ハイスクールD×D 【現れし最古の吸血鬼】   作:黒紙 優紫

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烏の大将

なんやかんやあっての翌日。

零は二階にある自室のベッドにて目を覚ました。

上半身を起こせば、身体に掛かっていた布団が滑り落ち、鍛え抜かれた肉体美と呼んでいいそれが現れる。

ゴリマッチョという訳でもなく、細マッチョという訳でもない。

正に黄金比!!

そんな上裸族っぽい零の隣では、今だに寝息をたて目を瞑ったままの全裸のガブリエルがいる。

朝から眼福です。

ん?昨夜何してたって?言わせんなよ恥ずかしい。

 

と、そんなこんなで一人静かに起き上がり服を着替え、下へと降りて来た零は、朝食を作り始めた。

本日は火曜日。

登校しなければならい。

いくら昨夜激しく愛し合ったと言っても、自分は学生と言う立場になったのだ。

学校、サボる、ダメ絶対!である。

ガブリエルの分の朝食に時間停止を掛け、メモ書きを残して登校するため外へと出た零に、本日もサンサンと降り注ぐ朝日。

本当に鬱陶しいことこの上なく。

そんなことを考えつつ、登校した駒王学園。

朝イチから、何故か追いかけ回されている昨日の血涙男子3名と、それを追いかける運動部と思わしき女生徒の集団を横目に、本日から楽しく学業に励もう!

ビバスローライフ!!!

 

 

とかね、思ってる時期がありましたよ俺にも。

確かに、昔は自分から面倒事や、争いには進んで乱入していたよ。

でもな?ここ数年は、面倒事にも争いにも、極力関わらないようにして来たんだぜ?

なのによぉ。転入1週間でこれはねぇだろ…。

俺の転入初日に血涙を流し、次の日には女生徒達に追いかけ回されていた男子生徒が公園の中央で、腹にぽっかり穴を開け、そこから明らかに致死量の血を流して倒れている。

まぁ、人間なんだから腹にあんなでかい穴空いてたら死ぬんだけどな。

まぁ、問題はそこじゃない。

明らかに、堕天使と思わしき女と、駒王学園の制服を見に纏った女生徒が、腹が愉快な事になってる男子生徒を真ん中にして睨み合っていることが問題なんだ。

そりゃ、俺が人払いの結界が張られたのを感知してたのにも関わらず、気にせず中を通過して帰ろうとしたのが悪いと言わざるを得ないかもしれん。

それでも、こんな面倒くさそうな場面にエンカウントすると思わんだろ?

と、言うことで。

あの二人が睨み合ってる間に、俺はさっさと退散させて貰うとするよ。

進行方向を真逆へと変え、そのまま真っ直ぐ最短で一直線に、後ろのことを努めて気にせず帰時に帰った。

途中後ろから呼び止めるような声が聞こえたから、全力疾走をかましてやったが、気の所為だよな?あの声は空耳だよな?

 

 

 

零が走り去った後方では、紅い髪の女子生徒が口をポカーンと開け立ち尽くしていた。

そう、上城零の空耳では無く、しっかり呼び止められていたのだ。

しかし、そんな事は無いとフルシカトをかまして走り去った零。

これが本当の、あっという間と言う奴か。

と言いそうになるくらいそれは綺麗に、人間では出せないような速度でその場を走り去ったのである。

あんなのを見せられたら、そりゃ人外娘も間抜け面を晒すほか無いだろう。

さて、このお腹に綺麗な穴を空けられた男子生徒の横に立ち、間抜け面を晒している女子生徒。

彼女の名はリアス・グレモリー。

現四大魔王の一人、サーゼクス・ルシファーの妹である。

ストロベリーブロンドの長髪に、大きな胸、整った顔立ちに、くびれた腰。

172cmという高身長、安産型のお尻に、すらっと伸びた綺麗なおみ足。

ふむ。実にけしからん!!!

けしからんぞリアス・グレモリー!!!!

 

と、そんな馬鹿なナレーションなど露知らず、ハッとしたリアス・グレモリーは、自分の後ろで今にも生命活動が止まるのではないか、という致命傷を負っている男子生徒へと近寄った。

 

「あら。貴方面白い物を持っているのね。ふふっ。その命、私のために使ってみない?」

 

そんなセリフと共に、赤より紅い、まるでストロベリーブロンドのような髪を、失いつつある意識の中、微かに視界にとらえた男子生徒はゆっくりと意識を失っていった。

 

「さて、さっきの男子生徒は誰だったのかしら。朱乃に調べてもらいましょうか」

 

そして、上城零。

いや、あえてこう言おう!

レイ・ドラクレシュティ!我らが主人公は、見事逃げ切ることが出来るのか!?

 

次回!ハイスクールDxD【現れし最古の吸血鬼】

『各自の思惑。交差する思い。』

 

「俺、この戦いが終わったら結婚するだ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、次回予告を挟んだが、別に次話に行く訳では無い。

難なく家へとたどり着いた零は、昨日と同じように家へと入っていった。

玄関には、既にガブリエルのブーツは無く、いつも通り自分の靴だけがあるだけだった。

上着を脱ぎつつ、リビングへと足を運ぶ零。

思うことはただ一つ。

 

「バレてねぇよな?制服見られただけだし、向こうからは顔は見えてなかったはず。大丈夫…だよな…?ま、大丈夫か。制服一つで俺を見つけ出せるわけねぇしな」

 

実は既に、リアスが零を探しているとは露知らず、そんなことを宣っていた。

自己完結で満足いく答えが出たからなのか、本当に満足そうに頷くと、上に着ていたシャツを脱ぎながら、浴室へと向かう零。

鍛えられた逞しい上半身を露出させながら、ゆったりと向かう。

きっとここの読者様は、男性ばかりだと思うので、野郎の入浴シーン何ぞカットですわぁ!!!!

 

零が入浴中の浴室から、シャワーの音が聞こえ始めた頃。

この上城家の玄関の扉が開き、中へと一人の男性が入って来ていた。

うむ。一つ言いたい。うちの主人公は不用心では無かろうか?

何故鍵を掛けない。そもそも、家に帰ってくる時も、鍵を開ける、掛けるなんてシーンは1度もなかった。そう、一度もだ。

まだ4回ほどしか玄関のシーンは出ていないが、それでも、一度も鍵を触った形跡がない。そりゃ不法侵入もされますわ!

なんやかんや言っていたら、入ってきた男性は、浴室からの音に気づき、そのままリビングへと向かう。

リビングに置かれた、ソファーへと腰を下ろすと、そのまま目の前にあるテレビを付け見始めた。

シャワーを浴びる家主。テレビを見る不審者。

ここはスラムか何かなのだろうか?

1時間ほどすると、浴室から上裸の零が髪の毛を拭きながら出てくる。

そして、リビングからテレビの音を聞くと、そのままリビングへと入っていった。

零の目に映るのは、テレビを見る不審な男性。

いや、呆れた顔をした零を見るに知り合いなのだろう。

しかし、まだ名前の出ていないこの男性など不審s「いつ入ってきたんだ、アザゼル」

 

出来れば、ナレーションに被せて喋るのやめてくれないかなぁ!?

この不法侵入者、何を隠そう神の子を見張る者(グリゴリ)の総督、堕天使アザゼルである。

 

「よー!レイ。久しぶりだな!元気だったか?」

 

「元気だったよ。それよりアザゼル、不法侵入について弁明はあるか?」

 

「ははは!そんな硬いこと言うなよ。俺とお前の仲だろ?」

 

「一時は敵対者同士だったろうが」

 

「それはあの戦争の時の話だろ?今じゃ飲み友と言っても過言では無い!」

 

「まぁ、それは否定しねぇけどよ。んで?何の用だ?」

 

「あぁ、そうそう。零、ちょっと仕事頼めないか?」

 

「仕事だと?」

 

昔、一度は戦場で出会い、その後何かと会う機会があった2人は飲み友という関係へとなっていた。

そして、アザゼルから仕事の依頼が来るのも又、初めてのことでは無い。

しかし、とても嫌そうな、面倒くさそうな顔をする零。

この男が持ってくる仕事の依頼にろくなものが無いのである。

 

「なぁ、おまえ前回俺に何依頼したか覚えてるか?」

 

「あれだろ?ヒュドラの睾丸の採取だろ?」

 

「あぁ、そうだ。しかも、発情期のヒュドラの睾丸だ。なんに使うのかと思えば、ただの興味本位でヒュドラの睾丸が見て見たいだけだったとかいうクソみたいな依頼だ。あれな、俺じゃなきゃ死んでるぞ?あの場に何匹のヒュドラがいたと思ってやがる。全部で約36体だぞ?普通に考えて死者が出るわ!!!」

 

このようなクソみたいな依頼を持ってくるのだ。

そもそもなんだ。ヒュドラの睾丸って。

あいつタマタマ着いてんのかよ。

そんな零にまぁまぁ、と落ち着かせると。

アザゼルは真剣な顔で零を見た。

アザゼルのその真剣な顔に、零もしっかりと耳を傾けた。

 

「今回のは何時もみたいな酔っ払った時の依頼じゃない」

 

「じゃあなんだよ」

 

「ラミアを一体生け捕りにして欲しい」

 

「ラミアを?…物凄く聞きたくは無いが、きっと聞かないと行けないんだろうな。…何でだ?」

 

「ラミアの乳がどうなってるのか気になるからだ!!」

 

「んな事知らねぇよ!!クソ堕天使ぃ!!!!」

 

この夜、零の家からはドッタンバッタンと暴れるような音が鳴り続いた。

しっかり防音と認識障害の結界が貼られていたことが幸いだったのだろう。

近所迷惑になる事は無かった。

そして、この(アザゼル)が頼む依頼はろくなものが無い。

再認識させられる一件となった。

 

 

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