ノアが行く!FF6   作:ハジケハムスター・ポッポ

10 / 13
前回登場した新キャラ

・羞恥心を捨てた変態(故)
・熊鍋の具×2(故)
・なんか世紀末救世主なモンク僧

「ダンカン流武術は、無敵だ……!」
「いや一人と二匹は前回限りの敵だろ!!」


組織の本部ってカッコいいか地味かで両極端

 マッシュの放った奥義によってバルガスは倒された。

 悲しげに俯くマッシュにエドガーは声をかける。

 

 

「え……えーと……マッシュ、だよな?」

「兄さん……」

(え?昔は兄貴って言ってなかったか?マジで変わり過ぎだろォォォォォ!?)

 

 

 なんか呼び方まで変わってる実弟に困惑しつつもエドガーはマッシュに協力を呼びかけると……

 

 

「ようやくフィガロも重い腰を上げたということか。ならばその国の出身である俺が力を貸すのも道理ということ。俺の力、存分に使ってくれ」

「あ、ああ……助かる」

 

 

 ハッキリ言ってマッシュの方が貫禄あるんですが。

 

 

「しかし……なんというか、すげえな」

「ほ、本当にエドガーの弟さん?私、てっきり大きな熊かと……」

「アレ熊じゃなくてなんかの一子相伝の継承者だろ」

「きっと暗殺拳の使い手ネ!」

「あんまり失礼な事言うなァ!!スンマセンマッシュさん!!」

 

 

 好き放題言われるマッシュだったが気にしていない、と微笑みながら軽く右手を上げた。器が大きい。

 

 

☆☆☆

 

 

 マッシュが加入してからというもの戦闘が格段に楽になった。というのも……

 

 

岩山両斬波(たたかう)!!」

「ギャヒン!?」

 

 

 ありえない攻撃力と攻撃速度でマッシュが先制攻撃+一撃必殺で仕留めまくっているからだ。

 現に今もゴルギアスというマンモス型のモンスター二体が脳天をカチ割られ絶命した。強すぎる。

 

 

「もうあいつ一人でいいんじゃないかな」

「そうよね〜」

「おいお粗末とお荷物。少し働け」ガシッ

「「え?」」

 

 

 マッシュの活躍のおかげで暇になっていた(そもそもこの二人、本作が始まってからまともに戦った描写がない気がする)ロックとアクアの頭をノアが鷲掴みにする。

 なんとなくこの後起こることを予想した二人は逃げようとするが、ノアの力の前では無力。

 

 

二大馬鹿旋風(ダブルタイフーン)!!」

「「ぎゃあああああ!!」」

 

 

 二人の頭を鷲掴みにした状態でノアが高速回転し、敵を引きつけながらぶっ飛ばしていく。

 

 

「強い……!」

「アイツら武器としての方が役に立つんじゃね?」

「マッシュさん感心しないで下さい!つーか銀さん、ノア様あの二人の人権ガン無視してるんですが!?」

「細けぇこたぁいいんだヨ」

「細かいどころか人としての尊厳が関わってるんだけどォォォ!!」

 

 

 ティナはオロオロしているが、エドガーはもう何が起きても驚くまいと考えるのをやめた。

 どうせまたすぐ驚くハメになるのに。

 ぐったりしてロックとアクアをノアが俵抱きしつつ、無事コルツ山を越えられた一行はそのままリターナー本部へと向かう。

 

 

「私……ヒロインなのに……ヒロインなのにぃぃぃ……」

「俺主役じゃなかったの……?主役じゃなくてもメインじゃなかったの……?」

 

 

 アクアに現時点でヒロインらしいムーブもなく、そもそも主役はノアである。

 メイン?万事屋三人組じゃね?

 

 

☆☆☆

 

 

 リターナー本部に着くと同時に一行はエドガーの案内によって指導者であるバナンの元へ案内される。

 

 

「バナン様、例の娘を連れて参りました」

「ほう、この娘か……氷づけの幻獣と反応したというのは」

「幻獣……?」

「もしかして私たちが助ける前の事?」

「ロックがプラプラさせる前の事か」

「それを言うなァァァ!!」

 

 

 バナンと呼ばれた初老の男性は正直幻獣の事と同じくらいロックがプラプラさせたという事について詳しく聞きたかったが、それは後回しにする。

 

 

「どうやらこの娘は帝国に操られていたようです」

「伝書鳥の知らせで、おおよそは聞いておる。帝国兵50人をたったの3分で皆殺しにしたとか……」

「いやー!!」

 

 

 自分がそんな事をしたと信じられない、もしくは思い出したくないのかティナは頭を抱えて泣き叫ぶ。

 そんなティナをロックや神楽、アクアは気遣う。

 

 

「ティナ!」

「しっかりするアル!あんなモジャジジイの話をまともに受け止める必要ないネ!」

「そうよ!結局又聞きじゃない!見たわけでもあるまいし!」

 

 

 予想外の暴露に対してエドガーも抗議する。

 

 

「バナン様!酷すぎます!」

「逃げるな!」

 

 

 叱咤しようとするバナンだが、その瞬間バナンの胸ぐらを銀時が掴んで持ち上げた。

 いきなりの事に誰も反応出来なかったが、エドガーが我に返り銀時を諌めようとする。

 

 

「なっ……!?銀時、やめろ!」

「やめろじゃねェ。テメーも同罪だクソ国王」

 

 

 その赤い双眸の奥底には紛れもなく怒りがあり、ノア以外の誰もが、マッシュでさえ臆している。

 

 

「こちとらそいつがデリケートなのは百も承知で下手にそういうとこは突かねぇようにしてたのによォ。女の扱いに慣れてるテメーが操られてただの何だのそいつが思い出したくもねぇ事をベラベラ言ったからだろーが」

 

 

 銀時の正論にエドガーは口を噤む。

 

 

「テメーもテメーだクソジジイ。出会い頭に人の古傷広げるようなマネして楽しいですかコノヤロー。しかもマジで自分の意思が関わってないってのに責め立てて責任感駆り立たせて無理矢理協力でもさせようってか。虫酸が走るぜ。何が帝国と戦うだ?」

「ぐ……うぐぅ……」

 

 

 銀時の腕を掴みつつジタバタともがくバナンだが、一向に手が緩む気配はない。

 

 

「銀時、もういい。どうせ何を言っても変わらんだろう。そんな奴に構うよりティナを休ませてやった方がいい」

「……仕方ねーな」

 

 

 ノアの一言で銀時が手を離すと持ち上げられていたバナンが落ち、咳き込みながら再度話し出した。

 

 

「ま、待て……こんな話を知っておるか?まだ邪悪な心が人々の中に存在しない頃、開けてはならないとされていた1つの箱があった。だが、1人の男が箱を開けてしまった。中から出たのは、あらゆる邪悪な心……嫉妬……妬み……独占……破壊……支配……だが、箱の奥に一粒の光が残っていた……希望という名の光じゃ」

 

 

 銀時に拘束されていた事もあり、呼吸は粗かったがしっかりとした言葉でバナンは語る。

 

 

「……」

「どんな事があろうと、自分の力を呪われたものと考えるな。お主は世界に残された最後の一粒。『希望』と言う名の一粒の光じゃ」

 

 

 ここで遂にノアも口を出した。

 

 

「どうやら本気で銀時が言った事を理解出来ていないらしいな。希望は誰かに押し付けられるものではない。第一、そんなものを今の彼女に背負わせてみろ。自分の事で手一杯だというのに不必要な重責を背負わされたら潰れるどころか下手すれば壊れるぞ。お前たちの身勝手な思想に付き合わされる筋合いはこの娘にはない。幻獣とやらと反応したというだけで年端も行かぬ少女を前線に放り込むなど、帝国と同じ事をしているだけと何故気付かん」

 

 

 その場にいたリターナー側の人物は誰一人反論出来ない。

 反論しようものならどんな理由であろうと自分たちは帝国と同じだと認める事になる。

 

 

「おい」

 

「は、はい!?」

 

「彼女が休める所は」

 

「こ、こちらへどうぞ!」

 

 

 ノアの雰囲気に呑まれたリターナーのメンバーの一人は、言われるがままにノアや万事屋メンバーとティナをベッドのある場所に案内する。

 バナンはもちろん、エドガーらもそれを黙って見送る他なかった。

 

 

☆☆☆

 

 

 その後、ティナは一休みして目を覚ましたあと、ロックやエドガー、マッシュに話を聞いてまわった。

 ロックは大切な者を帝国に奪われたとか、エドガーが思想の強要はしないと言ってくれたりとか、マッシュは愛を説いたりとか……なんか最後違くね?

 

 そういえばとノアやアクア、万事屋メンバーにはまだ聞いてないことを思い出したティナはベッドのある部屋まで戻ってくる。

 

 そこでは……

 

 

 

 

 

(トラップ)カード発動!聖なるバリア―ミラーフォース!相手の場の表側攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

「何ィィィ!?ミラーフォースが仕事しただとォォォ!?」

「ふっふ〜ん!フィールドがガラ空きよ!」

「フッ……」

「!?」

「どこがガラ空きだって?伏せ(リバース)カードオープン!リビングデッドの呼び声!!墓地から青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)を特殊召喚だァァァ!!」

「えええええ!?」

「相変わらず浅はかだなテメーはよ!融合バニラモンスターの維持を思い知れ!アルティメット・バァァァスト!!」

「また負けたあああ!!」

 

 

 

 

 

 遊戯王やってた。ちょっと前のシリアスどこいった。

 対戦していたのは銀時とアクアだが、ノアや神楽、新八もデッキ構築している。

 ちなみにノアの同僚のレジェンドもやっている。『万物創世龍(テンサウザンド・ドラゴン)』がエースモンスターらしい。

 

 それはおいといて。

 

 

「銀さんたち、何してるの?」

「あ、ティナ!これは熱き決闘精神(デュエルスピリッツ)をぶつけ合ってるアル!」

「なんでこっちでも強いのよこの銀パ!」

「世の中効果モンスターばっか出回って通常(バニラ)モンスターの底力をナメ腐ってる奴ばっかだからよォ、返り討ちにするために磨きまくっただけだぜ?中でもテメーは綺麗に俺の戦略にハマってくれたけどな!」

「お前は目の前にぶら下げられた人参にすぐ飛びつくからな。思考が読みやすすぎる」

「うあああああ!!」

 

 

 これは戦闘にも通ずることである。

 カードゲームらしいそれに関しては後でゆっくり聞くとして、ティナはロックらと話したことをノアたちにも話し、その上で聞いてみた。

 

 

「なんで戦うか?」

「うん……ロックたちはみんな、それぞれ色々考えてた。でも、私は……」

「そんなもん時と場合によりけり、じゃねーの?」

「……え?」

 

 

 銀時の言葉にノア以外の全員が振り向く。

 

 

「そもそも帝国とやらが各地でドンパチやらかしてるからここにいる連中は戦ってるだけだろ?少なくとも安っぽい正義感なんかで戦ってる奴なんざほとんどいねーだろーな」

「確かに。おそらくその帝国が自国周辺のみで同じようなことをしていたならここの者たちがこうしてレジスタンス運動をすることもなかっただろう。結局、戦う理由などその場その時で変わるものだ。これが正解でこれが間違っているというのは個人個人によって差異がある」

「ま、一度しかない人生だし好きにすりゃいいんじゃね?つーか今のオメーは自分の記憶も過去も分からねーのに難しいこと考えんなよ。ただでさえ面倒事背負ってんのに他人の戦う理由なんざ聞いて、考え込んで、キャパオーバーして頭パーンなんてシャレになんねーぞ。気楽に行け気楽に」

 

 

 ノアと銀時の言葉はティナが気にしていた部分を少し軽くした。

 気楽に、自分の好きにすればいい。

 実際にそれを体現しているかのような振る舞いをしているノアや銀時が言うと説得力がある。

 この世界に強制連行されたアクアはともかく、神楽や新八も銀時と同じくノアの護衛という名目ではあっても、何だかんだ言ってこの世界を満喫しているようだし、ノアなど自分の興味からアクアの監視を兼ねてこの世界へやってきたくらいだ。

 

 

「……うん、ありがとう。ノア、銀さん」

「ティナ、もしあのモジャ公に協力するのが嫌なら私たちと一緒にくるアル。当てもなくする旅もオツなもんネ。世界各国食べ歩きじゃあァァァ!!」

「オイィィィ!?違うでしょ神楽ちゃん!僕らはアクアちゃんの更生を監視するノア様の護衛なんだから!」

「えー?いいじゃない、食べ歩き。そりゃあんたはメガネにしか栄養いかないから反対するのはわかるけど」

「わかってねーよ!!大体メガネに栄養いくわけねーだろォォォ!!」

「何言ってんだ。オメーのメガネはたんぱく質とビタミンで出来てんだろ」

「それっぽい単語並べて言えばそう思うとでも思ってんのかァァァ!!」

 

 

 新八、絶好調である。やはり彼にはツッコミが良く似合う。

 そのやりとりにティナはくすっと笑い、改めて自分は希望にはなれないことを伝えに行く、とその場を離れた。

 

 

「どうするの?もし、ティナがまた強要されたら」

「その時は彼女を連れてここを強行突破して脱出するか。どのみち帝国に追われるならどこに誰といようと変わるまい。もっとも、我々と一緒なら戦力的にも問題はないだろうしな……約一名を除いて」

 

 

 レベル駄目な彼女である。

 

 

 

 

 

「お、おい!どうした!?何があったんじゃ!?」

 

 

 

 

 

 突如、バナンの焦った声が聞こえてきた。

 

 

「あ?何このデジャヴ。今までの経験上ロクな事起こってねーよコレ」

「この組織のメンバーが闇の巨人にでもなったか?スペースビーストでも出てきたか?まさかあのお粗末が実はダークザギだったのか?」

「「「「どれも最悪なんですが!?特に最後ォ!!」」」」

 

 

 ロックがダークザギとか何その超ドンデン返し。

 ともかく行ってみるか、とノアたちも声のした方向へ向かうと、リターナーの構成員がボロボロになって倒れていた。

 

 

「な……!何があったんですか、エドガーさん!?」

「サウスフィガロから帝国が向かってきているらしい。どうやら気付かれたようだ」

「むう……致し方ない、作戦を急がねばならん!」

 

 

 作戦が何なのかノアたちは知らなかったが、バナンの言葉にエドガーは頷いた。

 

 

「ロック!」

「わかってる。サウスフィガロで内部から敵を足止めする作戦だろ?」

「お前の特技を見込んでの作戦だ!頼んだぞ」

「そのお粗末だけじゃ頼りねーな。俺も行ってやるよ」

「「!」」

 

 

 撹乱作戦を単独で行おうとするロックに銀時が同行を申し出る。

 銀時はノアの方を向くが、付き合いの長い、強い絆で結ばれている二人は何も言わずとも互いの言わんとしている事を理解しており、ノアは銀時にサムズアップしつつ頷く。

 

 

「ノア様の護衛なら心配いらねーよ。あの人自体俺らが束になっても敵わねーし、神楽や新八もいるからな。ついでに言っとくと俺ァ忍者の真似事とか潜入捜査なんかもやったことあんだぜ?」

「……わかった、手を貸してくれ!」

「オーケー、銀さんにお任せだ。あ、報酬は出世払いでいいから」

「金とんのかよ!?まあいいや……ティナ。俺が戻るまでおとなしく待ってなよ。特に……手が早いので有名などこかの王様には気をつけろよ」

「心配しなくても私たちがそんなマネさせないアル。いいからとっとと行けよお粗末」

 

 

 神楽に急かされつつ、ロックと銀時は再びサウスフィガロへと急行する。

 エドガーはナンパ癖が直っていないのをマッシュに知られ、凄まじい威圧を受けていた。

 

 

「兄さん……」

「スイマセン、見逃してください」

 

 

 やはりマッシュの方が威厳たっぷり。

 

 

「そこまでにしておかんか。こっちはどうする?」

「レテ川を抜けてナルシェに逃げるのがいいでしょう。炭坑で見つかった幻獣の事も気にかかります」

 

 

 川を抜ける、ということでイカダを使った川下りになったのだが、どうやらそのレテ川というのはかなり流れが激しいらしい。

 アクアがビクついているが、そもそもお前水を司る女神だろ。

 新八は気を引き締め、神楽はワクワクしており、ノアは明日の献立について考えている。

 その後、ティナが『源氏の小手』を貰っていたが、あまり自分には合わなさそうだと新八に渡していた。あげた人涙目。

 

 

「イカダで川下り……なんかスキー場でスノボ代わりになった事を思い出しますね」

「将ちゃんと勲の前立腺ブレーキが折れたアレか」

(((((何だそれ!?)))))

 

 

 

 特にエドガーは経験すべきだと思う。

 去勢的な意味で。




 サウスフィガロで帝国を足止めするのはロックと銀時、他のメンバーは川下りでナルシェへ。
 その最中、みんな大好き紫のタコが現れる。

次回『タコってアレ海洋棲だよね』そもそもアレは本当にタコなのか。

もし本作で、無理のない範囲でキャラ追加するなら?

  • 定春(マスコット枠)
  • 桂&エリザベス(ボケ加速)
  • 高杉(シリアス枠)
  • お妙(ある意味女性キャラ最強)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。