この素晴らしい英霊たちと異世界へ!   作:もえみ

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お気に入り登録、評価、ここ好きありがとうございます。

いつもより少し長めになっています。
まとめきれませんでした。


最後に、特定のキャラの扱いが悪くなっております。お気をつけくださいませ。

それでは本編へどうぞ。


第十二話 思いがけないカミングアウト

紫式部は怒るのか?それは簡単な質問である。怒るよ、めっちゃ。さっきまで怒られてたからね。理由は自分が悪いから仕方がない。

昨日、アクセル街にはベルディアによる襲撃があった。感情に振り回され、戦いの中へ飛び出したのは私だ。ベルディアが油断していて、さらにこちらを殺す気がなかったから私は大きなケガもせずに今を過ごせている。

 

―ちなみに魔王軍関連のお仕事だと分かったので私たちに出されていたクエストは正式に下げられた。

 

カオルコが遅れてきたのは、お店に来ていたお客をそれぞれ家まで送っていたかららしい。昨日は文字の練習を開いていた日だから子供が多く、時間が掛かったのだろう。

 

 

 

「では、本日はお店のお手伝いをしていただきますからね」

「はーい」

はいは短く

「はい」

 

 

 

いつもはほわほわしてるのに声が鋭い。ダクネスほど低くはないけど、いつもよりもダクネスの声に寄っている。

 

あ、興奮したダクネスの声が脳内でっ!!出てけ!袈裟固めをねだるな!あれ、結構しんどいんだからね!

脳内のダクネスは最近私の前でも良く出すようになった変態モードで私にすり寄って来ていたが、カオルコが私の手を取ったことで現実に戻ってきた。

 

 

 

「さあ食事と致しましょう」

「ミコに任せっきりって初めてだからちょっと心配」

「ミコも料理はできますよ」

「我々、食を求める日本人だからねー」

 

 

 

違う。

ミコの方が美味しいってなったら困る。私の仕事を奪われたら、クソ弱い上に存在理由がなくなり、なめくじマスターが誕生する。料理、もっと頑張ろう。料理スキルは意地でもとらないけど。

カオルコたちは弱くていいと言ってくれるがこれは私の矜持だ。

 

私にとって、彼女らは家族。家族とは同等で居たい。我儘は分かってるけど、料理は譲らない!!

 

 

 

「カオルコ、お説教は終わり?」

「ええ、飛び出してしまった理由は分かりましたし。次に同じことをしないでしょう?」

「うん。冷静じゃなかった」

 

 

今回、アクア様のことがすっかり抜けていた。()()()だったわ、彼女。

カエルに食べられそうになったりとか、シュワシュワ飲み過ぎて吐きそうになってたりとか、キャベツの叩き売りが残ってしまって怒られていたりとか、宴会芸をされている姿とかを見ていると忘れてしまっていた。

私が見た彼女の女神らしい姿って、初めて出会ったあの瞬間だけじゃなかろうか?あの子供っぽさは憎めないけど、女神様っぽくはない。

 

 

そして自分のクソ雑魚レベル。王都でも有名なPTを蹴散らしている賞金首なベルディア。

 

力量が違い過ぎる。そんな相手に喰ってかかってもっと怒らせたらどうするのだ。最悪嬲られるだけで、死ぬしかなかったかもしれない。

 

ちゃんと分かっていると理解いただけたようで、と笑ったカオルコが口を開く前に言葉をつづけた。

陽気なオッキーに私は焦る。もしかして?

 

 

 

「それよりオッキー締切は?」

「ギルドの仕事を受けたから延びてるよー」

「でも()()()()()だったからキャンセルって言ったよね?」

「え、」

「締切は変わらないよね?」

 

「あっ」

 

 

 

冷や汗ダラダラになったオッキーは声にならない悲鳴をあげて自分の部屋に走って行った。後でご飯差し入れよう。

今回の締切は漫画ではなく、小説。お忘れかも知れないが、現在の彼女は漫画家兼小説家。矛盾がないか見てあげるくらいだから、大したことが手伝えない。まあ、本当にダメだったら踏み倒せばいいよ。某劇作作家は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とかいうらしいし。

 

 

 

 

 

 

食事も終わり、私が店番している横の部屋でカオルコは子供達に文字を教えたり、手紙の添削をしていた。怒っていた朝方の表情と違って、素敵な笑顔だった。子どもたちにジェラシーを感じるよ。普段私に向けられているからいいんだけどね。

 

寂しい気持ちを抱えたまま、本棚に手を伸ばした。今日は日本の小説で行こう。

○○ですが、何か?

アニメから入った勢だけど、なろう系も大好きです。クモ子さんの生きようとする心意気は素晴らしく尊敬できる。このすば世界線が存在するのだから、きっとこの世界線もあるのだろう。平進高校の皆さま、頑張って生きて。

 

閑話休題(それはおいといて)

 

ひまである。

 

ギルドの仕事ならやることはいくらでもあるから、手を空けることはあっても、ひまっていうのは本当に少ない。

しかし、今日はカオルコのお手伝い。いつもならカオルコと話しているのがメインでたまに来るお客の対応をするくらいなので、手持ち無沙汰になることはまずない。療養も兼ねているようで、私に仕事をさせないつもりだな・・・。本を読むにもいつ来るか分からない客を待ちながらだとなかなか読書に集中できない。くそう・・・。

 

ひーまーだー。ひーまー。ひーまー

 

机に身体を預け、ばたつかせた。こういう時間が久しぶり過ぎて落ち着かない。カオルコはばたつかせた音に気が付いたようでこちらを覗いた。いつもの笑顔です。はい、好き。

 

 

口パクで告げる。

 

 

ひ・ま

 

 

 

彼女は一息つくと、子どもたちに休憩を告げるとこちらに来てくれた。

 

 

 

「昨日の振り替えですから辛抱してください」

「それは分かってる。でも暇だもん」

「いいことですよ」

 

 

 

生き急ぐ必要もなく、のんびりと平和な時間。あの時アクア様がおらず、ダクネスの死の宣告が解呪出来ていなければこんな風に過ごすことはなかっただろう。

確かにこの時間は私の理想の時間だ。彼女もそれには賛同してくれるだろう。

 

仕置きといいつつ、私に甘い彼女は机に身体を預けたままの私の頭を撫でてくれる。あー、本当に幸せな時間。ギルティだけど許して。オッキーもミコもなんだかんだ甘やかしてくれる。それはとても嬉しいのだがダメになるので仕事をさせて。急務

目で訴えても素敵な笑顔が返ってくるだけ。美人は目の保養である。今は誰にも見られていないから存分に甘えられる。カオルコの手は癒しの手だなぁ。

 

残念ながら休憩は終わり子どもたちもちゃんと席についていた。時間厳守出来ていて本当に偉い。カオルコは最後に頭ごと私をぎゅっとしてから子どもたちの方へ。

・・・あー、ダメだ。早いところ恋人を見つけないと。じゃないと一生甘えるぞ私。私、自分には超甘い性格なのでとことん甘えてしまう。そうなれば私の恋人の理想像も馬鹿みたいに高くなる。

 

 

同性へのアピールってどうやればいいのだ。どこまですればアピールになるのだ。誰か教えて欲しい・・・。

まずは好きな人だ。出会おう。

 

 

 

 

 

 

「魔剣ってミツルギさん来てるんです?」

「同郷だっけ?」

「はい」

「ベルディアの件で呼ばれた一人だってさ」

「王都PTか」

「それな。他にもいるけど」

「案内人のクエスト下げられてよかったぁ」

 

 

 

嘘偽りなく言おう。

 

私は彼が嫌いだ。

 

日本人でアクア様に転生させてもらったのだから最前線で戦うべきだと言って憚らない。馬鹿を言うな。人間死んだら終わるんだぞ。それを周りに強要するな。自分がその想いで動く分には個人の自由だし構わないけど。という気持ちから私は彼が嫌いなのだ。

あと彼の取り巻きも嫌い。

 

 

リーフもそうだろう。だからベルディアの件で呼ばれた“()()()”じゃなくて“()()”と称した。

 

ぶっちゃけ取り巻きは私よりもよっぽど弱い。ミツルギにおんぶにだっこだからだ。

ある意味で可哀想ではある。理想ばかりが高く正義感が強くこっちに来たことで暴走しているミツルギが仲間で、泥臭く戦う事なんてしていないだろうし。

でも私はあいつらが嫌いなのでなるべく会わないようにしようと思います。自衛、大事。

 

 

もうすぐで今日のシフトも終わりそうな時間。ユーリさんが私を呼びに来た。何々?

 

 

 

「イチカって鍛冶スキル持ってたでしょ?ちょっと来て」

「はいはい」

 

 

 

行った先にあったのは特別製の壊れた檻だった。全体的にボコボコになっているのはまあいい。ちゃんと檻としての役割を果たしたんだろう。でも均一だったはずの鉄格子が二か所ほど捻じ曲げられた跡があった。これ、どうやって直そう・・・。

でも本当・・・なんでこんなことに。貸出書にはカズマさん一行の名前があったので、後ろ姿が見えている彼らを呼び止めに行った。

 

 

 

「カーズーマーさーん!」

「うおっ!?」

「い、イチカ?」

「ど、どうしたんですか?」

 

 

 

別に仕事増やされるのは問題ないんだわ。ただどう見てもあの破損は力ずくなわけです。そこら辺、言い訳ある?

 

私の笑顔はめぐみんが引くくらいだったようだ。カズマさんとダクネスはちゃんと確保しているので腰は引けていても逃げられない。

ここら辺の魔物でこんなこじ開けられたような壊し方が出来る知能のあるやてゃいない。

つまりダクネスか?ん?

 

 

「待て待て待て!誤解するなよ?確かにボコボコになっちまったのはオレの作戦だけど、ひん曲げたのはマツルギのヤロウだ!」

「まつるぎ?」

「ああ、無礼な男だった。それよりこの手はもっときつく締めあげt「同じ日本人にアクアを連れてたことで絡まれたんだよ」

 

 

経緯を詳しく聞き、とても身に覚えがある話をされた。

苦々しい表情をしているのはカズマさんだけでなく、めぐみんも嫌だったようだ。

ダクネスはどっちだろうね?どれだけ期待されても掴んでいる手を強める気は無い。期待した顔は止めろ。

 

 

 

「で、そのアクア様は?」

「受付から戻ってくるだろ」

「ああ。って、あれ?その剣」

「あー、そいつとの勝負に勝ったんでもらってきた」

「グラム?」

「そんな名前だったっけ?」

「そうよ。そんなことよりイチカ、このモンスターも買い取り行けるでしょ?いくらになるかしら?」

「待て待て待て。情報量多い。アクア様、ちょっと待っててください」

 

 

 

あの檻を壊したのはまつるぎさんでなく、ミツルギ。ミツルギの剣がここにあって・・・?あー、これってまずいんじゃ?

もう一度話を聞こう。

 

 

1 アクア様が檻の中に居た。これは作戦。―受けたクエストがタルランの湖の浄化。襲ってくるだろうブルータルアリゲーターからアクア様を守るため。

 

2 帰る際にまだ檻の中に居たアクア様を見てミツルギが壊した。これは勘違いのせい。―アクア様が不当な扱いを受けていると思ってのこと。(半分くらい間違いではないかもしれないが、半分くらいは自業自得の部分もあるので勘違い)

 

3 カズマさんに絡み説教。これはやつの先走り。―特典のおかげで馬小屋生活をしたことがないから日本人はすぐに敵を倒せると思っている。アクア様の能力の過信(過信ではないかもしれないけど、完全に発揮されることは少ない)もあるだろう。

 

4 仲間をかけて勝負。カズマさんが勝利。景品としてグラムをもらう。

 

 

・・・自業自得だな!!!クッソ野郎!!!きっ、とキツイ視線でカズマさんを見た。彼は少し卑屈な目をしていた。

 

 

 

「なんだよ」

グッジョブ!

「?」

「私もあいつに絡まれた仲間だから」

「ああ・・・」

「悪い人ではないけど良い人でもないから」

「うざったいやつな」

「あの礼儀知らずはイチカにも同じようなコトを言ったんですか?」

「まあ、ね。私とカズマさんの同郷の人らって前線で活躍している人が多くて、彼もそうだからもっと努力しろーとかね」

「なんですかそれ。適正は人それぞれでしょうに」

 

 

 

カオルコたちを景品と称し、それを賭けて勝負とか。

今回もそうだろう。転生特典の賭け。彼はアクア様の為に。そしてカオルコたちの為に。

 

本人に悪い感情はない。ただ、正義感が突っ走り自分が正しいと思っているだけ。でも景品にされた側はふざけんな!ぼけ!!って気分だから。

あ、ちなみに私は戦っていない。春になってクエスト受けだしたばっかの時だしね。

怒ったミコがワンパンである。あれは綺麗な弧を描いて飛んで行っていた。

 

 

 

「で、本当に買い取るのかよ?」

「うん」

「びた一文負けねぇぞ」

「そんなつもりはないよ」

「んじゃ、武器屋に行こうぜ。適正価格が分からん」

「私も分からんからプロ頼ろ。その代わり余分に大目とかなしね」

「んー、まあ、世話になってるしそこはな」

 

 

 

カズマさんがグラムを売るというので買取を申し出た。

そのため、アクア様が気にしていたモンスターの買い取りはこの後来るティムさんに任せて私は少し早いが調理場を上がらせてもらった。戻ってきて檻を直す作業もあるしね。

 

 

 

「魔剣か?なんで駆け出しの街でんなもんを売るんだ?王都へ行け、王都」

「やだよ。伝手もないし、ここでいくらになる?」

「ここなら250万エリスってとこだな」

「まじで!?」

「そりゃ魔剣だぞ?王都なら300万くらいはいくんじゃねえか」

「ほう?ならイチカ!」

「あー、やっぱそっちだよねぇ」

「おう!300万エリスだ!」

「・・・一括?」

「じゃなきゃここで売る!」

「はいはい。分かった。家に寄ってもらっていい?」

「なんでぇ。イチカが買い取るのか」

「色々あって」

「ま、この街じゃ売れんだろうしいいけどよ。転売するなら最低でも900万はふっかけろ」

「300万じゃねえの!?」

「元の仕入れ値で売るやつがあるか!魔剣だぞ!」

「いや、私古物商の資格持ってないから売れないよ」

「なんだ、ほれ。店主さんに売ってもらえばいいだろ」

「あれはほぼボランティアでカオルコも一緒。物を教える申請は出してるけど」

 

 

 

武器屋のオヤジが凄く心配してくれたが一応問題はない。もうすぐで貯まるローン返済の貯金がある。銀行って概念が無いから、タンス貯金だけど。この前のキャベツのおかげで私のお小遣いギリギリ足りる。

私がお金を持っていくとき、ちょうど休憩していたオッキー(朝からずっと籠って小説を書いていたらしい)に凄い目で見られた。そりゃもうすぐ返せるって喜んでたからねぇ。あー、これからもしばらくは給料から差引される毎日か・・・。

 

あーあ。

 

魔王軍ベルディア、早くどっかいけ。王都PTチームにやられてしまえ。ギルド休みはどっかに入れてもらってクエスト受けよう。お金を受け取って小躍りしているカズマさんと対照的にがっくりとしている私は街の皆から目を引いていた。

 

―拠点が欲しいんでしょ。足しにして。

―なんだ知ってたか?いい加減馬小屋は脱却したくてな。

―知ってるも何も気持ちは分かるよ。前にアクア様が言ってたけどカズマさんも男の子だもんね。

―・・・黙秘する。

 

 

あれから喋らなくなったカズマさんと別れて檻を直すための材料を購入してからギルドに戻る。

 

 

 

「ちょっと!あんた壊した檻の修理代払いなさいよ! 30万よ30万!あの檻特別な金属と製法で出来てるから高いんだってさ!イチカが頑張って直すから、ほら、とっとと払いなさい!」

「え?ああ、はい」

 

「すみませーん!シュワシュワとカエルのから揚げ山盛りください」

 

 

 

バックグラウンドBGMにアクア様がミツルギを揺るっている声を聞きながら、とりあえず外側を補強。いや、鍛冶スキル便利。

 

鉄格子は同じように並べ直しと、二本分は完全に作り直して取り付け後に誤魔化しつつ補強か?

普段、リザードランナー(♂)とかの珍しい魔物を捕らえておくような檻だから内側からの攻撃に耐える特殊設計だから作り直す方がいいかもしれない。でもそれは専門外だからなぁ。一度ギルマスに相談しよ。

 

 

 

「まずこの男が魔剣を持っていない件について」

「へ?・・・・さ、佐藤和真。魔剣は?ぼぼぼ僕の魔剣はどこへ?」

「売った」

 

「ちっくしょぉぉぉう!」

 

「イチカに」

 

 

 

あー、でも後でになりそうだな。外まで出そうになったミツルギはこちらへ向き直して走ってきた。

 

 

 

「イチカ!僕のグラムを返すんだ」

 

「は?」

 

「キミみたいな駆け出しでしかやっていけない冒険者がグラムを持っていても意味が無い。さあ、返してくれ」

「イチカ、相手にしなくても良いぞ」

「なっ!職員の方は黙っていてください!」

「いや、お前さんもうベルディアの件で招集がかかってるだろう。なんでまだギルドに居るんだよ」

「魔剣を取り返してから行くからです!」

「カズマから聞いたけど魔剣持ちのソードマスターが最弱職の冒険者に挑んで負けたって自業自得だろうが」

「ぐっ・・・!」

 

 

 

リーフさんが相手してくれてるから、私仕事してていい?

なんでこの人、返してもらう立場でこんなに偉そうなんだろう?

初めて会った時の印象引きずってんの?

 

 

 

「あれ、イチカもう上がりでしょ?」

「ユーリさん。明日時間無さそうだし、檻のコト出来る限りやっていこうと思って」

「やるなら残業代ギルマスに言っておくから」

「自分の判断でやってるから残業では」

「いいから。ギルマスが拒否っても払わせるから。あんたは働きすぎ」

「ええ、それって脅迫・・・」

 

「イチカ、こっちの話を」

 

 

いい加減面倒なのではっきりと向き直った。

ユーリさんもミツルギに対して厳しい目を向けている。そりゃ指名クエストに遅れていくとかかなりのコトだもんね。武器の確保は生命線だから大事ではあるけどさ。

 

 

 

「返せって言うけど、私が適正金額で買い取ったの。武器屋のおやじには売るなら最低でも900万エリスはふっかけろって言われてる」

「ぐっ・・・、もちろん支払う。少し時間は掛かる。だからグラムを」

「じゃあ、一から貯めてね」

 

は?

 

「グラムを使わずに貯めて持ってきたら売ってあげる」

「な、何を言っているんだ?」

「だから、普通に売買するんだけど?」

「女神様からいただいたグラムなしで戦えというのか!?」

「カズマさんはそうしてるじゃん」

 

 

 

後は私情。私の家族を、カオルコたちをもの扱いしたこと、まだ根に持ってるからね。ボソッと呟いた。傍に居た彼には聞こえただろう。

さっと顔色を悪くした。ミコの怒りのパンチを思い出したかな?

 

 

「悪かった!謝るからグラムを返してください!!」

「だから適正価格で売ってあげるって言ってるじゃないですか。頑張ってくださいね」

 

 

「    」

 

 

 

 

周りで騒いでいる取り巻きの言葉は耳に入れない。聞くだけ無駄だ。卑怯者は頼みごとの仕方が可笑しいこいつの称号だ。

 

 

 

「ど、どうして・・?」

「貴男に嫌がらせはしたいけど、グラムを失うことでのベルゼルグの戦力低下は嫌なので。貴男が頑張れば頑張るだけ早く貴男の大好きな前線復帰できますよ」

「君は・・・そ、そんなに僕のことが好きなのか?」

あ”あ”?

「離れたくないからと言ってこんなことをされても迷惑だ。早くグラムを」

 

「私が好きなのは女性で男性は対象外です。女になってから出直して来いや。ま、女性になっても貴男みたいな人のことを考えられないナルシストはお断りですけどね」

 

 

「「は?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ。」

 

 

 

 

 

「・・・」

「・・・まあ、いっか。そういう訳なので気持ち悪い妄想は自分の中とPTの間だけでお願いします」

 

 

 

あーあ、こんなところで言うつもりなかったのに。

イライラし過ぎてつい口走った。でも、ミツルギを好いていると勘違いされるよりかはちゃんと知ってもらえた方がいいからいいや。彼を見ると、口をハクハクとさせていた。衝撃が強いか。

 

 

 

「キモチワルイ」

 

「あいつ女が好きって」

 

「男を知らないからって拗ねるなよ」

 

「私も危ないかもしれないから寄らないでよね」

 

 

 

 

昔の言葉が頭の中を駆け巡る。まあ、別にいいけど。私、そういうの吹っ切ってるし。だから周りは見ない。

向き直るのを止めて、檻を直すためハンマーに手を伸ばした。

 

 

 

緊急連絡緊急連絡!全冒険者の皆さんは直ちに武装し、街の正門に集まってください!

 

「え~」

 

特に冒険者佐藤和真さんとその一行は大至急でお願いします!

 

 

「「え?」」

 




ミツルギさんの登場&カミングアウトでした。
イチカのカミングアウトはこういう場合でないとしないと思っていたので、ここで、になります。
皆様の反応は次回以降かな。

ミツルギさんの扱いがちょっと悪いです。
イチカが嫌ってるので仕方ないね。
グラムも嫌がらせだけではないです。ここで所在がわからなくなればミツルギの手元に帰ることはないだろうた判断してましたし、そうなれば彼が前線に立って救っていた命を殺すことになるのも分かっていました。
だから買取。イチカはグラムなしで強くなれやコラぁ的な気持ちです。

次回、ベルディアさん死す!?
デュエルスタンバイ!(やってみたかっただけです)
頑張って書いてます。
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