コードギアス~KIGHT OF X~   作:白鷺燕

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プロローグ 第零話 誕生 ナイト オブ エックス

皇歴2015年神聖ブリタニア帝国内ナイトメア闘技場。

 

「違う、それでは機体の反応が遅れてしまう」

 

帝国最強のナイトオブラウンズ。そのトップナイトオブワンの厳しい声が闘技場に響く。

ナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタインと少年は戦っていた。

 

自身のナイトメアの右足を下げると同時に右手の刀を素早く左側から右側に凪ぐが、あっさりと弾き飛ばされる。

 

「焦りすぎだぞ。それでは私から一本取るのはまだまだ先になるかな?」

 

「うるさいおっさん。まだ終わってない!」

 

少年はビスマルクと距離を取り自身のナイトメア″グロースター″に静かに刀を構えさせる。

ビスマルクに対し言い返してみたものの勝てる見込みは少ない。ビスマルク卿も自分と同様にグロースターを駆っているが、こちらの攻撃を軽くかわされてしまう。

 

(だが、まったく勝てる見込みが無いわけじゃない……)

 

実践ならすでにやられているが、これは稽古。模擬戦だ。この勝負の勝敗は自分がビスマルク卿から一本取るか、こちらがエナジー切れで動けなくなるかのどちらか。

 

「行くぞ」

 

ビスマルクの発した言葉に答えるように刀を天高く投擲をする。

 

「本気で倒しに行く……」

 

グロースターのランドスピナーを急速に回転させる。ただし、ランドスピナーは地面には着けてないので空回り状態になっている。

 

そのままグロースターを走らせる。

 

「そんな見え透いた策で私を倒せるかな?」

 

勝負は一瞬。一度でも操作を間違えればこちらの負け。そもそもエナジーが残り少ない。

 

本当ならランドスピナーを空転させている余裕なんて無い。

 

少年は小さく息を吸い、操縦桿に入力を開始する。

 

「もってくれよ、相棒……」

 

ビスマルクのグロースターに急接近し、接触する刹那、自身のグロースターの前進のシグナルが送られている右足のランドスピナーだけを地面につける。

 

グロースターが右足を地面と垂直に上げた状態で大きく体制を崩す。

 

「やはり焦ったな」

 

ビスマルクは体制を崩したこちらのグロースターに体当たりをかけてくる。

 

それを見た少年はニヤリと笑い、後進のシグナルを出していた左のランドスピナーを地面につける。

 

「なにっ!?」

 

大きく宙に上がっていた右足がビスマルクのグロースターのマントを巻き込んで地面に叩きつけられる。

 

しかし、ナイトオブワンは伊達じゃない。地面に叩きつけられる瞬間にマントを切り離してこちらから距離を取っていた。

 

「どうやらまた、私の勝ちのようだな」

 

通信機越しにビスマルクの声が響く。自分の機体の中ではエナジーフィラーの残量がほぼ空だということを告げるアラートがなっていた。

 

 

「それはどうかな?」

 

「なに?」

 

瞬間、上空から飛来した刀がビスマルクのグロースターの肩口から一気に真下に突き刺さる。ビスマルクとの距離を一気に詰めて突き刺さった刀を抜きコックピットブロックに向かって突き刺すような姿勢を取る。

 

「負けた……」

 

少年がつぶやいた瞬間にグロースターの駆動音が止まり、その場で力無く膝を付いてしまう。

 コックピットブロックにはエナジー切れのアラートがけたたましく鳴り響いていた。

 

「ありがとうございました」

 

コックピットから出てビスマルクに一礼する。

まだ一度もビスマルク卿から一本も取れていない自分が恥ずかしくて、握った拳に力が入る。

 

「レオン、今日はなかなか良かったぞ。後少しエナジーがあれば勝てていたかもしれんな……」

 

ビスマルクも自らのグロースターから降りてこちらに近づいて来る。

 

「勝てなかった事実は変わらない」

 

レオンと呼ばれた少年はビスマルクに対して拗ねるようにそっぽを向いた。

 

「そう拗ねるな。これでも私は帝国最強だ。そう簡単に一本とらせるわけにはいかんだろ」

 

ビスマルクは腰と額に手を当て、呆れた様子でレオンをたしなめる。

 

「それでも勝ちたい」

 

「文句を言う前にもっと強くなれ」

 

ビスマルクに一喝されレオンは頭を掻きながらコックピットから地面に飛び降りる。

 タンッと軽い音を立てて綺麗に地面に着地した。

 

 

「なんで勝てないんだ……」

 

悔しさのあまり頭を抱えるレオンに向かって近づくとビスマルクは、レオンの頭を優しく撫でた。

 

「だが、帝国最強の私を追い詰められるものはお前かマリアンヌ様くらいのものだ。そのことは誇りに思っていい」

 

「ああ……」

 

互いのグロースターを整備の担当に任せて、ビスマルク卿と闘技場を後にする。

 

「ところでおっさん。なんで俺が陛下に呼ばれたの?」

 

もうかれこれ5年前に両親と双子の妹の元を離れ神聖ブリタニア帝国最強のナイトオブワンと一緒に生活する日々が続いている。この五年間一日たりとも訓練が休みになったことは無い。

 そして初陣を飾ったのはわずか10歳の時だった。

 

「私が話せると思うか?」

 

「やっぱりダメか……。だって陛下ってもったいつけて話すから内容が俺には理解し辛い」

 

ため息を一つついて携帯電話の着信を見る。

 

『着信一件:妹』と表示されている。

 

「今の時間だとエリア11は何時だっけ?」

 

「ブリタニア本国とエリア11の時差は約14時間だ」

 

毎回最初から計算せず聞いてくるレオンに呆れてビスマルク卿は時差だけ教えるようにしてる。

 

レオンは現在時刻を確認する。『時刻19時50分』

 

「だいたい向こうは午前10時くらいか……今日は休日のはずだし電話に出る……かな?」

 

「この後、食事をして訓練再開だぞ」

 

ビスマルク卿が腕時計を見て少し考える仕草をした後、ニヤリと笑う。

 

「21時まで時間を取ってやるから、家族とゆっくり話してこい。21時から30分で飯を食べてその後風呂だ。それが終わったら座学に入る。24時就寝だ。わかったら行ってこい」

 

ビスマルク卿は相違って笑いながら行ってこいと背中を押してくれる。

 

「サンキュー、おっさん!」

 

ビスマルク卿はレオンに取っては第二の父親の様な存在だ。普段は厳しいがこっそりと家族との連絡する時間をとっらせてくれたり、最初の頃は風呂に一緒に入ったりもしていた。

そもそも帝国最強を捕まえておっさん扱いできるものはほとんどいない。

 

「まったく、大きくなったものだなレオン・フェネット」

 

ビスマルク卿は小さく溢すと1時間だけ空いた時間の使い方を考えながら廊下をレオンとは反対側に向かっていった。

 

ビスマルク卿と別れてレオンは先ほどまでいた訓練施設と王宮を繋ぐ渡り廊下で携帯電話を取り出していた。

 

数度のコールを繰り返し、携帯電話の向こう側から少し幼い少女の声が聞こえる。

 

「もしもーしお兄ちゃん、元気?」

 

あまり変わってない妹の声にレオンは安心する。

 

「元気だよ。シャーリーの方はどう?」

 

「私?私はもちろん元気だよ!この間も水泳の大会で優勝したし!」

 

元気一杯の妹の声を聞いてついつい照れ臭くなってしまう。

 

「そっか、それは良かったね」

 

「そんなことよりお兄ちゃんは今何してるの?」

 

「今は軍の中で勉強してるよ」

 

「お兄ちゃん、出来る限り危ない真似はしないでね」

 

心配されるとやはり嬉しいと感じてしまうが、実際ナイトオブワンと一緒にいるという本当のことを話すわけには行かない。

 そのままだらだらと近況などを話し合いながら楽しんでいると、結構時間が過ぎていたことに気がついた。

 

「ああ、大丈夫。そっちこそ体調には気をつけてな」

 

少し話しすぎてしまったと思いながら、電話を切って時刻を確認する。

『20時40分』まだ食事の時間までは余裕がある。

これからどうしようかと考えていたレオンの肩を少し控えめに誰かが叩いた。

 

ゆっくりと振り向いた先に立っていたのは少し幼い印象を残すピンクの髪の少女だった。

 

「ユーフェミア皇女殿下、どうかなされましたか?」

 

わざと目の前に立つ少女に仰々しくお辞儀付きで挨拶してみる。ちゃんと体の動きをつけるのも忘れずに。

 

「冗談が過ぎますわよレオン。いつものようにユフィで結構です」

 

「はいはい。わかったよユフィ」

 

少々怒ったような態度のユーフェミアに対して皇族への対応とはかけ離れている対応をするとユフィはにっこりと笑って見せる。

 

「よろしい。それにしても久しぶりね、レオン」

 

「ああ、そうだな」

 

実際、毎日のように訓練に明け暮れているレオンにはそんなに久しぶりに感じることはないが、毎日学生として過ごしているユーフェミアには毎日が長く感じるのだろう。

 

「それにしても今日はヴァルトシュタイン卿は一緒ではないのですか?」

 

「俺が家族に電話をかけててね、その間休憩時間にしてくれた」

 

ほどほどにいつものように会話をする。ユーフェミア、ユフィは皇族のなかではかなり変わっている。

 

普通はいくら親しくても礼節をわきまえなければいけないものだが、ユフィに至っては親しくなれば愛称で呼んでも構わないと言われる。

 

いや、むしろ愛称で呼ばないと怒られるというか拗ねられる。

 

「ああ、そうだったのですね。そういうことなら、もう時間なのではなくて?」

 

ユフィに言われて再度時計を確認する。

『20時57分』

 

「やばっ!ユフィ、続きはまた今度、俺行くわ」

時間がない。ビスマルク卿は厳しい。約束の時間に遅れてしまうと、その日の夕食がなくなってしまったりしてしまう。そして残り3分で自分の夕食がなくなってしまう可能性がでてきた。

すぐにユフィに挨拶をして、その場から離れる。

 

少し呆れるような表情をしたユフィだったが、やがて『相変わらずですね』と呟くと王宮に向かって帰っていった。

 

 

ユフィと別れて、廊下を全力疾走する。食堂まで急げば後1分。時刻は20時59分。すでに刻一刻と夕食が無くなるまでの時間が迫ってきていた。

 

食堂といっても通常の仕官が使う食堂ではなく、ナイトオブラウンズのためだけに作られた最高級の食堂だ。

 

はじめてビスマルク卿と会った日からこの施設にいる時にはここで食事をすることになっていた。

 

最後角を曲がればすぐそこに食堂がある。

 

「あと、少し……」

 

あとわずかで食堂へ続く最後の角に到達するといったところで目の前には真っ暗になった。

 

「だーれだ!」

 

ぶつかると思った瞬間、さっと背後に回られて更に目隠しまでされてしまった。

ラウンズでこんないたずらをする人なんて一人しかいない。

 

「ノネットさん」

 

「正解、よくわかったねレオンくん」

 

冗談っぽくウインクをして目の前の女性はにっこりと笑った。

 

「で、そろそろ手をどけてくれません?」

 

「嫌だ」

 

子供のようにあしらわれてしまう。ここに来てからラウンズのメンバーとは仲が良くなった。

 

その中でも今目の前にいるノネット・エニアグラム卿。通称ノネットさんはレオンにとって姉のような人だった。

 

人懐っこいそのしぐさとは裏腹に戦闘の腕前は一級品だ。ノネットさんは特殊な装備などなくても単純に強い。地の戦闘能力が桁外れだ。

 

 

「なにを遊んでいる?」

 

その声につられるように食堂の入り口に目をあわせるとビスマルク卿が睨むような目付きでレオンを見ていた。

 隣を見るが、すでにノネットさんの姿はそこにはなかった。逃げられた……。

 

「申し訳ありませんでした」

 

下手な言い訳をするよりも素直に謝った方がいい。長年ビスマルク卿と一緒にいるからか、段々と対応がわかってくる。

 

「まあ、久しぶりに家族と話せて長引いてしまったのはわかる……が、時間は厳守しろ。レオン・フェネット貴公は軍にいるのだからな」

 

どうやら今回は夕食抜きは無いようだ。

 

「申し訳ありませんでした」

 

再度ビスマルク卿に謝罪すると説教はここまでと言うように手を叩いて食堂への扉を開けた。

 

瞬間まるで向日葵のような笑顔が目の前にあった。金色の髪にリボンを巻いた少女はゆっくりとレオンに挨拶をした。

 

「あら、レオンこんばんわ」

 

彼女の名前はモニカ・クルシェフスキー。ナイトオブトゥエルヴの少女だ。

黄色い少し長めの髪をなびかせて優しく微笑んでいる。レオンとは歳も近く、休憩時間は一緒にいることも多い。

 

「レオン、久しぶり」

 

 そして、淡泊な挨拶で右手をあげている人物が一人。ナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム。アーニャも返事は淡泊なものの笑顔が可愛らしい少女だ。

レオンよりもいくつか若いが、写真が趣味で良くモニカと一緒にアーニャに写真を撮られている。

 

「よう、モニカ、アーニャ」

 

モニカとアーニャに右手を上げて挨拶を返しモニカの隣の席に座る。

ふと、モニカの席を見て違和感を感じる。

 

「あれ?今日はアリスは一緒じゃないの?」

 

「陛下からの呼び出しだって、新しいナイトメアの開発だって言ってたわよ」

 

 アリス・グレヴァリス。昨年まで大学院生だった女性だ。現在は科学者としてこの訓練施設に滞在している。

 

主にナイトメアの開発業務に当たったいるが誰かの専属だという話は聞いたことがない。

 

「そうだ。モニカ、ラウンズへの就任おめでとう」

 

 モニカは最近ナイトオブラウンズに任命された新人だ。やはりナイトメアの操縦技術は優秀だが、ビスマルク卿曰く精神的にまだ脆いそうだ。

 

「ありがとう、あなたも早くラウンズになれるといいわね」

 

「まあ、正直しばらくは今のままのたち位置でもいいんだけどね」

 

「おっさん倒してないし……」

 

 レオンは呟いて食事が用意されているビスマルクがいるテーブルへと移動する。

 

(ナイトオブワンを倒してからなんて……)

 

(レオン、結構無謀……)

 

 去っていくレオンの後ろ姿を見ながらモニカとアーニャは疑問を頭に浮かべる。

 自分達では到底叶わない相手がナイトオブワンだ。

 それを打倒しようと言うのだから、レオンがいる領域が判らない。

 

 夕食を食べ終わり座学が終わる頃、ビスマルクがレオンに話があると王宮の自室へと呼び出されていた。

 ナイトオブワンの部屋というよりも通常の士官の部屋に近い質素な部屋だった。

 

「失礼します。おっさん、どうしたんだ?」

 

 いつものようにおどけた表情で部屋に入ってきたレオンに真剣な表情でビスマルク卿は返事をする。

 

「フェネット卿、ここへ来い」

 

「はい」

 

 ビスマルクの真剣な態度に会わせて自ずといつもは見せない真面目な態度になる。

 

「それで、ヴァルトシュタイン卿話とはいったい?」

 

 言葉遣いも相手への呼び方もすべて変えて、レオンは真剣にビスマルクの言葉を待つ。

普段のふざけての態度とは違い、相手の態度によってこちらも真剣に対応をしなくてはいけない。

 

「これから私と共に皇帝陛下のもとへ出向いてもらう」

 

「失礼ですがヴァルトシュタイン卿、陛下のご用件とは?」

 

「私の口から教えることはできない。皇帝陛下より直接伺うといい」

 

 ついにこのときが来たかという表情をするビスマルクに頷いてレオンは小さく返事をした。

 

「はい」

 

「それに伴い、レオン・フェネット!」

 

「はっ!」

 

 呼ばれてはっきりと返事をする。

 

「貴公がつけているすべての枷を貴公の判断で外すことを許可する。必ず陛下の任務を果たすのだぞ」

 

「イエス・マイ・ロード!」

 

 話が終えて、ビスマルク卿に連れられて謁見の間まで来ていた。

 

 陛下が来るよりも早く謁見の間で片膝立をして待っていた。

 

 いつもなら皇帝陛下がはいるときには御入来の声がかかるのだが、今日に限ってはそういった言葉はなく、皇帝陛下から直接声がかかる。

 

「レオン・フェネット」

 

「はっ!」

 

 レオンは皇帝陛下と謁見した回数はかなり多い。事実皇帝の私室で何度か一緒に酒に付き合わされるくらい、レオンは皇帝に好かれていた。

 

「今より汝、レオン・フェネットに密命を言い渡す」

 

「我が身に変えましても、遂行させていただきます!」

 

 シャルル皇帝が実際は優しい人だと言うことは、レオンの中では当たり前の事だった。

 民衆の指揮を高めたり、叱咤し気力を振り絞らせるためにあえて厳しいことばを投げ掛ける人であると言うことも。

 

「貴公にはラウンズのみが知る最強のラウンズとして行動をしてもらう」

 

「お言葉ですが陛下、わたくしはヴァルトシュタイン卿に一度として勝てておりません。そんなわたくしにラウンズ最強を名乗る事など……」

 

「そんなこと百も承知だわ。話しは最後まで聞かぬか、愚か者」

 

 優しい叱咤。ブリタニアの恐怖の皇帝はどこにでもいる優しいおじさんのようだった。

 

「レオン。まだ貴公は未完成だ。これから最強を目指すことをできよう。しっかりと精進すればな」

 

 言うやいなや皇帝は近づいて来てレオンの頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

「ちょっと、陛下!俺もう子供じゃないって!」

 

「そう言っているうちはまだまだ子供よ」

 

「だからな、レオン。貴公に授けるのは、未知数のX”エックス”いずれ最強になるであろう貴公に、期待をこめてナイトオブエックスの称号を授ける。無論、知っているのはナイトオブラウンズだけだがな」

 

 陛下の言葉の重みを噛み締めながらレオンはゆっくりと肯定を口にする。

 

「慎んでその称号、頂きます」

 

「それでよい。貴公の実力に見合うだけの称号だからな」

 

「はい!」

 

「レオン、私も嬉しいぞ。おめでとう。私の愛弟子よ」

 

「おっさん……ありがとう!」

 

「そこでだ、レオン。貴公には私の最愛の子供たちの警護を命ずる」

 

 皇族の警護が特別任務かと疑問を抱えながらもレオンはゆっくりと皇帝へと向き直る。

 

「?」

 

 皇帝の最愛の妻いわゆるマリアンヌとその遺児であるルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとナナリー・ヴィ・ブリタニアは旧日本、現エリア11で亡くなっていた。

実際、遺体の確認がされていないが公では死亡扱いとなっている。

 

「貴公にはルルーシュ・ヴィ・ブリタニアおよびナナリー・ヴィ・ブリタニアの警護を任せる。やっと生きておることがわかった……」

 

「レオンよ、我が息子達の命頼むぞ」

 

「イエス、ユアマジェスティ!」

 

 皇帝から言葉を引き継いだビスマルク卿の言葉を聞き、紙を受けとる。

 

「場所:エリア11 アッシュフォード学園」

 

「メンバーについてはナイトオブラウンズからは一名のみ選出しても構わんそうだ」

 

「はっ!」

 

 一気に色々な情報を頭に詰め込まれ、頭が混乱するが皇帝直々の命令に首を降るわけには行かない。

 

「それとレオン、ラウンズから選ぶとしたら誰をつれていく?」

 

 一番楽なのは目の前にいるビスマルク・ヴァルトシュタイン卿だろうがそうも行かないだろう。

 

「ではナイトオブトゥエルヴのモニカ・クルシェフスキーを私につけていただきたい」

 

「よかろう」

 

 皇帝の返事を聞いて、ほっと一息つく。実際にモニカ以外のメンバーも考えたが、正直ラウンズは変な方にぶっとんでる人間が多い。

 

 ルキアーノ・ブラットリーが一番狂ってるが、そんな中最近ラウンズへ上がったモニカなら話しやすい。

 

「それでは貴様にもマントを授けよう」

 

 後ろからゆっくりと歩いてきた侍女がレオンに真っ黒なマントを渡す。今まで着ていた上着を脱ぐ。ドサッという多きな音を立てて上着が地面に食い込む。

 

 受け取ったマントにレオンは袖を通す。事前に体を図られていたのか渡されたコートはレオンの体にぴったりとフィットした。

 

「貴様のナイトメアフレームの専属メカニックだが……」

 

「私が担当することになった」

 

 謁見の間の入り口から白衣に両手を突っ込んタバコを口に加えた状態であらわれたのは子供のような身長をした女性だった。白衣が地面に引きずられているのがなんともほほえましい。

 だらしなく延びた白髪に大きめの瞳。子供っぽさと妖艶さをあわせ持つ少女と言った風貌だ。

 

「すでに面識はあると思うが、彼女が」

 

「アリス・グレヴァリスだ。今日からよろしく頼むぜ、レオン」

 

 紹介しようとしたビスマルク卿の言葉を遮ってアリスが話し、紫煙を吐き出す。

 

「出発は明日1200時だ」

「イエス・ユア・マジェスティ」

 

 皇帝に対し返事をし、謁見の間を後にした。




初めまして白鷺燕と申します。

ギアスの二次創作ははじめて書きます。

原作は全部見ていますが、記憶違いの部分があるかもしれません。

そんなときは感想や評価で教えていただけると嬉しいです。

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