朝になって俺は起き上がる
昨日は楓の婆さん家に寝たわけだが・・・
楓「少し荷物が多くはないか?」
如何せん俺の荷物がでかすぎて困っている
零「それがよ、昨日中身見てみたら大量の服が入っててよ。しかも女物。仕方ねぇから妹紅にも一つやったんだけどまだ減らねぇなぁ」
俺はリュックから服を取り出しながら考える
そうしながら壁際に置かれているもろはのリュックを見た
零「そう言やもろはは?」
楓「もろはなら朝一に出掛けて行ったぞ?何やら妖怪の屍を売ってくる言っとったぞ?」
零「ふーん・・・」
俺は立ち上がって外に出る
零「散歩に行ってくる」
楓「気を付けてな」
俺は手を振りながらそのまま歩き出した
私は今、退治屋さんの所で夢の胡蝶について調べて貰って居た
とわ「で、何か分かりそう?」
琥珀「夢の胡蝶なぁ・・・。妖ではなさそうだな」
零「式神とか、傀儡の類いですか?」
琥珀「かもしれん」
琥珀さんはページを捲って字と絵を書いているところを指差す
琥珀「これによると」
妹紅「結び山に生息する、だろ?」
後から妹紅さんが歩いてくる
琥珀「妹紅様は夢の胡蝶をご存じで?」
妹紅「知らないよ。長生きすると暇が最大の敵だからね。ここの書物は粗方呼んで覚えたんだ」
とわ「結び山だね!行こうせつな!」
せつな「お頭。私に退治の仕事はありませんか?」
私の言葉を無視してせつなは琥珀さんに話しかける
琥珀「お!やってくれるかせつな!実は翡翠に頼もうと思っていたのだが・・・」
とわ「せつな~」
妹紅「まぁまぁ、せつなにだって色々あるんだ。そう言うことならロクに働きもせずにいたずらを働くバカガキでも誘うと良い」
零「誰がバカガキだコラ」
零がポケットに手を突っ込みながらぶっきらぼうに歩いて来る
琥珀「ちょうどよかった!実は零さまにも見て欲しい物が!」
零「?」
琥珀さんに連れられて私たちは村の広場に来る
そこにはぐにゃぐにゃした何かがあった
とわ「うわっ!何これ・・・」
琥珀「骨が抜き取られている・・・」
零「みたいだな・・・」
二人が死体を触りながら話す
せつな「妖の仕業だな・・・」
「コイツでもうかれこれ十人目だ!」
「妖怪は峰麗しい美青年だそうだ」
「退治屋さん!何とかお願い致します!」
真ん中のお爺さんが一歩出る
琥珀「お任せ頂こう」
翡翠「叔父上、何故俺では駄目なんだ?」
妹紅「お前の武器が飛来骨だからだろ?」
昨日零が渡していた服を着た妹紅さんが翡翠の飛来骨を指差しながら喋る
零「昔な、珊瑚が骨を食う妖怪を退治したことがあるんだ。いや、あの時は大変だった・・・。まぁ、飛来骨はこの犯人の餌食になり得るから駄目ってこと」
零が一人頷きながら立ち上がる
せつな「その妖は夜の河原に現れるのだな?」
「えぇ」
せつな「良いだろう。退治してくる」
とわ「頑張ろうね!せつな!」
琥珀「一緒に協力してくれるのか!」
とわ「あぁ!任せて」
琥珀「意外に姉妹の仲が良いのだな。とても殺生丸様の娘とは思えぬ」
零「大丈夫か?」
妹紅「二人とも強いし何とかなるだろ」
零と妹紅さんが向こうで何か話している
せつな「赤の他人です」
とは「そんな言い方ないだろ!?私はせつなの事をおもって・・・」
せつな「五月蝿い。纏わりつくな」
妹紅「やっぱ駄目かも・・・」
私達が言い合っていると零が近付いてくる
零「はいはい、喧嘩しない喧嘩しない」
琥珀「困ったときには必ず知らせを寄越すのだぞ?その為に雲母を預けるのだから」
雲母がせつなの肩に乗る
翡翠「一人で大丈夫か?」
せつな「雲母がいるからな」
とわ「姉のとわも居るから安心して!」
そのまま私達は雲母に乗って妖怪が出てくる河原に向かった
とわとせつな、雲母が向かったのを確認して俺は溜め息を付く
琥珀「・・・・心配ですか?」
零「ん?まぁな。様子を見に行きたいのは山々何だけどな・・・」
俺は先ほどから俺を見る鷹を見る
零「あっちが先客だ」
翡翠「鷹?」
あれから晩になって今は山に登って居る
あの鷹の脚に手紙がくくりつけられていて団子買って来いやら米買って来いやら色々書かれていた
それで今は山を登って居る
通称妖怪の山・・・
鬼を中心に天狗や河童、野良の神様も住んでいる
しかし鬼が地底に移り住み今や天狗の縄張りになってしまった
零「たしかアイツの仙界はこっちだったような・・・」
俺は茂みを掻き分けて進む
その先にあったのは一つの獣道だった
零「あったあった」
俺が獣道を進んでいると先ほどまでと雰囲気の変わった場所に出る
零「ここに来るのも久しぶりだな・・・」
羅生門程の大きな門を見ながら俺はまた歩き出す
???「本当に、久しぶりですね」
声が聞こえて振り向くとそこには着物を着て頭にシニョンを二つ付けた少女、茨木華仙がいた
零「・・・・まだ腕は見つかって無いみたいだな」
華仙の包帯の右腕を見てそう呟く
華仙「はい。兄上も眠りに着いたと聞きましたが元気そうで何よりです」
俺は買ってきた物を入れたビニール袋を投げる
華仙「これは?」
零「あ?お前の頼んできた団子と替えの包帯」
華仙「いえ、そうではなくて・・・」
零「?」
俺は頭を悩ますが考えるのを止める
零「で、用って何だよ?まさか、お使いさせただけじゃねぇよな?」
華仙「・・・・はい」
華仙が俺に背中を見せる
華仙「最近動物達が骨を奪われ殺される異変が起きています」
零「骨を・・・」
俺は朝に見た死体を思い出す
華仙「心当たりが有りそうですね」
零「・・・・・あぁ」
華仙「・・・犯人は若骨丸という妖怪です」
零「若骨丸?」
華仙「四凶の一人、檮杌の息子です」
零「橈骨の?」
聞き覚えのあるその名に首を傾げる
華仙「とにかく!今から檮杌と若骨丸の退治、お願いしますね!報酬は食料一ヶ月分です!」
そう言うと華仙は包帯を緩めて俺を掴む
グルグルと回り始め最終的に離されて吹っ飛んだ
零「ギャァァァァ!」
所変わって赤骨御殿・・・
とわとせつなは橋に居た若骨丸を追って、もろは(冥加付き)は檮杌退治の為赤骨御殿の中に居た
冥加「ワシは御大将から数えて三代に渡りずーっとお側でお仕えしている冥加と申しますじゃ。特にもろは様は犬夜叉様よりも一番御大将にそっくりな美味しい血をしていらっしゃいますですはい!」
もろは「そんな事はどうでも良いからさ、四凶って奴らの事を教えてくれよ」
冥加「四凶は古の春秋時代に大陸から渡ってきた妖怪で渾沌、饕餮、窮奇、檮杌の四人の妖獣ですじゃ。そしてそれらを束ねていたのが御大将と同じ獣王、麒麟丸なのですじゃ!」
とわ「麒麟丸!?今麒麟丸って言った!?」
三人が冥加を見る
冥加「ハイですじゃ!麒麟丸がどうかなさいましたか?」
せつな「今、麒麟丸は時空を歪めてこの世を荒廃した末世に変えようとしていると聞いたが?」
冥加「あれだけ立派な獣王様がそのような野望を持つとはとても思えません。ましてや、御大将がお亡くなりになったとしてもまだ麒麟丸と八雲紫が居ります。そうそう大それた事、出きる筈もないのですが・・・」
せつな「待て。八雲紫とは誰だ?」
冥加「おや、お知りでない。御大将と麒麟丸を知っておられましたゆえこちらも知っているものかと・・・」
とは「その二人なら零から聞いたけど・・・」
冥加「なんと!」
冥加が驚き続きを言おうとすると進む先でけたたましい音がなった
零「祝!モンストる~みっくわーるどコラボ!」
可笑しな断末魔を出しながら障子を破って部屋に突撃する
零「イテテ・・・あんの婬ピ・・・」
とは「零!?何でここに!?」
零「あ~・・・妹に頼まれた。・・・ん?」
俺が下を見ると誰かが俺の下敷きになっていた
零「うおっ!誰お前?」
冥加「其奴は若骨丸ですじゃ!」
零「ふ~ん・・・」
俺は木刀を抜いて首を刺そうとする
とわ「駄目!」
その言葉に俺は寸での所で木刀を止める
せつな「とわ!まだそんなことを言っているのか!」
零「・・・・・言った筈だぜとわ。躊躇って殺られたんじゃ目も当てられねぇって。殺らなきゃ殺られるだけだ」
俺はとわを睨む
若骨丸「クッ!放せ!」
零「え?なにコイツ?俺そっちのけでもろはに向かってんだけど?」
とわ「もろはが棚牡丹で橈骨の首なしの死体を売っちゃったんだ」
俺は溜め息を付く
すると隣の襖が倒れてきて大量の骨が雪崩のように転がってくる
その骨が浮き刀を持つ
???「我が身体を売っただと!?このワシはまだ死んではおらん!」
そこにいたのは骨の檮杌だった
若骨丸「とと様」
檮杌「我が妖力の宝である盗んだのも許さんが、我が胴体を売りさばくとは言語道断!許さぬぞこの外道!」
もろは「止めろよぉ!そう言う言い方されると丸で悪者みたいじゃないか・・・」
とわ「悪者だよね?」
せつな「確かにな・・・」
零「ククク・・・」
俺は笑いを堪えながら橈骨を見る
零「その程度で外道とは・・・堕ちたものよの、檮杌」
檮杌「何!?」
次の瞬間若骨丸が襲ってくる
しかし俺はそれを軽くあしらって頭を持ち畳に叩きつける
若骨丸「グワッ!」
檮杌「若骨丸!」
俺は若骨丸を檮杌の前に投げる
零「んじゃ、そろそろ眠いし後宜しく」
とわ「えぇ!?」
もろは「上等だ!紅龍波!」
もろはの紅龍波が橈骨に命中する
せつな「旋風陣!」
せつなが薙刀を回し竜巻を作る
竜巻は骸骨どもを蹴散らす
零「で、お前は見てるだけなのか?」
とわ「え?」
零「えじゃねぇよ。とわ、お前さんは二人に戦いを任せて見てるだけか?」
とわ「・・・・・・でも」
零「でもじゃない。・・・・とわ、お前はまだ躊躇ってるんだろ?でもここではそんなもん糞の役にも立たない。それは分かるよな?」
とわ「・・・・うん」
零「なら行けッ!元々死んでる骸骨どもなら闘えんだろ!」
とわ「ッ!」
俺が叫ぶととわが走って二人の加勢に向かう
若骨丸「貴様らの骨、抜き取ってやる!」
若骨丸がもろはに飛び掛かる
零「だーから、テメェは大人しくしてろっての!」
俺は木刀で若骨丸を襖に叩き付ける
もろは「何だよ。お前もやるのかよ」
零「私情によって俺が手出しするのは若骨丸までだ」
冥加「がみょんがみょ~ん、零殿お久しゅう御座います」
零「あ、冥加・・・」
冥加が俺の顔にくっつき血を吸い始める
とりあえず叩いてぺちゃんこにした冥加を置いて手に乗せる
零「おメェよく逃げねぇな・・・」
冥加「ナハハハハ、実はそろそろかと思いましてな」
身体を戻し冥加がもろはの肩に乗る
冥加「ですよね。もろは様」
もろは「そう。そうだよぉ。そろそろだよ」
もろはは貝殻を取り出して中に入った紅に小指を付ける
零「十六夜の紅?」
冥加「二百年ぶりに御大将の血が味わえる!」
もろは「・・・・・あ、でもなぁ・・・。これやっちゃうとなぁ・・・。そうだ!とわ、せつな、零。これやっちゃうと丸一日目が覚めないから頼んだぞ」
もろは「え?何?どう言う事?」
せつな「厄介な奴・・・」
零「つか俺も?」
もろはは笑うと檮杌の方を振り向く
もろは「この紅を挿した時・・・」
もろはが紅を挿した
すると妖怪力が格段に羽上がる
もろは「私は国崩しの紅夜叉となる。紅き現に恐れ戦け。命あらば寄ってみろ!」
もろはの妖気で周りの骨が消えていく
若骨丸「な・・・」
檮杌「若骨丸、油断は大敵じゃ。ワシはあの魔性の爪に胴体と切り離された!」
若骨丸「おのれ!許せぬ!」
二人が飛びもろはが若骨丸を避け後ろに回る
もろはが若骨丸を斬ろうとするが若骨丸も負けじと避ける
零「いい加減止めとけって」
俺は木刀で若骨丸を真っ二つにする
そのまま若骨丸が消えた
とわ「あ~あ、可哀想に・・・」
とわのその言葉にせつながとわを睨み付ける
檮杌「おのれ!よくも若骨丸を!」
檮杌が噛みつこうとしてもろはが避けるが糟って血が出る
もろは「飛刃血爪!」
傷口に指を突き刺し振る
血の刃が檮杌に当たり檮杌が燃え上がり倒れる
とわ「スゴいもろは!」
せつな「いや、それほどでもない」
俺達がもろはを見ると既にもろはは寝ていた
零「やっぱ四半妖だな。妖力使いきるのが早ぇ」
檮杌「おのれ・・・」
とわ「まだ生き残ってる!」
せつな「このせつなに後始末さするとは・・・百万年早い!」
せつなが檮杌に攻撃しようとするが俺がそれを止める
零「ここは俺に殺らせろい」
せつなに俺を見て得物を下ろす
零「んじゃ檮杌別れだ」
俺は木刀に妖力と霊力を混ぜた物を木刀に纏わせる
そのまま木刀振りかざし檮杌を消し去った
とわ「スゴい・・・」
せつな「・・・・・これが零の力・・・」
そう、この力こそ、俺、風切零こと天邪鬼の森羅万象を覆す力なのである