こんにちは、メデューサです。
今日は、ゆりねさんと邪神ちゃんと私の三人でお茶をしてます。
お茶請けはカステラ。紅茶とよく合って美味しいですね。
ゆりねさんと私はちゃぶ台でお茶を楽しんでいるのですが……。
「なんか面白いモノ飛んできたりしないかなー」
何故か邪神ちゃんは外をぼーっと眺めています……。
「邪神ちゃん、寒いから窓閉めたほうがいいんじゃ……」
「今日はあそこが定位置みたいよ、暇さえあればずっと外を見てるわ」
「は、はぁ……」
うーん、外から何かが飛んでくるなんてそうそうないと思うのですが……あれ?
「ハロー!」
……ミノスが飛んできました……。
「ヴェポラップ!」
「邪神ちゃーん!?」
邪神ちゃんがふっ飛ばされた!?
……お、お約束だなんて思ってませんよ?
「何その悲鳴、ウケる」
ゆりねさんも慣れたものですね……。
というかミノス、ターザンロープのように入ってきたけど……どこに吊ってたんだろう……。
「ミノス、凄いところから来たね……」
「いらっしゃい、ミノス」
「よっ、メデューサとゆりねちゃん!……あれ、邪神ちゃんは?」
そ、そうでした!
邪神ちゃんは!?……うわぁ、お腹にミノスの靴の跡が……。
「邪神ちゃん、大丈夫……?」
「なわけねーだろ……。ミノス!なんで窓から入ってくるんだよ!普通に玄関から入ってこられないんですの!?」
「いいじゃねーか、こまけーこたぁ」
細かい……細かいかな?
それにしても、こういうやり取りは幼い頃から変わらなくてなんだか安心しますね。
邪神ちゃんが面白い悲鳴と共にすっ飛ばされた。
まあ元気にツッコミを入れてるし大丈夫でしょ。
「それで、この間の勝負の件で来たのかしら?」
「えっ、なんのこと?」
「ミノスはバカだから忘れてますの」
メデューサにお腹をさすられながら邪神ちゃんが説明してくれた。
邪神ちゃんにバカ扱いされるって結構凄いことなんじゃないかしら。
「勝負、勝負……。あぁ、この前こっちに来た時の話か!」
ホントに忘れてたのね。
「その話はもういいや、大したことでもないしな」
「大したことだろ!」
邪神ちゃんのツッコミが、心なしか必死に聞こえる。
「そんなに重要なことじゃないと思うよ……」
対してメデューサは疲れを思いだしたような口調。
この間勝負をしかけられた時も、私に戦わないでって伝えてきてたものね。
「いーや重要なことですの!ミノスと戦って疲弊したゆりねを私が……」
「私が疲弊したところをどうするの?」
「ミノスの分のお茶を入れてきますの~」
露骨に話題をそらしたわね。
ミノスも交えて四人でのお茶になりました。
それにしても……。
「勝負じゃないなら今日はどうしたの、ミノス?」
「そうだそうだ、みんなに報告があってきたんだった」
「報告?なんですの?」
あ!もしかして、原作と同じようにミノスも!
「あたし、人間界がすげー気に入っちゃってさ。こっちに引っ越そうかと思うんだよね」
「わぁ、ミノスもこっちに引っ越すの?じゃあまた三人で一緒にいろいろ……」
「なんやてーっ!?」
うわぁっ!?……なんで邪神ちゃんが怒るんだろ?
「ど、どうしたの邪神ちゃん?」
「私は帰りたくても帰れないのに、なんて贅沢なー!」
「怒りの沸点低い……。わわっ、ごめんね邪神ちゃん!」
睨まれちゃいました。邪神ちゃんにとっては重要なことでしたね、反省しなきゃ。
「贅沢は敵だー!」
な、何も殴りかからなくても……。
案の定、ミノスはあっさり受け止めちゃった。
さすがの腕力です。……邪神ちゃんが弱いわけじゃないです、きっと。
ミノタウルス族は力が強いってメデューサから聞いたことが有るけど、それにしたってあっさり受け止められすぎじゃないかしら。
まあ邪神ちゃんだし、しょうがないのかしらね。
「どこに住むか決めてあるの?」
「ああ、もう決まってるよ。ここの隣の部屋!」
あら?でも隣は……。
「私の部屋?」
そう、メデューサが住んでるわよね。
一緒に住むとか?でもメデューサも引っ越しについて聞かされてないみたいだし、そういうわけじゃないのかしら?
「違う違う、反対側の隣。誰も借りてないからそっちに住もうと思って」
「反対側には別の人が……。そういえば最近、あの部屋からの騒音が無くなってたわね」
いつの間にかいなくなってたのね、全然知らなかったわ。
「いつごろ引っ越してくるんですの?」
「二、三日中かな」
「ずいぶん急なのね」
「ミノスは、思い立ったらすぐ行動の子なんです」
「何も考えずに行動してるだけですの」
邪神ちゃんがそれを言っちゃうんだ。
それにしても、このアパートに悪魔が何人も住むようになるなんてね。
そのうち天使とかも住むようになったりして。
「それでさ、引っ越しの報告ついでにゆりねちゃんにお土産持ってきたんだ」
「そうなの?なんだか悪いわね」
「この袋の中に……じゃーん、マンドラゴラのおもちゃ!レアなんだぜーこれ!」
うへぇ、相変わらず変な趣味してますの……。
……メデューサが固まってますの。こういうの苦手だもんな、こいつ。
「お腹のところを押すと……。ほら、断末魔の悲鳴!」
「……ロックだわ……!」
な~にがロックですの。キモいだけだろ。
ゆりねの感想はさておいて……。
「おい、メデューサ痛い!痛いですの!」
怖いからって力いっぱい私の手を握るんじゃねーですの!
「ご、ごめんね邪神ちゃん……」
苦手ならそういえばいいのに。
まぁ、ミノスとゆりねの話だから口出しするべきじゃないって思ってるんだろうなー。
……とはいえ。
「超キモいですの!とりあえずしまっとけー!」
私は素直だから自分の気持ちをしっかり表明しますの。
……別に真っ青になってるメデューサを見てられなくなったからではない!
「あ、そっか。悪い悪い、メデューサはこういうの苦手だったよな」
「へぇ、そうなのね。特別苦手なものなんてないのかと思ってたわ」
いや、こいつだって苦手なものくらいありますの。
「あはは、すみません……。ゆりねさんは気に入ってたのに、しまわせちゃって……」
あれ、文句を言ったのは私なのになんでメデューサが謝ってるんですの?
……ま、まぁいいか。
いやー、反省反省。
メデューサはこういう時に我慢しちゃうんだったな、忘れてたぜ。
あたしも、メデューサの代わりに伝えてくれた邪神ちゃんの思いやりに感謝しないと。本人は照れて否定するだろうけど。それに、邪神ちゃん自身は誤魔化せてると思ってるみたいだしな。
「それでミノス、今日はこれからどうするの?」
おっ、メデューサ。顔色も復活したか、よかったよかった。
「そうだなー、引っ越しの準備があるし……。もうちょっとしたら帰るよ」
「そっか。私に手伝えることがあったら言ってね」
「サンキュ。あ、忘れてた……二人にもお土産があったんだった」
「え、そうなの?」
「メデューサには……はい、Tシャツ。この前連れていってもらった所で買ってきたんだ」
胸のところの日本って文字がカッコイイよなーこれ!
「あ、ありがとう……」
「おう!それで、邪神ちゃんには……」
「なんですの?……こ、これは……」
「指出しグローブ!タイタン族の力が宿ってるらしいぜ、パンチ力が十倍になるんだって!」
「……お、おぉ……」
これ、この前邪神ちゃんが騙されたって言ってたグローブですね……。
試しに着用してゆりねさんに殴りかかったけど、全然効果がなかったらしいです。
「私だけでなくミノスまで騙されるとは。……いや、もしや私はミノスと同レベルの頭脳なのか?」
邪神ちゃんがすごく失礼なことを呟きながら落ち込んでる……。
ま、まぁ二人とも純粋ですから……。たまに騙されちゃうのもしょうがないですね!
「ミノス、こっちに来る日がはっきりしたら教えてちょうだい。みんなでちょっとした歓迎会くらいやりたいしね」
「いいのか?嬉しいなー!」
「うわぁ、楽しみですね!」
みんなで歓迎会、すごく楽しそうです!
「えー、わざわざ歓迎するほどのことじゃないですのー」
……邪神ちゃんはいつもどおりですね!
「じゃ、今日はそろそろ帰るよ」
「駅まで送るね、ミノス」
メデューサのやつ、この前もミノスを送ってた気がしますの。
面倒見のいいやつだなーほんと。
「サンキュ。じゃあな、ゆりねちゃんと邪神ちゃん!」
「ええ。またね、ミノス」
「あ、そうだ……。邪神ちゃん」
「なんですの、メデューサ?」
「さっきはありがとね」
……なんのことですの?あぁ、マンドラゴラの話か。
「別に気にしなくてもいいですの。……ん?いや、別にお前のためじゃ……」
「それじゃあまたね、邪神ちゃん。ゆりねさん、お邪魔しました」
「またね、メデューサ」
「聞けよ!」
読んでいただき、ありがとうございました。