この素晴らしい英霊たちと異世界へ!   作:もえみ

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高評価、お気に入り登録、閲覧ありがとうございます。
高評価を見た際はえ、私、夢?となりました。
これからも続けて行けるように更新頑張ります。

三月はバタつくので更新が遅れますが、よろしくお願いします。
具体的に言うと、下旬くらいまで休みがあってないような状態です。
泣きたい。

怪盗天草の交換所がボイジャー君で私大歓喜。
(FGOをプレイされていない方、ネタですみません)


それでは本編いってみましょう。


第六話 今日は別行動です!

私は未だ慣れない獣の臭いに目を覚ました。

あー、藁の寝心地と包まれ具合は滅茶苦茶いいんだけどなぁ。実際に起きたくなくて再度藁の中へと潜っていった。

 

 

「マスター?」

「・・・あと五分」

「いけませんよ、クエストはなくとも健康的な生活を心掛けると決めたではありませんか」

「ううん・・」

「では、馬小屋ではなく普通の宿へと」

「はーい、起きました」

「・・・うう、なぜ普通の宿に移っていただけないのです」

 

 

初クエストからひと月以上、私は先ほどカオルコが言ったように馬小屋へと拠点を移していた。

理由は単純明快。節約だ。

 

身体も戦いに慣れ、疲労感の回復にも手間取らなくなっていた。

ならばと、英霊たちと話し合いをした。もちろん、反対された。私は女の子だ。一人で馬小屋に宿泊するなど言語道断。

中でものほほんとした印象が強いカオルコが口酸っぱく怒っていた。

 

でも私だって折れなかった。春の陽気に包まれるようになり、少しでも早く拠点を手に入れたい気持ちは強くなった。

多少の銭でさえ拠点入手の為に回したい。家なき子という感覚に落ち着かないのだ。

 

 

私も三人も引かない。

 

私、マスター!と子供のように少し強めの我儘を言ってもダメ。

 

私たちは従者です。主を守るために妥協はしません!

ミコもオッキーもカオルコ側だった。霊体化で傍遣いをさせることを条件に馬小屋生活と相なった。字面が可笑しいが問題はない。

 

 

今年の冬までにお店が出来るような大きい家が欲しい。

カズマさんのように大きいだけの豪邸ではダメだ。

お店が条件なのだから、交通の便が良いところないし、人通りがそこそこあるところが条件になる。そんな家はやはり御高い。

 

カズマさんが家を購入したのは破格の割引があったかつ、魔王軍の幹部やらキャベツの件で借金小金持ちになったからだ。だから私は少しでも出費を減らす。

未来のカズマさんに倣って、ここは馬小屋生活が必然なのである。

 

 

「では、これが本日のお小遣いです」

(わたし)は市場調査に行ってくるわ!」

「ああ、界隈の集合場所見つけたんだっけ?」

「そうよ!どうやって書いているか、どこに出展しているのか!ようやく判明するわ」

「ミコさんはどちらに?」

「教会かなー。アリシャが色々と教えてくれるの。そういうカオルコは?」

「私は楽し気な魔法道具店を見つけましたのでそちらへ」

 

 

今日はお休み。

なので、それぞれが好きなことをする日。

この日ばかりはそれぞれがそれぞれに付いていくというのを禁止している。じゃないと誰か絶対に私について来ようとするからね。

 

というか、宿生活の時にされたのでこういう取り決めとなった。

 

 

ちなみにお金の管理はカオルコに任せている。

私もオッキーもオタクなので、散財する時は糸目を付けないのである。そんな体質の我々にお金の管理とか無理。目標の為の貯金ならともかくね。

 

ミコでも良かったんだけど、そこは元女王様。かつ元々の気質がのびのび元気なお天気娘なので、若干どころではない不安要素があった。

 

カオルコは元々女官。会計系のお仕事も管轄であったという話なので、遠慮せずに任せた。

そういった経緯もあり、お休みの日には彼女からお小遣いが支給されるというわけだ。

 

 

彼女らと別れて、私はギルドに来ていた。ピアノを弾きに来た訳ではない。彼女らにはそう言ったけどね。

掲示板を見て、私ひとりでも受けられるクエストがないか、睨めっこしていた。

魔法戦士になった私だが、冒険者の時と変わらず三人の上級職に甘やかされていた。舐めプである。

 

このままでは私が困る。彼女らのやりたいことで、魔王軍の討伐とか言い出しそうにはないが、彼女らの寄生虫になるのはごめんだ。

人として立っていたい。だらけたい時ももちろんあるけど、それに慣れてしまえば抜け出せなくなるのは目に見えていた。

 

 

 

 

突然の自分語りになるが、私自身は女性が好きだ。女の子が好きだ。昔誰かが言っていたような好きになった人が女の子だっただけ、なんてカッコいいことじゃない。そもそもの恋愛対象が女性だった。

 

男性を好きになれない訳ではなかった。いいな、とかそんなことは思ったりした。お付き合いをしたことだってある。

でも、そういうことは出来なかった。キスまでは出来たのに、それ以上が出来なくて、それが分かってからは手をつなぐことも出来なくなっていった。そんな状態の女と男では長く続くはずもなく、私は長続きした試しがなかった。

 

弁明をさせてもらえるならちゃんと予告したうえでのお付き合いだった。

私はそういうことが出来ない、それでもいいのか?と。

いいと言った男たちはことごとく手を出せないことに苛立った。私としては無理と言っただろう。と。

 

でもそれは通じなかった。乱暴にされることもあった。

そういう時逃げ出したから別に男性恐怖症とかそういうのもない。あんまり信用しようと思わなくなっただけだ。

 

 

 

まあ、こんなこともあり、前々世では一人で生きて行く覚悟も少しばかり決めていた。

だって、私が好きになった女性が私の事を好きになってくれる確率ってどれくらい?男性と恋仲になるよりもよっぽど低い事だけは分かっていた。

 

世渡りは下手な方ではなかったから、会社でも出世コースには入れたんだと思う。死んだけど。

もう性になっているんだろうけど、誰かに寄りかかって生きることに抵抗感がすごい。

 

だからここでもちょっとは強くなって、ちゃんと自分の足で立っていたい。

そして、恋人を作るのだ!私は意気込んで手ごろだと思ったクエストに手を伸ばした。

 

その手は誰かと重なる。その手の先に居たのは立派な鎧を着こんだ騎士様だった。騎士様も冒険者するんだ。手を引っ込めて、手だけでどうぞとジェスチャー。

 

 

「いや、貴女の方が早かっただろう」

「あ、いえ」

「ダクネス、クエストは見つかった?」

「クリス、もう少し待ってくれ」

「あ、エリス様。あの時はどうもありがとうございました」

「?」

は!?

「たぶん、加護を下さったんですよね?あの日は色んな幸運がありましたから」

 

 

立派な鎧の騎士様は私よりも少しだけ大きかった。凛とした佇まいで見ているこちらが引き込まれるような雰囲気があった。

その後ろから来たのはなんとエリス様だった。私が覚えている彼女とは少しだけ雰囲気がフランクになっていたが、お友達と会っているのならそうなって当然だろう。

しかし、頬に瑕が出来るなんて、どんな魔物に襲われたんだろう?

 

 

「彼女はクリスだ。私はダクネスと呼んで欲しい。貴女もエリス教徒なのか?」

「あ、いえ。PTメンバーに入信者はいますが、私は」

「なぜエリス様に感謝を?」

「助けて頂いたらお礼をするのは当然では?」

「いや、私はエリス様じゃないよ。敬虔な教徒であるとは思っているけどね」

「・・ああ、そういう。すみません」

 

 

ダクネスさんには、臨死体験をした際にエリス様にお会いして、助けていただいたとちょっぴり嘘をお伝えして、その時の雰囲気がクリスさんに似ていたのだと話した。

後者は嘘じゃないもん。彼女は納得いっていないようだったが、クリスさんがその場をまとめた。

 

ついでになぜか一緒にクエストを受けることとなった。

こちらとしては好都合。一人だと受けさせてもらえない可能性もあった。こういう時、顔パスって辛いわ。

ダクネスが先ほど手を伸ばしたクエストを受注しに行っている間、私はクリスと話をしていた。

 

 

「私は盗賊のクリス。よろしくね!」

「はい!あの時は本当にありがとうございました!両替してもらっていたから冒険者登録もすぐ出来ましたし、宿にも泊まれました!」

「んん~!」

「あ、私はイチカです。ご報告がまだでしたが魔法戦士になりました!」

 

 

頭を抱えているクリス。

悪いが、感謝を撤回する気は無い。きっと誰もエリス様にお会いしたことが無いから彼女がこうやって人間を模して現界されているのに気がついていないのだろう。

国教であるエリス様がいると分かればみんな混乱してしまうだろうから、私も彼女はクリスとして接するのが一番だろう。

 

 

「クリスよろしくね」

「え、あ、うん」

「回復が居ないのが心配だけど頑張ろうね!」

 

 

手のひらを返したような対応に目を白黒させているクリスと戻ってきたダクネスとともに、移動を開始した。

 

今回の魔物はウルフだ。

群れから離れてしまったのか、追放されたのか分からないが、最近一匹で動いている目撃情報が増えてきており、作物や家畜がやられる被害が増えた。

子供までに被害が及ぶ前にとギルドがクエストを発行した流れとなる。

 

ウルフは足が速く、なかなか捕まえられない。私が出て、ダクネスを囮に弱らせ、隙をついてクリスがバインドを仕掛け、そこを全員で叩く作戦となった。

 

ダクネスはクルセイダーなんだって。私は尊敬のまなざしで彼女を見たが、恥ずかしそうにクリスの方へと行ってしまった。不躾な視線を嫌ったのかもしれない。しかし、クルセイダーとは騎士の上級職。アクセル街って駆け出し冒険者の街の筈だが、居るもんだなぁ。

 

 

 

 

 

 

場所を移して、草原。

ウルフの姿は見当たらない。一応目撃情報が沢山あった丘に来ているのでタイミングの問題だろう。いつ現れるかは検討がつかないため、ショップで購入したウルフが好む匂い袋を私とダクネスが装備していた。

この知恵は役に立つ。

 

私たちのPTだと、オッキーの折り紙とカオルコの魔術で索敵し、二人でモンスターを抑えたところをミコが殴り、大抵私へとトドメを譲る流れだ。

 

・・・自立しなければ!!

 

ちょっと嫌な未来の想像図が簡単に思い浮かんだ。

いや、拠点さえ手に入ればオッキーもは引きこもり(執筆活動)となり、カオルコもお店(たぶん本屋さん)を始めるだろう。私は冒険者とギルドの二足の草鞋を履けばいい。大丈夫です。おんぶにだっこじゃないもん。

私の様子にクリスが話しかけてきた。

 

 

「今日はいつもの人たちと一緒じゃないんだね?」

「いつも?」

「ダクネスは知らない?この人のPTメンバー」

「ああ、先ほどメンバーの一人がエリス教だと」

「まあ、それも気になるんだけど。それよりも!」

「それよりも?」

「私も教会でイチカのこと見掛けたけど、エリス教徒でも不思議じゃないくらい真摯に祈りを捧げてたからさ」

「私?」

「そ!エリス教に入信しない理由って何かなって。何か不満でもあるのかーっと思ってさ」

 

 

ピシッと人差し指を立ててこちらに問うた。不満なんてない。

エリス様の加護のお陰で私に優しい英霊たちと出会えたのだ。(じゃないと、単発三連続でSSRを引いた幸運に説明がつかない)

でも無宗教で生きてきたため、馴染みがない。宗教って面倒なイメージが強いのだ。

 

それをそのまま説明した。不敬かもしれないが、クリス(エリス様)はどうしても聞きたいらしくこちらをじーっと見て言葉を待っていた。ダクネスは驚いていたし、クリスは苦笑い。

もしかしたら予想していたのかもしれない。日本人だからなぁ。

どちらかと言えば、信者でもない私の祈りがエリス様に届いていたことが驚きだ。

 

 

「ベルゼルクの出身ではないのか?」

「うん。こっからかなり遠いところから来たの」

「そうか。なぜ冒険者に?」

「やりたいこと探し、かな」

「やりたいこと?」

「PTメンバーね。私はある程度決めてて―」

 

 

 

ほとんど無口無表情だったダクネスは人見知りかと思っていたが、なかなか普通に話せている。

こっち?これでも社会人したことあるし、ある程度ならそつなく会話できるもん。苦手意識は拭えないけどさ。金髪に凛とした表情は見ているこっちが照れる。

 

くっそ!顔がいい!!

 

 

「お前のやりたいこととはなんだ?」

 

 

―この生活を楽しむ事かな。今までが楽しくなかったわけじゃないけど、こういう状況だし、ベルゼルクって初めてだし。PTメンバーにも言ってるんだけど、普通に働いて、トモダチ作って、この国ならではのこととかやってみたいんです。

 

 

「普通に働く・・・」

 

ギルドでバイトとかね。楽しいです

 

「トモダチを作る・・・」

 

一人は寂しいから嫌いなんよ

 

「ってわけでダクネス」

 

「ん?なんだ?」

「これからもこうやってクエスト行ったり、何でもない日に一緒に遊んだりしない?」

「私か?」

「もちろん。対等で居たいから少し待ってもらうと思うけど」

「それはどういう「二人ともごめん!ウルフだ!」

 

 

お喋りに完全に集中していた私は出遅れ、ダクネスに突き飛ばされる。ダクネスはウルフの突進をその身に受けた。

早速守られてしまった!最悪!!

 

立ち上がり、剣を構えた。

 

ダクネスは堅い鎧に守られたのか傷を負ってるようには見えない。

しかし、息が荒くなっているので何かしらの異常状態を付与されたのかもしれない。

 

走って剣を振り下ろし、避けられる。それは想定していたので、踏み込んだ足を軸に今度は横に剣を振り切る。

 

とりあえずこれでウルフとの距離が出来た。体制を整えよう。

 

 

「ダクネス、大丈夫!?」

「やはりウルフではこの程度か・・・。もっと全力で来い!」

「ダクネス!初めましての人と組んでるんだから自重して!!」

 

 

よく分からんが、無事らしい。

私は当初の予定通りウルフへ斬りかかり、ダクネスがデコイでわたしへの攻撃がいかないように引き付けてくれている。少しでもダメージを与えて、クリスのバインドが掛かりやすくしなければ!

 

 

ガキン、シュッと剣の音が当たりに響いた。

 

 

剣を振り攻撃、ウルフの爪を受け止めたり、攻防はそこまで続かなかった。その短い中でも私はダクネスに合わせた攻撃が出来ず、何度か互いの剣をぶつけてしまう。

 

本当に上級職の足を引っ張って申し訳ない!

 

ダクネスの攻撃は一度も当たってなかったけど、初心者冒険者の私に合わせようとしてのことだろう。

クリスのバインドに捕まったウルフを横目に私はダクネスへ謝罪した。私の攻撃が彼女に当たらなくて不幸中の幸いである。

 

 

「本当に足を引っ張ってごめんなさい」

「え?」

「私のタイミングとか悪くて攻撃も当たってなかったし」

「あ、いや、それは」

「もっと訓練するから、私頑張る!」

「・・・」

 

 

手をぎゅっと胸の前で握りファイティングポーズを取った。

 

 

「イチカ。意気込でいるとこ悪いけど、ダクネスのそれは本人の問題だよ」

「え?」

「・・・私は不器用で、攻撃が当てられないんだ」

「・・え、じゃあどうやって上級職に?」

「元々防御力が高めだったこともあってすぐになれた」

「そ、その高そうな鎧はどうやって購入したの?」

「・・・」

「ダクネス」

「・・・家が、それなりに、金を持っていて・・・それで」

「なるほど・・」

 

 

ダクネスも私と同じ、初心者冒険者らしい。

緊張して損した!

 

でも雰囲気はとても格好良くて、歴戦の騎士様って感じがした。バツが悪そうにぽつぽつと話してくれる彼女に少しずつ既視感(デジャヴ)を覚えた。なんだろう。

ウルフをギルドに持ち帰った時もそれは消えなかった。うーん?

 

 

「報酬は山分けでいい?」

「むしろクリスのお手柄なのにいいの?」

「あはは!イチカが弱らせてくれたからだもん。今後もたまにでいいから一緒にお願いできる?」

「私からも頼む」

「むしろこっちがお願いします」

 

 

こうして私は彼女らとたまにPTを組む仲となった。

 

食事の為、ギルドで集まった三人にはなぜか私がクエストを受けた事がバレていて、怒られた。

なんでもオッキーが行った同志の集まりの中にギルド職員が居て、私が街から出ていく姿を見掛けてオッキーへと伝えたらしい。ギルド職員がどなたかは聞かないけどさ。

 

今後、一人でクエストを受けるのは禁止された。誰かと一緒の場合も誰かに報告義務が必要となる。

流石にギルドのど真ん中で、私、マスター!と地団駄を踏めなかった。

でもダクネスに感じていた既視感(デジャヴ)はお説教時に判明。

 

 

「カオルコ、もう少し低めの声で」

「イチカ、私は叱っているのですが」

「お願い」

「一体何なんです?」

 

 

これだ!!CV.茅野愛衣さん!

 

そっか、ダクネスってばカズマさんのPTメンバーだ!

何が主要なメンバーなら分かる、だ、過去の私!覚えてなかった!

むしろクリス(エリス様)ばかりに目が入ったわ!

あと、ダクネスは大人しいし、全然変態じゃなかったから仕方ないね!




という訳で、ダクネスとクリスとの邂逅でした。
イチカがクリス=エリス様になっているのは知っているから。特殊能力ではないです。

エリス様の加護は「貴女に幸運がありますように」的なことを言った際につきました。というガバ設定。じゃないと、冬に人気の宿が空いていて、英霊たちと出会えて、という幸運に説明を付けられない。


イチカの経験は友人の経験を参考にしています。
イチカ自体が友人を参考にキャラ付けしています。許可はもらっています。
捏造はありまくるので、オリキャラですが。


次回、アクア様登場。一気に時間軸が飛びます。
ようやく原作に入りますので、これからがアニメ視聴しながら執筆します。


低めの茅野愛衣さんのお声、まじでカッコいい。
茅野さんが出されるむすんでひらいてのCDがもうすぐ発売されるので楽しみです。

また何かあればコメントよろしくお願いします。
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