【ガンカタ】さくら・ぶれっと 〜剣と魔法のファンタジー世界でどちらも使えない町娘の私はガンカタ(拳銃)で戦う。自分の生い立ちを知りたいだけで、英雄だなんて呼ばれたくないってば〜【15000PV突破】   作:くろひつじ

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189話

 

 食堂に着くと、かなりカオスな状況だった。

 立食式パーティーみたいな感じで、みんな好きな場所で楽しそうにしているけど、なんか組み合わせが凄い。

 

 

 ツカサさんとエイカさんはいつも通りイチャイチャしてて、カエデさんはもくもくと料理を食べ、着実にから皿を増やしていってる。

 

 ここはまぁ、いいとして。

 

「おいアレイ。お前はいい加減嫁を(めと)るべきだろう」

「そうじゃよ。そして早く王位を継いでくれんか」

「あぁ? いや、俺には向いてねぇよ、結婚も王様も」

 

 ルウザさんと国王陛下、二人に絡まれているアレイさんと。

 

「そもそも私が何をしたって言うんですかぁ……ただ平穏に暮らしたいだけなのにぃ……」

「あー。なんか妙に不幸な人っておるよなー」

 

 顔を赤くしてハヤトさんに愚痴ってるフレイアさんに。

 

「にゃはははっ!! にゃはははははっ!!」

 

 酒瓶片手に笑いまくってるレンジュさんさん。

 そして、一人部屋の隅に退避しているキョウスケさん。

 

 うわー。カオスだなー。

 

 

「なんともまぁ。お主、その歳で枯れているのか」

「おいこら。人をなんだと思ってやがる」

「ヘタレだな」

「ヘタレじゃの」

「てめぇら……酔っぱらいはタチ悪ぃな……」

 

 

「なんで皆して私を働かせようとするんですかぁー……ただひっそりと生活したいだけなのにぃー……」

「うんうん、分かるわー。巻き込まれる方の身にもなれっちゅう話やんなー」

 

 

「にゃはははっ!! あーお酒美味しいっ!! にゃははっ!!」

 

 

 もう一度言おう。カオスである。

 

 

「……カノンさん。帰って良いですか?」

「すみませんが、ちょっと手伝ってください」

「はぁ……んじゃ、フレイアさんとこ行ってきますね」

「お願いします。私はお兄様の方に行くので」

 

 もー。酔っぱらいの相手はしたくないんだけどなー。

 

「あー! オウカさん! 目が覚めて良かったですねぇー!」

「どもです。フレイアさんってお酒飲めるんですか?」

「いや、この人ワイン一杯でこれやからなー」

「弱すぎませんかそれ」

 

 普段飲む機会が無いのかもしれない。

 何となく、ぼっち属性あるし。

 あー、だからいま愚痴ってんのか。

 

「まー実際、フレイアさんは偉いと思いますよ。頑張ってると思います」

「ですよねぇー? 私は精霊なのに皆さん遠慮無さすぎなんですよぉー」

「それだけ頼りにされてるって事ですよ。フレイアさん穏やか美人だなら」

「えぇー? 嬉しいような悲しいようなぁー」

 

 いや、割とマジで。こんだけ人が良さそうな美人なら周りが頼りたくなるのも分かる気がする。

 頼るというか、押し付ける、かもしれないけど。

 怒ってるとこ、まったく想像できないもんなー。

 

「えらいえらい。よしよし」

「オウカさぁーん!」

「うぷっ!?」

 

 ちょ、ハグは嬉しいけど、胸で顔埋まってんだけど!

 息! 息が出来ないから!

 

「んー! むー!」

「あー、フレイアさん。オウカさん、死んでまうから離れよか?」

「あぁー! ごめんなさいぃー!」

「ぷはぁ! いや、理想の死に方の一つではありますけど……勘弁してくださいね」

 

 あやうく召されるところだった。何気に胸あるな、この人。

 ぶかぶかのローブ姿だから目立たないけど、リーザさんくらいあるかも。

 

「てかそもそも、なんで魔王軍なんかに入ったんです? 争い事とか苦手そうですけど」

「私の暮らしてた洞窟をドラゴンに占拠されてぇー……住む場所が無くなったからですねぇー……」

「うっわぁ。それはまた、ご愁傷さまです」

「ぐす……酷いと思いませんかぁー? 勝手に住んでた私も悪いですけどぉー……」

「大変でしたねぇ……」

 

 なんてーか、不憫だなー。

 ついてないって言うか……不運な人だ。人じゃないけど。

 

「あれ? でも、フレイアさんならドラゴンくらい倒せるのでは?」

「それは可哀想じゃないですかぁー」

「あー。優し過ぎて損するタイプですね。よしよし」

「オウカさぁーん!」

「むぐー!」

「せやから正面から抱きしめるのはやめたりやー」

 

 べりっと引き剥がしてくれた。

 ハヤトさん、ありがとうございます。

 

 苦笑いしながら横を見ると、カノンさんがアレイさんの腕を取って不穏な感じに笑っている。

 あ、またなんか地雷踏んだな、アレ。

 

 逆側では相変わらずレンジュさんが笑ってるし、その向こう側にいるキョウスケさんは楽しげに手を振っている。

 

「うーん。まーとにかく。美味しいもの食べて嫌なことは忘れちゃいましょう?」

「そうしますー。はぐはぐ……」

 

 おお。良い食べっぷりだ。ちょっと酔いも覚めてきたっぽいし、これならまぁ大丈夫かな?

 

「ハヤトさん。私あっち止めてくるんで、ここ任せて良いですか?」

「そら構わんけど……大丈夫なん?」

「レンジュさんの扱いには慣れてきましたので」

 

 対策は万全。だと思いたいなー。

 

「さよか。まーヤバそうやったらアレイさん呼べばええから」

「そうします。ではでは」

 

 さて。かなりめんどくさそうだけど……レンジュさんの相手しに行くかー。

 

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