獅子王アルトリア・ペンドラゴンが行く異世界転移 作:アルトリア・ブラック(Main)
左手首がクッソ痛いし痺れてる…病院行っても湿布とかしか貰えないんだよなぁ
『ヘルシング』がアマゾンプライムでやってたから1話から見てたら途中からアーカードさんの声の良さと内容の濃さに脳内パンクして『しよーせつかかなきゃー!』と意味不明な言語しか喋れなくなった…
ー襲撃された村にてー
アルトリアたち一行はブリテン王国から出発して襲撃された村に来ていた。
目の前に広がる凄惨な光景にアルトリアは何も感じない自分に少し恐怖した。
(これが異形種に変化したせいなんだろう…)
ラキュース達は村人たちの遺体に治癒魔法をかける。
本来なら遺体に魔法をかけるなんて贅沢なことはしない。
だが、遺体の数々は喰われたせいなのか片腕がなかったり等、何かしらの欠損があった。
アルトリアは仮のテントに入ると続けてランスロットが入ってくる
「…村人の遺体治療は終わりそうか?」
そう問いかけるとランスロットが静かに『はい』と頷く
目の前にある果物を見つめる
(…こうやってアインズも人らしさを欠いて行ったのか…いや…アインズの場合は少し違うか…)
自分のギルドにいた友たちはどちらかというと素の状態で人間性を欠いているような人間がいたりした。
特に良い例はキングハサンの創造主であるオジマンディアスが良い例だろう。
リアルでも何回か会ったが【オジマンディアス】という性格そのものだった。
だからこそ仲良くなれたこともあるだろうが
アインズは、モモンガは仲間を何よりも最重要視する。
度重なるキャメロットとナザリックの戦闘ではオジマンディアスが『ナザリックの設備について』悪口を言った際は激しく激怒していたことを思い出す。
アルトリアはジュースを飲むと、ふとテントの隙間から外を見る
ラキュース達が遺体を見て悲しい表情を浮かべていた。悔しそうに拳を握りしめていた。
「ランスロット」
「はっ」
「ラキュース達の手助けをしてやってくれ」
「トリスタンと交代致します」
「いや、それはいい。二人で応援に行ってやれ」
「…かしこまりました」
そう言ってランスロットが退出するとブゥンという低い音と共にキングハサンが現れる
(…いつ見ても怖いなぁ…しかし、種族はアインズと同じアンデット系だし…)
キングハサンは先ほどまでランスロットが立っていた位置に立つと黒い大剣を地面に突き刺す。
「山の翁、今回の事についてお前はどう思う?」
ビーストマン討伐については無論実行するつもりだ。
しかし、アルトリアの…人間だった頃の残滓の所為なのか、ビーストマンを殲滅する事を躊躇っている部分もあった。
『聖伐』などをしている自分が何を今更と言われたらそれまでなのだが、聖伐とは明らかに事情が異なる。
「どう、とは、それは滅ぼすべきか否かのことか?」
山の翁の重低音の声に少しだけ怖く感じてしまうのは悪くない。
「あぁ、私としては自分の民に手を出したビーストマン達は許すべきものではないと思っているし、無論、話があった以上は滅ぼすことは確定だ。しかし、彼らにとっての食料は『人間』という事だけで全てを滅ぼすべき事なのだろうか?人間が豚や牛を食糧にするように彼らは…悪い、忘れてくれ」
アルトリアは頭を振りそう呟く
(…どうかしてるなぁ…私、いろいろ考えた所為で話がこんがらがってる…王としてここは制裁を加えるべきだろうが…)
キングハサンは少し考えたような空気を出した後
「どう足掻いたとてビーストマンと分かり合えないのは事実だ。人間を食糧にしている以上」
キングハサンはアルトリアを見て言う
「そうだな、おかしな事を言った許してくれ」
アルトリアは立ち上がろうとすると…
「陛下!この村を襲撃したビーストマン達を発見致しました!」
粛清の騎士の報告を聞き、そちらに向かうことにした。
「敵は硬い外装に守られているそうだ。流石にワールドアイテムを無効化する程の外装ではないだろうが用心するに越したことはない」
「はっ!」
「ランスロットは青の薔薇達と向かい、トリスタンは周囲に敵の気配がないか確認しろ。山の翁は私と共に来てくれ」
「了解した」
「なんか騒がしくなってねぇか?」
村人達の遺体を治癒していた際にブリテン王国の騎士達が慌ただしく動き出したのを見たガガーランが口にする。
「…そうね、何かあったのかしら?」
村人たちから目線を離さないで言うと…
「ラキュース、王が来た」
ティアの声に顔を上げ後ろを見るとアルトリアがテントから出て歩いて来ていた。
やってくるアルトリアは村人達の遺体を見ると少し目をつぶって祈るような仕草をする。
それがまるで人間のようでラキュースは警戒心が薄れる
「ラキュース卿、一つ聞きたいことがある」
「はい、なんでしょうか」
「彼らを生き返らせる行為は悪か?」
アルトリアの言葉にラキュースは固まる
死んだ村人達は200人以上いる。
彼ら一人一人を蘇生するのに蘇生魔法は魔力が足りなくなる。
ガセフの時もそうだったが、人一人を復活させることしかできないのだ。
しかし、アルトリアの口ぶりからして全員を蘇生することはできる、と言っているように等しかった。
「…いえ、蘇生させる事は悪ではありません…しかし、彼らはほとんど力を持たない村人達です。復活させた後、もしも後遺症等があれば…」
その言葉にアルトリアは少し考えた後
「ラキュース卿、貴公はこの村人達を蘇生させたいか?」
「!」
アルトリアの言葉にラキュースは息を呑む
「…陛下は…そんな事ができるのですか…?力のない無辜の人々を蘇生する事が…」
「断言は出来ないが、完璧な形なら出来るだろう」
その言葉にラキュースは後ろを振り返る。
後ろには眠っている遺体や苦しげな表情のままの遺体、泣いて手を伸ばした状態で固まっている遺体などがあった。
彼らを復活させてあげることが出来るならどれだけ良いか
ラキュースは「お願いします」と深く頭を下げる
アルトリアはそれを見て何か構えるような仕草を見せる。
「聖槍抜錨」
「「「!!!」」」
巨大な光の塔が立つ
「聖槍よ、ここにあるすべての魂を回収し、再構築しろ」
そう告げると聖槍が光り出し結界を作る
「蘇生には1時間ほど掛かる…か、その間にビーストマン達を追撃するか、ランスロット、トリスタン、山の翁行くぞ、軍は…」
「私達も行きます」
ラキュースの言葉にアルトリアは止まる。
「何が起こるか分からないが良いのか」
「はい、このままここに居るわけには行きません。私達も彼らの敵討ちをしたいのです」
ラキュースの強い瞳にアルトリアは「分かった」と告げる。
「ランスロット卿、ラキュース達の警護を頼む」
「はっ」
次回、戦闘回に入りたい