半妖の黒夜叉   作:ヘタレ寝癖人間

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半人半妖アマノジャク

零「マミゾウの野郎・・・何時かぶっ飛ばす!」

もろは「まぁまぁ、落ち着けって」

 

俺が怒りに燃えているともろはが宥めてくる

 

零「いや、流石に腕やるは無いだろ。せめて腕一本分の妖気だろ」

せつな「もろは。根の首にあんな約束して良かったのか?」

零「あ、確かに・・・」

もろは「大丈夫だよ。いざとなったら根の首なんて退治しちまうから!」

 

もろはが笑いながらそう言う

・・・・・あれ?いま、せつな何て?

 

もろは「ん?せつな。今、私の事名前で呼んだ?」

 

せつながハッとしてまた何時もの顔に戻る

本当素直じゃない

 

せつな「だ、だからなんだ!」

もろは「いや、別に。悪くないね」

とわ「悪いよ!約束は守らないと!嘘は駄目だ!」

 

後ろに居たとわが近付いてきて言い放つ

 

零「うっせぇ!こちとら腕掛かってんだよ!それに、嘘も方便って言うだろ?」

もろは「そうだぜ。方便だよ」

 

そんなこんな話していると光が見えてきた

俺達は光に包まれた

 

 

 

そして今変な通路を歩いている

辺り一面木、木、木

もう見飽きた

 

とわ「ここが戦国時代・・・」

零「んな訳ねぇだろ?」

もろは「あぁ、明らかに様子が違う。油断するなよ」

とわ「さてはもろは、道を間違えたな」

もろは「間違えるもなにも一本道だっただろ!?」

せつな「とわ。今のうちに言っておく。戦国の世では躊躇いは一切無用だ」

零「それにゃ同意だな。躊躇ってやられたんじゃ目もあてらんねぇ」

もろは「お前だけならそれでいい。だが一緒に居るこっちに迷惑が掛かるのはごめん被るぜ」

 

俺達が戦国の世の生き方を語りながら歩く

 

とわ「分かったよ・・・」

零「・・・まぁ、そんな気負わさんな。戦いの中でだって話さ」

とわ「零ってさ、良く分からないよね。優しかったり厳しかったり・・・」

零「何言ってんだ。零さんは何時も優しい零さんだろうが」

せつな「三人とも!」

 

先行していたせつなが呼んでくる

見るとせつなが止まってなにかを見ていた

せつなの視線を追うとそこには開けた場所の真ん中に木の檻みたいな何かの中で光る何かがあった

・・・何かばっかだって?零さんだってあれが何か分かってないんだよ・・・

光が人の形になる

その人を見て俺は一瞬心臓が止まった

 

???「よく来たな。夜叉姫殿。そして黒夜叉」

 

全員が武器を構える

 

せつな「夜叉姫?我らの事を言っているのか?」

とわ「そう言えば零も私達の事夜叉姫って・・・」

もろは「おい、一体どう言う事なんだよ!?」

 

三人が俺を見てくる

俺はケタケタ笑いながら三人の前に居る人間を見る

 

零「そうか・・・。ここが何処か分かった。にしてもその姿は何だ?桔梗の残留思念でも吸ったか?なぁ、時代樹よ」

もろは「桔梗?時代樹?」

せつな「ここに誘ったのはお前なのか?」

 

せつなが時代樹に向かって聞く

 

時代樹「そうだ。殺生丸の娘であるお前達に頼みがある」

もろは「ちょっと待った!悪いけど私は殺生丸の娘じゃないよ!」

時代樹「話は最後まで聞く物だもろは」

もろは「んな!何で私の名を・・・?」

とわ「それで、頼みって言うのは?」

時代樹「ある妖怪を退治して貰いたい」

零「妖怪退治?」

もろは「任せな!根の首だろ?」

零「アホか。根の首くらいの雑端なら時代樹だけで何とか出来る」

 

俺が欠伸をしながらもろはの言葉を否定する

 

時代樹「そうだ。私が退治してほしいのは根の首などではなく獣王、麒麟丸」

零「ッ!?」

 

聞いた事のある名に俺は欠伸を止める

 

せつな「麒麟丸?」

時代樹「其奴は時空を歪めこの世を末法末世で飲み込み全てを無に変えそうとしている」

零「あんな大妖怪がか?」

せつな「知っているのか?」

零「・・・・いいか?この日ノ本には古から幼獣の頂点に立ってまとめ上げる二匹の王が居たんだ。東は麒麟丸、西は犬の大将、つまりお前らの爺さんだ」

もろは「犬の大将ね・・・。なるほど聞き覚えのある名だ」

時代樹「両雄は互いを見据え行く道が逸れぬよう拮抗する力でそれぞれの地を統治していた」

 

俺は昔の事を思い出しながら時代樹の話を聞く

昔はよく京でヤンチャしたものだ

まぁ、結局は人間の騙し討ちで退治されちまった訳だけど・・・

 

時代樹「しかし、お前達の父殺生丸は犬の大将の光景を絶ちきって己の道を進んでいった」

 

誰かがこの場を去る

気配には気付いていたがどうやらこちらに危害を加えるつもりはないらしい

 

時代樹「麒麟丸はそれを好機捉えこの世を荒廃した末世に変えようとしているのだ」

零「・・・・・・・」

時代樹「麒麟丸と戦うには時空を越える力が必要となる」

とわ「それが私達って訳か」

時代樹「そうだ。犬の大将と因縁浅からぬお前達三人が麒麟丸を退治するのだ」

もろは「ちょっと待った!じゃあ零はどうなんだよ!」

 

もろはが時代樹に言い放つ

 

時代樹「其奴はお前達を手助けする者だ」

せつな「手助けだと?コイツは私達より強いのか?」

時代樹「それは己で判断する事だ。それで、承服してくれるな?夜叉姫殿」

もろは「私は引き受けても良いよ。その代わり、成功の報酬はまんたりと頂くぜ!」

 

時代樹がもろはを一瞬見てとわとせつなに視線を移す

 

時代樹「殺生丸の娘達はどうだ?」

せつな「断る」

 

せつなのその言葉にその場の全員がせつなを見る

 

時代樹「嫌と申すか?」

せつな「いかにも、承服しかねる」

時代樹「何故」

せつな「先ず、お前が我らの父と呼ぶ殺生丸と言う者をしらぬ。そんな者の不始末を何故我らが償うのか意味がわからぬ。麒麟丸を倒さねばならぬというのはなら、その殺生丸と言う奴に始末させてばいい!時代樹よ、頼む相手を間違えておるぞ」

 

せつながきっぱり言いきると不意に時代樹が笑いだした

 

時代樹「この時代樹が見込んだだけのことはある。殺生丸に麒麟丸は倒せん。その理由、お前ならもう分かっておるだろう、黒夜叉よ」

 

時代樹が俺を見る

 

零「あのさぁ、一々俺経由しないと説明できない?それは些か傲慢って奴だぜ?」

 

俺は頭をかいて溜め息を付く

 

零「殺生丸も麒麟丸も、同じ道を歩んでるんじゃねぇのか?」

時代樹「・・・・ほぉ」

零「麒麟丸を倒せば殺生丸が・・・その逆もまた然り。てことはエンカウント率極低の二人を一気に叩きゃなきゃ何ねぇってことさな」

せつな「二人同時に!?」

 

せつなが驚いた声を上げながらこちらを見る

 

時代樹「殺生丸の不始末を償うのではない。誤った道にある二匹の妖怪を倒せと言っておるのだ」

 

いや、そっちの方が駄目だろ・・・

 

とわ「だったら尚更そんなこと引き受けるわけ無いじゃないか!」

 

とわの言葉に時代樹が目を細める

 

とわ「会ったこと無くたって殺生丸って言うのは私達の父親なんだろ!?そう言うことを娘の私達に頼むなよ!」

 

俺達三人が溜め息をつく

 

時代樹「では、殺生丸の娘二人は聞き届けてくれぬと申すか?」

とわ「はい!そうです!きっぱり!」

もろは「あっちゃ~」

 

もろはが額に手を当てる

 

時代樹「この時代樹に逆らえばどうなるか・・・。お前達は分かっておらぬようだな」

とわ「私達の進む道は誰にも邪魔させない!」

せつな「同じく、好きにさせて貰う」

時代樹「・・・・今一度問う。退治はせぬか?」

 

二人が前に出て武器を構える

 

せつな「二言はない」

とわ「迷いもない!」

せつな「通さぬのなら切り捨てるのみ!」

もろは「もう知らねぇぞ本当に!」

零「カカカ!面白ぇ!こりゃあしばらく退屈しねぇな」

時代樹「良かろう。因果は廻る糸車、また会おう!」

 

時代樹から光が差し込み俺達を包む

 

時代樹「目覚めよ根の首!お前の欲せし虹色真珠が逃げて行くぞ!」

 

次に目を開くととわ達が居なくなり俺は一人、時代樹の前に立っていた

 

零「・・・・で、厄介払いしたお前さんは俺に何を頼みたいんだい?」

 

俺は時代樹を見据える

 

時代樹「何故あの時説明を省いた?」

零「あ?」

時代樹「惚けるな。日ノ本を納めていた妖怪は何も麒麟丸と犬の大将だけではない。その中間、諏訪の辺りをもう一人、八雲の名を持つ妖怪が居る事を貴様が知らぬ訳があるまい」

零「言わないで良いことだから言わなかった。これ以上の理由が必要か?」

 

時代樹が少し考えてから少し笑う

 

時代樹「まぁ、良い。貴様が話せとも話さずとも夜叉姫どもはその名を知ることになる」

零「テメェ何を!」

時代樹「貴様への頼みであったな。八雲紫を殺せ」

零「退治しろ、じゃなくてか?」

時代樹「別に断ってもよい。貴様に拒否権などは無いのだから」

 

俺は唇を強く噛み締める

次第に口に鉄の味が広がる

 

時代樹「そろそろ仲間の元に戻してやろう。精々抗う事だ。生物を捨てし化け物よ」

 

また俺は光に包まれる

次に見たものは河童の足だった

 

零「え?」

 

河童の足が眼に刺さり俺は辺りを転がり回る

 

零「アァァァァァァ!眼がぁ!眼がぁ!」

もろは「え!?零!?」

零「もろは!?皆無事だな?」

とわ「いや、零が一番無事じゃないから!」

 

今俺は目を閉じている状態だが何故か目から水が滝のように流れ鉄の臭いがしてくる

 

根の首「黒夜叉よ!約束だ。貴様の左腕、妖力ごと貰ってくれる!」

 

俺は根の首に腕を引きちぎられる

 

零「ん?急に左肩が軽くなった?」

とも「そりゃ腕取られたからね!」

零「え?何ィ?根の首が俺の腕を取った?そりゃあまぁ・・・」

 

根の首が俺の腕を食べる

すると根の首がいきなり苦しみ出す

 

根の首「グァァァァァァァ!」

零「御愁傷様だねぇ・・・」

せつな「どうなっている!?」

根の首「根の首の体が俺の妖気に付いていけてねぇのさ」

とわ「力が戻ってきた!」

 

とわの折れた刀から妖気の刃が出てくる

 

せつな「一気に行くぞ!群れ絶ちの燕!」

 

せつなが薙刀を縦に振ると妖気の矢が飛んでいく

 

もろは「天空の矢襖!」

 

もろはが一本の矢を天に放つと大量の矢が根の首に降り注ぐ

 

もろは「とわ!あの大目玉の下を狙え!そこが奴の急所だ。止めをさせ!」

 

大目玉!?根の首って一体どんな姿してんの!?

 

俺は目を擦ってみひらく

 

うん。何な想像以上にキモい

木に目玉一つって・・・

 

根の首「させるかァ!」

とわ「躊躇をするな!躊躇をするな!躊躇をするなァ!」

 

とわの目の銀色真珠が光に刀を振ると刀の先から妖気の青い龍が現れる

 

零「蒼龍波!?」

 

蒼龍波が根の首の急所に命中して根の首が消え去った

俺達はまた虹色の廊下に吸い込まれる

ようやく廊下を出て地面に着地する

ドサッと言う音が聞こえて見ると俺ともろはの荷物、せつなのヴァイオリンがもろはに乗っていた

 

零「大丈夫か?」

とわ「ここが戦国時代か・・・」

零「あぁ、正真正銘な・・・」

 

久しぶりに嗅ぐ臭いに少しホッとする

 

???「せつな!」

 

声が聞こえて振り向くとそこには昔の仲間、琥珀と楓の婆さん、雲母と知らねぇ兄ちゃんが居た

 

琥珀「無事だったか」

せつな「はい。どうやら戻ってこられたようです」

 

あのせつなが敬語を使っている・・・だと!?

て、もろはさん?何故に自分のリュックに頬擦り?

 

琥珀「それは何より。・・・ん?先ほどから木の影に隠れているものは・・・」

 

ヤベ、バレてる・・・

一様俺はまだ時代樹の下で眠っている訳なので出ていくわけにはいかない

 

とわ「何してるんだよ零」

琥珀「何!?零だと!?」

楓「それは真か!」

とわ「え?え?」

 

俺は溜め息を付いて木の影から出た

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