全員「えっ!?」
私「うん。コロナも収まったから一度個人で行ってみたいなって」
こんにちは。高咲侑です。今日は部室に集まって「私が旅に行くならどこがいいか」という議論に付き合わされています。これは私がこの前宝くじで50万円当てて、世界のどこかに旅に行きたいって思ったからなんだ。
それで愛ちゃんが私に「ゆーゆ自身はどこに行きたいの?」って聞いてきて、
「香港」
って正直に答えたの。
せつ菜「私は香港について全然知らないです…」
かすみ「りな子〜、何か情報とかある〜?」
ポチポチポチポチ…ポチッ!!
璃奈「今調べたけど、世界でも珍しくなった2階建ての路面電車とか、夜にライトショーが楽しめるビクトリア・ハーバーとかがあるって書いてある」
果林「ところで誰と行きたいとかは?」
私「そうだなぁ〜栞子ちゃんや嵐珠さんに案内を頼もうと思うけど…」
嵐珠「呼んだかしら?」
私「嵐珠さんお願いします!!私は香港にいつか行きたいんです!!だから案内をお願いできませんか!?」
嵐珠「そうねぇ〜、明日出発でどう?」
全員「…えっ!?」
私「ちょっと待って!?明日も練習あるんじゃ…」
栞子「明日からお正月休みで練習はないはずです。ですから一緒に行きましょうよ!!」
私「うん!わかった!!明日行きましょう!!」
嵐珠「そうと決まれば、明日午後3時に品川駅集合ね♪」
私・栞子「わかりました!!」
ワクワク♪楽しみだなぁ〜♪
しかし、歩夢から真っ黒な雰囲気を感じたけど気のせいだよね…。
〜※〜
12月27日、品川駅にて。京急のエアポート快特に乗って成田空港に行く。
成田空港にて。
栞子「でも飛行機は不安です…揺れるし事故も多く起こるし…」
嵐珠「無問題ラ!飛行機事故は大々的に報道されるだけでなかなか起きるものじゃないのよ?」
私「なるほどー」
栞子「それなら安心ですね。行きますよ」
嵐珠「了解よ!!」
そして香港到着は21:10となった。今日は寝て明日に備えよう。
〜※〜
次の日。朝食を食べた後、
栞子「まずは2階建て路面電車に乗りましょうよ」
私「いいね!!」
嵐珠「そうしましょう!!」
香港トラムの某停留所にて。
私「なんかここの電車には重低音を響かせる車両と奇妙な甲高い音を響かせる車両があるね」
嵐珠「いいところに気が付いたわね!!」
栞子ちゃんもドヤ顔。なんでだろう…?
私「えっ?何か秘密があるの?」
栞子「実は重低音を響かせる車両は吊り掛け駆動の抵抗制御かチョッパ制御で、甲高い音を響かせる車両はカルダン駆動のVVVFインバータ制御なんです」
どこかで聞いたことがある。
私「都電荒川線の7000形と7700形の関係に似ているのかな?」
嵐珠「その通り!足回りだけ新しくしているのよ♪」
私「そういうのときめいちゃうよ!!」
栞子「さあ、乗りますよ」
私「うん!」
2階席から見える町並みは素晴らしい。まさに池袋の街中をタケ●プターで飛んでいるみたいだ。
そして終点の上環まで乗ってからのこと。港島線に乗ってさらにピークトラムでビクトリア・ピークに到着。
栞子「嵐珠さんはなぜそんなに高いところを案内するのですか?」
嵐珠「絶景スポットは高いところに多いのよ♪」
私「やっぱりヒトツダケナンテエラベナイヨネー」
栞子「そうですよね」
私「それにしてもきれいだね…香港の町並み…」
嵐珠「そうね♪」
確か数年前には大規模なデモが起きたらしいが、その面影も今はない。平和っていいなぁ…。
〜※〜
ビクトリア・ピークの後は街の中心部で食事。
私「色々な麺料理があるんだね!!」
嵐珠「そうよ♪日本ともまた違うでしょ?」
栞子「私も驚きです」
私は一風変わったものを食べてみることにした。トマトラーメンだ。
いざ食べてみると…、
おいしい。
トマトの酸味と中華スープのうま味が合わさって、なんとも言えない美味しさが口に広がる。私は一度も海外渡航経験ががないが、世界って広いなぁ…と改めて感じた瞬間だった。
今私は幸せだ。夢の香港を知っている人と観光できているんだもん。
嵐珠「侑、すごく嬉しそうね」
私「だって嵐珠さんや栞子ちゃんと一緒に香港に来られたんだよ?これほど幸せなことはないよ!!」
栞子「私も同じ気持ちです♥」
嵐珠「私もよ♥」
私「みんな一緒だね♪」
全員「あはは…!!」
この後街中でショッピングを楽しんでいるうちに日が暮れて夜になってしまった。いわゆる爆買いをしたから荷物も重くなった。でもその中には幸せがいっぱい詰まっているから平気♪
日が暮れたら行くべきところがあるということで、嵐珠さんは海辺に連れて行ってくれた。
嵐珠「ここがあなたたちに見せたい場所よ!!」
私「すごくときめいちゃうー!!」
栞子「このような素晴らしい海辺の夜景は見たことがありません!!」
そう。ビクトリア・ハーバーに到着。まさにスクールアイドルフェスティバルのような、ときめく光景が広がっていた。
栞子「なんか…」
私「栞子ちゃんどうしたの?」
栞子「私って、生真面目で無愛想でスクールアイドルに敵意を抱いてしまうこともあって…はは…本当にメンバーに迷惑ばかりかけていますよね…。それから嵐珠さんの間違った行為を幼馴染だから間違いと言えない…そんな弱い心の持ち主なんでしょう…」
私「そんなことはないよ」
栞子「えっ?」
私「私だって、歩夢やかすみちゃんに振り回されたり、愛ちゃんのダジャレにすぐに大爆笑したりとか色々豆腐メンタルだけど、あなたがいたおかげで同好会も取り戻せた。心が弱くても協力すれば1つの確固とした目標に辿り着ける。私はそう思うよ」
栞子「侑さん…そうですよね。協力すれば目標に辿り着ける。そう思って今後も頑張って行きますから、応援よろしくお願い致します!!」
私「こっちこそ!」ニッコリ
嵐珠「平和っていいわよね!!」
全員「あはは…」
そんなことを言っていると、
??「そうだよね。平和って素敵だよね」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。この声は…、
3人「歩夢(さん)!?」
歩夢「そうだよ。侑ちゃんのこと心配になってついつい来ちゃった♪」
私「かすみちゃんとかは?」
歩夢「みんなに内緒でちょっと昨日宝くじで30万円当てて嬉しくなってつい…」
私「なるほど…」
すると歩夢が黒い笑顔を見せはじめる。
歩夢「ところで侑ちゃん」
私「何?」
歩夢「嵐珠さんや栞子ちゃんと随分楽しそうにやっていたね〜」
私「それが…問題…?」
歩夢「侑ちゃんは私の幼馴染なんだよ?幼馴染以上にいいものなんてないでしょ?」
私「ソレハソウダヨネ…」
歩夢「じゃあ今からちょっと路地裏に行こっか♪」
私「えっ…何かs…」
歩夢「言い訳はその時聞かせてもらうから…ちょっと、お話しようね♥私だけの侑ちゃん♥」
私「ちょっ…待っ…嫌だぁぁああああ!!」
栞子「私たちはどうすれば…」
歩夢「もちろん、あなたたちも強制連行だよね♥」
栞子「ですよね…」
こうして香港のベイサイドエリアに3人の断末魔の叫びが響いたのは言うまでもない。果たして私たちは無事に帰れるのだろうか…。