リディアン音楽院の問題児(✌️る〜と) 作:dedicates545
「ねーねーせーへきさん」
「どうしたの?旋律ちゃん」
「“キス”ってなーに?」
旋律の問いに固まる一同
今日は旋律の面倒を見れる人が居ないとの事で、謳歌達が一緒に面倒を見ていた
「うーん……説明するの難しいから実際にやってみようか!」
「うん!そーする!」
「こらぁ!」
どこからか持ってきたハリセンで、謳歌をひっぱたくクリス
「どさくさに紛れて何しようとしてんだ!お前は!」
「痛いよクリス!いいじゃない別に減るもんじゃない!」
「死ね」
「うわぁ!?」
今度は謳歌の顔面スレスレにナイフが飛んできた
「ちっ!もう少しで唇ごと削ぎ落とせたのに……」
もちろん調である
「ちょ!調ちゃんのは本当にシャレにならないって!」
「ねー!キスってなーに!?」
旋律はなおも問う
「そのうち分かるから」
「いやだー!いましりたいー!」
調の提案を、旋律は拒否する
「じゃあキスっていうのはみんなしたことあるの?」
旋律の問いに、一同思慮する
「私は無いなぁ……未来は?」
「響、私にだってまだないよ?そんな経験」
「私はあるデス」
「そうだよね、みんなしたことなんかまだ無いよね……ん?」
未来が止まる
「へぇ……切歌ちゃんはあるんだ……」
ちらっ、と調の方を見てみる
固まったまま物凄い顔をしている
「お前どうせそれチークキスのことだろ」
キャロルが問う
「チークキス?」
「それなーに?」
皆分からないようである
「チークキスは、挨拶の時に頬にキスする事の総称です、主にヨーロッパ等で習慣になってます(^-^)」
エルフナインが説明する
「バレちゃったデス」
切歌はそう言い笑う
調はほっと胸を撫で下ろした
「いっぱいしゅるいがあるのー?」
「はい、沢山種類が有りますが、中には11種類のキスがあるなんて意見もあります(^-^)」
エルフナインの説明に一同驚く
「そんなに種類あるんだ!」
「知らなかったデス!」
皆口々に話している
「あっ」
ふと、何かに気付いたようにして、立ち上がる謳歌
「どーしたの?せーへきさん」
「ちょっと探し物してくるね、すぐ戻るから」
そう言いながら、膝にのせていた旋律を抱え、下ろす謳歌
「すぐきてね……」
「うん、直ぐに戻って来るから」
旋律の頭をポンポン撫で、謳歌は部屋を後にする
数分後、謳歌が戻って来た
手にはDVDらしきディスクが握られていた
「せーへきさん、それなーに?」
「んー?キスのお勉強」
そう言いながら、ディスクをセットする謳歌
「おい、いかがわしいのじゃないだろうな……」
クリスが謳歌に問う
「んー?ただのホームビデオだよー」
ディスクをセットし、再生ボタンを押す謳歌
「これ謳歌さんとクリスちゃんですか?」
未来が問う
画面には、キャロルとエルフナイン位の謳歌とクリスが映っていた
「かわいい……」
「ちっちゃいデース!」
手を繋ぎ、仲良く歩く2人
「? この頃って……!!!」
「うわぁ!?」
「デース!」
クリスはつまづきながら、慌てて再生を止めようとする
「クリス〜?何してるの〜?」
「うるせぇ!離せこのバカ!!」
いつの間にかクリスを羽交い締めにしている謳歌
「調!切歌!ビデオ止めろ!」
「どうしたんです……?そんなに慌てて……」
「とっても必死デス……」
「良いから早く止め!あぁ……」
クリスの動きが止まる
《ねーねークリスー》
《なんだー?》
幼い謳歌とクリスである
《ん》
謳歌が目を閉じ、唇をすぼませる
《もー、しょーがねーなー》
クリスはそのまま、謳歌に唇を重ねる
《ん……》
およそ10秒程の熱い口づけを交わす2人
《しょーらいクリスとけっこんする!》
《えー?しかたねーなー》
そう笑いながら、再び口づけを交わす2人
「うわぁぁぁ!!見るなぁぁぁぁ!!!」
クリスの絶叫が、部屋にこだまする
「おぅ……」
「これは……」
一同なんとも言えない表情をしている
「うわぁぁぁ!知らなかったんだよ!!こいつに騙されてたんだぁぁ!!」
床に突っ伏し、顔を真っ赤にしながら絶叫するクリス
「騙したなんて失礼な!」
「うるせぇ!お前!“キスっていうのは仲の良い女の子同士がするもの”って言ってたじゃねーか!」
「お前の当時の価値観どうなってるんだよ……」
キャロルが呆れたように言う
「せーへきさん、これがキス?」
「そうだよ旋律ちゃん、大切な人とか、好きな人にするんだよ?」
「ふーん……」
クリスはまだ顔を真っ赤にしながら床で悶えている
「頼むからもういい加減止めてくれぇ……」
懇願するクリス、画面にはなおも熱いキスを交わす2人の姿があった
「おい……もう良いだろ……お前らのディープキスなんかみたくもないわ気持ち悪い……」
「え〜?どうしよっかな〜……」
キャロルの言葉に答えつつ、ちらっとクリスを見る謳歌
「なっ、なんだよ……」
「何だか興奮して来ちゃったな……」
「ひっ……!」
謳歌はクリスに馬乗りになり、腕を押さえつける
「おっ、おい……」
「久しぶりにしよっか……」
「おっ、落ち着け!この年になってそれはキツイ!色々あれだろ?な?」
何とか謳歌をなだめようとするクリス、しかし体は完全に押さえつけられている
「色々って、なに?」
「そりゃあ……色々だよ……」
恥ずかしそうに顔を背けるクリス
「色々じゃ分かんないなー!!」
「ひぃ!!」
クリスの唇を奪いにかかる謳歌
「いい加減にしろ、この産業廃棄物」
「ぐぇ!!げぇほ!げぇほ!」
調は謳歌の首筋に蹴りを入れる、謳歌は激しく咳き込んでいる
「げほ!げほ!びどい、うぇっほ!じらべち”ゃん……」
「助かった……」
そんな3人を尻目に、未来が旋律に言う
「旋律ちゃん良い?キスって言うのはね、初めてする時は大切なのよ?ファーストキスって言うんだけどね?
本当に自分が好きな人にあげる物なのよ?ましてやあんな風に嫌がる人に無理矢理したりしたら駄目だからね?」
「はーい……」
そう答える旋律は、どこか上の空に見える
「何だかお腹が空いてきちゃったよ……」
「こんな時にお前は……本当に食うことしか考えてないのか?」
響に呆れるキャロル
「だって……あんなにキス キス キス キス言われたら誰だってお腹が空いちゃうよ……」
「どーしてー?」
響は旋律に携帯を見せながら言う
「ほら!旋律ちゃん、これが“キス“だよ!」
「! おさかなさん!」
響が見せたのは、“鱚”の画像
「美味しいんだよぉ〜天ぷらにお刺身に、炊き込みご飯にするのも美味しいだ〜」
鱚料理を想像し、至福の表情を浮かべる響
「う〜何だか私もお腹が空いてきたデス……」
「そう言えばそろそろお昼……」
「うーん……鱚かぁ……よし!じゃあ皆で市場にでも行って見てこようか!旋律ちゃんも一緒に行く?」
未来が問う
「せんりもいく!おさかなさん!」
旋律は謳歌に駆け寄る
「せーへきさん!おさかなみにいこ!おさかな!」
「うん、行こうか」
そのまま旋律を抱き抱える謳歌
「……ねーせーへきさん……」
「ん?どうしたの旋律ちゃん」
旋律はもじもじしながら謳歌に問う
「せーへきさんは、“キス”はすき……?」
「“鱚”?うん、好きだよ?」
「せんり……はじめてなの……いい?」
「うん!(市場までは連れていってあげるから)大丈夫だよ!」
次の瞬間、謳歌の鼻腔に甘い薫りが広がる
『ん……』
旋律の幼い柔らかな唇が、謳歌の唇に触れる
「え!?」
「デッ、デース!?」
「嘘……」
「おっ、おい!何してんだ!」
「……消えろ、生ゴミ以下のくそ野郎!」
呆然としている謳歌
「せっ、旋律ちゃん……?」
「……わたしのはじめて、おーかちゃんにあげる……」
固まる謳歌
「おっ、おい!立ったまま気絶してるぞ!」
「大変デース!!」
「えへへー?」
「そのまま一生目覚めなければ良いのに」
「あれ?エルフナインちゃんにキャロルちゃんは?」
大騒ぎの部屋から、2人は抜け出していた
「どうしたのキャロル(^-^)?」
「……検討はついてるんだろ?」
「口で言ってくれなきゃ分からないよ(^-^)?」
小悪魔的な表情を見せるエルフナイン
「くそ……だから……その……”キス“してほしいんだよ!」
そう言い終わると、キャロルは頬を赤らませる
「それで?どんなキスにすれば良いの(^-^)?」
「どんなってそりゃあ……」
キャロルがどもっていると、エルフナインが言う
「口で言えないんなら、口をその形にしてくれれば良いよ(^-^)?」
「ちっ!お前は本当に性格が悪い……」
キャロルはそう言うと、目を閉じ、口を開き、舌を出した
「キャロル……力抜いて……」
「んんっ!」
エルフナインの舌が、キャロルの口内をなめ回す
「んんっ!んん……」
次第にキャロルも、エルフナインの舌に絡み付くように舌を動かす
「んっ!ぷはぁ、はぁ……はぁ……」
およそ2分程続いた濃厚なベーゼは終わった
「ほら、キャロル立って?そろそろ戻らないと(^-^)」
「まっ、待て!もう1回だけ……」
キャロルの問いに答えるエルフナイン
「もう……駄目だよキャロル、今朝だってあんなに一杯してあげたのに、もしかして謳歌さんとクリスさんの見て興奮しちゃったの(^-^)?」
「うっ、うるさい!分かった……夜、必ずだぞ……」
そう言いながら、2人は部屋へと戻っていった