獅子王アルトリア・ペンドラゴンが行く異世界転移 作:アルトリア・ブラック(Main)
手首と腕いてぇ…
ーネイアー
獅子王陛下をあそこまで怒らせたのは団長が初なんじゃないかと思っていた
ネイアにとって獅子王陛下やその騎士達はもう神にも等しい存在に他ならないと思っていた
魔導国の刺客であるマーレというエルフはどう見ても強かった
言葉では表すことのできないぐらいの戦いを見せられた後、レメディオス含めた聖騎士団員の戦いは地味すぎた
(グスターボ副団長の土下座、すごい綺麗だったなぁ…)
プライドすら投げ打って自らの団長の暴走を謝罪したグスターボ副団長には素直に尊敬した。
(獅子王様のあの絶対零度の怒りを浴びて置いてまだ要求できた団長もすごいけど…)
聖王女の首の捜索はこちらで行うことになり、増えた仕事にため息をつく
焚き火の前で火に当たっていると…
「お隣いいですか?」
そう言って声をかけてくる人物を見てはっとなる
「ジャンヌ様!」
大声を上げようとしたネイアに『シー!』と言ってくる
慌てて口を閉じると、ネイアの隣にスープを持って座る
「聖王女の首の捜索についてなんですけど、私も協力することになりました」
その言葉に『そんな、あれだけの不敬を皆様に働いたのにも関わらず…申し訳ないです』
あの一部始終を見ていた国民達からはレメディオスに対して『あの聖騎士団長、本当に何様なんだろうな』や『あれだけ動いてくださった陛下達を罵倒するなんて神経をやったんじゃないか?』との不満が出ていた
レメディオスは無駄に力がある以上、団長の席において置くことはできなかったが、グスターボ副団長と数名の部下がが行動して団長としての地位はそのままだが、大きな命令権をグスターボに移動しさせた。
「あぁ、それは気にしていないので大丈夫ですよ」
獅子王陛下はあの場では怒っていたが、それはあまりにも部下に対しての労いが欠けていること、聖王女や自分の妹の行方が分からない不安を当たり散らかして良い理由になんてないという事を責めただけだと
「陛下ってそんな簡単に見捨てないので大丈夫ですよ、関わった以上最後まで守る、そういう人です」
「…そう、なんですか」
獅子王陛下の懐の広さに驚く
アレは見ていても正直不快だった。
「まぁ、聖王女様が復活されたら団長殿関連の要求はされるとは思いますけど…」
苦笑いしながら言うジャンヌ『あの人は誰かの上に立つに相応しくないとか言ってましたけど』と呟く
自分の上司だから大っぴらには言えないが、確かにと思う
「これから複数の悪魔が召喚された場所に聖騎士団員の皆様と行くことになってます。もちろん情報提供はしていますけど、あの聖騎士団団長がどこまで信じるかわかりませんが、頭部だけを持ち去る悪魔は複数います」
「いるんですか?!」
情けない話、聖騎士団員達は悪魔の種類を全部知っている訳ではない。
今まで戦った収容所にいた悪魔から推定して装備を整えているだけにすぎない
それに比べて、陛下達は数多の悪魔の情報を知っていると言うことだった。しかし、情報はタダではないし、あんな愚弄を働いた聖騎士団団長に教えるかはわからないし、教えたところで信じないだろうと言うのが王の判断だった
だからこそ、ネイアにジャンヌをつけて別行動さたという話しだった
『頭冠の悪魔』奴が聖王女の首を持っているんじゃないかという話だった
「さて、その悪魔討伐のためにギリギリまで休みましょう」
そう言って今日の夕方出発することを話される
横になり目を閉じる
ージャンヌー
獅子王・アルトリアが世界が変わったこの世界で王政を敷いたと言うのはキャメロットにいる時から聞いていた
あの人は私を作った創造主の親友の一人だった
私を創った人はとても優しい人で、現実というものはわからないけれど、私に人間の愚かさをたくさん教えてくれた
それでも、人間を嫌いにならないでほしい、人間はそういうものだと諦めないでほしい、人間を恨むのは簡単で殺すのは最も簡単だから、人間を愛してほしいと私に教えてくれた
そして、あの人と話している主を見たことがあった
主の生き方があの人を変えたのかもしれない。あの人の根底には人間愛で満ちているけれど、そこに人間への絶望もあった。だからこそ、人間を選別しているのかもしれない
『人間とは犠牲がなくては生を謳歌できぬ獣の名だ』
そう言った主の仲間がいた。主は彼らと喧嘩し、キャメロットから去られてしまった。
そのことに悲しみは覚えど、会いたいとは思わなかった。
主の生き方は、心は歪んだ形であの人の心に根付いてしまった
「……」
食事を摂って休んでいるネイアを見る
ネイアはこの世界の人間で、決してレベルは高くない人間だ
あの人やガウェイン達に比べれば赤子のように簡単に捻り潰せるかもしれない存在
でも、ネイアから感じらるのはこの国を愛しているということ、この国の民のために命をかけているというのは伝わってきた
辺りの聖騎士が動き出したのを見てネイアを起こす
「ネイアさん、いきましょう」
そう声をかけるとバッと飛び起きる
今度はネイアも馬を持っていたのか、ネイアとジャンヌ別別で頭冠の悪魔がいるであろう地点に向かっていく
「失礼ですが…ジャンヌ様は復活魔法が使えるんですか…?」
聖王女を復活させるために必要だと言っていたのを思い出す
「…使えます。でも、聖王女を復活させるのは少しだけ困難だと思われます。あんな状態です。首を刎ねられた上、その首が無事でも蘇生する関係で本人には相当な苦痛があると思いますが…」
聖王女の下半身はだいぶボロボロだった、それを修復魔法で治したところで首の状態にもよる
復活する際に、本人の魂が蘇生を拒否したらどんな上位の魔法でも復活させられないことがある。逆に言えば蘇った後、死んだ時のことを覚えていれば再びショック死してしまうことがありえる
「……陛下の力でも無理なのでしょうか?」
ネイアの言葉に『蘇生魔法はそんな便利なものではありませんし…陛下がやるとなれば…完全に別物になってしまう場合がありますし…』と言うとネイアもうーんと悩んでいたが、悪魔の気配が前方からしてくる
「前方から悪魔の気配です!!」
その言葉でネイアもハッとなり弓を構える
ー獅子王ー
アルトリアはテントからジャンヌ達の様子を見ていた
頭冠の悪魔は正直、そんな強くない
ジャンヌだけでも問題なかったのだが、ジャンヌがネイアを気に入っているようなところがあったので、もし、首が見つかった場合の証人としてネイアも同行させることにした
「ジャンヌ殿が着いておりますが、あの弓兵がいることで返って大変なことにならないでしょうか?」
ランスロットの言葉にガウェインも『確かに…』と言っていた
「前線で戦わせないとしても、ジャンヌ一人で首を持ち帰ったら逆に我が国の計略だと思われかねないだろう」
ブリテン王国側の援軍が聖王国内で活躍し、国民達はアルトリアにいくら感謝しているとしても、レメディオスの暴走がある以上、安易にこの国から出発できない
「あのグスターボって副団長大変そうだったしなぁ…」
モードレットの言葉に(それなぁ…)と脳内で呟く
他国が勝手に破滅するのは構わないのだが、関わった以上、最後まで責任を取りたいと言うのが私の気持ちだった。
「それに、他の王族を探すよりもこちらの方が納得がいくだろう」
聖王国に王族がいないまま宙ぶらりんだと内乱の元になる。そこまで責任を負えるのかというと全然取れない
「こいつじゃねぇか?その聖王女の首って、こっちはなんか女の首持ってるけど…どっちだ?」
モードレットの言葉に画面を見ると、二つの首を持った悪魔がネイア達に向かって行った
ネイアの口の動きを呼んでいたが、聖王女の首らしかった
ジャンヌが攻撃を交わしながら戦っていた。
「相変わらず、旗なのに殴打する力強ぇな…ガウェインみてぇ」
「…………」
モードレットのツッコミを流しながら見ていると、ジャンヌがネイアを回復させ、その瞬間にネイアが頭冠の悪魔を討ち滅ぼす
「…少し時間はかかったが、終わったな」
そう言って画面を消すとガウェインが「準備して参ります」と言ってテントの外へ行く
「ジャンヌ達を迎えに行こう」
そう言ってランスロットとモードレットを連れて外へ行く
ネイアが確認したのは聖王女の首と神官の首の二名だった
「…蘇生は出来るとは思いますが…神官様の方は無理かと思われます…腐敗が凄まじい…」
そう言うとグスターボは『聖王女様だけでも出来るのならば…』と頭を下げていた
レメディオスがいないことに気づく
「そちらの団長がいないが…」
そう言うとグスターボは頭を下げ『妹君の首を見て錯乱しており、この場には欠席させていただいています』と言われる
「…そうか、妹であったのか」
まぁ、人なのだから混乱しておかしくなっても仕方ないだろう
「ジャンヌ、良いか?」
そう言うと『やってみます』と言ってその場から離れ、地面に旗を刺して魔法を発動させる
獅子王の治世は一体いつまで続くのでしょうかね(他人事)
本が手元にないからネイアの活躍を詳しく書けなかった