獅子王アルトリア・ペンドラゴンが行く異世界転移 作:アルトリア・ブラック(Main)
並行していますが、バルブロやボウロロープ公のいる場所が違ったりします。
キャメロット軍が訪問してから数週間後、ガセフは通常の業務に戻り王国の兵士達を鍛えるために歩いていた。
(…あの御仁はやはり、ゴウン殿と同等以上の力を持っていた…山一つ容易く吹き飛ばすことができるとは…)
キャメロットは確かに"人間で構成されて"いるものの個々の戦闘能力は王国以上いや、手の届かぬ位置にあるのかもしれない。
その気になればこの王国を滅ぼすことも容易く出来るだろう。
すると、剣を振るう音が人気のないところから聴こえて来る
「ふんっ!」
(…あれは、クライムか…)
平民出身でありながら"黄金"と称されるラナー王女の身辺を任された兵士の一人だ。
「それ以上剣を振るうな、クライム」
「!ストロノーフ様!申し訳ありません」
「分かっているのなら何度も言わせないで欲しいがな」
「…はい」
「そうだクライム、一つ剣を交えてみないか?」
「ストロノーフ様とですか?!」
「あぁ」
「…しかし」
クライムが迷う理由は分かる。どう転んでも王派閥の人間や貴族派閥の人間に付け込まれるから稽古が出来ないと言いたいのだろう。
「…つい最近、己の実力に限界があると思い始めていたのだ」
「ストロノーフ様が…?」
「二度も強者に相対し、己の無力さを思い知った。一人目はアインズ・ウール・ゴウン殿、二人目は先日訪問されたアルトリア・ペンドラゴン殿だ」
「!一人目の方は知りませんでしたが、二人目の方は知っております。ラナー様が話されておりました。確か山を吹き飛ばした辺境の王だと」
「あぁ、計り知れない強さを持っておられた。その気になれば王国を滅ぼすことも出来るだろう」
「!!!」
クライムの表情が険しくなる。
「アルトリア殿は女性でありながら数多の強者達を纏め上げ、抑え込む力も持っておられた。今後は王国との同盟関係で進むらしい、クライムも知っておくといい」
「はい!!その名を胸に刻み込みます!」
王国内は古き昔の王国みたいな感じであった。
(道は整備されていない上に、人々の目に活気がない…うーん、何の魅力もない国だな…)
馬に乗らず歩いて王国内を見ていた。
(しっかし…!大丈夫か、この王国、さっきから兵士とすれ違ってるのに顔をみて驚いて来ないなんて…)
どうやらあの訪問から王国は変わらないようだった。
仮にも山を吹き飛ばした者が魔力を抑えてではあるものの、目の前を普通に歩いているのに兵士達は何も反応しない。
別嬪がいると言って話しかけて来る人間がいるが、その度にランスロットが『我が王…主人に触らないで頂けますか』と男の腕を粉砕骨折させる並みに握り込んで抑えて来る
「…ハァ、なんかいろいろ期待はずれだったな」
休息を取るために宿を借りるとモルガンが疑問そうに『失礼ですが、このような王国を視察に来られた理由をお聞きしてよろしいですか』と訪ねて来る
「王国の現状の視察が第一だが、問題を王国の王に突きつけ王国を根底から変えようと思ったのだが…なんか問題が多すぎて何を突きつけたら良いのか分からなくなって来たな…」
「奴隷売買に強盗、殺人…このような全ての犯罪が行われている街など初めてみました。それに、貴族達の腐敗がひどい、皆問題を棚上げし権力闘争に明け暮れております。これではいつ問題が解決するのやら分かりません」
ランスロットの言葉は確かに的を射ている
腐敗しきる貴族達、統制のとれていない法律
兵士が金で買収されている現状
「そうだな、確かに酷い現状だ、アサシンの情報によれば八本指がこの王国を裏から操る存在らしい。それらについて調査を頼めるか?ランスロット」
「お任せを」
そう言ってランスロットが退出する。
ランスロットは鎧姿から軽装に着替え王国内を歩いていた。見つからないと思った八本指はすぐに見つかった。
(隠すつもりがあるのだろうか)
役人は醜い笑顔を向け、公然と奴隷売買について話していた
いくら裏路地であろうと誰が来るか分からない外であんなに話すだろうか?
「ランスロット様、アサシンを向かわせますか?」
「あぁ、あの頰に傷がある男に着いて行き調べろ」
「かしこまりました」
そう言って消える
数分が経過するとアサシンから連絡が入る
《ランスロット様、八本指のアジトを突き止めました》
『…早いな、レベルは大体どれくらいだ?』
《30にも満たないかと》
『30以下か…中の様子はどうなっている?』
《奴隷売買の巣窟になっております。なにやら表に人が集まっているようです》
『そうか、分かった。転移してそちらに行く』
《かしこまりました》
ランスロットはアサシンとの連絡を切った後、主人であるアルトリアに連絡を取る
『陛下、八本指のアジトを見つけました』
《…早いな、今日調査に来て今日見つけるとは…》
『はい、これから複数人を捕まえに行きます』
《分かった。危険があればすぐに戻って来るように》
『はい、かしこまりました』
ランスロットは転移して八本指のアジトの中に入る
山のようにある書類の中に貴族達の名簿にあきれ返る
「……もう、滅ぼした方が早いと王に進言してみよう」
市民に罪はない。滅ぼすのは王国の貴族達だけに限れば良い
書類をアサシンに渡し、念のために辺りを見渡し出口に向けて歩き出す
「……これは」
死体の山を見て人の仕業ではない殺し方にしゃがみこみ【上位死体探知】を行う。
死体が誰に殺されたか過去を調べるスキルだ
「……セバス・チャンか」
ナザリック地下大墳墓のメンバーがここの襲撃に関わっていた。
「…早く撤退するか」
そう言って王都側の方を見るとそこには巨大な炎の壁が出来ていた。
あれば恐らくナザリックの仕業だ
転移して主人が待っている宿に戻る
「ただいま戻りました」
「…あぁ、入ってくれ」
「?いかがなさいました。陛下」
そこには呆れ返っているアルトリアが座っていた。
「バカはバカだと思っていたが、あそこまでバカだと思わなかった…」
「?モルガン、何かあったのですか?」
ランスロットは隣で同じく呆れ返っているモルガンに聞くと
「キャメロットから王が出かけたのを見ていた王国の貴族派閥の人間がバルブロ王子に知らせ、キャメロットを7万の軍で降伏させようと進軍したとのことです」
「………バカ?」
思わず素が出ると『バカですよね本当に』とモルガンが言ってくる
「…王国の王は止めなかったんでしょうか?」
ランスロットの疑問にアルトリアは『今、王都は悪魔達の襲撃に遭ってる。王はそちらに掛かっているせいで王子の動きを見ていなかったんだろう』と言ってくる
「ガウェインとモードレッド達に任せてある。我々はここで様子を見よう」
そう言って鏡を出す
ナザリックと絡ませるのはまだ少し先でございます。だって高確率で戦闘になります。
次回、やっと戦闘シーンになります