麻帆良の小さな戦士たち【旧版】   作:ハクアルバ

23 / 24
ep.23 京都への道中

どこかの学園に飛ばされたと思ったら、アミはなぜか京都にいて、今度は中学生の修学旅行に同伴? わけわかんない事ばっかり続いてるような……

 

でも、アミの居場所がわかってるだけまだマシだよね。アミって頭いいから、イフリートを探す手掛かりも見つけてくれそう。

 

「おい兄貴、エヴァンジェリンの言ってたこと鵜呑みにする気か? 魔法関係者でもねえ奴の護衛なんておかしくね?」

「やっぱり変だよね。今から学園長に電話して確認するよ」

 

あたし、この子に守られなきゃならないの? 中学の先生らしいけど、なんか頼りなさそうだなー。

 

「…はい、任せてください。親書も必ず届けますので」

「あいつの言うとおりだったか」

「うん。魔法協会が保護するつもりだったのに、脱走したんだって」

「脱走犯かよ!? そりゃエヴァの奴慌てて電話するわけだ」

 

ちょっと聞いてみよっか。

 

「ねえ、あたしはずっと護衛されなきゃなんないの?」

「はい、学園長から正式に指示が下りましたので」

「べつに守ってもらわなくても、あたしは結構強いんだけどなー。空手やってるし、いざって時はLBCSも…」

 

「あっ!ダメですよ!? 人前でLBCSを使っては!」

 

やっぱりLBCSのことはデリケートみたい。エヴァちゃんもLBCSのこと隠そうとしてたよね。

 

『JR新幹線あさま506号 まもなく発車致します』

 

東京駅行きの新幹線が来ると、ネギ君が班ごとの点呼を始めた。

 

「6班はエヴァンジェリンさんと茶々丸さんが欠席で人数不足なので、ザジさんは1班、桜咲さんは5班に入ってください」

「了解です」

 

え!? エヴァちゃんと茶々丸さんもここの生徒なの!?

 

欠席って……二人とも普通に元気そうだったけど、気が乗らなかったのかな?

 

『あのぉ、私はどうしたらいいですか?』

「あ、さよさん(ファントム)も6班でしたね。じゃあ、3班に入ってもらえますか?」

『朝倉さんの班ですね。わかりました』

「さよちゃん、修学旅行楽しもうね!」

『はい!』

 

「ちょっとネギ、この人は誰なの? うちの学生じゃないみたいだけど」

 

気まずい……

 

「皆さんに紹介しますね。こちらが修学旅行の間だけ一緒に行動する花咲ランさんです」

「は、花咲ランです……清水寺にいる友達に会いに行こうとしたら、一緒に旅行することになっちゃいました。あはは……」

「奇遇ですね。僕たちも初日に清水寺に行く予定なんですよ」

 

よその学校の修学旅行に混ざるなんて気まずいよ……早くアミに会いたい。

 

「よろしくねー」

「花咲さんって何年生?」

「高校1年だよ」

「私たちよりひとつ先輩だね」

 

「花咲先輩はLBX持ってる?」

「うん、持ってるよ。ミネルバ改っていうんだ」

 

「見たことない機体でごさる。非売品でござるな」

「このツインテールって、飾り?」

「スラスターじゃない? これでさよちゃんみたいに飛ぶんだよ」

 

「なるほど、軽量なストライダーフレームがベースで、スラスターを頭部と脚部に搭載することで飛行が可能というわけですか。武器腕は威力重視で、ビーム砲による遠距離攻撃も可能と。これは面白い!LBX開発の参考になります!」

 

ハカセって人がミネルバ改のこと褒めてるんだけど、あたしは機械とか全然詳しくないんだよねー。改造とか開発とかは全部山野博士たちがやってくれてたし。

 

「空中戦ができる格闘機ってことアルね。今度私のヨウキヒとバトルしてほしいアル!」

 

LBXを見せたら、みんな興味持ってくれた。やっぱLBXっていいよね。見ず知らずの人でも、LBXを知ってればすぐに打ち解けられる気がする。

 

 

『まもなく終点、東京です』

「皆さん、次は京都行きの新幹線に乗り換えですよ」

 

東京駅周辺はミゼレムの襲撃で壊滅したはず……アミの言うとおり、ここは別世界……なのかな?

 

「肉まんまだ残ってますよー」

「そこのお姉さん、肉まん食べるカ?」

「おっ、美味しそう! 急いで出発したから朝食とってなかったっけ。5つください!」

「そんなに食べるの?」

 

空手とLBCSの任務でカロリー消費するから、食べなきゃやってらんないんだよね。

 

あ、でもこっちの世界でLBCSの任務ってあるのかな? 人前でLBCSの話はタブーみたいだし、今度ネギ君に聞いてみるか。

 

「みんなー、LBXバトルの代わりにカードゲームやろー。勝った方がおやつ獲得のルールで!」

 

肉まん食べたら眠くなってきた……昨日はなかなか寝つけなかったし、今朝はアミに電話で起こされたっけ……

 

「ここで呪文カード発動! パルに5ダメージね」

「あーん、やられたー」

「花咲先輩もやる?」

「あたしはいいや。頭使うの苦手だし、なんか眠いし」

「今は無理しないで寝てた方がいいです。眠いと旅行は楽しめませんので……って、もう寝てるです……」

 

…………

 

………

 

……

 

 

「花咲さん、起きてください。京都に着きましたよ」

「ん~、着いたの?」

 

やれやれ、寝る時間はずらすもんじゃないね。

 

さて、清水寺に着く前にアミに電話しとこう。待ち合わせの場所を決めとかないとね。

 

 

To be continued




修学旅行の班分けを一部変更してます。さよちゃんを3班に入れたことで3班が六人になったので、ザジは3班ではなく1班(双子とチアリーダーの班)に入れました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。