ガンダムビルドライザーズ   作:shisuko

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お待たせいたしました、第10話。
今回はイツキから逃れた後のビルドダイバーズの面々について。
ちょっとだけ出て来る新たな原作キャラも交えて、さて、ヒロト達に何があったのか?


第10話 “決着”

 BAR アダムの林檎での、イツキからの謝罪の後にヒロトが告げた思わぬ提案。

 イツキからのコアガンダムの製作依頼はおろか、自らも新しいコアガンダムを作る事を渋っていた筈の彼がしたとは思えない、掌を返したかのようなその提案だが、もちろんヒロトとて何の理由も無い思い付きでそれを口にしたワケでは無い。告げるに至った、相応の過程があったのだ。

 では、どのような過程があったのか?

 それを知るには前日、ヒロト達BUILD DiVERSがイツキの追跡を逃れた後まで遡らなければならないだろう。

 

 

 

「だは~っ! つっかれたぁ~……」

 

 “ぺリシア”エリア、市内。

 ドームやアーチが特徴的な中東風の建物が並ぶ街並み。その一角に建つカフェの店外席の一つである、白いテーブルクロスが掛けられた丸テーブルの上に、盛大に息を吐き出しながらカザミが上半身を投げ出した。

 半目の、酷く疲れた様子の彼に、そうですねぇ、とテーブルを囲むように配置された椅子の一つの上で肩を撫で下ろしていたパルヴィーズが溜息混じりに応答する。

 

「凄いですよね、あの子。どこに逃げても、すぐ追い付いて来るんだから」

 

「まったくだぜ。フレンド登録してるワケでも無ぇってのに、ニュータイプか何かかっての」

 

 二人揃って疲れと安堵が(にじ)む声で、彼らがこのエリアまで逃げる事となった元凶――コアガンダムを欲しがる新選組姿の少年、イツキの事を言い合う。

 それに便乗するように、ねぇ、とヒロトの隣の席で疲れた笑みを浮かべるヒナタも頷く。

 

「よっぽど欲しいんだね、ヒロトの――えっと、コアガンダム?」

 

「それで合ってるよ」

 

 GBNを始めてまだ日が浅く、BUILD DiVERSの一員としても最も新しいメンバーであるヒナタは、まだまだガンダムについて疎く、仲間達の機体についても把握(はあく)し切れていない。

 それ故の朧げな確認をヒロトが肯定すると、良かった、と名前を間違っていなかった事に彼女は安堵し、続けて、そわそわと落ち着かない様子で辺りを見回しながらこう言った。

 

「ねぇ、他の所に行かなくて大丈夫かな?」

 

 その様子を(いぶか)しみ、どうして、とヒロトが尋ねてみれば、

 

「だってほら、ここにいたら、またあの子が変なトコから出て来るかも知れないし……」

 

という解答が、自らの足下を不安げに見下ろしながらの彼女から返って来る。

 それで、また何処からともなくイツキが現れるのを恐れていると察したヒロトは、ああ、と納得し、安心させるためにこう返した。

 

「大丈夫だよ。()()()()()()()()

 

 ぺリシアエリアでは、ダイバーランクの低いダイバーはガンプラの使用に制限が掛かる。

 これに加え、街の周囲は広大な砂漠に覆われていて、一度訪れた事があってエリア間の直接移動が可能になっているとか、あるいはオフロード車のようなアイテムを所持しているとかならばともかく、そういったものを利用しない徒歩での来訪はほぼ不可能だ。

 そういった理由から、イツキのような、昨日今日GBNを始めたばかりの初心者は気安く訪れる事が出来ない“ビルダーの聖地”。――それがこのぺリシアというエリアであり、だからこそ、この場へ逃げるようにヒロトは仲間達に指示したのだ。

 

「流石にあの少年もここには現れないだろう。お前も安心して休めばいい、ヒナタ」

 

「そっかぁ。良かった~」

 

 ヒロトと、途中から説明を引き継いだメイにそう促された事で、ほっと息を吐いてヒナタが脱力する。

 そこに、良くねぇよ、とカザミの文句が飛んで来る。

 

「エルドラ行くつもりだったってのに、もうそれどころじゃねぇよコレ」

 

「ですね。今から行くのは、時間的にちょっと難しいですよ」

 

 並び立つ建物の上に広がる空は、若干ながらオレンジ色に染まり出している。

 基本的にはGBN内での日の出入りは現実と同じため、現実の方も既にそれなりの時間になっていると見て良いだろう。

 

「下手にぺリシア(ここ)出たら、まぁたあのガキと鉢合(はちあ)わせるかもしんねぇしな。あ~……久々に“マイヤ”に手料理食わせてもらおうと思ってたのになぁ」

 

「僕も、“モルジアーナ”に乗せて上げるって“アシャ”と“トワナ”と“フルン”に約束してたのに……」

 

 エルドラに住まう山の民の中でも、各々が特に懇意(こんい)にしている少女や三人組の子供達の名を上げてぼやいた後、一斉に、は~ぁ、と大きな溜息を吐き出すカザミとパルヴィーズに、二人の様子に居た堪れなくなってか、あ、ごめんね、と謝るヒナタ。

 そんな彼らの様子をヒロトが仏頂面のメイと共に見守っていると、ハハ、と苦笑する声が彼らのすぐ近くから上がった。

 

「皆、その子に大分苦労させられたんだね」

 

 そう他人事(ひとごと)のように――実際、彼にしてみれば他人事だが――言う苦笑の主は、寝ぐせが跳ねた白い髪を(うなじ)の左側で纏め、尖った耳に眼鏡の(つる)を掛けた、エルフ風の青年ダイバーだ。

 白くゆったりとした賢者風の衣装を纏うその青年に、

 

「笑い事じゃねぇッスよ“コーイチ”さん!」

 

すかさず机に寝そべっていたカザミが上半身をガバリ、と起こして抗議の叫びを上げた。

 

「どこ逃げても追っ駆けて来るんスよあのガキ!? 何かもう、“バグ”とか“オートマトン”とかみてーに、ホントどこまでも! もう妖怪ッスよアレ! 妖怪コアガンダム下さい!!」

 

「よ、妖怪ってそんな……。子供相手に大袈裟な――」

 

マジで怖かったんスからね、俺ら!!

 

 終いには涙目で、怯えたように裏返った声で訴えるカザミ。

 その尋常で無い姿には流石に気圧されずにはいられなかったのか、ご、ごめん、と迫る彼を宥めるように両の掌を見せながら青年――つい先日ヒロト達BUILD DiVERSと“アライアンス”を結んだばかりの“本家”――BUILD DI()VERSのメンバーの一人、“コーイチ”が謝った。

 

「い、いや、そこまで追い詰められてたなんて思わなかったから、つい……」

 

 BUILD DIVERSのメンバーであると同時に、ELダイバーの保護や管理、モビルドールの製作・提供を行う“ELバースセンター”の職員でもある彼と出会ったのはつい先程、ヒロト達がぺリシアへと移動してすぐの事だった。

 何でも休暇だったそうで、その休みを利用して、世界中のビルダーがこの地に持ち寄った様々な作品を見に来ていたらしい。

 それでその最中に、何やらメンバーの半数が異様に憔悴(しょうすい)した様子で現れたヒロト達BUILD DiVERSを見つけ、何があったか訊くために近場にあったカフェへと向かって――現在に至っているのだ。

 さて、そのコーイチからは今ちょっとした言い訳がされているのだが、その内容には少し気になる話があった。

 

「それに何ていうか……その子の話聞いていると、昔のリク君達思い出すなぁって」

 

「リク達を?」

 

 コーイチの口から出て来た意外な名前を、反射的にヒロトは復唱した。

 彼の口から出て来るリクといえば、たった一人。チャンピオンに最も近いと(うた)われる、“ビルドダイバーズのリク”以外にはいない。

 それに加えて()となると――彼と特に仲が良い、“ユッキー”と“モモ”もか?

 だが、かつてのリハーサルミッションで初めて顔を会わせて以降、何度か彼らと話したりバトルしたりでその人柄を知っているヒロトとしては、イツキの話からリク達を連想したというコーイチの言葉には首を捻らざるを得なかった。彼らが似ているようにも思えなければ、イツキがしたような事をリク達がする姿も想像できないからだ。

 その感想は仲間達もほぼ同じようで、一様にコーイチへと(いぶか)しむような視線を向けている。

 まぁ、その一方で、

 

「リ……リク達も妖怪だったって事ッスか……?」

 

「ええっと……取り敢えず、妖怪からは離れようか?

 

些か青褪(あおざ)めた顔で、震えた声で大真面目にそう問い返したカザミには、逆に彼から生暖かい視線が返されていたが。

 

「今のリク君達しか知らないと、まぁ、信じられないよね? でも昔の、僕の前に現れた時のリク君達も結構無茶苦茶する方でね」

 

 そう告げた後に目を伏せたコーイチが、どこか懐かしむように話し始める。

 BUILD DIVERS結成の前日譚(ぜんじつたん)――かつての自分と、自分の前に現れた当時のリク達について。

 GPDが廃れ、共にガンプラバトルを楽しんでいた仲間が去って行く内に自分も引き籠るようになり、人と関わる事も無く薄暗い部屋の中で、目的も無く惰性(だせい)のままにガンプラを作り続けていた事。

 そんな空しい日々を送り続けていたある日、自分が作ったガンプラを借りた事を切欠にコーイチの事を知ったリク達が家に押し掛けて来た事――。

 

「いや、ちょっと待って」

 

 回想の途中、何やら聞き捨てならない話が出て来た。

 それに、代表してカザミが待ったを掛ける。

 

「え? 押し掛けて来たんスか、リク達? コーイチさんの、現実ん()に?」

 

「そうなんだよ。ガンプラ作り教えて欲しい、フォース作るから僕にも参加して欲しい、って」

 

「……嘘ッスよね?」

 

「至って本当だよ?」

 

 あの時は本当に驚かされたなぁ、と冗談か何かのようにコーイチは笑うが、それを聞かされるヒロト達としてはとても笑う気にはなれない。

 まさか、あのリク達が本当にイツキと似たような事をしていたとは。

 いやむしろ、あくまで仮想の世界でしかないGBNではなく現実に攻め込んでいた分だけ、当時の彼らの方が(たち)が悪いかもしれない。

 

「警察に通報とかしなかったんですか?」

 

「正直、悩んだね。あのままあの子達の押し掛けが続くようだったら、多分してたと思う」

 

 だが、そうはならなかった。

 警察よりも先に、リク達に住所をバラした当事者である彼の妹に通報した事で、一度は収拾がついたというのもある。その後、リク達が謝りに来た事も。

 だが何よりも、その後に起きた数々の出来事が、コーイチ自身の考えを変えた事が大きかった。

 そして、その出来事の中でも最も印象深いのが――。

 

「直してたんだよ、リク君達」

 

「直してた?」

 

「僕が――僕達がGPDで使っていたガンプラを」

 

 かつての仲間達と共に使い、幾つもの戦いの中で勝利の栄冠を掴み取って来た輝かしい思い出。最もビルダーとして技術に優れていたコーイチが、かつてその全ての調整と修理を一手に担い、常に万全の状態を維持し続けて来たガンプラ達。

 そして仲間達が離れていき、一人になってしまった果てに、一体一体手塩に掛けて作り上げた事も忘れて記憶と埃の中に埋もれさせていた、過去の残骸。

 そのガンプラ達を覚束ない手付きで修復しようとするリク達の姿が、妹にガンダムベースまで連行されたコーイチに、彼を変える最後の一手となる衝撃を与えたのだ。

 

「あの時、思い出せたんだ。僕がガンプラを作るのは、ガンプラが好きだから。僕は、ガンプラバトルが好きだったんだ、って」

 

 リク達が、それを思い出させてくれた。

 

「決着をつける事が出来たんだ。――GPDの事が忘れられない癖にガンプラバトルを引退したなんて(うそぶ)いて、挙句自分の()()さえ忘れて(くすぶ)っていた、それまでの煮え切らない僕自身との、()()を」

 

 だからこそ、今自分はここにいる。

 GPDでの思い出に縛られたまま、残骸と化したガンプラと共に部屋の隅で埃を被っていたK-1から、GBNという新たな大地へ踏み出したBUILD DIVERSのコーイチへと生まれ変わって。

 ――そう昔話を締め括った後、だから、とコーイチがレンズ越しの双眸を真っ直ぐにヒロトへと向けた。

 

「そのコアガンダムを欲しがってる子の事なんだけど、決着はつけて置くべきだと僕は思う」

 

「決着を?」

 

 コーイチからの思わぬ進言にヒロトは少しながら驚き、次いで、その首を左右に振った。

 

「俺はもう、彼の頼みを断っています。――あの子との決着は、もうついています」

 

 しかし、その返答をいや、とコーイチは否定する。

 

「ヒロト君からすればそうかもしれないけど、多分、その子はそう思っていないよ」

 

 だから、君達の事を追い駆け回したんだ、と返すコーイチの言葉に、思わずヒロトは唸る。

 言われてみれば、そうかもしれない。

 イツキの頼みに、今日の分も含めて二度は断りを告げたが、どれに対しても彼が納得する様子を見たワケでも無ければ、はい、分かりました、と了承の返事を受け取ったワケでも無い。

 というか、ぺリシアに来る直前に彼はハッキリ言っていた筈だ。コアガンダムは絶対に諦めない、と。

 であれば、イツキはまだ納得していない。

 

「どんな形でも良いんだ。コアガンダムを作って上げるにせよ、作って上げないにせよ、ヒロト君とその子がちゃんと二人揃って受け入れられる()()をつけた方が良いよ」

 

 そうしなければ、これからもイツキはコアガンダムを手に入れるという一心で、今日のようにヒロト達を追い駆け回しては製作を頼み込んで来る。

 それこそ、コーイチの言葉を借りるところの、イツキなりの()()がつくその時まで。

 

(……()()……か)

 

 ――ただ、それはそれとして、

 

「それに、このまま放っておいたら、G()B()N()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()し」

 

「どういう事ですか?」

 

「いや、流石にそこまではいかないとは僕も思うんだけどね?」

 

ははは、と苦笑混じりに続けられたコーイチのその発言は、間違いなく致命的な失言であった。

 

「その子、その内()()()()現れるんじゃないかぁ、って。僕の時のリク君達みたいに」

 

「「「え゛っ!?」」」

 

 その瞬間、カザミとパルヴィーズとヒナタの視線が凄まじい勢いを以てコーイチへと殺到し、ひぃっ、と緩んでいた彼の顔を引き攣らせた。

 

「……ど、どういう事ッスか?」

 

「えっ?」

 

「あのガキが現実にも出て来るかもって、どういう事ッスか!?」

 

 そう必死な口調でコーイチの言葉の意味を問い質そうとするカザミの顔は、驚く程に青褪めている。

 いや、彼だけじゃない。

 同じタイミングでコーイチの方を向いたパルヴィーズとヒナタも、カザミと同じか、それ以上に青い顔で目を剥いていた。

 

「ど、どういう事って言われても……さっき言った通りとしか――」

 

「じょ、冗談は止めて下さいよコーイチさん? い、いくら何でも、そんな」

 

「そ、そうです。パル君の言う通りです! ――だ、大体あの子、わ、私やヒロトのマンションの住所だって知らないし」

 

 パルヴィーズとヒナタが、二人揃ってコーイチの言葉を笑い飛ばそうとする。

 しかし、震える笑い声はすぐに二人の口から絶える事となる。

 

「い、いやでもその子、どこに行っても君達に追い付いて来たんでしょ? コアガンダムが欲しいってだけで。だとしたら、現実でも同じ事、出来るんじゃないかぁ……なん、て?」

 

「「「……」」」

 

 流石に自分の失言に気づいたのか、コーイチが返したその台詞は、終わりが近づくに連れ声が小さく、途切れ途切れになっていく。

 だが、もう遅かった。

 揃って絶句し、更に顔の青さが増した三人の内で暴走を始める思考を止める事は、横から、大丈夫か、と心配の声を掛けるヒロトにも、他の二人にも最早不可能であった。

 

 

 

「よっしゃ釣れた!」

 

 手に握る釣竿を力一杯に引き上げ、その先から伸びた糸を介して眼前に広がる海から魚を引き上げた現実のカザミ――“トリマチ・カザミ”は、そのまま魚の口を掴み、慣れた手付きで釣り針を外した。

 漁師の町に生まれた彼にとって、釣りはガンプラと並んで馴れしたんだ趣味だ。

 

「――思ったよりデカく無かったなぁ」

 

 口から掴み上げた魚を太陽の光に(かざ)し、その姿を(あらた)めたカザミは、釣竿越しに感じていた引きの強さに反して大した事無かったその大きさに、眉を(ひそ)めて唸った。

 とはいえ、そういった事は釣りをしていれば良くある事だ。

 ま、いっか、とすぐに気を取り直した彼は釣竿を傍らに置き、魚を仕舞うためにすぐ傍に置いてあるクーラーボックスへ向かって、蓋を開けた。

 中には、既に釣り上げた数匹の魚がいる。それ以外には何も入っていない。

 そう、魚以外には何もいない。

 ……何もいない、筈なのに……。

 アスファルトの地面の上に落とした魚がピチピチ、と跳ねる音が響く中、その顔は、()()()()()()()()()()()()絶句するカザミの顔を見上げていた。

 

俺に!

 

 

 

「……ふぅ」

 

 手元のガンプラ――第三部の公開がいよいよ間近に迫って来た劇場版“機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ”の主役MS“HGUC Ξ(クスィー)ガンダム”の仮組を一通り終えた現実のパルヴィーズ――“パトリック・レオナール・アルジェ”は手から工具を離し、自らが座る車椅子の背凭れに身を投げ出した。

 この後は手を加える箇所の有無を確認し、あればその箇所の改修、無ければ各部のモールドの彫り直し、といったところだが、

 

「ちょっと疲れたなぁ」

 

流石はΞガンダムと言うべきか、普段はSDサイズのガンプラばかり作っている事も一因とはいえ、HGでも際立っているその大きさとパーツ数は仮組だけでも中々の負担を強いられる。

 一休みしよう、とパトリックは事前に執事が沸かしておいてくれたコーヒーをカップに注ぎ、口へ運ぼうとする。

 と、その時、

 

「あっ」

 

曲げた肘が引っ掛かったのか、緑色のカッティングマットに置いていたデザインナイフが転がり落ちてしまった。

 咄嗟(とっさ)にパトリックはカップを机に置き、車椅子を後退させつつ腰を曲げて、床を見回した。

 それでデザインナイフ自体はすぐに見つかったのだが――それを手に取った直後、え、と彼は凍り付いた。

 手が、重なったのだ。

 今、彼以外には誰もいる筈の無い私室の中で、自分以外の、誰かの手が。

 まるで引き寄せられるように、パトリックは視線を上げていく。

 自分の手に重なるその手から、白い三角が並ぶ水色の袖へ。そして、その先にある手の主の顔へ――。

 

コアガンダムを!

 

 

 

「~~♪」

 

 所属している弓道部での練習を終えた現実でのヒナタ――“ムカイ・ヒナタ”は、鼻歌を口ずさみながら更衣室の扉を開けて、あれ、と首を捻った。

 更衣室に誰もいなかったためだ。

 

「珍しいなぁ」

 

 いつもならば、同じように練習を終えては先に着替えている他の部員の姿や声が出迎えてくれるところなのだが、しんと静まり返った今の更衣室内は人の気配一つ感じられない。

 それを不思議に、あるいは不気味に思ったヒナタであったが、

 

「たまにはそんな事もあるのかな?」

 

と自分を納得させ、さっさと更衣室内へと足を踏み入れる。

 そのまま、他に音が無いせいか嫌に響く足音を聞きつつ自分のロッカーへと向かった彼女はその戸を開け、保護袋に収めた愛用の弓をその中に仕舞ってから、身に纏っている物に手を掛けた。

 まず、括っている紐を解いて胸当てを。

 続いて、腰の辺りで固定していた黒色の袴と、その下に巻いていた腰帯を。

 そして最後に、腰帯の押さえが無くなって緩くなった道着を。

 汗を吸って湿った部活用の衣装一式を脱ぎ下ろしたヒナタは、続けてロッカー内に仕舞ってある荷物からバスタオルを取ろうと手を伸ばし掛けて、

 

「――別に良いよね?」

 

この場に自分以外いない事を思い出すやその手を引っ込め、代わりに残った下着へと向かわせる。

 そうしてそれらも体から取り払い、一糸纏わぬ生まれたままの姿となった彼女は脱いだ衣装と下着をロッカーへと仕舞い、改めてバスタオルを取り出してから更衣室奥にあるシャワールームの方へと向かおうとした。

 その時だった。

 

「っ!?」

 

 微かに、音がした。

 シャワールームの方へと向き直ったその直後、背後から布が擦れるような音が。

 警鐘(けいしょう)が、ヒナタの中で鳴り響いた。

 同時に、そんな筈は無い、と金縛りに掛かったように動かない首を彼女は振った。

 確かに、自分以外に人は居なかった。今にしたって、人の気配は一切感じられない。きっと、聞き間違いだ。

 そう自分に言い聞かせ、恐る恐る、ヒナタは振り返る。

 ゆっくり、ゆっくりと油が差されていない機械のようなぎこちなさでその視界を背後へと動かしていき、そして――ほっ、と彼女は(つつ)ましい胸を撫で下ろした。

 

「も~」

 

 後ろには、音がしたと思った辺りには、何も無かった。

 ただ、彼女のものを含むロッカーの列と、その向かいの列の丁度間に設置されているベンチがあるだけだ。

 しいて言えば、ベンチの下には人が身を隠すには丁度良さそうなスペースがあるにはあるが――ともかく、ヒナタの背後には変わらず誰もいなかったのだ。

 だから、それを確認したヒナタは、今度こそシャワールームの方へ行こうと向き直って――脇に抱えていたタオルをばさりと落とした。

 

「え?」

 

 ()()()()()

 いる筈の無い者が。

 風も無いのに揺ら揺らと怪しく揺れる、見覚えのあり過ぎる()()()()()()が!

 

作って下さい!!

 

「「「うわああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」

 

 

 

「――という事があって」

 

「いや、どういう事?」

 

 日は変わってセントラルエリア、BARアダムの林檎。

 カウンター席の一つに座っていたヒロトは、彼の左側の少し離れた席に座るマギーに昨日あった事を包み隠さず伝えたのだが、その内容に納得いかないのか、彼女? の眉が疑わし気に(しか)められる。

 

「ぶっちゃけ、昨日の事はもうメイちゃんから聞いてるのよ。今ヒロト君が話してくれたのと、殆どおんなじ内容のを。だけど、アナタ達の話だけじゃどうしても分かんないのよ。一体――」

 

 そこで一旦言葉を区切ったマギーの目が、ヒロトと、彼の隣に座るメイから、二人の後方へと移動する。

 そこに設置されているテーブル席で、一様に目の下に真っ黒な隈を作っている三人の方へと。

 

「……あ、見て見て。大きな星が、点いたり消えたりしてるよ。何だろあの星、彗星(すいせい)かなぁ?」

 

「あはは、違いますよぉヒナタさん。彗星はもっと……ばーぁ、って動くんですよ? あれは……そうだ、アクシズだ。アクシズが、地球に向かって落ちてるんですよ」

 

「あははは、そうなんだぁ。パル君は物知りだね~。……でも何で落ちてるの?」

 

「本当ですねぇ、何ででしょう? カザミさんは分かりませんかぁ?」

 

「ああ~、分かるぜ。俺には分かる。あのアクシズは、唯のアクシズじゃない。アレは……キャプテンジオンが落としたアクシズだ」

 

「あ……本当だ。アクシズより大きいキャプテンが笑ってます。こっちに、手を振ってますよ」

 

「良く分かったねぇ、カザミ君。流石、大ファンだね~」

 

「へへ……あったり前だろ? キャプテンは、俺の、心の師匠なんだぜ? ……へへ、へへへ……」

 

「「あはは……あはははは……」」

 

「「「ア ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ……」」」

 

「――どうしてあんな不気味な事になってるの、あの子達?」

 

 星など見える筈も無い、真っ昼間のアダムの林檎の天井を見上げたり指差したりしては、譫言(うわごと)のようにおかしな事を呟き合っているカザミとパルヴィーズとヒナタに、彼女? にしては珍しい程の渋面(じゅうめん)がマギーの顔に浮かぶ。

 “機動戦士Zガンダム”最終回の、死に際の“パプテマス・シロッコ”に心を連れて行かれてしまった“カミーユ・ビダン”もかくやとばかりの姿には、確かにマギーならずとも疑問符を浮かべざるを得ないだろう。

 だが、その理由は、さぁ、と彼女? に返答したヒロト自身もさっぱりであった。

 

「コーイチさんの話を聞いてから、三人とも急に取り乱して……」

 

 そうなってしまう直前に彼が口にした、イツキが現実にも現れるかも、という話が原因なのだろう事は何となく分かるのだが、それがどうして、

 

――ひっ、ヒロトぉ! あ、あの子が! あの子が学校に! 更衣室にぃ!!――

 

――に、逃げましょう! ここにもきっと、もうあの子が! 今すぐ逃げましょう! エルドラに!!――

 

――うわああぁぁぁ! もうダメだぁ! GBNから出ても逃げらねぇ! どこにいてもあのガキが! 妖怪が追って来るぅ! マイヤっ! 助けてくれェッ、マイヤーァッ!――

 

三人揃って半狂乱で泣き叫んだ果てに、あんな正気から程遠い姿になってしまっただろうのか?

 

「取り敢えず、ヒナタは昨日眠れなかったらしいです」

 

「カザミとパルも一睡もしていないそうだ」

 

「まぁ、それも原因には違いないんでしょうけどねぇ……」

 

 ヒロトがメイと共に順にそう告げた後、メトロノームの様に体を左右に揺らす三人の方をもう一度見遣ったマギーが、うーん、と口角を引き攣らせて唸り、そして、こう指摘した。

 

「――ていうか、当たり前みたいにログインしてるけど、あの子達帰らせるべきじゃない?」

 

 至ってその通りである。

 GBNは所詮(しょせん)遊び。義務や仕事じゃないのだから、あんな酸素欠乏症を患った“テム・レイ”みたいな有様で居座り続けさせる必要は無い。変わり果てた父や幼馴染の姿に絶句する“アムロ・レイ”や“ファ・ユイリィ”ではないのだから、さっさと現実に帰して寝かせるべきである。

 それはヒロトも分かってるのだが、それは出来ない理由が彼にはあった。

 

「――ヒナタ、今日部活早退してるんです」

 

「そりゃそうでしょうよ。見るからに体調悪そうだもの、部活なんて――」

 

「違うんです」

 

「ん?」

 

「体調のせいじゃなくて、その……()()()()()()()()()()()らしくて」

 

「……はい?」

 

 マギーとしても、ヒロトが告げたその話はあまり予想外だったのだろう。目を点にして固まってしまう。

 しかし、彼女? を襲う衝撃はこれで終わらない。

 

「そういえばカザミとパルも言っていたな。学校中の女子が皆マイヤに見えたとか、ガムシロップと間違えて接着剤を注いだコーヒーを飲んでしまったとか」

 

「二人もか……」

 

 弓道部で起きたという誤射未遂もあって、今のアスラン、もとい錯乱したヒナタを現実に置いたままにしては取返しの付かない事になりそうな予感がしたヒロトは、仮想の世界故に何が起こっても現実程の被害にはならないだろうGBNへと敢えて彼女を連れて来たのが……この分だと、カザミとパルヴィーズもGBNに引き留めて置いた方が良さそうである。

 まぁ、現実程致命的な事態には至らないだろう、というだけで、ログインしてからアダムの林檎に辿り着くまでに何も無かったワケでも無い。(むし)ろ、色々あった。

 例えば、

 

――ねぇフウタ、この人知り合い?――

 

――いや、知らないけど……。あの、ミユが待ってるからもう良い? 僕達、これからジンとマリアさんとダブルデートの予定が……――

 

という感じで、ワンピースを着た猫耳少女ダイバーを連れた、猫耳パイロットスーツ姿の青髪の青年ダイバーをヒロトと間違えたヒナタが迫る場面があったり。

 かと思えば、

 

――あの、どちら様ですか? そのぉ、俺はダイチっていう名前で、ヒロトって人じゃ――

 

――し、ししょー……?――

 

――って、ユナぁ!? いつの間に!? ――

 

――……()()? 誰ですか、その人? ――

 

――だ、誰って……いや、それ、むしろ俺が聞きた――

 

――どういう事ですか? ししょーは……おっぱい大きい子が好きだったんじゃないんですか? ――

 

――ちょっ……!? 待ってユナ! 頼むから、公衆の面前で誤解呼ぶような事言うのは止め――

 

――その女! あのドロボーにゃんこどころかっ、私よりぺったんこじゃないですかッ! カオリお姉ちゃんとどっこいじゃないですかァッ! なのに、何で……そんな、赤白ぺったんこなんかに……うううっ……ししょーのばがあぁぁぁ!! ――

 

――ああ、ユナっ!? 違うんだユナ!? 待ってくれユナ! ユナアァーッ!! ――

 

という感じで、袖無し黒パーカーにジーパン姿の、ヒロトとは似ても似つかない長身筋肉質の青年ダイバーがまたもやおかしな目をしたヒナタに彼と間違われたかと思いや、続けて桜色の髪をポニーテールに結わえた中学生くらいの少女ダイバーがどこからともなく出現。何やら誤解し、果てに泣き喚きながら走り去った彼女を、青年が大慌てで追い駆けていくという場面もあったり。

 

「分かった、分かったわ。もう良いわ。――そうね、カザミン達はあそこでそっとしておきましょう」

 

 色々聞かされて流石に参ったのか、げんなりとした様子のマギーが片手を額に当て、もう片手をヒロトとメイに突き出して口を塞ぐように促しながら、深く嘆息する。

 それで、どうやら彼女? も分かってくれたらしい事を悟ったヒロトは一つ頷いてから、自分の手元に置かれていたミルク入りのグラスに口を付け、一息吐く。

 そこへ、それはそうと、とメイのエメラルド色の双眸が彼の顔へと向けられた。

 

「お前もあまり眠っていないな?」

 

「え?」

 

 唐突な指摘に、思わずヒロトはグラスを離した口から声を漏らす。

 メイの指摘は当たっていた。カザミ達のように一睡も出来なかったという程ではないが、確かに彼も昨日はあまり眠れていなかった。

 

「カザミ達程酷くは無いが、お前も隈が出来ているぞ」

 

「あ、ああ」

 

 続けて彼女が述べた根拠に、そういう事か、とヒロトは下瞼(したまぶた)の辺りを指先で触れる。

 そんな彼を後目に、メイが更に尋ねて来る。

 

「昨日コーイチが言っていた事でも考えていたのか?」

 

「……」

 

 図星だった。

 

「確かにコーイチの言う通りだ。お前が何度拒否しようと、あの少年がお前を追う事を止める可能性は低いだろう。それこそ、彼が納得できる()()がつきでもしない限りは」

 

 流石に、昔のリク達のように現実まで追って来るという事は無いだろうが、という付け足しを加えつつもメイが告げるが――では、イツキが納得出来る()()とは何だろうか?

 考える間でもない。彼が、コアガンダムを手に入れる事だ。

 そのための手段として唯一取れる方法がヒロトへの製作依頼であるから、彼はこの二日間ヒロト達へと迫っては懇願し続けていたのだ。

 逆に言えば、イツキのみの手でコアガンダムを作り出せる手段が提示出来れば、それがそのまま、ヒロトがコアガンダムを作ってやる事無く、彼が受け入れられる()()と成り得るのだ。

 そして、その()()となれるかもしれない手段が一つ、既にヒロトの頭の内に出来上がっていたが――彼は、その事を口に出さなかった。

 完璧では無かったからだ。

 この手段ならば、確かにヒロトを頼る事無く、イツキはコアガンダムを作る事が可能となるが、しかし、だからといってヒロトの手が全く加わらないワケではない。彼の手でコアガンダムを作る事に比べれば格段に少なくなるが、それでも、どうしても彼が手を入れる必要が生じてしまう。

 そうなってしまうからには、ヒロトがイツキの頼みを断り続けて来た理由の一つである、()()との思い出の模造品を作ってしまうという問題点も完全には解消し切れない。

 その事が、その手段を取るためを踏ん切りを付ける事を彼に躊躇させていたのだ。

 

「――まぁ、コアガンダムが事の中心にある以上、お前も簡単に答えは出せないだろう。()()()の事もあるだろうしな」

 

 横目に向けていた視線を正面に戻してそう言ったメイにヒロトは頷いて、それからもう一度グラスの中のミルクを口に含んでから、ふと思った。

 

(今()がいたら、何て言ってたんだろうな……?)

 

 今のヒロトのように、コアガンダムを作れというイツキの頼みに、嫌そうな顔の一つでも浮かべて拒否感を顕わにしていたのだろうか?

 それとも、逆に彼に味方し、手を貸す様にヒロトに(うなが)して来ただろうか?

 あの時、

 

――この子のガンプラも言ってるの。悔しい、コアガンダムみたいに強くなりたい、って。ね、良いでしょヒロト? この子をヒロトの――

 

()の頼みに渋っていたヒロトにそうした様に。

 

(……“イヴ”……)

 

 その答えは、出なかった。

 ()()がそこに居なかったからというのもあるが、何より、

 

「「「出ぇたああぁぁぁぁぁ!!」」」

 

それまで茫洋(ぼうよう)としていたのが一転、本当に妖怪でも目の前に現れたかのようなカザミ達の絶叫と、それに肩を跳ねさせるまま振り向いたアダムの林檎の入り口の向こうに現れたイツキ達の姿に、彼は思考を一時中断せざるを得なかったために。

 

 

 

 そうして、イツキ達との三度の邂逅を果たしたあの日から、早一週間。

 イツキからの謝罪の後に告げた言葉の通り、BUILD DiVERSの仲間達と共にヒロトはアダムの林檎に訪れていた。

 あの日と同じように、メイを隣に、それ以外の、落ち着かない様子でテーブル席に座る三人を背に、カウンター席に腰を着けて待つ彼は、既に必要な準備を全て終えている。

 ()()をつける手段の詳細詰め。必要となる物。そして、彼の中での踏ん切りのつけ方。

 その全てを、自ら提示したこの一週間で。

 後は、時が来るのを待つのみ。

 手元に置かれているグラスを取り、中のミルクを(あお)るヒロト。

 それを飲み干すのと同じくして、

 

「――来たか」

 

きぃ、と軋む音を立てて開かれた入り口のドアが、その時が訪れた事を彼に報せた

 




というわけで、次回、運命の一週間後!
果たして()()をつけるためにヒロトが考え出した手段とは? イツキはコアガンダムを手に入れられるのか? こうご期待です。

というわけで、前回から今回と続いて他の作者様方よりキャラをお借りしましたので、ここからはその紹介とさせて頂きます。もし登場作品を読まれた事が無いのでしたら、どちらも素晴らしい作品ですので是非読んでみて下さい。

【Diver Name/Real Name】:フウタ/カザマ・フウタ
【Gender】:男
【Use GUNPLA】:レギンレイズ・フライヤー
【Character's Inside】:双子烏丸 様作”バディーライズ!――ガンダムビルドダイバーズ外伝”の主人公を務める17歳。前回はG-TUBEでイツキが過去に見ていた動画、今回はヒロトの回想にて登場。寝不足と妖怪コアガンダム下さいへの恐怖でおかしくなってたヒナタにヒロトと間違われた。恋人のミユとはドモンとレイン並みに熱々。

【Diver Name/Real Name】:ミユ/アラン・ミユ
【Gender】:女
【Use GUNPLA】:レギンレイズ・ホワイト
【Character's Inside】:同じく双子烏丸 様作”バディーライズ!――ガンダムビルドダイバーズ外伝”にてヒロインを務めるフウタの恋人。彼女達の知人とのダブルデートに向かう途中、フウタ共々フラフラのヒナタに絡まれる。なお、前回、今回共に二人はバディーライズ終了後の二人の想定しての出演。

【Diver Name/Real Name】:ダイチ/アカギ・ダイチ
【Gender】:男
【Use GUNPLA】:ゼロクアンタライザー
【Character's Inside】:キラメイオレンジ様作”ガンダムビルドダイバーズ REBOOT”の主人公を務める、23歳ロリコング。後にフォース”アマテラス”を結成する運命にあるが、今回の彼は極東オープン向けて弟子のユナと奮闘中の頃の彼を想定。おかしな目をした赤白ぺったんこヒナタにやっぱりヒロトと間違われた。

【Diver Name/Real Name】:ユナ/アサヒ・ユウナ
【Gender】:女
【Use GUNPLA】:ガンダムブレイジングエクシア
【Character's Inside】:同じくキラメイオレンジ様作”ガンダムビルドダイバーズ REBOOT”のヒロインを務める肉食オオカミわんこ系ポニテJC。ししょー大好きっ子。(ヒロトと勘違いした)ヒナタにダイチが迫られている場面に偶然遭遇。これまた勘違いの果てに泣きながらどこかへと去って行った。なお、彼女のは年上のヒナタよりも大きい。仕方ないね。ヒナちゃん慎ましい子だから、色々と。

以上、この場を以て各作者様方に深く感謝申し上げます。
それでは。

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