あの後、メールで菫から部室裏に呼び出された。
「話ってなんだ?」
「こ、晃佑って誰とも付き合ったことないのよね?」
「ま、まあそうだが・・・・・・それがどうかしたんだ?」
「そ、そう。なら大丈夫よね」
「?」
「晃佑、藤原晃佑さん、私は貴方が好きです!こんな私で良ければ恋人になってください!」
「!・・・・・・俺ははっきり言って恋なんてしたこと無かった。でも今、菫に対して持ってる感情は憧れじゃない。これが恋って感覚なんだな・・・・・・」
「!じゃあ・・・・・・」
「俺も菫のことが好きだ!」
その言葉に反応した、菫は俺に抱き着いてくる。
「!・・・・・・ありがとう!」
菫の頭を撫でる。すると、こちらを覗き込んでくる視線を察知した。振り向くと悪い笑みを浮かべる姉さんと稜がいた。というか、全員が陰からこっそり見ていた。怜さんと球姫は何やってるんだよ。一応、睨みつけておいた。
「こ、晃佑!」
「な、なんだ?」
「次の休みに、そ、その、で、デートにい、行かない?」
「で、デート!い、行くか!」
「じゃあ、え、駅で10時に待ち合わせで!」
そう言ってその日は別れたが菫がサヨナラ打を打ったみたいにもみくちゃにされていた。その間にひっそりと帰ったが、後から帰ってきた姉さんに散々いじられた。
次の日の休み
大宮駅の駅前で待ち合わせをしているが早く来過ぎてしまった。今は待ち合わせ時刻の10時の30分前だ。改札を出て辺りを見渡すと、何故か菫がいた。どうやら向こうも早く来過ぎてしまったようだ。
「悪い、男の俺が待たせてしまって」
「ううん、私が早すぎただけだし、待ってないよ」
そう言って菫が振り向くと、ツインテールが良く似合うカジュアルスタイルの服を着こなしていた。さすがはオシャレ番長、とても綺麗というか可愛かった。
「そ、その、か、可愛いな。と、とても似合ってる」
「あ、ありがとう。晃佑もいつもよりか、かっこいいよ。でも、そんな服持っていたの?」
「・・・・・・昨日、姉さんが見繕ってくれた」
「そ、そうなんだ。じゃあ、行こっか」
そう言って菫は何気なく俺の手を握って歩き出す。お互い少し恥じらうもすぐに恋人繋ぎで歩き出す。向かった先はショッピングモールや映画館ではなく、まさかのバッティングセンターだった。いや、正確にはこの後、ショッピングモールに行くつもりだが、最初に行ったのはバッティングセンターだった。やはりこのカップルは二人とも野球選手だなと感じた瞬間だった。
「やっぱり、私たちはまずバッセンに行かなきゃ」
「意外だな、オシャレ番長って呼ばれてるからてっきり普通にデートするのかと思った」
「私も一応、晃佑ほどすごくないけど野球選手なんだから、一回二人で来てみたかったし・・・・・・」
「じゃあ、早速打つぞ!」
そう言って打席に入り一時間近くバットを振る。時間的にラストのコインを菫が入れる前にあることを尋ねてきた。
「ねえ、晃佑!もしホームランの当たったら、なんでもお願いを一つ聞くってどう?」
「・・・・・・面白いな、ただ2番打者にホームランが打てるのか怪しいけどな」
「晃佑、その情報は古いよ。メジャーやプロじゃ2番打者最強論だってあるんだから!」
そう言って意気揚々と打席に入る。既に七回ほどコインを入れているので鋭いあたりは出るが中々、打球の角度が上がらない。
「これは・・・・・・無理だな」
そうして勝利を確信していると最後の一球はいい角度で上がり、ホームランの的を直撃する。
「嘘だろ、どんな確率引いてるんだよ」
「これで、私は晃佑になにか一つお願い出来るのよね」
「そもそも俺らはなんでカップルで争ってたんだ・・・・・・」
「そうね、お願いね・・・・・・あ///」
「ん?どうした?」
「今度、晃佑の家に行ったらダメ?」
菫は恥ずかしそうに上目遣いで頼んでくる。まあ、約束もあるし了承するしかない。け、決して、菫の上目遣いに勝てないからでは無い。
「・・・・・・別に構わないが///」
「あ、デレたね!」
「で、デレてない!」
「じゃあ次はショッピングモールに行こう!」
そう言って近くのショッピングモールに行き、昼食時にあーんしたりして散々イチャイチャした。途中で智景さんに会って話していると修羅場になりかけたのはまた別の話。まあ、ならなかったけど相手が智景さんでホントに良かった。
作者に恋愛経験ないので告白の仕方とか言い方とかはっきりいって知りません!