━━━━━━━━━━体は剣で出来ている
━━━━━━━━━━血潮は鉄で心は硝子
━━━━━━━━━━幾たびの戦場を越えて不敗
━━━━━━━━━━ただ一度の敗走もなく
━━━━━━━━━━ただ一度の勝利もなし
━━━━━━━━━━担い手はここに孤り
━━━━━━━━━━剣の丘で鉄を鍛つ
━━━━━━━━━━ならば、我が生涯に意味は否要ず
━━━━━━━━━━この体は、
━━━━━━━━━━無限の剣で出来ていた
何時まで呆けていたのだろうか、時計はまだ朝3時を回ったぐらいだ……。
このままでは、いけないなと自分を起こし1人、意識を集中させる。
その言葉と同時に、今の自分の状態を確認する。どうやら、体に異常はないようだ。これから大事な作業があるのだ。万全じゃないと逆に困る。
あの運命の戦いから実に3年が経ち、俺は20歳になっていた。あれから魔術回路はメキメキと開いていった、なんでも遠坂が言うには元々使われていなかったのが英雄王との戦いの時に無理やり固有結界を使用した事により開いていったらしい。だがまだまだのようだ、まだ俺は14本しか開けていない……アーチャーは27本もの魔術回路を使用していた。己が至った可能性がある未来……まだ俺には想像もつかないが、とにかく今は修行しかないだろう。
俺は今ロンドンの魔術協会、所謂「時計塔」と呼ばれる所で遠坂凛の師事を仰いでいる。遠坂はスパルタで、だけど教えることに関しても、魔術師としても一級品であるから俺は恵まれてると言えるであろう。
お得意のうっか凛さえ……なければ……まぁそこが遠坂凛が遠坂凛たる
さて、話を今に戻そう。今俺は師たる遠坂凛に連れられ宝石剣ゼルレッチの解析に勤しんでいる。宝石剣ゼルレッチ……俺は最初聞いた時はよく分からない単語だったけど遠坂
もう少し詳しく説明しよう。(説明下手くそなのは許してくれよ…)
簡単な話、異世界に行けるらしい。こことは違う、ギターの弦を弾いた時のような幾重にも別れている世界、それが平行世界。人は誰しも、ここをこうすれば良かったとか、あの時こうすれば…等のようにその延長線上が平行世界。
運営とはつまり、行き来が出来るとの事。
遠坂凛は正にその魔法に限りなく近い偉業を成し遂げようとしている。何故俺がいるって?一応弟子で、ゼルレッチが「剣」の部類に入っているからだ。
「よーし、いい感じで出来てる出来てる〜♪」
大丈夫だろうか
俺はとてもコワいです
「ちょっと士郎!今失礼な事思ったでしょ!」
「いや、そんなことはないぞ。うん。全く…」
「ん、そう。……見ておきなさい!もう少しで完成しそうだから!」
宝石剣ゼルレッチ自体は、どうやら設計図はあるらしい……が。なんでも答えは出ているのに途中の公式が異次元のようなので、魔術師達を悩ましているみたいだ。
俺?俺は全くわからん!
「ここをこうして、宝石の方は不備なし!後は魔力供給するだけね!」
さて、ここまで順調、そう順調なのだ。俺はこれからうっか凛の被害に備えるためアップシテオコウカ。
「さて、士郎。今回あなたを呼んだのは、何も宝石剣の事だけじゃないのよ?」
「ん?いや待て遠坂。じゃあ俺は何のために呼ばれたんだよ?」
「それはね…
その時一際大きな魔力を俺ですら感じ取れた。遠坂の方を見れば目の前にある宝石剣が輝いている。これは、まさしく
「おい遠坂!これって!辿り着いたんだよな!魔法に!」
いい歳してはしゃいでしまっている。無理もないと分かってくれよな。
「ええ、そうね士郎。」
魔法にたどり着いたのに遠坂は余り嬉しそうにしていない。その表情は浮かない。淡々と冷徹に、その結果に。
当たり前と思っているのだろうか。
「……さてと、士郎!あなたは今からある仕事をしてもらうわ!」
「おう。それで、結局俺は何をすればいいんだ?宝石剣の起動には成功したし別に俺はいなくても…」
今、この時でさえ俺は自分のいる意味がよく分かってない。宝石剣は無事に起動出来たし、お得意のうっか凛もしていないし…
「何言ってるのよ士郎。これからあなたには、私の実験に付き合ってもらうのよ。」
「へ?」
今この、あかいあくまは何をおっしゃいましたか?
「本当の事を言うなら、士郎には平行世界に飛んでもらうわ。理由は世界からの干渉が迫っているからよ。」
それは、アーチャーが言っていた、世界からの干渉。衛宮士郎が死後を世界に渡す代償に受け取る、「正義の味方の力」。それの干渉がすぐそこまで迫ってきていたようだ。
「待てよ、遠坂!はいそうですかって、なれるわけがないだろう!藤ねぇや桜にどう説明するんだよ!」
故郷にいる俺の家族の事だ。桜は魔術に関係しているから、分かってくれるかもしれないけど、藤ねぇはどうするのだ?魔術に関わっていない一般人にどう説明するんだ?いきなり弟分が「平行世界に行ってきマース。」って信じれる訳がないだろうし…。
「説明したわよ?藤村先生には、外国に行くって言ってるし、桜には、全て話したし。」
このあかいあくまは、根回しを覚えたのか。
「面白い事に二人とも一緒の事を言っていたわよ?
いってらっしゃい。
だってさ。」
あぁ、やっぱり敵わないな。あの二人には
「もう時間もないし、ちゃっちゃと飛ばすわよ士郎!……の前にどうせ向こうでも無茶するでしょうから、私の全財産の三割を使った宝石をこの袋に入れてるから、使い時考えなさいよ?」
そう言って遠坂は俺に赤い袋を渡してきた。その中には色とりどりの宝石が沢山入っていた。本当に三割ぐらい入っていそうだ。でも…
「いいのか?こんなに貰って、それに全財産の三割って遠坂にとっては死活問題じゃないのか?」
遠坂は宝石魔術に長けている。それは文字通り宝石を通して魔術の本格的な行使をするからだ。宝石は言わば命と同等かそれ以上の代物、それの三割を俺なんかに…。
「それは、私の実験に手伝ってもらう為の対価よ。有難く受け取っておきなさい!私からは以上よ。」
話し合っている間に孔が少しずつ小さくなっいていく。時間が迫ってきているようだ……。
なんだかんだ言って別れるのはやっぱり悲しいけど、送り出してくれているんだ、だったら帰ってきたらいいだけだ。また……この世界に…俺の帰るべき家に……
「ありがとう……行ってくる!」
「えぇ。行ってらっしゃい士郎。必ず会いに行くからね!首洗って待ってらっしゃい。」
そうして俺は遠坂に別れを告げ、この世界から出る。この先には何が待っているんだろう、緊張と興奮で上手く息ができない。一歩踏み出す、その一歩は家の玄関を開け外に繰り出す子供のように……
無事士郎を送り出した遠坂凛。彼女自身この実験には、かなりの神経を使っていた。失敗すれば次元の狭間に放り出すも同義。物質であれば何の憂いもなく出来るが今回は人であり自分と関わりが深い人物である。魔術師は非道だと言われるが遠坂凛は違う。彼女は悲しめる人なのだ。
「士郎……この世界での物語は一先ず休止よ。貴方の行った世界が貴方の…士郎自身の物語のプロローグよ。精々頑張りなさい。」
彼は征く。その地で何が起こるのかは、彼の者しだいである。
彼は征く。己の物語を紡ぐ為に。
彼は征く。想いを胸に秘めて。
降り立つ世界に彼は何を想うのか。それは誰にも分からない。
「まぁ、僕は分かるんだけどね!何故かって?花の魔術師マーリンお兄さんだからさ!」
この
ここまで読んでいただきありがとうございます!世界線や内容は勉強していきますのでこれから頑張って行きたいと思います。一先ず士郎くんの設定を
・遠坂に鍛えられたのである程度は自分を大事にする。
・回復は擦り傷や切り傷等の軽傷なら回復出来る。
・投影はギリギリ真名解放は出来るがぽんぽん出せない。
・正義の味方を目指しているが自分をある程度は大事にしている(しなければ遠坂に何されるか分かったものじゃないから)ため、狂った考えはしない。緊急事態は別。
この位ですかね、自分が描いている衛宮士郎は。TUEEEE系は何となく諦めました。そこまで書ける文才ないので笑
それと、何故遠坂が全財産の三割をあげたかと言うと、すぐ無茶するし怪我するし治療しようにも飛ぶのは士郎だけだし、実験の前報酬や魔力が足りなくなった時のとっておきと考えているからです。まぁ三割あげたんだから死んだら地獄の底まで追い詰めてガンドするぞと脅しているって感じですかね。え?遠坂自身の財産は大丈夫なのかって?それは士郎を平行世界から連れ戻して吐かせれば万事解決と思っているからですね。平行世界の運営は根源へと至らんとする魔術師全員のゴールなので生き証人を確保している遠坂は幾らでも出来ると言うことです。
それではあとがきはここまでで、また次回お会いしましょう。