転生メデューサの日常   作:ぺかちゅう

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第16話 三人でラーメン

 こんにちは、メデューサです。

 この前は会ったばかりのぽぽろんちゃんに向かって怒っちゃいました。

 後になって思ったけど、初対面でやることではなかったかもしれません。間違ったことは言ってないと思うけど……なんにせよ反省です。

 

 

 ぽぽろんちゃん、今はどうしてるんだろう?

 ぺこらちゃんも知らないみたいだけど、天使同士で協力して暮らすのは拒否されちゃったそうです。

 足手まといになるとかなんとか。……なかなかキツいこと言うなぁ、ぽぽろんちゃん。

 原作では、ラーメン屋さんで働いてたけど……。

 

 

 さて、今日はゆりねさんと邪神ちゃんと私の三人でお出かけです。

 といっても買い物に行くタイミングが重なっただけなのですが。

 

「お昼、三人でいっしょに食べて帰りましょうか」

 

「わぁ、いいですね!」

 

 みんなでお食事、嬉しいな!

 

「何食べるんですの?」

 

「私はなんでもいいけど……邪神ちゃんは?」

 

「ん~、私は……」

 

「邪神ちゃんはラーメンが食べたいわよね?」

 

「いや、私はごはんの気分……」

 

「いいえ、ラーメンが食べたいって顔よ」

 

 こ、これは……!原作でよく見たやり取りです……!

 

「いや、ごはん……」

 

「ラーメンが食べたいわよね」

 

「……はい、ラーメンが食べたいです」

 

 ゆりねさん、すごい迫力……。

 

「じゃ、じゃあラーメン屋さんに行きましょうか!」

 

「ええ、そうしましょ。よく行ってたお店があるのよ」

 

 ……あれ?ラーメン屋さんってもしかして……。

 

 

 

 三人揃ってラーメン屋に到着。

 メデューサは食べたいものがあるときは言ってくれるから気楽でいいわね。今日みたいになんでもいいって言った時に、本当になんでもいいんだって分かるから。

 

「さ、入りましょうか」

 

「はい!」

 

「へ~い」

 

 このお店に入るのも久しぶりね。

 邪神ちゃんたちがこっちに来てからは初めてじゃないかしら。

 

「いらっしゃいませ~!……あ」

 

「あれっ?」

 

「あー!お前!」

 

 アルバイトを入れたのね。

 二人の知り合いみたいだし、魔界関係の子なのかしら。

 いえ、このオーラは……ぺこらと同じ?

 邪神ちゃんたちを見て引いてるし、そういうことかしらね。

 

「今日こそしとめて……」

 

「……はじめまして!アイドルを目指してここで働かせてもらってる、天使のえるです!よろしくお願いしま~す!」

 

「……は?あま……つか……?」

 

「……のえるちゃん?」

 

「はい!」

 

 知り合いのそっくりさん……ってわけじゃないみたいね、二人の反応的に。

 偽名で働いてるってところかしら。

 

 

 

 ぽぽろんちゃんがラーメン屋さんで働くっていうこと、原作知識としては知っていたけど……。突然だとびっくりしちゃいますね。

 それにしても見事な営業スマイルです、混じりっけなしの良い子って感じ。

 

「とぼけてんじゃねーですの、ぽぽろんちゃんだろお前ー!」

 

「や、やめてください!何の話ですか!?」

 

 邪神ちゃんがぽぽろんちゃんに掴みかかっちゃった!

 と、止めないと!

 

「邪神ちゃん、抑えてー!」

 

 他の客さんもいるから!

 

「離せメデューサ!私らはこいつに殺されかけたんだぞ!?」

 

「ぽぽろ……じゃない、のえるちゃんには何もされてないでしょ!ね!?」

 

「……え、ほんとにぽぽろんちゃんじゃないんですの……?」

 

 え?……いやその、とりあえず別人として接してあげようって意味だったんだけど……。

 ま、まぁいいか……。

 

「う、うん……。別人だよね?のえるちゃん?」

 

「そ、そうですよー!」

 

 ぽぽろんちゃん、すごいホッとしてる……。

 

 

 

 いくらなんでもあっさり騙されすぎでしょ、邪神ちゃん。

 メデューサもぽぽろんって子も、逆に驚いちゃってるじゃないの。

 

「早く注文しましょ」

 

「はい、じゃあ私は……」

 

「う~む……。別人……?」

 

 邪神ちゃんもいつまでも悩んでないで、とりあえず注文を決めてくれないかしら。

 

 

 

 ここのラーメンは変わらない美味しさだわ。

 大将に話を聞いてみると、ぽぽろんは最近アルバイトに入ったらしい。

 アイドルを目指して住み込みで働いてる天使のえるちゃん、という設定みたいね。

 彼女目当てに来店する客も多いとか。まあ可愛いものね。

 それに、可愛いだけじゃなくて……。

 

「毎日ありがとー!のえるのバイト代からもやし炒めサービスしちゃうね!」

 

 あれは男の人ならコロッと落ちるでしょうね、自分の魅力を理解した上で活かしてる。

 私の周りにも可愛い子は結構いるけど、自分の武器として意識的に使いこなしてる子は珍しいかも。

 

 

 

 もやし炒めぐらいで感激しちゃって、人間の男ってホントチョロいわー。

 客を手玉に取りながら悪魔たちの方を見てみたけど、肉じゃが以外は別にぽぽろんちゃんに手を出そうって気はないのかな?

 ……メデューサってやつ、紙袋被ったままラーメンすすってる……。器用ー……。

 

「のえるちゃん」

 

 は、話しかけてきた!?

 

「はい、なんですか?」

 

 この前みたいに説教でもする気?

 

「私ね、あなたに似てる子と知り合いで……知り合いっていうのはちょっと違うかな……会ったことがあるの」

 

「は、はぁ……」

 

「この前初めて会ったんだけど、初対面なのに頭ごなしに厳しいこと言っちゃって……。失敗したな、今度会ったら謝りたいなって思ってるんだ」

 

「……」

 

 なによこいつ、悪魔のくせに天使であるぽぽろんちゃんに謝りたいなんて。……変なの。

 

「それでね、のえるちゃんを相手に練習したいなって。……ダメかな?」

 

「……い、いいんじゃないですか?その……のえるが相手でいいなら……」

 

「そっか、それじゃあ。……突然怒ったりしてごめんなさい!」

 

「う、うん……」

 

「……ありがとう、聞いてくれて」

 

「えっと……その知り合いの子も気にしてないんじゃないですか?」

 

 食べ物を粗末にしちゃったのはまぁ……良いことじゃなかったわけだし……。

 

「そうかな?……でも怒るんじゃなくて、ちゃんとお話をしてあげればよかったなって思ってるんだ」

 

「そう、ですか……」

 

 

 

 練習って建前だけど、とりあえず謝れてよかった。

 

「さっき他のお客さんとお話してたけど、アイドルを目指してるんでしょ?のえるちゃんはすっごく可愛いから、絶対成功すると思うよ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「そーそー!可愛い顔してるんだから頑張りますの、ぽぽろんちゃん!」

 

「はい!……あっ」

 

 あっ、邪神ちゃんのかまかけが成功しちゃった……。

 

「……なにがのえるだ!テメーやっぱり天使のぽぽろんちゃんじゃねーか!」

 

「きゃーっ!」

 

「メデューサは騙せたみてーだが、私はそう簡単には騙されませんの!」

 

 私、騙されちゃったことになってる……。

 

「うをー!」

 

「いやーっ!」

 

 あぁ、また店内でドタバタが……。

 

「お、落ち着いて邪神ちゃん!」

 

「邪神ちゃん、ここは皆がお食事するところよ」

 

 あ、これは……お仕置きされる流れです……。

 

「そ、そうだよ邪神ちゃん。静かに……ね?」

 

「だってこいつは私たちを!」

 

「人を指差しちゃダメって……」

 

「な、なんですの?……えっ、ちょ……ちょっと……」

 

 あ、ゆりねさんが邪神ちゃんの人差し指を掴んで……。

 

「言ったでしょ!」

 

「あぴょ!」

 

 ゆ、指がありえない方向に……。

 痛そう……。

 

「あ、悪魔を従えるだけでなくお仕置きまで……」

 

 ぽぽろんちゃんも驚いちゃってます……。

 

「邪神ちゃん、大丈夫……?」

 

「ダメですの……」

 

「みんな食べ終わったみたいだし、そろそろ帰りましょうか」

 

「は、はい……」

 

 

 

 あー、疲れた……。

 人間どもを手玉に取って、天使の輪が再生するまで気楽にすごそうと思ってたのに。

 面倒な奴らにぽぽろんちゃんのことを知られちゃったなー……。

 

「あなた」

 

「はい?」

 

「邪神ちゃんが言うように、ただの人間じゃないみたいね。私の知り合いと同じものを感じるもの」

 

 ……私のことを天使だって疑いもせずに看破した?

 知り合いって、ぺこら様のこと?

 悪魔も従えてるし、この女はいったい……。

 

 

「えっと、のえるちゃん」

 

「うひゃい!?」

 

 こ、今度は悪魔の方か。

 人間の方に驚かされたせいで変な声が出ちゃったじゃん……。

 

「また来てもいいかな?迷惑をかけないようにするから」

 

「はい、いつでもどうぞ!」

 

 できればあんまり来ないでほしい……。

 

「それと……」

 

 な、なに!?顔が近い!紙袋だけど!……あ、耳打ちか。

 

「一応ぺこらちゃんに伝えておくね?ぽぽろんちゃんは元気にやってるよって」

 

「は、はぁ……」

 

 別に伝えなくてもいいんだけど……まぁいいか。

 

「チキショー、まだ指が痛みますの……。メデューサ、行くぞー」

 

「うん!……またね、のえるちゃん!」

 

 やっと行ってくれた。

 ……って、いつまで手を振ってるのよあいつは!

 

 

 

 ったく、散々な昼飯でしたの。ラーメンは美味かったけど。

 

「おい、メデューサ」

 

「なぁに?」

 

「お前、ホントに気をつけますの。私がいなけりゃあの天使に騙されたままだったんだぞ?」

 

「……う、うん」

 

「邪神ちゃん、アンタが言うの?」

 

 私が注意しなきゃメデューサは今日みたいにすぐ騙されちまうだろ、何言ってるんですのゆりねは。

 

「いいんですゆりねさん、私を心配してくれてのことですから」

 

「ふーん。まぁ、私が口出しすることじゃないわね」

 

「いえ、ありがとうございます」

 

 そうそう、これはメデューサのことを心配して……。

 ……ん?

 

「い、いや別に心配してるってわけじゃ……」

 

「邪神ちゃんも、心配してくれてありがとう!」

 

「だから違うって言ってんだろー!」

 




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