半妖の黒夜叉   作:ヘタレ寝癖人間

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夜叉姫、発ツ

あれから数日が経過していた

俺はマミゾウの家や蛮奇の家、神社や草太の家を転々としながら過ごしている

今は草太の家でとわの義母、萌とせつなの演奏を背に物思いに耽っていた

 

零「腹減った・・・。動いてないのに腹が減る・・・。やっぱあれか?昔ゃ戦いに集中してたから感じなかっただけなのか?もうこの際腹ペコキャラでも・・・」

芽衣「せつな姉ちゃん!零兄ちゃん!」

 

考えが進んでいると芽衣が俺とせつなを呼ぶ

 

せつな「どうした?」

 

演奏がちょうど終わったであろう二人が振り向く

 

芽衣「もろは姉ちゃんが呼んでるんだけど」

零「もろはが?」

萌「あらぁ、そうなの?」

芽衣「帰れる方法見つかったんだって!」

 

 

 

そう聞いて俺達は草太の家のマンションのエントランスに来た

 

もろは「よっこらせ!」

 

もろはがパンパンのリュックを下ろして一息付く

 

零「お前、それ何入ってんだよ?」

せつな「いや待て。そんなことより帰る手立てが見付かったのか?」

もろは「もちのろんよ。つまり零の睨んだ通りあの虹色の廊下で私達の妖気を奪っていた下手人は根の首って妖怪だったっつうこと」

せつな「根の首?」

零「根の首っつうのは昔巫女に退治されて今は時代樹に絡まってる妖怪さ」

 

俺は補足説明としてもろはに付け加える

 

零「ま、この際調べた方法は聞かないさ。要は根の首に上手く話を付けりゃ良いんだろ?」

もろは「ま、そう言うことさ」

せつな「なるほど。で、その荷物は?」

零「やっぱ気になってんじゃねぇか・・・」

せつな「・・・・・・・」

 

せつなが睨むが俺はさっと目を反らす

 

もろは「これな、こっちの世界の物を色々持って行かないとな!」

 

もろはがリュックを漁り始める

 

零「菓子に本に、虫取り網に・・・自転車?良くこんなに入ったな・・・」

もろは「それから・・・これこれ!」

 

そう言うともろはは三つ目上臈骨と飛頭根の死骸をリュックから取り出す

 

もろは「こっちは飯の種になる賞金首!」

 

おそらく目測で五文くらいしかないだろうがもろはにそれを言うと色々五月蝿そうなので黙っておこう

 

芽衣「どうやって入ってたの?」

せつな「さぁ・・・・」

 

俺達がそれぞれ話しているととわと草太が帰ってきた

 

草太「どうしたんだい皆で?」

零「おぉ、草太、とわ、お帰り」

芽衣「お帰り!」

 

芽衣が二人に向かって走り出す

 

とわ「ただいま」

草太「ただいま、芽衣」

芽衣「あのね!もろは姉ちゃんが帰る方法を見つけたんだって!」

草太「それはすごい!」

とわ「そうなのか!?」

 

二人が驚いた加尾をこちらに向ける

俺はそのままもろはのリュックを見る

かごめのにそっくりだ

・・・・つか、何でそんなに入るの?

 

零「・・・・・ま、それぞれ準備があるだろうし一旦解散。出発は今晩な。おやつは300円までだ」

せつな「おい、遊びではないぞ」

 

俺が外に向かいながらそう言うとせつなに注意を受ける

俺は笑って振り向き・・・

 

零「遊びだよ。永久の時間を刹那に生きる俺“達”からしたらな」

 

そう言った

 

 

 

夕暮れになり神社に来る

 

零「・・・・久しぶりにかごめの部屋に行ってみるか・・・」

 

俺はそう思ってかごめの部屋の窓まで飛ぶ

すると既に草太ととわが居た

 

とわ「零!?どうして窓から・・・」

零「妖怪っつうのは常識なんて護らねぇの。・・・・もしかして邪魔だった?」

草太「あはは、大丈夫だよ。もう終わったしね」

とわ「常識は護らないのに雰囲気は護るんだね」

零「妖怪だって雰囲気は護るさ」

 

俺は草太が持っている本を見る

中にはかごめや犬夜叉、俺が写った写真がある

 

零「随分懐かしいもん持ってんな・・・。昔はお前も鬼の兄ちゃん鬼の兄ちゃんって話し掛けて来たっけ?」

とわ「そうなの草太パパ?」

草太「あの頃はまだ小学生だったからねぇ。本当に懐かしいよ」

零「さ、とわ。覚悟が決まったなら来な」

とわ「分かった。直ぐ行くよ」

 

そう言ってとわが部屋に出る

 

草太「零さんも、皆のことよろしく頼むよ」

零「・・・・・保証は出来ねぇな」

 

 

 

そして全員が時代樹に集まった

 

零「よし、全員集まったな?」

 

俺は皆が居ることを確認して時代樹に触れる

・・・・・別に皆が別れの挨拶してるから待ってるだけだし?

別れの挨拶をしてて皆話聞いてくれてなかったから拗ねてる訳じゃないしッ!

別にッ!別れの挨拶をする人が居ないから悲しい訳じゃないしッ!!

 

マミゾウ「・・・・い。おい!」

零「んあ?」

マミゾウ「何時代樹を見て泣いておるんじゃお主・・・」

零「別に泣いてないもん!」

マミゾウ「もうそれでいい。・・・行くんじゃろ?」

 

マミゾウの顔が優しくなった

 

零「・・・・・あぁ」

マミゾウ「正直今のお主は大分妖気が衰えておる。儂でも勝てるくらいにの」

零「今更だな。でも行くしかねぇだろ。アイツらには借りしかねぇ」

マミゾウ「・・・・じゃのう・・・」

 

マミゾウが溜め息を付いて離れる

 

芽衣「絶対帰って来てよ!せつな姉ちゃんも、もろは姉ちゃんも零兄ちゃんも。皆ここに帰ってきて!」

 

芽衣の言葉が聞こえて振り返る

とわが笑うと芽衣を抱き上げて抱き締める

 

とわ「ありがとう芽衣。約束は出来ないけど努力はするから」

芽衣「もう!約束してよ!」

とわ「分かった。せつなの夢を取り戻したら必ず帰ってくる。三人とも、約束してくれるよね?」

 

とわが俺達に目を配る

 

せつな「戦国の世はそんな甘いところではない。死ぬ覚悟が無いなら零「あ~はいはい、もうその説教は良いから・・・」しかし・・・・」

 

せつなが何時も通りとわに戦国の厳しさを諭そうとして俺はそれを止める

言ってる事は正しいのだが如何せん厳し過ぎる

 

零「まぁ、なんだ。ドラクエだったら作戦は常に命大事にで超たまにガンガン行こうぜな」

とわ「う、うん。良く分からないけど・・・分かった」

もろは「さぁて、そろそろおっ始めるぜ」

 

もろはが時代樹に近付いて歩く

立ち止まると貝殻を開け中にある赤色真珠を見せる

 

もろは「根の首よ。この時代では決して手に入らない貴様が欲して止まない妖力たっぷりの虹色真珠が三つある!」

 

もろはが赤色真珠を掲げると赤色真珠が光った

それに反応するようにとわの銀色真珠、せつなの金色真珠も光る

 

もろは「我ら四人を戦国の世に通さばこの金銀赤の虹色真珠を貴様にくれてやろう!」

マミゾウ「ついでに黒夜叉の片腕もな」

零「え?ちょっと根の首『ウオォォォォォォォ!良いだろう!通るが良い!』ねぇちょっとぉ!」

 

時代樹から虹の柱が立ち虹の廊下が現れた

 

もろは「おぉ!これは!」

とわ「あの時の光りと同じだ」

 

空気が勢い良く廊下あまりの吸引力にせつなが萌に貰っていたヴァイオリンともろはの荷物が吸い込まれる

二人がそれを追って廊下に入っていく

 

とわ「あぁ!待って!」

 

とわが廊下に飛び込もうとして草太達を見る

 

とわ「皆、本当にありがとう。行ってきます!」

マミゾウ「ほら、早くお前も行かんか!」

零「いや、んの前に何勝手な約束取り付けて蛮奇「ごめん遅れた!これは餞別よ!」え?」

 

俺がマミゾウを問い詰めて居ると蛮奇が走ってきてもろはのリュックより大きくパンパンに詰まったリュックを投げて来る

俺がそれを受け止めると廊下に吸い込まれる

 

零「ギャァァァァ!とわ退いてェェェェ」

とわ「え?うわっ!」

 

俺はそのままとわにぶつかって二人一気に廊下に入った

 

芽衣「約束だから!お姉ちゃん達の事、大好きだから!」

 

芽衣が叫び廊下が消えた

虫の鳴き声だけが聞こえてくる

 

萌「きっと帰ってくるわ」

草太「だって皆、家の子なんだから」

爺さん「皆可愛い曾孫達じゃ」

叔母さん「ええ、そうですね」

マミゾウ「一人悪餓鬼が混じっとるがの」

蛮奇「アイツなら大丈夫でしょ」

 

全員が夜空を見上げた

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