あれから次の日、いつも通り練習に行くと二人増えていた。二人は野球経験者の中村希と初心者の大村白菊で入部希望らしい(武田談)。二人を外野で球拾いしながら遠目で二人のマシンバッティンクを眺めていると、最初に中村希が打席に入るようだ。中村は左打ちでマシンの投球を全て川﨑の立つマシンの方向に弾き返す。なかなかのミート力だと感じる。後で聞いた話だと越境組ではないが福岡から来たらしい。続いて大村白菊の打席の一球目は鋭く振り切り弾き返された打球は左中間に飛んだ。
そのままぐんぐん伸びてホームランになるかどうかの高さだ。俺はこの打球を取ってやろうと思いフェンス際まで加速しフェンス手前でジャンプして見事打球をキャッチすることに成功する。だが、格好つけたツケもしっかりと返ってきてフェンスに受け身を取らずに激突する。そして、フェンス際に倒れ込む。
「痛てて」
しばらくして痛みが落ち着いて起き上がると周りに姉さんと藤田が集まっていた。
「晃佑、大丈夫?」
「足が少し痛いけど後は大丈夫だ、姉さん」
「ちょっと藤原!膝から血が出てるじゃない!足も引きずってるし!理沙先輩、すいませんが消毒液取ってきて貰えますか?」
「はいはーい」
藤田にそう指摘され頼まれた姉さんがどこか嬉しそうに消毒液を取りに行く。
「そこまでしなくて大丈夫なんだが・・・・・・」
「ダメよ、バイ菌が入ったらどうするのよ。全く、稜ならまだしも藤原まで怪我してどうするのよ。試合じゃないんだからそこまで無茶しなくてもいいじゃない」
「・・・・・・悪い。外野手にとってホームランキャッチって一番華のあるプレーだからな、ついやってしまった。迷惑かけたな、藤田」
「分かったなら次から無茶ないでよ」
「ああ、そうする」
「後、これからはチームメイトなんだから名前で呼んでよ。このチーム同じ名字、二組いるから呼びにくいの。私も晃佑って呼ぶから」
「わ、分かった。善処する、菫」
「あらあら、私がいない間に仲睦まじくなってるわねー!」
「ちょ、ちょっと理沙先輩!何言ってるんですか!///」
「姉さん絶対分かってて言ってるだろ、消毒液を取ってくる割には遅いし。そんな悪い性格してるから彼氏が出来な痛い痛い痛い痛い痛い!」
少し皮肉をかましてやろうと思うと姉さんが無言で怪我した場所に消毒液をぶっかけてきた。そして、グラウンドに悲痛な叫びが聞こえていた。どうやら姉さんは彼氏が出来ないことを気にしていたらしい。
「さっき、物凄く痛そうにしてたけど大丈夫か、晃佑?」
「・・・・・・大丈夫だ、問題ない」
「それって大丈夫じゃない時に使うやつだよな・・・・・・」
怜さんと川﨑が心配してくれたが真実は話したらまた痛い目に合うのでもう言わない。
「こ、晃佑さん!あのキャッチ、ナイスプレーでした!」
大村が少し焦りながら称賛してくれる。
「え、えーと大村さん?あの後、ボールが飛んで来なかったけどもしかして待っててくれた?」
かなりお嬢様感を感じ思わずさん付けで読んでしまう。
「い、いえ・・・・・・あの後、一本も打てなくてですね・・・・・・」
「あれ以外、全部空振りしてたからな」
川﨑の一言で大村がしゅんとする。
「お、おう、なんか悪かったな」
「でもこれで、メンバーが揃ったね!」
「中村、いいのか?ここの野球部で?」
ここに来る前に中村は福岡の友人と全国で会うと約束していたらしい。
「・・・・・・いいよ、でも一緒に目指して欲しいっちゃっけど、全国を」
「人数も揃ったし!」
「チームの目標も決まったな!」
「よーし!全国目指そー!」
「「「おーーー!」」」
こうして新生新越谷高校野球部が結成された。
こんな感じでメンバーと絡ませていきたいと思います。理沙先輩の闇の部分は不評なら書き換えるつもりです。(作者自身も若干気がかり)