気まぐれ自己中の実力主義の教室   作:弥白

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もうひとつの方よりカタツムリ最新になると思います。


飽きたら途中で投稿しなくなるかも……


人生とは、クソゲーでマゾゲーだ!

人生はマゾゲーだクソゲーだと従兄妹の兄妹が言っていた。まあ、言いたいことが分からないわけでわなかった。

 

 

 

ルールも目的も不明瞭な、くだらないゲーム

 

 

70億人ものプレイヤーが、好き勝手に手番を動かし。

 

 

勝ちすぎるとペナルティを受け(頭が良すぎる故に、理解されず虐められる妹)

 

 

負けすぎてもペナルティを受ける(赤点を取り怒鳴られても笑顔を保つ兄)

 

 

パスする権利はなく(黙っていれば加速するいじめ)

 

 

喋りすぎたら、踏み込みすぎと疎まれる(真意を読みすぎて、的を射すぎて疎まれる)

 

 

目的もわからず、パラメーターもなく、ジャンルすら不明

 

 

決められたルールに従っても罰せられ

 

 

──なにより

 

 

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この世界はクソゲーだマゾゲーだと2人はよく言っていた。

 

 

 

 

ある日突然、その兄妹が居なくなり、私の心の癒しが消えた。あの二人にはとてもお世話になっていた(お世話もしていた)。色んな意味で……ボードゲームを始め、カードゲーム、pcゲームなども教わった。相手のくせの見抜か方、嘘の有無、先読みと推理の仕方etc.....

 

 

教わった後に何度も自分でシミュレーションをし、練習しても2人には惨敗。悔しくて何度も何度も挑んでも結果は変わらず。最近では、いい線行ってたのになーと思いながら2人の居なくなった部屋で立ちつくし、諦めたように大の字に寝っ転がった。

 

 

 

 

 

はずだった

 

 

 

 

 

やっぱり人生はクソゲーだ。なんのバグがあるかわかったもんじゃない。

 

 

 

 

問:なぜ自分は見たことも無い天井を見上げているのか?

 

 

 

答:分かりません

 

 

 

 

目が覚めたら知らない天井だった。ならぬ、ゆっくりと瞬きをしたら知らない天井だった。まじ、クソゲー…きっと今の私の顔は宇宙猫なのだろう。バタバタと足音がして、中年の男女が入ってきて、なんか喋りだした。理解できないこんな状況になったらきっとあの従兄妹達もこう言うだろう。

 

 

 

 

 

 

「ついにバグった………超クソゲー…」

 

 

 

 

 

 

かくして、私は、トラック転生でも神様転生でもない、瞬き転生をした。

 

 

 

 

────────────

 

 

 

東京都高度育成高等学校

 

 

 

 

町ひとつに相当する広大な敷地を有しており、完全寮制の国立高校で、最新設備が使用でき、学費も入学費もかからない、髪型や私物の持ち込みも自由であり、希望する就職、進学先にほぼ100%応える、日本政府がつくりあげた、未来を支えていく若者を育成することを目的とした全国屈指の名門校

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月

 

 

桜舞い散る春の暖かい風が吹く中、高校生としての門出を控えたもの達が、その校門をぬける。これからの出会いに心を躍らせる者も、そんな出会いに不安を募らせる者も、平等に時は流れる。この3年間がどうなるか、それはあくまで己自身によって決まるのだと─

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ……」

 

 

 

 

 

そんな中、私、天喰八雲(あまばみやくも)は校門の端で立ちつくしていた。人生二度目の高校生活。少し前までは、成人女性が年下にゲームを挑んでは惨敗していたのに、気づけば黒歴史しかない高校生活へと戻らされたのである。あの日、知らない天井を見た日から、早2ヶ月。どうやら、名前が変わらないまま2度目の高校生活を余儀なくされた私は、とうにに高校受験を終えていたらしく、その高校はなんと全寮制──引きこもり生活に終止符を打たれたのである。未だ慣れない自分の顔を写す鏡で身なりを整え、まだ間違えそうになる苗字を探し、自分のクラスへ行く。

 

 

 

 

あの後、記憶障害と診断された私は、再教育ということでこの2ヶ月勉強勉強勉強の毎日だった。家業がうんたらとか当主補佐だかなんだかとか言っていたが、右から左へと聞き流していた。あの二人見習って、私も社会不適合者になろうかな─

 

 

 

 

 

教室の自席に座り、チェスアプリを開く。事実世界最高のチェスプログラム相手に先手後手を入れ替え二十連勝したあの少女に、惨敗したのだ。いつか勝ってやると意気込んで、練習を行いプログラムを相手にするうちに20連勝までは行かないが10連勝程度ならできるようになってきたのである。【運】という、偶然が差し込む余地がないこのゲームにおいて、理論上の必勝法が存在する。

 

 

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ただそれだけだと、言い切ったあの白い少女はここにはいない。いつか、いつか必ず【 】(くうはく)を負かすと再度意気込み盤面を読む。

 

 

 

 

 

 

始業を告げるチャイムが鳴るとほぼ同時に、スーツを着た女性が教室へと入ってくる。見た目からの印象はしっかりとした、規律を大事にしそうな先生。見た目から歳は30前後の微妙なところだと思う、それなりに長そうな髪を後頭部でポニーテールにしている。

 

 

 

 

「えー新入生諸君。私はDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している。この学校でには学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの3年間、私が担任としてお前たち全員と学ぶことになると思う。よろしく。今から一時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校の特殊なルールーについて書かれた資料を配らせてもらう。以前入学案内と一緒に配布はしてあるがな。」

 

 

 

 

前の席から見覚えのある資料が回ってくる。合格通知と一緒に置いてあって、一通り目を通したものだ。この学校には、全国に存在するあまたの高等学校とは異なる特殊な部分がある。それは、学校に通う生徒全員に敷地内にある寮での生活を義務付けると共に、在学中は特例を除き外部との連絡を一切禁じていることで、たとえ肉親であったとしても、学校側の許可無く連絡を取ることは許されないし、学校の敷地から出ることも固く禁じられている。その反面、生徒たちが苦労しないようにカラオケやカフェ、書店など数多くの施設が存在し、小さな町が形成されていると言ってもいいほどである。

 

 

 

 

「今から配る学生端末。それを使い、敷地内にあるもの全ての施設を利用したり、売店などで商品を買うことが出来る。ただし、ポイントを消費することになるので注意が必要だ。学校内においてこのポイントで買えないものは無い。学校の敷地内にあるものなら、なんでも購入可能だ。」

 

 

 

クレジットカードと学生証、連絡手段が一体化されている端末は、学校での現金の意味合いを持つ。あえて紙幣を持たせないことで、学生間の金銭トラブルやポイントの増減をチェック出来る。しかも、ポイントの全ては学校から無償で提供される。施設ではこの端末を提示するだけでよく、使い方はシンプル。

 

 

 

「ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイント1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう。」

 

 

 

 

1ポイント1円──つまり、全員の手元に現在10万円があるのだ。一瞬、教室の中がざわついた。高校生に与える金額としてはかなり大きいものになる。日本政府が関わっているだけあり大がかりな学校である。

 

 

 

 

「この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちにはそれだけの価値と可能性がある。」

 

 

 

先生が言うに、卒業時にポイントは学校側が全て回収することになっており、現金化は不可であり、ポイントを貯めても得はないとの事である。ポイントを使う必要が無いという生徒は他の生徒に譲渡しても構わないらしいが、無理やりカツアゲをするようなのは禁止で、この学校はいじめ問題だけには敏感らしい。その後、良い学生ライフを送ってくれと言って、先生は教室を出ていった。

 

 

 

進学率、就職率がほぼ100%であり、無償で提供されるポイントや周辺施設に不満を持つ生徒はいないだろう。寮生活や連絡制限などもあるが、考え方によっては楽園とも取れるほどに生徒たちは優遇されている。優遇されすぎていて怖いぐらいに─

 

 

 

 

【うまい話には裏がある】

 

 

 

 

よくある事だ。しかし、教師が居なくなり、高額なお金を貰って浮足立ち始めた生徒たちは、放課後のショッピングについて話していた。そんな中、いかにも好青年と言った雰囲気の生徒が、自己紹介を提案した。髪を染めておらず、優等生そうだ。一人が口火を切ったことで、大半の生徒が賛成を表明する。提案者である彼は、平田洋介と言うらしく趣味はスポーツ全般、特にサッカーが好きらしい。きっと、クラスのリーダー的存在になるのだろう。

 

 

 

 

端から自己紹介をしていくことになって、ふと思い出した。きっとここにあの従兄妹達がいたら、自己紹介どころの話ではなくなるのだろうと──あまり喜べないことだが、あの二人に私が勝るものが少しあった。そのひとつに、コミュニケーション能力がある。

 

 

 

18歳・無職・童貞・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人の兄の空

 

 

 

11歳・不登校・友達無し・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人の妹の白

 

 

 

そんな2人の従兄妹である

 

 

 

元22歳・大学生・気まぐれ・趣味人間観察・ギャンブラーの八雲

 

 

 

 

人間関係を円満に円滑に進めるための笑顔なら空も得意だったが、ある時をきっかけに白が居ないどダメになった。そういうのも込でいえば、自分良ければ全てよしという心情だが、私は、コミュニケーション能力があると言える。比較対象が悪いのは、理解している。しかし、空と同じく─いや、空よりも他人の顔色を伺い、自分の感情を押し殺してきた時間は長いだろう。あの二人は、元気にやっているのだろうか……

 

 

 

そんなこんなで考え込んでいるうちに、自己紹介が自分の番まで回ってきた。自己紹介を提案した好青年に促され、自己紹介をしなければいけなくなった。逃げ道はない

 

 

 

 

天喰八雲(あまばみやくも)です。趣味はゲーム全般で中学で部活は所属してませんでした。よろしくお願いします。」

 

 

 

 

ごく普通で記憶に残りにくい自己紹介を終え、自席に着く。自己紹介、己を紹介して何になるのかという不躾な疑問は口に出さずにおく。兎にも角にも、怪しさ満点のこの学こダン!………

 

 

「俺らはガキかよ。自己紹介なんて必要ねえよ、やりたいやつだけでやれ。」

 

 

髪をまっ髪染めあげ、いかにも不良という言葉が似合いそうな男子生徒が、好青年の方を睨みながら言い放った。好青年が、不快な思いをさせたならと頭を下げたのを見て、女子の一部が赤髪の生徒を睨みつけた。好青年は、女子の大半を味方につけたのに嫉妬に似た怒りを買った。その後、赤髪の生徒に続くように数人の生徒が教室を出た。その後も自己紹介は続いていく──

 

 

 

────────────

 

 

 

お堅い学校と言っても、入学式はどこも同じようなもので、お偉い人のありがたいお言葉を頂戴し、一通りの敷地内の説明を受けたあと、解散となった。7.8割の生徒は寮へと戻り、残りは早くもグループとなって、放課後のショッピングを楽しんでいるのだろう。日用品の買い出しと施設の見学を目標とし、私もショッピングモールを探索しに行くことにした。

 

 

 

 

 

目にとまったのは、中身が減ったワゴン。別にどこにでもあるワゴンだ。【無料】・【一日三点まで】と書いていなければ…倒れていたり傾いている商品、向きが変わっている商品、これから分かることは、新学期なのにもかかわらず、無料商品を買う必要があったということ。20万も30万もするような買い物でもあるのだろうか、とも考えたが一日三点までの割には品の減りが早い気がする。まだ、入学初日、断定するには早いが、ポイントが変動するまたは、貰えなくなることを考えておいた方がいいのだろう。とりあえず、ワゴンから3個商品を取りレジに並んだ。

 

 

 

 

昼食と夕食を確保して、日用品を揃え、今日から自分の家となる寮へ帰りついた。1階のフロントの管理人から502と書かれたカードキーと、寮でのルールが書かれたマニュアルを受け取りエレベーターへと乗り込む。とそこに、クラスで見たような男子生徒が乗ってきた。

 

 

 

「えっと……同じクラス、だよな」

 

 

「はい」

 

 

「…綾小路清隆だ。よろしく」

 

 

「天喰八雲と申します。よろしくお願いします。綾小路君」

 

 

 

「「………」」

 

 

 

改めて自己紹介をしたあと、どうにも気まずい雰囲気になってしまったが、4階につきまた明日と綾小路君は、エレベーターを降りた。その後すぐ5階に着き、自分の部屋に入った。8畳のワンルームで、電気代もガス代も基本的に制限はなく、洗濯機や冷蔵庫を始めとする家電一式は既に揃っている。驚いたことに、この寮は男女共用だが、さすがに高校生にそぐわない恋愛はしてはいけないと書かれている。まあ、聖職者が不順異性交遊を許可するのはありえない。

 

 

 

 

「…毎月一日にポイント…実力で生徒を測る……」

 

 

 

 

これが生徒一人一人の評価なのか、クラスの評価なのか、どちらなのか分からないと動き方が変わってくる。個人の評価なら如何様にでもできるが、クラスの評価だった場合あのくせの強いクラスをどうにかしなければいけないのだから困ったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

学校が始まりはや1週間──色々収穫があった。まず、クラスの授業態度が酷すぎるということ、それを教師が注意しないということだ。居眠りや私語、ケータイいじりに遅刻欠席、授業に集中できない程ではないが、やはりどうにも視界に入ってきて鬱陶しい。教師達は、そんな生徒を注意することなく授業を続けた。たまに生徒の方を向き指をおったりして、何やら数を数えるようなことをしていた。それから、食堂で無料の山菜定食を食べている先輩と思われる人が数人以上いたことだ。つまり、ゼロポイントで生活している人がいるということであり、人数的にポイント支給の評価は、クラス全体だろうと予想する。

 

 

 

 

 

結果:今後Dクラスのポイントはほぼ入らないと考えとよし。

 

 

結果を踏まえて:プライベートポイントを増やす方法を考える

 

 

 

 

 

 

となったので、あとは、頑張るだけである。非合理的な根性論だ。

 

 

 

 

 

 

そして今日は、初のプールの授業。何やら男子達が、女子の胸の大きさにオッズをかけているらしく、気持ちが悪い。あの(童貞)でさえ、こんなことは表に出さないだろう。いや、己の性癖のためならあつく語り出すか……あわよくば画像を取ろうとしている男子に鉄拳制裁は許されるだろう。朝のホームルームから、ハアハアと興奮した様子の奴らの下を再起不能にすればいいのだろうか?

 

 

 

 

「うひゃあ、やっぱこの学校すげぇなぁー!街のプールより凄いんじゃね?」

 

 

 

水も澄んでいて綺麗そうで、プールも屋内で天気の影響を受けない、環境抜群だった。

 

 

 

「き、来たぞ!」

 

 

 

フンフンと鼻息を荒くさせている男子たちが視界に入る。多くの女子達が、見学用の建物の2階に現れると、信じられないものを見るかのように頭を抱えてその場に崩れ落ちた。巨乳が…と叫ぶ男子を見て、キモと呟き、汚物を見るような目で男子を見下ろしていた。かく言う私は、参加組だがこんな状況だと今すぐにでも授業を放棄して見学したいの一心である。他の参加組の女子の後ろに隠れるようにして立ち、授業の説明を聞いた。

 

 

 

「見学は16人か。随分と多いようだが、まあいいだろう」

 

 

 

体育の先生いわく、夏までに()()泳げるようにしておけとの事で、どれだけ苦手でも克服させるた言った。先程から【必ず】をとても強調している、つまり、いつか絶対に使うことになるのだ。特に【夏】に。

 

 

 

 

全員で準備体操をしている間も、男子生徒はチラチラと女子の方を見ていた。それから、50mほど流して泳ぐように支持され、数年ぶり(?)にプールに入った。水温は適切に調節されていて、冷たいと感じることはほとんどなく体に馴染んだ。

 

 

 

 

 

「では早速だがこれから競争をする。男女別50m自由型だ。1位になった生徒には、俺から特別ボーナス、5000ポイントを支給しよう。1番遅かったやつには、逆に補修を受けさせるから覚悟しろよ」

 

 

 

学校側が特別ボーナスでポイントを支給してくれるとは考えもしなかった。女子は男子より少ないので、早く決着がつきそうだと考えながら、運動音痴というより体力皆無の2人を思い出していた。あの2人に勝てる2つ目のものは、運動能力。引きこもり生活を長期間やっている2人と違い、バリバリの大学4年生だった私は、ヲタク魂に火がつき、ハマったスポーツアニメや漫画にとにかく近づくために、色々やっていた。センスも悪くなく器用貧乏といったところだ。

 

 

 

 

 

「櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん」

 

 

 

 

ぶっちぎりで男子の人気を集めているのは櫛田桔梗のようで、女子の第1グループがスタートラインに経つと歓声が上がった。このクラスの男子たちには、落ち着き以前に慎ましさというものがないのだろう。今夜のおかずを確保するんだと意気込んでいる。先生、そろそろ注意してやってくれと、心底思いながら、深くため息をついた。

 

 

 

 

 

 

自分の番が回ってきて、男子たちから1番離れた端のスタートラインに立つ。軽く腕と首を回し、スイッチを切り替える。ピッという笛の音を聞き、勢い良く飛び込む。姿勢を意識しながら無心で泳ぎ切り、タイムは、27秒58─1位は、水泳部の子で26秒だそう。2位となったが、そんなのはどうでもいい。補習にならないのが最終目標であって、ボーナスポイントには興味が無い。

 

 

 

 

 

女子が終わり男子の番になった。そんな中、注目すべきは高円寺六助だ。作り込まれた肉体は、クラスで1番と言っていいほどで、無駄な筋肉はなく、綺麗にしっかりと着いた筋肉がハッキリと分かる。笛の音と共に、お手本のようなフォームで水の中へと飛び込み、想像以上のアグレッシブな泳ぎに、息をするのを忘れて見入っていた。

 

 

 

 

「23秒22……だと」

 

 

 

 

 

タイムを切った先生は、思わずストップウォッチを2度見していた。ザバリと上にあがってきた高円寺は余裕の笑みをみせ、髪をかきあげた。見たところ、息が切れている様子もなく、本気を出して泳いだとは思えなかった。男子の事実上決勝戦は、高円寺対バスケ男子の一騎打ちとなった。高円寺が、2位に5メートルほど離しての優勝となり、試合観戦を終えた。

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

女子達が早く来ないかと、鼻息を荒くしながら待っている池。露骨だと嫌われそうだが、俺だって気になる。長谷部や櫛田とか、一応堀北とか…

 

 

 

 

そんな男子たちの期待を裏切るように、ほとんどの女子は見学だった。池は信じられないものを見るかのように頭を抱えた。そんな池たちの前に櫛田が顔をのぞかせた。スクール水着で、妖艶な体のラインが浮き彫りになっている。俺を含め男子はすぐに視線を逸らした。

 

 

 

 

 

 

女子の第2グループが始まり、池達が櫛田に夢中になっている。ぶっちぎりで1位なのは小柄な女子で、周りが言うに水泳部の小野寺という子らしい。それに食いつくようについていく女子がいた。きっと周りの奴らは、櫛田に夢中で気がついてないのだろう。2番で壁に着いた天喰は、早々にプールから上がり、人に紛れた。

 

 

 

 

平均より大きい上に形の良い物に、綺麗に筋肉が着いてスラリとした足。【美】という言葉がよく似合う。

 

 

 

マジマジと見てしまい視線を感じたのか、天喰がこちらを見た。ふと目が合ってしまい、サッと目線をそらす。バレてないか心配になる……

 

 

 

 

 

 

 

後日、櫛田に頼まれて堀北を嵌めるようなかたちで、カフェ─パレットに連れていったが、作戦は失敗で終わった。

 

────────

 

 

 

 

 

日常が終わる

 

 

 

それは誰しも考えないことだろう




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