かな?

 あ、やっぱりそうでした。電車から降りてきましたね。

 

「ミノス!人間界にようこそ!」

 

「うわっ、紙袋!?……って、その声と服は……メデューサか?」

 

「あ、ごめん。この格好のこと言ってなかったっけ」

 

 外では紙袋を被るのが当たり前になっちゃってるから、伝えておくのを忘れちゃってました。反省反省。

 

「なんでそんなの……あぁ、人間対策か」

 

「うん。ほんと、難儀な能力だよね」

 

「大変だな……まぁそれはいいや。改めて……今日はよろしくな、メデューサ!」

 

「うん!任せておいて、ミノス!」

 

 

 

 久しぶりに人間界に来たけど、随分と様変わりしてるなー。

 こっちにも電車ができたのか。

 

「どうするミノス?早速観光に行く?」

 

「その前に……せっかく人間界に来たんだから人間の格好をしてみようと思ってさ、まずは洋服屋かな。虎穴に入らずんば……なんとかって言うし」

 

「それは危険を冒すときの……郷に入っては郷に従えでしょ?」

 

「そう、それそれ!」

 

 博識だなーメデューサは!

 

「おっけー。じゃあ……原宿に行こっか」

 

「原宿?」

 

「うん、ファッションの街って感じかな。地名ではないんだけどね、一帯をまとめて原宿って呼んでるの」

 

「へぇー。うっし、じゃあ早速行こうぜ!」

 

 

 

 とりあえず原宿でミノスのお洋服を買いました。

 牛柄のパーカーにスカート、そしてビーフ100%と印字されたシャツという原作でおなじみの格好になりましたね。

 ミノスはとてもスタイルが良いのですっごく似合ってます!

 

「よし、じゃあ観光に行くか!」

 

「うん。ミノスはどこか行きたいところってあるの?」

 

「友達に聞いたんだけどさ、凌雲閣っていうすげー高い建物を見とけって。そこに行ってみたいかなー」

 

「凌雲閣……。たしか今は無いんじゃなかったかな」

 

「あれ、そーなの?」

 

 お友達の情報がちょっと古かったみたいですね。

 

「今高い建物って言うと……スカイ●リーだね、お買い物もできるよ」

 

「じゃあ、そこに行きてーな!」

 

「分かった、じゃあ出発しよう!」

 

「おー!」

 

 

 

 ……どうすればゆりねを殺せるんだ?

 私の必殺技はどれも通用しないし、メデューサもゆりねを殺す気になってくれないし……。

 もう一つの手段である魔導書も見つからないし……。

 まさか本当にゆりねの寿命を待つしか……。

 いや!この先は考えてはいけませんの!

 

 

 考え事をしてたら甘いものが食べたくなってきましたの。

 もう夕方だけどエンジェルパイ食べよ。

 ……やはり人間界のお菓子は実に美味い!

 魔界のお菓子メーカーも見習ってほしいですの。

 

 

 お、チャイム。

 メデューサかな?そういや魔界の友達が来るって言ってたな。

 ……いやチャイム連打しすぎだろ!そんなに鳴らさんでも開けますの!

 

「はいよー、メデューサか?」

 

「ハロー!」

 

 ……誰ですの?思わずドアを閉めちまったけど。

 

「おじゃましまーす!」

 

「ヒィー!」

 

 ドアを蹴破りやがった!?

 ……あ。

 

「お前ミノスですの?」

 

「そーだよ。いきなりドア閉めるなんてひどくねー?」

 

 人間みたいな格好してるから気づきませんでしたの……。

 

「あわわ、ドア蹴っちゃだめだよミノス!」

 

「メデューサ!友達ってミノスのことだったんですの?」

 

「あ、邪神ちゃん……。うん、そうだけど」

 

 どうしてこんな何でも力で解決しようとするバカを連れてきたんですの……。

 

「……邪神ちゃん、すごく失礼なこと考えてない?」

 

 ……なぜ分かった!?

 

「さっすがー。邪神ちゃんのことはなんでもお見通しだな、メデューサは」

 

「ま、まぁ二人とも上がりますの。……ミノス、靴は脱げよ!あとドアも弁償しろよ!」

 

「はいはい、分かってるって」

 

「お邪魔しまーす」

 

 

 

「はい、お土産のケーキ。……お茶ついでくるね」

 

「頼みますの~」

 

 ここに住んでるのって、メデューサじゃなくて邪神ちゃんだろ?

 

「相変わらずメデューサ使いが荒いなー」

 

「いいんですの。というかメデューサの場合は……」

 

「まあな、みんなに優しい……っていうか甘いからなー基本的に」

 

「そういうことですの。だから私が甘やかされてやってるのはメデューサのためなんですの」

 

 な~に言ってんだか。

 

「はい、お茶。なんの話をしてたの?」

 

「サンキュ。メデューサは邪神ちゃんに優しいなってさ」

 

「えへへ……つい、ね。でもお金に関しては結構厳しいと思うよ」

 

 ……ふーん。

 

「邪神ちゃんへの借金の回数は?」

 

「なぁに、いきなり?……月に一度だけだよ?」

 

「厳しいですの……」

 

「返済期限は?」

 

「特に決めてないけど……でもずっと貸しておくつもりはないよ?」

 

「すごく厳しいですの……」

 

「やっぱり甘いじゃん」

 

「やめろミノス!これ以上メデューサがお金に厳しくなったらどうするつもりですの!?」

 

 ……ま、いいか。ゆる~いとはいえ、取り決めがあるだけマシなのかもな。

 

「あ、そうだ……ぺこらちゃんにもお土産渡してこなきゃ。ちょっと行ってくるね」

 

「おう」

 

「分かりましたの」

 

 

 

「邪神ちゃん、ぺこらちゃんって誰なんだ?」

 

 ミノスのやつ、知らないで返事してたのか……。

 

「天使ですの。私たち悪魔を駆除しに来たんだと」

 

「ふーん」

 

「ふーんって……。もうちょっとこう……焦るとかしないんですの?」

 

「メデューサの方から会いに行くってことは、そうされないってことだろ?だったら大丈夫さ」

 

「いや、まあそうかも知れねーけど……」

 

 私はあの時焦ったのに……。

 

「はっはーん。邪神ちゃんは、そのぺこらちゃんって天使とメデューサが会ってた時に焦ったわけだ」

 

「な!な、なにを根拠に言ってるんですの!?」

 

「根拠なんてねーよ。邪神ちゃんならそうするだろうって思っただけさ」

 

 うぎぎ……。

 

「しょうがねーだろ!状況も知らせず一緒にいるってだけ伝えられたんだから!」

 

「分かった分かった。なんだかんだ言って邪神ちゃんもメデューサが大好きだもんな」

 

 ちゃんと聞けー!

 

「ところで、邪神ちゃんを呼び出した人間についてなんだけどさぁ」

 

「……ゆりねがどうしたんですの?」

 

「そう、そのゆりねちゃんのことでさ……」

 

 

 

「こんにちは。ぺこらちゃん、いるー?」

 

 おや、この声は……いつもの悪魔ですね。

 

「いますよ。今日はなんの御用ですか?」

 

「友達とスカイ●リーに行ってきてね、そのお土産を持ってきたの。はい、ケーキ」

 

「あ、ありがとうございます……。お友達ですか……やはり悪魔の?」

 

「うん、この前名前だけ教えたミノスっていう子。とっても良い子なんだよ!」

 

 ミノス……たしかミノタウロス族の悪魔と言っていましたか。

 

「それじゃまたね、ぺこらちゃん」

 

「あ、はい」

 

 この調子で人間界に悪魔が増えていくのでしょうか……。

 まあいいです、今はケーキを食べましょう。

 

「いただきます」

 

 

 

 ケーキ、受け取ってもらえてよかった!

 そうだ!今度ぺこらちゃんにミノスを紹介してあげようっと。

 

「ただいま。……あれ?」

 

 なんだか変な雰囲気です。どうしたんだろう?

 

「じゃあやってみ?戦ってみ?ぜって~勝てね~から」

 

「勝てるって言ってるでしょーが!」

 

 な、なに?喧嘩!?

 

「二人とも、喧嘩はだめだよ!」

 

「いや、喧嘩じゃねーよ」

 

「そうそう、違いますの」

 

「じゃあどうしたの?」

 

 勝てるとか勝てないとか……。

 ……あ。

 

「ゆりねはメチャクチャつえーからミノスでも勝てねーって言ったら……」

 

「ミノタウルス族のあたしが人間に負けるわけねーだろ!」

 

 そ、そうでした!原作でもミノスがゆりねさんと戦うことになるんでした!

 

「ミノス?その、ミノスがゆりねさんと戦う必要なんて無いんじゃ……」

 

「そーそー、やめといた方がいいですの!勝てるわけねーんだから!」

 

 邪神ちゃん、煽らないでー!

 

「ぜってー勝ってやるからな!」

 

 ……うわぁ、邪神ちゃんがすごく悪い顔をしてる……。

 戦ったあとの疲れたゆりねさんをやっつけようって感じかな……。

 

「メデューサ」

 

「なに、ミノス?」

 

「悪いけど、今日だけ泊まらせてくれよ」

 

「う、うん。いいけど……」

 

 こうなるとミノスは聞かないからなあ……。

 ゆりねさんが戦う気にならないのを祈るしかないかも……。

 

「それじゃ邪神ちゃん、また明日な。ゆりねちゃんを連れ出すのは任せたぜ」

 

「任せときますの!」

 

「はぁ、もう……。じゃあまた明日ね、邪神ちゃん」

 

「おう、またな~」

 

 そういえばこの前魔界に戻った時、私がミノスにゆりねさんのことを教えたんでした……。

 こんなことになったのって、多分私にも責任があるよね……。どうしよう……。

 

 

 

 今日は休日。バイトに行ってレポートを進めて、やることが結構あるのに……。

 

「おはようですの、ゆりねー!今日はいい朝ですのー!」

 

 邪神ちゃんがあからさまに怪しい。

 

「……どうしたの、邪神ちゃん?」

 

「実は~私とメデューサの幼馴染が人間界に来てるんですの~。それで~是非そいつと会ってほしくて~」

 

「鬱陶しいからその口調やめなさい」

 

「はい。……ミノスっていうやつなんだけど、そいつがゆりねと会ってみたいって言ってるんですの」

 

「ふーん。ここにいないならメデューサの部屋にいるのかしら?」

 

「公園で会ってほしいそうなんですの」

 

「なんで?」

 

「……さ、さぁ?なんでだろうな~」

 

 これ絶対知ってるパターンね。

 

「まぁいいわ、行きましょうか」

 

「っしゃー!早速行きますの!」

 

 

 

「ここで待ってりゃ来るんだよな、メデューサ?」

 

「うん、そうだと思う……」

 

 ああ、ついにこの時が来てしまいました……。

 どうにかしてミノスに考え直してもらえないかな……。

 

「ねぇミノス、ほんとに戦うの?」

 

「なんだよー、あたしが人間に負けるってのか?」

 

 そうじゃなくて……。

 

「私はミノスとゆりねさんが戦うのが嫌で……あれ、ぺこらちゃん?」

 

「朝早くに物音がすると思ったら……どうしたのですか?あ、昨日のケーキ美味しかったです。ありがとうございました」

 

「ケーキ食べてくれたんだね、良かった。今日はちょっと、邪神ちゃんの企みでね……」

 

「あの悪魔の、ですか。そちらの方は……」

 

「あ、この子がミノスだよ」

 

「よろしくな。天使の……ぺこらちゃんだっけ」

 

「はい、ぺこらと申します。……なんだか悪魔と会話するのにも抵抗がなくなってきてしまっています……主よ、お許しを……」

 

 

 

 邪神ちゃんと一緒に公園に着くとメデューサとぺこら……それと初めて見る子がいた。

 あの子がミノスかしら。

 

「連れてきましたのー!」

 

「おはよう、みんな」

 

「おはようございます、ゆりねさん。今日はわざわざ来てもらっちゃって、すみません……」

 

「その子がミノス?」

 

「はい。ミノス、この人がゆりねさんだよ」

 

「オッス。で、さっそく本題なんだけど……」

 

 本題……。挨拶するだけじゃないのね、やっぱり。

 

「ゆりねちゃんって相当つえーらしいじゃん?でも、邪神ちゃんより強いぐらいで悪魔を舐めないでほしいんだよなぁ」

 

「ミノス、邪神ちゃんもそんなに弱いわけじゃない……と……思うんだけど……」

 

「なんでちょっと自信なさげなんですの、メデューサ……」

 

 邪神ちゃんだからでしょ。

 

「つーわけでゆりねちゃん、私と勝負しな!」

 

 そんなことを言っているミノスの後ろで、メデューサがジェスチャーをしてる。

 ……戦わないで、かしら?

 まぁ、言われるまでもないことだけど。

 

「勝負なんてしないわ」

 

「!?」

 

「バイトがあるしレポートも書かなきゃいけないから」

 

 

 

 よかった、ゆりねさんは戦うつもりなんて無かったみたいです。

 これで穏便に済むはず……。

 

「あの、どうしてあの悪魔は魔女に戦いを挑んだのですか?」

 

「え?」

 

 ……魔女?あ、ゆりねさんのことか。

 ぺこらちゃんはゆりねさんのことを魔女だと思ってるんでしたね。

 

「ミノスは自分がゆりねさんより強いって証明したいみたいなの」

 

「自分の強さを、ですか?」

 

「うん。悪魔の邪神ちゃんが人間のゆりねさんに勝てないのが、すごく不甲斐なく見えるみたい」

 

「なるほど、たしかに花園ゆりねは使い魔にお仕置きを繰り返すほどに強い魔女ですからね……」

 

「うん」

 

 ……ゆりねさんは魔女じゃないし、邪神ちゃんも使い魔じゃないんだけど。それはこの際置いておきましょう。

 

 

 ぺこらちゃんと話しながらゆりねさんたちの方を見ると……邪神ちゃんが尻尾でゆりねさんの足を引っ掛けて転ばせていました。

 そして、そのまま邪神ちゃんは倒れたゆりねさんの上に馬乗りになって……!

 

「やめて邪神ちゃーん!」

 

「離せメデューサー!ゆりねをぶっ殺すチャンスなんだぞー!」

 

「だめー!これ以上の外道に落ちないでー!」

 

「ミノス、今だ!トドメをさせー!」

 

 私が邪神ちゃんを抑えていると、ミノスが私たち……というかゆりねさんに近づいてきました。

 

「ミノスもやめて!こんなのだめだよ!」

 

「ミノス!早くゆりねに必殺の一撃をー!」

 

「……やめな、邪神ちゃん」

 

「え……。なぜ……ですの……」

 

「立てよ、ゆりねちゃん。大丈夫か?」

 

「ええ、ありがとう。油断しちゃってたわ」

 

 ミノスはゆりねちゃんに手を差し出しました。

 良かった、ミノスが卑怯な戦いを嫌う性格で……。

 

「邪神ちゃん、おめーよ……プライドとかねーのか?勝負ってのは正々堂々と戦わなきゃ意味ねーだろ!」

 

 まあプライドは……あんまりないよね……。

 全然ないわけじゃない……と思う……けど……。

 

「な……何が正々堂々ですの!勝負なんてのは勝ちゃいいんだよ!」

 

 やっぱりないかも……。

 

「モー……すっかりしらけちゃったじゃんか……ま、勝負はおあずけだな。またくるぜ!」

 

「あ、ミノス!駅まで送るね!」

 

「サンキュー、メデューサ」

 

 

 

 そんな……ゆりねを殺して魔界に帰るチャンスが……。

 ……はっ!

 

「ま、待ちますのメデューサ!」

 

 お前がいなくなったら最後の手段のスケープゴート作戦がー!

 

「邪神ちゃん、あんたが足払いしたせいで服が汚れちゃったじゃない……」

 

「いや……これはその……。これはぺこらの策略に違いないですの!」

 

「は、はい!?」

 

「天使のぺこらが私たちの仲間割れを狙って仕組んだんですのー!」

 

「お、お前!ぺこらに罪をなすりつけるなんて……」

 

「大丈夫よぺこら。これは邪神ちゃんがよくやる悪あがきだから」

 

「え……そうなのですか?」

 

「ええ、大概はメデューサを身代わりにしようとするんだけど……今はあの子がいないからぺこらを身代わりにしようとしてるのね」

 

 ……なぜ毎回バレるんですの……。

 完璧な作戦のはずなのに……。

 

「さて、邪神ちゃん……。分かってるわね?」

 

「えっ……うそ……」

 

 私の身体を持ち上げてのこの技は……脳天杭打ちとも呼ばれる……パイルドライバー……!?

 

「み゛ぎー!」

 

「……帰ろ」

 

「魔女のお仕置き……なんと恐ろしい……」

 

 なんつー危険な技を……死んだらどーすんですの……。

 

「ゆ、ゆりね……。頼む……せめて、部屋まで運んでくれ……」

 




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