転生メデューサの日常   作:ぺかちゅう

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第20話 みんなでお花見

 こんにちは、メデューサです。

 

 

 今日はみんなでお花見です!

 ゆりねさんとミノスと私の三人でお花見の場所に出発……の前に、公園に寄り道です。

 寄り道の理由はもちろん……。

 

「お花見ですか?」

 

「ええ、ぺこらも一緒にどう?」

 

 そう、ぺこらちゃんを誘うためです。

 たしか原作でもこのお話はあったと思います。ぺこらちゃんが悪魔と一緒に出かけるのを嫌がっていたような記憶。

 なので、にべもなく断られちゃうかな?と勝手に想像していたのですが……。

 

「お花見くらいなら……。いや、しかしこれはサバトと言っても過言ではないのでは?そんなものに天使のぺこらが加わるわけには……」

 

 随分と悩んでます……。

 悩んでいるぺこらちゃんには申し訳ないけど、原作よりも心を許してくれているみたいでちょっと嬉しい!

 あ、サバトっていうのは魔女崇拝の集会のことですね。

 

「別にいいじゃん、友達なんだしさ!食事もあるぜ?」

 

「しょ、食事……。あくまでも参考までにですが、一体どんな……?」

 

「そうね……。焼き鳥とかお寿司とかサンドイッチとか……」

 

「……い、いやいやいや。それでもぺこらは天使……」

 

 すごく心動かされてる……。私が心配することでもないんだろうけど、悪い人に騙されないか心配になります……。

 あ、頷いた。

 

 

 なにはともあれ、ぺこらちゃんも加えてお花見に出発です!

 

「しかしもうお昼前ですよ、場所は大丈夫なのでしょうか?」

 

「大丈夫だと思うよ、邪神ちゃんが場所取りをしてくれてるらしいから」

 

「あの悪魔がですか」

 

「うん」

 

 出かけるときに、ゆりねさんが教えてくれたんです。

 ……そういえば原作だとすごい表情で場所取りしてたような?なんでだったかな……?

 

 

 

 ……。

 

「いい場所ですね。一体いつから場所取りを?」

 

 ……。

 

「じゃ、邪神ちゃん?どうしたの?」

 

「はっ!い、いたのか!」

 

 全然気づきませんでしたの……。

 

「ここで六時間前から、スマホもゲームもなしに一人で場所取りをしてたんですの……」

 

「六時間も!?邪神ちゃん、また何かやらかしたんですか……?」

 

 そう、これは号泣必至の悲劇的展開の結果なんですの……。

 ……というかメデューサ、私がやらかしたことを前提に考えてるのひどくないか?

 

 

 

 みんなも疑問に思ってるみたいだし、心底くだらない理由だけど説明しましょうか。

 

「邪神ちゃん、自分が食べ残したサンドイッチやおにぎりを机の引き出しに隠してたのよ」

 

「あぁ、それですか……」

 

「クリアファイルに挟むやつか?まだやってるのかよ邪神ちゃん……」

 

「なんですかそれ……?」

 

 ぺこらはともかく、メデューサとミノスは納得って感じの表情ね。

 

「なんでお前ら納得してるんだ!?食べ物を大事にしてるだけだぞ!?」

 

「大事にしてるって言っても……」

 

「腐るまで放置してる時点でなぁ?」

 

「そ、そもそもちょっと食べきれないだけで捨てちまうほうがよっぽど悪いですの!私は悪くない!」

 

 食べきれば良いだけでしょ。

 ……あ、メデューサがため息をついた。

 

「……突然のそういうリアクションはやめてほしいですの。怒られるよりよっぽど心に突き刺さりますの……」

 

 怒ってた邪神ちゃんが一瞬でクールダウン。さすが親友ね、扱い方を分かってるわ。

 

 

 

 邪神ちゃんのよく分からないこだわりは未だに健在です……。

 腐る前に食べたほうが絶対にいいはずなんだけど。

 

「あの」

 

 ……というかしまっておくこと自体もよくないですよね。

 サンドイッチをファイルに挟むっていうのも謎だし……。

 

「あのー……」

 

「あ、ごめん。なぁに、ぺこらちゃん?」

 

 いけないいけない、考え事に夢中になっちゃってましたね。

 

「どうしてあの悪魔は主人を困らせる真似をするのですか?」

 

「え?」

 

 しゅ、主人?

 ……あ、そっか。ぺこらちゃん、まだ二人が悪いことを企んでるって勘違いしてるんだった。

 

「えっと、ぺこらちゃん?邪神ちゃんたちはね……」

 

 

 

「そ、そうだったのですか……」

 

 悪魔と花園ゆりねが共に悪事を企てているわけではなかったうえに、そもそも花園ゆりねは魔女ではなかったなんて……。

 ……というか、考えてみれば本人もずっと否定していたじゃないですか。

 なぜぺこらは頑なに決めつけていたのでしょう……!

 

「そんなことより、今はお花見だよね。荷物広げちゃおっか!」

 

 ……ぺこらの重大な勘違いがそんなこと扱い……。

 しかし食事の準備が大事なのもまた事実ですね。早く準備を済ませましょう!

 

 

 

「これでよし!」

 

 準備と言っても荷物を広げるだけですから、あっという間に終わりましたね。

 

「いやー、お腹すいたな!」

 

「それじゃ始めましょうか」

 

「えー、皆様お飲み物をお持ちくださいですのー。乾杯ですのー!」

 

 悪魔による雑な乾杯の音頭で、食事……もといお花見が始まりました。

 

 

 

「この卵焼きうめーな!」

 

「お寿司も美味しいわね」

 

「焼き鳥は味が濃くて……幸せです!」

 

 桜の下でみんなでお食事……。こういうのっていいですよね。

 

「メデューサー」

 

「うん、お寿司だね。はい、あーん」

 

「あーん……うめー!」

 

 お寿司を美味しそうに頬張る邪神ちゃん。……可愛い!

 

「メデューサも。ほれ、サンドイッチですの」

 

「ありがと、邪神ちゃん!」

 

「相変わらずね、二人とも」

 

「なにがですの?」

 

「二人は本当に仲良しだなって思ってたんだよ」

 

「いや、こいつが食べたいものくらい分かりますの。メデューサはすぐ顔に出るし」

 

 私ってそんなにわかりやすいかな?

 ……まぁ気にしてもしょうがないですね!

 

 

 

「花見をしながらの食事……。これぞ日本だな!」

 

「ミノスは本当、観光に来た外国人みたいですの……」

 

「きゃー!大蛇丸ー!」

 

 げっ!この声は芽依じゃねーか!

 

「私がパトロールをしているからお花見に来てくれたのね!」

 

「ちげーよ!たまたま鉢合わせしただけですの!」

 

 相変わらず訳の分からん思考回路ですの……。

 

「あら、紙袋ちゃんも一緒だったのね」

 

「ひえっ……。こ、こんにちは、芽依さん」

 

「うんうん、やっぱり紙袋被ってる方が想像の余地があっていいわね!……ん!?」

 

 芽依の目つきが変わった?何を見つけたんですの?

 目線の先には……ぺこら?

 

 

 

「その不健康そうな顔つきに細すぎる身体!最高だわ!」

 

「な、なんですかいきなり!?」

 

 なんですかこの婦警は……。

 ぺこらが健康的でない自覚はありますが、いくらなんでも失礼すぎやしませんか……?

 

「こんな子が私に会いに来てくれるなんて!」

 

「あの、あなたに会いに来たわけでは……」

 

「魔除けの置物として大事にするからね!」

 

「そんなの嫌ですよ!」

 

「あ、あの。芽依さん……」

 

「なぁに、紙袋ちゃん?」

 

「私たち、みんなでお花見にきただけなんです……。見逃してもらえませんか?」

 

 あ、悪魔の救いが……。

 

「うーん……。まぁパトロールの仕事もあるし、また今度にしましょっか!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「じゃあまたね大蛇丸!今度会ったときに、魔除けの子と一緒に持ち帰ってあげるからね!」

 

「やめろ!いい加減に諦めますの!」

 

 悪魔が怯える姿を見ることになるとは……。

 橘芽依、恐ろしい人間のようですね……。

 

 

 

 去っていく芽依さん。

 いつ会っても嵐のような人です……。

 

「やっと行きましたの……。気分転換になんか違うもの食べたいなー」

 

「肉まんいかがですか~」

 

 あ、肉まん屋さんが歩いてますね。

 

「ちょうどいいですの!肉まんくださいな~!」

 

「はーい!……げっ」

 

 ぽぽろんちゃんだ。創世記のお仕事で来てたのかな。

 

「あ、のえるサンじゃん」

 

「のえるちゃん、こんにちは!」

 

「知り合いなのか?」

 

「うん、アイドルを目指しながら近所のラーメン屋さんでバイトしてる子なんだよ」

 

 

 

「おや、ぽぽろ……むぐぐっ」

 

「ま、待ってぺこらちゃん。実はね……」

 

 ぺこら様が悪魔に耳打ちされてる。ぽぽろんちゃんのことを教えてるのかな?

 

「ご、ごめんねのえるちゃん。ぺこらちゃんに事情を伝え忘れてたの……」

 

 やっぱり今知ったのね。ぺこら様、すごい複雑な表情してるもん。

 人を騙すのはよくない、とか考えてんだろうなー。

 

「相変わらずバカ正直だよね、ぺこら様」

 

「あ、あはは……。でも正直なのは良いことだと思うよ……」

 

 それで生活困窮してちゃ世話ないけどね。

 つーか、悪魔に庇ってもらう天使ってどうなのよ……。

 

 

 あ、そろそろ時間だ。

 

「じゃあね、休憩の時間だから」

 

「あら、休憩?だったら一緒にお花見していく?」

 

「わぁ、いいですね!」

 

「ぺこらちゃんの友達みたいだし、大歓迎だぜ?」

 

「……あんたたちと一緒に食事なんかしたくないし」

 

 悪魔の誘いになんて乗るわけないじゃん。

 

「せっかく誘ってくださっているのですから、そんな言い方は……」

 

「うるさいな!ぺこら様は関係ないでしょ!」

 

「なんだとー!?生意気な奴めー!」

 

「お、抑えて邪神ちゃん!」

 

「……ふんっ。じゃあね」

 

 

 

 行っちゃったか。

 

「ちょっとかわった子だな」

 

 天使っていってもぺこらちゃんみたいな子ばっかじゃないんだな。……当たり前か。

 

「すみません、ぽぽろんはちょっと性格が歪んでいて……。大昔はあんな性格ではなかったのですが」

 

「そーなのか。ま、別にぺこらちゃんが謝ることはないって」

 

 あたしは別に気にしてないしな!

 

「……メデューサ、どうしたのかしらね?食事をタッパーに詰めて……」

 

「あ、ほんとだ。もう持ち帰る準備……じゃないよな?」

 

 そこまで気が早いわけないか。

 

「メデューサ、あんま時間かけずに戻ってこいよ。せっかくのお花見なんだから、ゆっくり楽しまないと損ですの」

 

「うん」

 

 すげーな、邪神ちゃんはメデューサが何をする気なのか分かってるみたいだ。

 お、詰め終わった。

 

「どうしたのですか、突然立ち上がって?」

 

「ちょっとね。……邪神ちゃん、行ってくるね」

 

「おう」

 

「……一体どこへ行くのでしょう?」

 

「ぽぽろんちゃんのところ。食事だけでも渡しに行ったんですの」

 

 ああ、そういうことか。

 

 

 

 えっと、ぽぽろんちゃんはこっちに来てたよね。

 ……あ、いた!

 

「のえるちゃーん!」

 

「……なぁに?」

 

「さっきはごめんね、無理に誘っちゃって」

 

「別に。あんたが気にすることじゃないでしょ」

 

「そ、そうかな?……これ、食べてほしくて持ってきたの」

 

「え……。これ、あんたたちのところにあったやつ?」

 

「うん、一緒の場所じゃなければ大丈夫かなって」

 

 ちょっと押し付けがましかったかな……。

 でも、あのまま別れちゃうのも嫌だったんですよね。

 

「……こんなぎゅうぎゅう詰めにされたのをもらってもな……」

 

「あ……。ご、ごめんね……」

 

 いっぱい食べてほしくて詰め込んだのが裏目に出ちゃったみたい……。

 

「……あー、もう!ほら、行くわよ!」

 

「え?ど、どこに?」

 

「無理矢理詰め込まれたのじゃなくて、ちゃんとしたお皿に載ってるやつを食べに行くの!」

 

「……それって?」

 

 一緒にお花見してくれるのかな?

 

「早く!さっさと来ないと置いてくわよ!」

 

「う、うん!……あ、詰めちゃったのはどうしよう……」

 

「知らない。ぺこら様にでも持ち帰ってもらえばいいでしょ」

 

 

 

「肉まんうめーですの~」

 

「しかし、二人は大丈夫でしょうか。ぽぽろんが失礼なことをしてないといいのですが……」

 

「大丈夫よ、ぺこら」

 

「そうそう、邪神ちゃんも心配してないしさ」

 

 ……なんで私が心配してるかどうかで、大丈夫なのかが分かるんですの?

 たしかに心配してないけど。

 

「だってメデューサだぞ?なんだかんだ言って丸く収めてくれますの」

 

 

「邪神ちゃーん!みんなー!」

 

「お、戻ってきたな!」

 

「ぽぽろんも一緒じゃないですか」

 

「ふふっ、邪神ちゃんの言った通り、丸く収まりそうね」

 

「当たり前ですの」

 

 メデューサだしな。そりゃこうなるはずですの。

 

「さ、のえるちゃんもどうぞ!」

 

「う、うん……。その、お邪魔するわね」

 

「ええ。こっちに座ってちょうだい」

 

 それじゃ、メデューサも戻ってきたことだし!

 

「食べまくりますのー!」

 




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