サトシになって貰ったピカチュウがちょっとおかしいのですが…   作:正宗=6㎏

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 元々が一発ネタであったため、二本立てだったり結構展開はサクサク行くかと思われます。
 後、妙なポケモンを捕まえたりします。


FF7RTA(メガトンコイン付き)/ち、違うこれはただの安眠枕じゃ…

FF7RTA(メガトンコイン付き)

 

 

 

 

 「そうだFF7RTAを走ろう‼」

 

 「何をいきなり言い出すんだお前は…というよりRTAだと何だそれは?」

 

 「こうしちゃいられない!早速情報を集めるぞ‼」

 

 善は急げの考えの元、俺はポケモンセンターに急ぐ。そしてポケモンセンターにある端末の中から、カントー地方のとある場所がこの世界にも存在しているかどうかを検索する。

 

 「ガルーラ…保護区…これだ‼」

 

 カントー地方にあるガルーラが生息しているサファリランド、これこそが俺が求めていた情報だ。

 

 「ピカチュウ(セフィロス)、次の目的地はここだ!飛んで連れて行ってくれ」

 

 「構わんが、そこに何かあるのか?」

 

 「それは…行ってみてのお楽しみというやつだ」

 

 さすがに何故そこに行くかまでは説明できない。話は変わるが、今更ながらこの世界にはなんやかんやあくどい人間がそこそこいる。そしてこの先そういった人間と関りになることは残念ながら出てくるだろう。そうなったときにニブルヘイムの二の舞を避けるためには俺自身に対する好感度はともかくとして、人類全体に対する好感度を上げておく必要がある。

 そして俺は思い出したのだ、人類に対するピカチュウ(セフィロス)の好感度を爆上げするイベントを…

 

 

 

 

 

 

 

 相変わらずピカチュウ(セフィロス)の飛行は体に負担だが、これから起きるイベントを思えば体は軽くなるというものだ。このイベントが終われば『ガルーラ、ニンゲントモダチダカラ、ピカチュウ(セフィロス)、ニンゲントモダチ』となってFF7が高速終了する。この戦い我々の勝利だ!

 

 「さて、目的の人物はどこかな?」

 

 「人物…誰か情報を持っている者を見つけたのか?」

 

 「情報を持っているという訳ではないが、今後において大きな意味を持つ者だな。」

 

 森の中を探索しながら、目当ての人物を探す。そして結論から言えばその人物は見つかった。ただしその様子は明らかに異常だった。目当ての人物は何者かに痛めつけられていたかのようにボロボロだったのだ。

 

 「おい、一体何があった!?」

 

 頭の中は大混乱だが事情は聴かねばならない。おれは少年(ターサン)を背負うと何があったか尋ねた。

 

 「皆…捕まった…俺戦ったけど勝てなかった…」

 

 「捕まっただと!?」

 

 当たりを見渡すと傷つき檻に入れられたガルーラがいた。それを見て俺は驚愕する、なぜならこんなことはこの時期にはまずありえないことだったからだ。

 

 「これ…開けたくてもあけれない…」

 

 (馬鹿な!?これは一体どういうことだ‼)

 

 この時期ならばまだロケット団(ムサシ、コジロウ、ニャース)によるガルーラ密漁未遂事件が起きていないはず…そもそも俺はムコニャと出会っていないからここに連中が来ることはあり得ないはずだ。

 

 「誰がこんなことしたか分かるか、特徴でいいから教えてくれ?」

 

 「赤いの着てた…」

 

 「赤い服…ロケット団じゃないな」

 

 何とかその情報をもとに該当する人物を思い出そうとするがなかなか出てこない。そんな中犯人と思しき人物が捕まえた獲物を回収しにやってきた。

 

 「俺が捕まえた獲物に誰か来ていると思ったらさっきの生意気な餓鬼と知らねぇ餓鬼かよ、びっくりさせやがって。」

 

 俺はこの状況の犯人を見て驚愕する。そいつはAG編で出てきたロケット団のマタドガスとアーボックのお別れの時に出てきた、ポケモンハンターだったのだ。たしか名前をリョウとかいったか…結構昔のことであっているかは定かではないが。

 

 「まぁいいや、後は捕まえたガルーラを依頼人に届けて依頼完了だ。」

 

 依頼だと…そりゃポケモンハンターなんだからある意味正しい姿なのかもしれないが、こんなタイミングのこんな時にやってきやがって…クソ‼これは修正力ってやつなのか?短縮して好感度稼ごうとしてはいけないよとでもいうのか?なんにせよふざけんじゃねぇ‼この人類種に対する戦犯が!こんなメガトンコインもビックリのガバをやらかしやがって‼再走なんてできねーんだぞ‼

 しかし俺の隣でもっと怒っている者がいた、そうピカチュウ(セフィロス)である。

 

 「絶望をくれてやる…」

 

 完全に切れたピカチュウ(セフィロス)を見て俺は心底戦慄する。しかしその場にいるだけで心が凍てついてしまいそうなピカチュウ(セフィロス)の殺気を見ても人類種の戦犯は後悔するでもなく、恐れるでもなく特大のフラグをぶちまける。

 

 「なんだなんだ、そんなピカチュウ一匹で俺とやり合おうってか?こんなピカチュウ俺なららくに狩れるぜ。」

 

 「……」

 

 「俺はな安全に金儲けしたいんだよ、手早く大量に依頼人にポケモンを渡せばそれだけ支給される料金も増える。いけオニドリル、サナギラス‼」

 

 モンスターボールからオニドリルとサナギラスを繰り出す人類種の戦犯、普通のポケモンバトルではないから二体一など卑怯でも何でもないという理論だろう。しかし相手が悪すぎた、目の前にいるのは某鬼狩り漫画で例えるならば下弦の伍どころか上弦の壱ぐらいの相手だったのでフラグ通りそれが彼の辞世の句となる。

 

 「痛みの中で死ね…」

 

 「何!?ガァ…」

 

 アイアンテール(正宗)に突き刺した戦犯をピカチュウ(セフィロス)はそのまま空中に放り捨てさらに何度も刺突し、血の雨を降らせる。その様子を見て配下のポケモン二匹は頭の中が完全に硬直する。しかしオニドリルの方はいち早く我に返り自身にとって的確な行動をとることに成功した。

 

 「ギャァー」

 

 さすがにこういった無情な悪党に付き従ったいるだけあって、オニドリルの判断は早かった。勿論主を助けようとは全く考えずに、今自分の主を突き刺しまくっているピカチュウ(セフィロス)を見て『こいつはヤバすぎる』と即座に判断した彼(彼女?)は一目散に逃走を開始する。某水の呼吸の育手も満足するだろう判断の早さだった。

 

 一方で堪らないのは逃走する隙を見いだせなかったサナギラスだ。主は死亡、相方は既に逃亡、そんな孤立無援のサナギラスにピカチュウ(セフィロス)が近づく。おぞましいほど冷たい目をしたピカチュウ(セフィロス)の様子を見てサナギラスは硬直する。

 

 「サナ…ギラァ…」

 

 このままでは自分も主の後を追わされる。そんな中この土壇場でサナギラスの身に変化が訪れるた。死の恐怖を前にし生存本能がフルで使役された結果、何とバンギラスに進化した。

 生き残るためには戦うしかない、バンギラスは口にエネルギーを蓄え始めるが、悲しいかな…相手はあまりにも普通じゃなかった。

 

 「消えろ。」

 

 「待ってくれ!これ以上殺すな‼」

 

 破壊光線を打つ暇もなく、一瞬で距離を詰めたピカチュウ(セフィロス)アイアンテール(正宗)でバンギラスに八刀一閃のような攻撃を加える。切り刻まれ気絶するバンギラス、幸いにして直前にとっさに叫んだ俺の声が届いたのかどうかは分からないがギリギリで息はあるようだ。

 

 (しかし不味いぞ!とんでもなく不味いぞ‼どうすればいいこれからどうすれば…)

 

 このままでは下手しなくてもこのままサファリランドにいるジュンサ―さんに見つかろうものなら殺人犯待ったなしである。当て逃げ事件とかならともかくさすがにこんな人類の戦犯なポケモンハンターのせいで殺人犯とか嫌過ぎる。何とか打開の手を考えなくては…俺は頭の中を高速で回転させ、一つの結論を出す。

 

 「…やはりやるしかないか。」

 

 俺はリョウの死体を物色し、血だらけになった二個のモンスターボールを手にする。

 

 (どっちがオニドリルでどっちがバンギラスか分からないな…)

 

 さすがにどっちがどのポケモンが入っていたボールかまでは分からなかった俺は、二分の一の確率の元、ボールのスイッチを押し呼び戻しの光線を出して気絶しているバンギラスに当てる。当たりを引いたのかバンギラスはモンスターボールに吸い込まれ収納された。

 

 「何のつもりだ…何故そいつをかばった?」

 

 何故って、そんなこと俺に言われてもとっさに言ってしまったとしか言いようがないが…ともかくここはそれっぽいことを言っておくしかない。

 

 「し、死体の処理が大変だ!バンギラスは本来この地域には生息していないポケモン、残しておくと大変だ!」

 

 「死体?こんな奴らの放って置けばいいだろう」

 

 「そうもいかん、死体から容疑が俺たちに繋がったら不味すぎる。」

 

 「容疑?こいつを殺したことが悪いのか?」

 

 やはりというかなんというか、この状況を不味いとは思っていないらしい。しかしながらそれは仕方がないことかもしれない、そもそもこのピカチュウ(セフィロス)はずっと野生で過ごしてきたのだ、人間の倫理観や決まり事なんて知ったことではないだろう。それにどこぞのドラゴン使いも言ったいたが、ポケモンは本来気まぐれで人を助けたり困らせたりする生き物だ。

 …だからと言ってこのまま引き下がるわけにもいかない。

 

 「悪いとは言わないが、こいつを殺したことが知られてしまったら、ジェノバの手掛かりを探す俺たちの旅に多大な悪影響が出る。それは避けたいだろ?」

 

 「いいだろう、ではこの先どうすればいい?」

 

 「…とりあえずこの死体をどうにかしないといけないな。」

 

 とりあえずは納得してくれたようで助かった。そして考えただけでも気が滅入るが、死体をそのままにしておくことは出来ない。俺はリョウの死体の中からガルーラが捕まった檻のカギと思しきものを物色すると、ピカチュウ(セフィロス)に頼んだ。

 

 「ピカチュウ(セフィロス)、この死体を焼いてくれ。」

 

 「了解した。」

 

 ピカチュウ(セフィロス)かえんほうしゃ(ファイガ)を使い血痕ごとリョウの死体を焼き始める。だが、凄まじい温度にも関わらず死体はなかなか炭になり切らずに俺は焦る。

 

 (この世界の人間は一体何でできてやがるんだよ…)

 

 俺はその様子を見て半ば現実逃避気味にそんなことを考える。しかしよくよく考えてみれば当たり前のことなのかもしれない。サトシボディはリザードンの火炎放射を受けても焦げるだけで普通に元気だったしな。

 

 「終わったぞ。」

 

 そうこう考えている内に死体を焼ききったみたいだ。後は炭を砕いてどこかに飛ばせばとりあえず応急的には何とかなるはずだ。

 

 「後はこの鍵を使ってガルーラたちを解放しよう」

 

 「ああ…ガルーラたちがいる場所は分かるか?」

 

 「任せろ…俺、この辺り詳しい。」

 

 俺とピカチュウ(セフィロス)はターサンの道案内でガルーラたちの解放を行っていく。本当はすぐにでもこの場を離れたかったが、絶対にピカチュウ(セフィロス)は納得しないだろうし、これ以上不機嫌には絶対にさせたくなかった。

 

 「…これで全部か?」

 

 「カギはすべて使ったから多分大丈夫だと思う。」

 

 「みんな…戻ってきた…良かった、嬉しい!」

 

 「ガル!ガルァ‼」

 

 再会を喜ぶガルーラとターサン、そんな様子を見てピカチュウ(セフィロス)は何かを考えこむような様子だった。

 

 「サトシ聞きたいのだが、何故ガルーラたちは人間によって酷い目にあわされたのに同じ人間のあの少年を恐れたり忌み嫌ったりしないのだ?」

 

 「あのポケモンハンターとこの子は違うと理解しているからじゃないかな、ポケモンだって同じ種類でもいろいろな個体がいるだろ?」

 

 「そういうものなのか?俺にはいまいち納得しかねない…だが」

 

 「だが?」

 

 「また再会できてよかったとは思う……俺はもう無理だろうからな。」

 

 そう呟くピカチュウ(セフィロス)は少なくともさっきまでの本編セフィロスの時とは違い少しだけ穏やかな顔をしていた。

 …結局こうして俺のFF7RTA大作戦は特大のガバによって大失敗に終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ち、違うこれはただの安眠枕じゃ…

 

 

 

 

 森の中で黒と銀の剣がぶつかり合う音が響く。

 

 「ガガガァ」

 

 見誤った、ミミッキュはそう考えながらピカチュウ(セフィロス)の反撃をシャドークローで防ぎ、それを捌いてから再び反撃にでる。そこら辺の野生ポケモンならばそのまま攻撃の威力に任せて押し切れるであろうが、相手は普通ではない。

 無理な体勢で僅かに怯んだところを決して見逃さず、力を込めるとピカチュウは消えたように一気に前進した。

 

 「ギ、ギギギギギギ‼」

 

 一瞬でミミッキュの目前に迫ると右手で握るアイアンテール(正宗)で斬り掛かる。それをミミッキュは持ち前の身軽さによって何とか対応する。

 

 「ほう…何がお前をそこまで駆り立てる?」

 

 だがその直後、ピカチュウ(セフィロス)の雰囲気が先ほどよりも獰猛なものへと変貌し、膨大な威圧感が発せられた。その威圧感にミミッキュは一瞬だけ身を竦ませてしまい、そこからピカチュウ(セフィロス)が猛攻を始めた。

 斬り下ろし、斬り上げ、右水平斬り、左水平斬り、斜め斬り下ろし、斜め斬り上げ、袈裟斬り、薙ぎ払い、突き、などの様々な一撃を多方向からアクロバッティックに繰り出す。

 

 「ガァ…ゴァガァギァ…」

 

 幾ら防いでも、幾ら弾いても、続けざまに剣が襲い掛かってくるので防御に徹するしかない。さらに防御できたところで隙を狙おうにも続けざまの剣撃が迫るために反撃に移れる隙すらできないのだ。

 いや正確には隙らしきものはあるのだが、そこに飛び込むのはきわめて危険だとミミッキュの勘は警鐘を鳴らしており一切の反撃が許されない状況であった。だが、当然のことながら全ての連撃を防げるわけもなく、攻撃を受けて僅かにだが切り傷が増えていく。それでも最初の頃よりはまだ戦いになっているだけ彼の対応もかなりのものと言えよう。

 

 「ググググ…」

 

 業腹ながらこのままでは先に力尽きるのは自分のほう。そう考えたミミッキュは黒い刃をあえてライトセーバで受けきるのではなく正宗(アイアンテール)の軌道を逸らすことでかわす。

 

 「あいつらも頑張ってるな…俺も頑張らないと‼」

 

 あの事件からもう一度アローラに高跳びした俺はここ最近の修業風景を眺めながら呟く。一見ミミッキュは剣を使っているように見えるが、それはミミッキュがセフィロス人形だからで剣に見えているのはシャドークローを変化させたものである。今やっているのはピカチュウ(セフィロス)の剣技を盗むための修業だ。

 最初はあいつと同じことはしたくないといった風だったが、相手の技を知れば対処の糸口になると説明したところ何とか納得してくれたようで良かった。

 

 「さて、バンギラス…今日も頼むぞ!」

 

 「ギラァ‼」

 

 スーパーマサラ人の体には波動というものが眠っている。しかし俺はその具体的な呼び起こし方を知らない、なので実戦と瞑想によってそれを呼び起こすことにした。そのためには多少なりとも荒っぽい方法も受け入れる必要がある。

 

 「オルァ…ゴハァ‼」

 

 身一つで向かっていった俺にバンギラスの野太い尻尾が直撃し飛ばされ木にたたきつけられる。その衝撃で肺の中の空気が一気に放出されるが、すぐに持ち直す。これはピカチュウ(セフィロス)のとんでも移動法の中で俺は前世で見た鬼狩りの漫画の呼吸法を真似することを思いついたことで形に出来たものだ。最初はダメもとでやってみたのだが、さすがはスーパーマサラ人ボディー、再現できたぜ。

 

 「バン…ギラァ!?」

 

 若干バンギラスがドン引きしているようにも思えるが、まだまだこれからだ!無論俺とて伊達や酔狂でこんな奇行をやっているわけではない。サトシとして生きていくには人間を止める必要がどうしてもあるのだ。それにポケモンと人間が一緒に強くなることで連帯感が生まれるという効果もある(個人差があります)。

 

 ちなみにバンギラスはリョウのモンスターボールを消滅させた後再度捕まえている。ボールそのままだとポケモン登録も指名手配されていた場合、関係が疑われるため綺麗なモンスターボールに入れてある。つまりは簡易的なポケロンダリング(俺が今作った言葉)だ。

 ちなみにピカチュウ(セフィロス)にはこいつは無理やり脅されて従わさせられていたことにした。バンギラスも死にたくなかったためちゃんと話を合わせてくれ、以降言うことも一応聞いてくれる。

 

 

 

 「…これで今日もよく眠れそうだ。」

 

 俺はくたくたに疲れた体を休める。最近こうでもしておかないと寝つきがよくないのだ。何せ最近不可抗力で殺人と死体遺棄をやってしまい実のところよく眠れない、なので体を限界まで使い強制的に睡眠をとるようにしている。

 だが、そんな生活は今夜を境に変わることとなる。

 

 

 

 

 (何だろう…凄く気分がさわやかだ…)

 

 気分がいいこんな穏やかな気持ちで眠れたのは初めてだ。何というか世の中のしがらみの全てから解放されるような気分になれるのだ。何だろうこれは一体何のおかげなんだろう?寝ぼけた頭でできる最大限の思考の中で俺は答えにたどり着く。

 

 (枕だ…そう枕なのだよ…この枕とんでもなく寝心地がいい)

 

 枕は睡眠において重要な要素だ。そして悪い枕を使っていれば睡眠もおのずと悪いものになる中、この枕はまさに最高の出来栄えだった。もうこの枕をずっと使っていたい、何ならこの枕と一体化して一生を過ごしてもいいくらいだ。

 しかし、そんな至高の睡眠を邪魔するものが現れた。

 

 「起きろサトシ、お前何だそれは…」

 

 む…いくらピカチュウ(セフィロス)が怖いからと言ってこの枕は絶対に渡さんぞ。これは俺だけの枕だ。

 

 「違う…これはただの安眠枕じゃ…これは誰にも渡さねーぞ…」

 

 そのまま防御態勢に移る俺、しかししばらくして俺は左右に思いきりゆすられることになる。どうやらなかなか起きない俺を強くシャッフルしているらしい。

 

 「だー!人が折角安眠してるってのに何なんだ一体!?」

 

 「お前こそ一体何を抱いているんだ?」

 

 「何って安眠枕だろ…」

 

 こいつは一体なのを言っているんだと思いながら、俺は安眠枕に目をやる。そして気づく、自分が何を抱いて寝ていたのかを…

 

 「な…なな…」

 

 「……」

 

 それは安眠枕などではなく生物だった、しかもそのポケモンは俺が知る中でも結構な危険度を誇るものだったのだ。クラゲのようにふわふわしたからだ、SMの事件で大きな役割を持ち名はパラサイトまたはウツロイドと呼ばれるポケモンだ。

 

 「ウ…ウツロイドだと!?何故ここにいる‼」

 

 ウツロイドの女児誘拐未遂事件はおおよそ3、4年前の出来事のはずだ!まさか自力でこの時空うにやってきたのか?それともエーテルパラダイスあたりがまたウルトラホールを開いたのかはたまた自然発生したウルトラホールを通って来たのか全く分からない。だが不味いことには何ら変わりはない。

 

 「……」

 

 「やめろ、やめてくれ‼」

 

 危険なポケモンだと分かった以上、俺はウツロイドを引きはがそうともがく。しかし触手の力は思った以上に強く取れる気配が無かった。仕方がなく俺はピカチュウ(セフィロス)に救援を頼むことにした。

 

 「頼む!こいつを何とかしてくれ…」

 

 「いや、そいつ単にお前になついているだけでは?」

 

 「こいつはウルトラビーストだ!危険なんだ‼」

 

 「危険?そいつは単にお前が珍しいエネルギーを持っているからちょっと頂きに来ただけだと言っているぞ。」

 

 「何!?言葉が分かるのか?」

 

 「何となくだがな…」

 

 ちょっと待て!?どういうことだ、確かウルトラビーストの言葉はこの世界のポケモンには分からないはずだったのだが…いや待てよ、他のポケモン達はともかくこいつは例外かもしれん。今更ながらこいつは明らかにジェノバ細胞的なものを有している、そしてジェノバは様々な惑星でその星の生物に擬態したり記憶を読み取ってきたと思しき存在だ。その能力を受け継いでいるから言葉が分かるのかもしれない。

 

 「『君も凄く美味しそうなエネルギーをしているからちょっとだけでいいから吸わせて』だと、どうしたものか…」

 

 「……」

 

 「俺たちに協力するなら分けてやってもいい、お前は違う次元から来たのだろう?ならば俺たちが知らないことが分かるかもしれない。」

 

 こらこら何勝手に変なやり取りしてるんだ。というか絵面的には悪役同士のやり取りにしか見えんぞこの状況。そんな俺の考えを他所にピカチュウ(セフィロス)は交渉が成立したのかウツロイドを頭に載せた。

 

 「不思議な感覚だ、気分が少し良くなった気がする。」

 

 「…」

 

 ウツロイドを被ったピカチュウ(セフィロス)、一瞬融合してトンでも形態になるかと思ったが杞憂に終わり変な帽子をかぶったセフィロスといったいで立ちになる。スマブラでのウサギ頭巾をかぶったセフィロスみたいなシュールさがあってちょっと笑えるのがズルい。

 

 「しかし、こいつをそのままにしておくわけにはいかんぞ。どうすりゃいいんだ?」

 

 一定以上エネルギーを貰いピカチュウ(セフィロス)から離れたウツロイドを見て俺は呟く。こいつに目があるのかどうかは分からないがこっちを見てついてきたそうにしているなっていうのはなんとなくわかる。…がこいつは危険な存在だ。

 

 (いや待てよ、危険だというのは早計じゃないかな)

 

 よくよく考えればウルトラビーストは突然この次元にやってきて戸惑っている存在だ。基本的には彼らに悪意はない、悪いのはそれを利用しようとする者たちだ。そうだ、今だってこいつは特に俺たちをどうこうしようとはしていない。ちょっとエネルギーが欲しいだけで、話せばわかる奴なんじゃないか?

 

 (それに寝心地は最高だったしな、これはもう安眠枕ポケモンでいいんじゃないかな)

 

 そうだこんな寝心地を自分から捨てるなんてもったいなさ過ぎやしないか?こいつを連れて行ってもいいんじゃないか?ゲームの分類的には純伝説ポジションだが今更だろ、ピカチュウ(セフィロス)がいるし、何ならアニメには伝説厨もいた。

 よし決めた、俺はこいつを連れていくことにする。万が一グラジオあたりに見つかったらすべての責任をザオボー辺りににおっかぶせよう、そうしよう。

 …決してこれは中毒などではない、ポケモントレーナーとしてポケモンを普通に捕まえるだけの行為だ、違法性などないはずだ。

 

 「さて、そうすると後はどうやってこいつを捕まえるかだが…」

 

 本来ウルトラビーストを捕まえるにはウルトラボールを使用するのが望ましいが、エーテルパラダイスに馬鹿正直に貰いに行くつもりも盗み出すつもりもない。なので俺が出した答えは…

 

 「…これで35回目‼」

 

 ボールに吸い込まれたウツロイド、だがしばらくして捕獲失敗といった感じにボールから飛び出す。

 

 「やはり普通のボールでは難しいか…もう一回‼」

 

 俺が導き出した解決案、それは力技だった。捕獲率が低い、高めるためのボールは手に入らない、ならばどうすればいいかって?そんなものは数をこなせばいい。幸いにしてアニメ世界のモンスターボールは何回かの使用に耐えられるようになっている。ある程度ボールを用意した俺は数打ちゃあたるの戦法で捕獲に臨んだ。

 

 「…58回目‼今度は行けるか?」

 

 いくらかのボールを駄目にしてそろそろ後が無くなってきた、そろそろ捕まってくれないと金銭的に厳しくなってくる。そして投げた回数58回目にして遂に成果が結ばれた。モンスターボールが振動を止め捕獲完了の音と光が出る。

 

 「安眠枕…じゃなくてウツロイドゲットだぜ‼」

 

 やっと捕まった…これで俺の安眠生活は保障される。え、こんなの旅序盤のポケモン集めじゃないって?旅パの概念はマサラタウンで死にました。そもそもこの世界に旅パの概念があるかどうかも結構疑わしいがな。

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