リディアン音楽院の問題児(✌️る〜と)   作:dedicates545

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明るいお話・・・明るいお話・・・


さすまたは打突武器

「避難訓練に?私が?」

 

 

「そういうワケダ」

 

 

 

 放課後、職員室に呼び出された謳歌は、初等科の寮監であるプレラーティと話をしている

 

 

 

「合法的に初等科に……うへへへ……」

 

 

「とにかく、頼んだワケダ」

 

 

 

 気持ち悪い笑顔を浮かべる謳歌を尻目に、プレラーティはその場を後にする

 

 

 

 

 ●

 

 

 

 

 当日、職員室でミーティングを行う謳歌

 

 

 

「今日のスケジュールはこんな所だ」

 

 

 

 生徒指導の風鳴弦十郎の説明が終わる

 

 

 

「どうしたの謳歌ちゃん?」

 

 

 

 高等科の養護教諭の櫻井了子が声をかける

 

 

 

「今日の訓練が不審者対応の訓練で、私が不審者役だなんて聞いてないですよ!!てっきり初等科の女の子達とキャッキャウフフ出来ると思ってたのに!!」

 

 

「そんなのあり得ないワケダ」

 

 

 

 憤慨する謳歌、呆れ顔のプレラーティ

 

 

 

「まぁまぁ謳歌ちゃん、制限時間内に捕まらなければご褒美が有るわよ?」

 

 

「ご褒美?」

 

 

 

 謳歌が興味を示す

 

 

 

「そう、もし逃げ切れたら、好きな女の子と1日デートの権利を進呈しちゃうわ」

 

 

「へ……?好きな女の子と1日デート……」

 

 

 

 状況を理解出来ない謳歌

 

 

 

「そっ、それは、初等科の子限定で……?」

 

 

「いいえ!どんな子でも大丈夫よ?」

 

 

「デートかぁ、誰にしようかなぁ〜」

 

 

 

 すでに上の空の謳歌

 

 

 

「その代わり、こちらも本気で行かせてもらうワケダ」

 

 

「誰にしよっかなぁ〜」

 

 

 

 

 

 ●

 

 

 

 

「キャロル、今日は避難訓練だね(^-^)」

 

 

「あぁ……どうせ何事もなく終わるだろ?別に」

 

 

「でも今回は不審者役の人がいるらしいよ

(^-^)?」

 

 

 

 “ピン ポン パン ポン”

 

 そうこうしてる内に、校内放送がなる

 

 “生徒の皆さんにお知らせします、臨時の集会を行います、“中庭を通らずに”体育館に集合してください

 

 

 こういった不測の事態があった時に鳴らされる、普通より少し高いチャイム音と、不審者の位置を示す “〜を通らずに”という特徴的なフレーズが入った放送があった

 

 いわば、訓練開始の合図

 

 整列し、体育館に向かう

 

 

 

「ねぇねぇキャロル(゜゜;)」

 

 

「ん?何だ?」

 

 

 

 エルフナイン中庭の方をが指を指している

 

 視線を向けるキャロル

 

 

 

「なっ!なんだぁ!?」

 

 

 

 そこには、低学年位の子を抱え、中庭を全力疾走する謳歌の姿があった

 

 

 

「ちょ!テーザー銃まで使うなんて聞いてないぃ!!」

 

 

 

 追いかけるさすまたを持った教師陣とテーザー銃を構える警備室のメンバー

 

 

 

「こっちに来る\(゜o゜;)/」

 

 

「エルフナインちゃんお願い!」

 

 

 

 謳歌は走りながら、抱えていた少女をおろし、キャロルを連れ去る

 

 

 

「うわぁ!はっ、離せぇ!」

 

 

「キャロルちゃん!暴れないで!」

 

 

 

 流石に危ないので、止まる謳歌

 

 すると足下に、ものすごい勢いでさすまたが振られる

 

 

 

「! 痛ったぁ!!」

 

 

 

 さすまたは見事に謳歌のすねに直撃し、あまりの痛みにその場にうずくまる

 

 

 

「おっ、おい……大丈夫か……?」

 

 

 

 流石のキャロルも、あまりに痛そうなので声をかける

 

 

 

「浅かったかな……?」

 

 

 

 するとそこに、さすまたを持った小柄な人影

 

 

 

「しっ、調ちゃん!?どうしてここに……痛っ!!」

 

 

 

 謳歌が喋り終わる前に、調は間髪入れずさすまたを振るう

 

 

 

「喋らないで下さい、あなたと同じ空間の空気をあまり吸いたくありません」

 

 

「ひっ、ひどいよ!調ちゃん!?痛い!痛い!」

 

 

 

 容赦なくさすまたをすねにぶつけまくる調

 

 

 

「おっ、鬼……」

 

 

 

 これにはキャロルもドン引きである

 

 

 

「おっ、おい……もう良いだろ、止めてやれよ……」

 

 

「どうして?私は自衛の為にやってるんだよ?」

 

 

 

 巧みなさすまたさばきで、確実に謳歌にダメージを与えている調

 

 

 

「この人が逃げ切ったら、好きな女の子と1日デートする権利が貰えるって聞いたから」

 

 

「はぁ?なんだそれ……」

 

 

 

 呆れ顔のキャロル

 

 

 

「だから、降りかかる火の粉は自分で払おうと思って!」

 

 

 

 もう一度、大きく振りかぶり、さすまたを振り下ろす調

 

 

 

 “パシッ!”

 

 

 

 調の振り下ろしたさすまたは、何者かによって止められる

 

 

 

「調さん、その辺で」

 

 

「緒川さん……」

 

 

 

 警備室の緒川慎次である

 

 

 緒川はニッコリしながら、タイマーを取り出す

 

 

 数字は00:00となっている

 

 

 

「時間切れです、それに……これ以上は教育上よろしくないとの声が……」

 

 

 

 そう言うと、緒川は辺りを見渡す

 

 

 周りには、呆然とする初等科の生徒達、中には一方的な殺戮に恐怖し、涙を流すものもいた

 

 

 

「あーあ……調ちゃん泣かしたー……」

 

 

「誰のせいだと思ってるのよ!!」

 

 

「調さん、謳歌さん(>_<)」

 

 

 

 エルフナインが困ったような顔をして近寄る

 

 

 

「この子、全然泣き止まなくて(>_<)」

 

 

 

 エルフナインの後ろに隠れるのは、謳歌が抱えてきた少女

 

 

 

「あぁ、ごめんね?怖かったよね?」

 

 

 

 少女に近づき、頭に手を伸ばす謳歌

 

 

 

「いや!!」

 

 

 

 露骨に拒否される謳歌

 

 

 

「そっ、そんなに嫌がらなくても……」

 

 

「当たりまえだろ……」

 

 

「どっ、どうしてそんなに嫌なのかな……?」

 

 

 

 エルフナインに隠れ、“じっ”と謳歌を見つめる少女

 

 

 

「だって……」

 

 

「うん、大丈夫だよ?言ってごらん?」

 

 

 

 優しく少女に語りかける謳歌

 

 

 

「つかまったら、およーふくぬがされるって……」

 

 

 

 少女の発言に、謳歌はうなだれる

 

 

 

「そんな事しないよぉ……」

 

 

「あのね?“あのひとはへんたいさんだからつかまったらおよーふくぬがされてたべられちゃうよ”ってだれかがいってたの」

 

 

「安心しろ、こいつはもっと成熟したのが好みだ、そこにいるつるぺたとかな」

 

 

 

 調に指を指すキャロル

 

 

 

「キャロル?今とても腹立たしい単語が聞こえたけど気のせいかな?」

 

 

「あとね、そーいうひとは、“へんたいっていうんだよ”ってきいたの」

 

 

「こんな小さな子にまで変態呼ばわりされる私って一体……」

 

 

 

 分かりやすくうなだれる謳歌

 

 

 

「だめだよ?こういう人は“変態”って言われると喜ぶから“特殊性癖さん”って呼ぶんだよ

(^-^)?」

 

 

 

 エルフナインがニコニコしながら言う

 

 

 

「じゃあ、こっちのひとが“つるぺたさん”でこっちのひとが“とくしゅせいへきさん”?」

 

 

「ちょ!こんないたいけな子に変なことふきこまないでよ!?」

 

 

 

 抗議する謳歌

 

 

 

「安心しろ、お前の存在の方がよっぽど教育に悪い」

 

 

「ひどい!!」

 

 

 

 話おわったキャロルの頭をガシッ、と掴む手

 

 

 

「……キャロル?……さっきの発言について少し話合おうか……?」

 

 

「痛ててて!離せ!」

 

 

 

 緒川が謳歌に話しかける

 

 

 

「景品の件は誰にしますか?」

 

 

「えっ?貰って良いんですか?」

 

 

「えぇ、まぁ怪しい所でしたが、今回の協力のお礼もかねて」

 

 

 

 考えこむ謳歌

 

 

 

「でも……断られたりしませんか?」

 

 

「いや、対象となった方には、次のテストが免除される権利が与えられるので、そうそう断られないかと……」

 

 

「そこまでして……なんで私なんです?」

 

 

「先生方と生徒会から一番適任との推挙が上がりまして……」

 

 

 

 少し困ったように、緒川は言う

 

 

 

「私の評価って一体……」

 

 

 

 

 ●

 

 

 

 

 デート当日

 

 

 

「なぁ、なんで私なんだよ」

 

 

「え〜?私は最初からクリスをご指名しようとおもってたよ?」

 

 

 

 謳歌の発言に、赤面するクリス

 

 

 

「……バカ」

 

 

「……今の顔、超かわいい……」

 

 

 

 “ゴンッ!”

 

 

 

 げんこつを見舞うクリス

 

 

 

「痛った〜!!」

 

 

「バカなこと言ってないでさっさと行くぞ!」

 

 

 

 そう言って、歩き出すクリス

 

 

 

「えっ……手繋いでくれないの……」

 

 

「はぁ?なに言ってんだお前……」

 

 

「だってデートだよ!?デート!手は当然繋ぐでしょ?」

 

 

 

 にこやかに返しながら手を差し出す謳歌

 

 

 

「……しょうがねぇな」

 

 

「わーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“ピコン”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?なんだ今の音」

 

 

 

 クリスの元へ駆け寄ろうとしていた謳歌の動きが止まっている

 

 

 

「……謳歌、お前そういえば携帯は?」

 

 

「けっ、携帯?あっれー……忘れちゃたかなー……」

 

 

 

 クリスは携帯を取り出し、無言で電話をかける

 

 

 

 ♪〜♪〜

 

 

 

 謳歌のかばんから着信音がする

 

 

 

「あっれー……かばんに入ってたみたいだなー……」

 

 

「……携帯、見してみ?」

 

 

「どっ、どうして?プッ、プライバシーの侵害だよっ?」

 

 

 

 ものすごく声が裏返っている謳歌

 

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

 

 しばし無言の2人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てめえ!!また盗撮してやがったな!!」

 

 

「うわぁ!ちっ、違うってば!成長記録っていつも言って……」

 

 

「問答無用だぁ!携帯ごと水に沈めてやる!!」

 

 

「や〜め〜てぇ〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃の調

 

 

 

「なんなのよ!私じゃないじゃない!あの変態!今度あったら絶対許さない!!」

 

 

「調……バッチリおめかししてて何言ってるデスか……」

 

 

 

今日もリディアンは平和です

 

 




明るいお話・・・明るいお話・・・

次回も頑張ります・・・

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