そっちを消してこちらで投稿しようかと思います。
―――生きている心地がしない―――
両親から毎日のように暴力とも言える訓練を受ける。体が動かなくなったら回復魔法ヒールで傷を癒され、更により激しい痛みを負わされる。それが何回も何回も繰り返された。
それだけならまだ良い方だ。それ以外にも訓練という名目で拘束され、火を当てられ、水中にも落とされ、電気を流された。更には毒や薬物も注入された。拷問と呼ぶには生温い事を幾度となく繰り返され、俺はもう限界だった。だけど、来る日も来る日も訓練の繰り返し。
(早く……死にたい)
何度そう思ったのかわからない。だが、ある理由により死ぬことができないのだ。深い傷の跡も、火傷の跡も、痺れの跡も、毒などで苦しんだ後も、治されてしまう。
そして繰り返される。死にたいなんて甘い考えは、捨てることができた。ただひたすら耐える。耐えて耐えて耐える。
慣れるなんて事はない。激しくなる一方だった。一切限界が見えないこの痛みに、歯を食いしばる。
父は言う。お前には才能がない、と。
母は言う。だから努力しなさい、と。
その通りだった。才能がないのは俺が悪い。努力が足りないのも俺が悪い。だから、ひたすら耐えるしかなかった。
この世に自分よりも不幸な人なんていないんじゃないか。そう思えるほどの『地獄』だった。
「今日はこの辺でやめだ」
そう言われて両親は部屋から出て行く。どうやら今日の訓練は終わったらしい。もう意識が霞んでいて理解するのも面倒くさかった。訓練の時間は苦痛だが、1人の時間はもっと苦痛だ。
この真っ暗な冷たい部屋。話し相手もおらず、ただ時間が過ぎるのを待つだけ。痛みと訓練のおかげで寝ずに生きれるようにもなった。なので両親たちが目覚めるまでただひたすら待つ。この時間が1番気が狂いそうになる。確実に生きてはいない。ただ死んでないだけ。
訓練として小さい部屋に閉じ込められて、拘束されることはあったが、あれは訓練だから耐えることができた。1週間ほど飲まず食わずだったが。ただこの時間は本当の虚無。何もないのだ。
訓練のおかげで時間感覚は研ぎ澄まされたのだが、時間に意味など見出せないので無駄だった。数時間後には両親による痛みの地獄が始まる。ただ、いない時はいない時で精神が病んでしまう。もしかしたらこれも両親の計画のうちなのかもしれない。
ただ……この地獄でも密かに思うこともあった。それは恐怖でも憎悪でもない、ひたすら純粋な願い。
ーーー会いたいーーー夢でいいからセイラに会いたいーーー
狂った環境下でほとんど無駄なものは忘れてしまったが、彼女のことだけは絶対に忘れまいとしている。俺の心の支えだった。