獅子王アルトリア・ペンドラゴンが行く異世界転移 作:アルトリア・ブラック(Main)
ースレイン法国ー
スレイン法国国民達に新たな国家であるブリテン王国の王とその兵達がやって来るという話は通達されていた。
国家間の問題になるから、国民達は離れた場所から歓声を上げるだけにするようにと言われていた。
「…す、凄いな…」
男の言葉に近くにいた男も唾を飲み込む
圧倒的な煌びやかさの馬車に、あらゆる高価な装飾のされた馬車
馬も普通の馬よりも遥かに強い
馬車の前を先導している騎士達個人個人も圧倒的強者のそれだった。
(…分かってはいたが、十分に化け物すぎる…)
漆黒聖典第一次席次は仮面を変え、神官長達が待機している場所の兵士達に紛れ込んで眺めていた。
あの腐った国を一瞬で変え、魔導王が放ったあの神話級の化け物をたった一振りで倒せる実力者の乗る馬車
(いっそ化け物が出て来てくれた方が嬉しいな)
神官長達が揃ってかの王の到着を待っていた。
豪華な馬車が目の前に来てその後ろから真っ赤な髪の騎士が降りてくる。
(…嘘だろ…一騎士でこれ…?)
第一席次は現れた騎士でさえ自分は勝てないと確信する。
「獅子王陛下。スレイン法国に到着しました」
その言葉と共に現れた存在を見て神官長達も息を呑む
絶世の美女、強い緑色の瞳、圧倒的強者
第一席次は自分が強者だと持て囃されていたが、自分より遥か上の、下手したら番外席次よりも強い存在を目の当たりにして息が詰まらそうだった。
神官長達もあまりにも凄い美貌と迫力に圧倒されていると
「お初にお目にかかる。ブリテン王国獅子王、アルトリア・ペンドラゴンだ。今回の視察、迷惑をかけると思うがよろしく頼む」
そう笑顔で言ってくるかの王にレイモンはハッとなり挨拶する。
「長旅お疲れでしょう。獅子王陛下、短い期間ですが、ホテルをご案内します」
ベレニスの言葉に「そうさせてもらおう」と獅子王が言う。
移動しようとした時にチラリとこちらを見てくる獅子王
ホテルに入り、最高級の部屋に案内し、お互いの話になる。
獅子王は今回の同盟に関しては乗り気と捉えて良いのか、同盟を考えている素振りを見せていた。
しかし、一つ返事で良いとは言ってはいなかった。
「獅子王陛下…?どうされましたか?」
先ほどから獅子王は第一席次の方を見ていた。そして、スレイン法国の最奥に位置する方向まで
もしかして、見えているのか?と思っていると
「…六大神についての話も色々聞きたい。貴殿らとの同盟もやぶさかではないと思っている」
「「!!」」
その言葉に獅子王の後ろにいた騎士二人が驚いていた。
「しかし、私は、一カ国だけの同盟は考えていない」
アルトリアは猛烈に胃が痛かった。
スレイン法国が用意したホテルに泊まるというのは流石に気が引けたので、転移魔法でトリスタン達と共に戻ってくる。
滞在していると向こうには思わせてはいるが
(…にしたって頭が痛いな…スレイン法国の話ぶりじゃ、モモンガさんは討伐対象だし…そもそもスレイン法国には高レベルの人間もいる…敵には回せない…)
スレイン法国からの話と評議国からの話は大体似通っている。
リ・エスティーゼ王国の兵士を17万程は虐殺したアンデットの国家、スレイン法国の秘密部隊とやらを滅ぼしたのはモモンガさんで確定している。
(………アバターに感情が引っ張られるのは今に始まったことじゃない、少なくともモモンガさんは加虐趣味のある人ではなかった…それがアンデットになったことでワーカーを誘き寄せたり、ナザリックの為なら何でもするようになってしまった…いや…少なくとも片鱗はあったか…?)
かつての友人の一人・オジマンディアスが言っていた。
『たかがゲームに依存し、辞めたウルベルト達が帰って来ると思っている狂人』と
(…まぁ、かくゆう私も最終日までキャメロットにいたけど…)
別に一人でキャメロットにいるのは構わなかった、というか精魂込めて作った騎士達を眺めて終わるのも良いかなと思っていた。
所詮はゲームであるし、現実世界では私はただの女として、好きでもない相手との結婚をして家庭を築いて終わる人生だった。
ユグドラシルの代わりでも出来たらまたそれにハマっていたのかもしれない。
私のリアル友人を死に追いやったあのクソみたいな親の所で
天幕のかかったベットから外を眺める
この世界に転移して来て、モモンガは、アインズはどう考えても惨たらしく殺される魔王系だ。
スレイン法国はかなり念を押してアンデットの国を滅ぼそうと口酸っぱく言うし、評議国に関しては未だに判断がつかないが、こちらに関してヤケに友好的な態度を見せているように感じる。
身支度を整えて法国のホテルに転移する
それから法国内の案内になる。
案内人は女性な神官長で、彼女の話を聞きながら法国民が幸せそうに暮らしているのを見ていた。
(王国のように治安が悪い様子もないし、転移する前の世界よりも設備は整ってる…青空が見えるというのもありなんだろうけど…)
ベレニスと名乗った女性はいかに人間が弱者であり、守るべき存在なのかという話も交えつつ、人間を守ってくれている獅子王への感謝を言ってくる。
(…人間が弱者か、まぁ、この世界じゃ弱者だが…)
転移前の世界のことを思い出し思わず眉間に皺を寄せるとベレニスがビクつくのがわかる。
「考え事をしてしまった。すまない」
「いえ、問題ありません」
「しかし、人間が弱者か…確かに人間には牙も硬い皮膚も長い爪もない。異形種によってたかられたら間違いなく滅ぼされるだろう」
六大神の存在は薄々プレイヤーの中でも人間種。
人間として最強クラスの実力者達だったのだろう。
自分たちは異形種でワールドが違ったから軽い雑談程度にしか話したことはない。
そもそも、闇の神として祀られている存在を考えればあのギルドで間違いないのだろうが、彼らは彼らなりに人間を守ろうとしたのと同時に…
(…あんな世界のようにはさせたくなかったんだろうな)
転移前の世界は実に淀んだ世界だった。
富裕層と貧困層が二極化され、富裕層は常に貧困層から何もかも巻き上げていた。
貧困層に嫌がらせじみた行為をしていたギルメンの一人を思い出す。
ユグドラシルの運営だって、ゲームバランスが崩壊しかねないぐらいのバランスを取っていた。
エクスカリバーや他のワールドアイテムや神器級アイテムなんて金額が馬鹿みたいに高い。
とはいえ、貧困層からしてみても買えないレベルではない。
人生の半分を滅ぼす覚悟で働けば手に入るレベルの武器。
しかし、その武器を手に入れるのはいつだって富裕層だった。貧困層は彼らから奪い取り獲得するようなバランスだった。
「獅子王陛下、どうされましたか?」
ベレニスの言葉にハッとなる。
考え事をしすぎて視察にならない。
「いや、六大神というのは実に素晴らしい神々だったのだなと思ったのだ。私としても見習いたい」
自分の国を作った神々を褒められれば当然嬉しいと思うのだろう。
ベレニスは嬉しそうにありがとうございますと話していた。
案内も一通り終わり、神殿に戻る道すがら
「ところでベレニス殿。この国にはかなり強い戦士が多いようだ」
そう聞くとベレニスはビクつく
「最初に顔合わせしたあの青年も見たところ相当強そうだったし、神殿の最奥辺りか?そこからも強者を感じた。同盟したいのは山々なのだが、こうも隠し事をされては良い気分はしないし、何より…」
法国に視察する前…王国をブリテンに変えてから何名かのスパイと言って良いような存在がブリテンに入って来ているのは確認している。
エミヤアサシンやハサン達も確認している。
捕まえなかったのは無害であり、なおかつ、敵対行動は取らなかったから
「スパイを潜り込ませるのならもう少し器用にした方が良いと思うぞ」
アサシン達は気配遮断を持っている。
それこそ、レベル100のプレイヤーにだってギリギリまで近づかないと反応できない場合もある。
(直感スキルがあるモードレッドや勘で察知するガウェインは別)
とりあえず、自分のできることは法国がどこまで本当のことを言うか
謎の高レベル人物を連れてくるのか誤魔化すのかで話は変わる。
スレイン法国よりも評議国を敵に回すのが余程危険行為だと思っていたからだ。
書きながら思った、書くのって難しい。ピッコマとかでチートすぎてつまんなくなったなぁとか思ったけど、書き手としてはどうやってチートを倒せるか・互角にやれるかを考えないといけないから脳が溶ける