ノアが行く!FF6   作:ハジケハムスター・ポッポ

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前回からの追加戦力

銀さん→主戦力
神楽→主戦力
新八→主ツッコミ

「主ツッコミって何だァァァ!!」


ピエロは道化で人を楽しませるのであって楽しませなきゃただのメイク野郎でしかない

 フィガロ城のある砂漠、二人の帝国兵を連れた奇抜な格好の男がフィガロ城を目指して歩いていた。

 しかし、延々と続く砂漠に嫌気が差したのか座り込む。

 

 

「くっそー……なんで俺がこんな砂漠をえっちらおっちら歩かなきゃいけないんだ」

 

 

 その男――帝国の魔導士であるケフカは暑さも相まって苛つき始めた。

 

 

「そもそもエドガーのやつがこんな辺鄙な所に城なんか建てるから悪いんだ!」

 

 

 まあ、確かに辺鄙な所ではある。

 

 

「おい!水!」

 

 

 怒鳴るケフカに慌てて帝国兵が水を渡し、それを奪い取ったケフカは一気飲みし高笑いするが……

 

 

「つまらん!」

 

 

 何がしたかったのか。

 再び目前であったフィガロ城へと歩き出し、番兵が入口を塞ぐように立つ。

 

 

「ケフカ殿、本日はどういった用件で……」

「どけ!」

 

 

 番兵を突き飛ばし強引に城内へ入っていくケフカだが、今度はそれを阻むようにエドガーがやってくる。 

 

 

「今日は何の用だ?ケフカ」

「ふん!お前になんて用はない!あの娘を出せ!」

「娘か……娘なら星の数ほどいるんだがな……」

「しらばっくれるつもりか。まあいい。こんな小さな国、帝国が本気になればひと捻りだという事を忘れるなよ。おい、行くぞ!」

 

 

 意外にもあっさり引き下がったケフカが城から出て行くのをちゃんと見送ってから引き返すと、ロックが玉座の間へ続く扉の前で待っていた。 

 

 

「嫌な奴だな」

「ティナは?」

 

 

 その質問に答えるようにロックが扉の前からどくと、扉を開けてティナ、神楽、アクアが出てきた。

 加えてエドガーの後ろからノアと銀時、新八も姿を現す。

 

 

「やるじゃない。まさかちゃんと追い返すなんてね」

「お前、やれば出来るアルな。少しは見直したヨ」

「褒め言葉、ありがたく頂いておくよ」

 

 

 ロックと違い男気を見せたエドガーを少なからず神楽とアクアは称賛した。おかげでエドガーの顔色も良くなっている。

 しかし、ティナだけは不安な表情だ。無理もない。

 

 

「あの人は私を狙っているの?」

「ティナ、考えるだけ時間の無駄アル。あのピエロ野郎、普通じゃないネ」

「そうそう、あっちの言い分を理解してやる必要ないわ」

 

 

 神楽とアクアがティナを安心させようとしてくれている間に、ロックはエドガーに「例の場所へ……」と言われ了承する。

 

 

「俺についてきてくれ」

「変なマネしたらただじゃおかないわよ」

「蜂の巣にしてやるヨ」

「オイィィィ!?やっぱり俺扱いヒドくね!?……まあ、この際我慢するか。こっちだ」

「あ、ハイ。ほら、皆行くよ」

 

 

 ティナを守るように傍に寄り添いつつロックについていく女性三人。

 新八はロックのすぐ後ろにいるが、彼の服は相変わらず尻の部分が裂けたままである。なんでこれのままキメてんだろこの人。

 エドガーは何かを察しており対策をしなければと考えているとノアと銀時から声をかけられた。

 

 

「おい王様よォ」

「どうした?君たちも早く行った方がいい。私は今後の事で大臣達と話し合わなくてはならないのでね」

「ンなこたァ分かってるよ。一つだけ言っとくぜ」

 

 

 一見軽い感じだが次の瞬間、銀時の雰囲気はガラリと変わりエドガーも身を強張らせた。

 

 

「あの野郎は諦めちゃいねーぞ」

「!」

「奴の出ていく時の顔、醜い笑みを浮かべていた。十中八九良からぬ事を考えているとみて間違いあるまい。対策するならば念を入れておけ」

「……ご忠告、感謝する。私だけ懸念していたわけではないようで安心した。安心出来る状況でないのはわかるがね」

 

 

 それ以上は何も言わないノアと、「んじゃな」と手をヒラヒラさせながら去っていく銀時を見送り、エドガーは大臣達とある事を話し合った後、自室にて仮眠を取るべくベッドに潜り込んだ。

 そしてロック達はというと、入り口や玉座の間から離れた棟にやってきていた。

 

 

「こんなトコに連れてきて何する気ネ?UNOでもするアルか?ヅラみたいに」

「UNOとかヅラとかまた訳わからない単語出てきたな……」

「ヅラの方は覚えときなさいよ?案外若いうちから使う事になるかもしれないんだしー」

「そうなる原因、現段階だと神楽ちゃんとアクアちゃんだよね」

「???」

 

 

 ティナはアクアや新八の言った事の意味を理解していない。その方が幸せだ、たぶん。

 

 

「おいオメーら何ぐだついてんだ。こんなとこでぐだ男ぐだ子になっても英霊なんて召喚出来ねーぞ」

「英霊どころか天パの亡霊がやってきたわね」

「誰が天パの亡霊だ!頭パーの背後霊女にそこまで言われる筋合いはねーんだよォォォ!!」

「誰の頭がパーですってぇぇぇ!?」

「オイィィィ!!話進まねーよ!あんたらのやり取りだけでどんだけ文字数使ってると思ってんですか!」

「新八ィ、なんでそんなメタ発言してるアルか」

 

 

 懲りずに銀時とアクアの喧嘩が始まり、さすがにマズいと思ったのか新八が止めた。神楽の言う通り止めるための発言がアレだったが。

 しばらく後に「このまま眺めてるのもいいか」とかいう選択肢が出てくるロックだが、当然この場ではやっているわけにはいかないのですぐに本題に入る事にする。

 

 

「実は俺はある組織に属しているんだが……」

「リターナーとかいう組織だったか?」

「……!知っていたのか」

「私やアクアを帝国とやらの刺客と勘違いした上、襲いかかって身ぐるみを文字通り剥がれた時に言っていただろう」

 

 

 ノアの言葉でティナや万事屋メンバーから冷めた目を向けられたロックは過去の出来事を思い出すが、今は羞恥に震えている場合ではない。

 

 

「ま……まあ、あの時は悪かった。それはともかく、この国の王であるエドガーは、表向きは帝国と同盟を結んでいるが、裏ではリターナーと手を組みたがっているんだ。俺はそれのパイプ役をしている」

「ま、あんなピエロ野郎の態度見てりゃ帝国っつーのがロクでもない連中だってのは嫌でも理解できるぜ」

「この国を見た限りでは奴らから支援や援助といったものを受けているわけでもあるまい。まさしく形だけの同盟といったものなのだろう」

「ああ、その通りだ。そこで、皆にはリターナーの本部に来てもらいたい。協力してくれるかどうかはそこで決めてくれ」

「おいおい、確かに俺たちゃ帝国に協力する気は起きねーけどよ。お前らに手を貸すって決めたわけでもねーのに、腹の中に虫抱えるようなマネしていいのか?」

「腹を割って話す、ってよく言うだろ。それだよ」

 

 

 ロックの言葉で一区切りつくとアクアはノアを、神楽や新八は銀時を見る。ティナと違い、それぞれにとって上司である彼らの判断が優先となる以上、自分たちはそれに従う他ない。何より、最終的にはノアの判断に一任される。

 

 

「行くとするか。どのみち他に明確な当てがあるわけでもない」

「それに俺たちを武力行使でどうこうしようってんならこっちもそれ相応の方法で反撃すりゃいいだけだしな」

 

 

 つまり、同行の意思が固まったという事。

ティナはまだ決めかねていたが……直後に、ある意味予想通りの出来事が起きる事となる。

 

 

☆☆☆

 

 

 仮眠を取っていたエドガーは不意に目を覚ます。それと同時に違和感を覚える。

 

 焦げ臭い。

 

 最悪の事態を予想してすぐさま自室より飛び出していくと、フィガロ城のあちこちから火の手が上がっていた。

 そして原因は当然の如くあの男。

 

 

「ヒーッヒッヒ!燃やせ燃やせ!どんどん燃やせ!」

「何のつもりだ!ケフカ!」

「皇帝の命令でね、あの娘を取り戻すためならどんな方法も問わないとさ。さっさと出したらどうだ?」

「いないと言っているだろう!」

「そうかい。ならこのまま城と一緒に焼け死ぬんだな」

 

 

 ケフカの傍に控えていた帝国兵まで「焼け死ね」と言う始末。

 仕方ない、と玉座の間へと続く扉の前にいた大臣の所まで行くと、エドガーは指示を出す。

 

 

「例のものを……」

「はっ!」

 

 

 大臣はすぐさまその扉の中へと消えていく。

 それを見たケフカはやっとかと笑みを浮かべながらエドガーに問う。

 

 

「渡す気になったか?」

「……そろそろか」

 

 

 一言発すると、エドガーは突然城壁に飛び乗り指笛を鳴らす。

 すると4匹の黄色い体毛の大きなダチョウに似た生物がその城壁の下まで駆けてくる。

 そう、お馴染みのチョコボである。

 エドガーはすかさず城壁からチョコボへと飛び降り、城の外周を回るように走らせる。

 

 

「ヒーッヒッヒ!これは愉快愉快!王様は一人だけ逃げ出すようですよ!」

 

 

 エドガーを乗せたチョコボと残り3羽はそのまま外周を走りロック達がいた棟と城を繋ぐ通路の真下を通過しようとする。

 

 

「飛び降りろ!」

 

 

 エドガーの指示でティナは単独で、ロックと新八、神楽とアクアがそれぞれ一緒にチョコボへと飛び降り見事騎乗。

 

 

「おおお!?定春に乗ってる時とはまた違うアル!」

「っ!ロック、あの二人は!?」

「まだ城内だ!チョコボ数が足りないって教えたら自分たちはいいからさっさと行けと……」

 

 

 そう、ノアと銀時はロックたちを脱出させるために自分たちはチョコボに乗らなかった。

 

 

(乗せられるとしたら()のチョコボかティナのチョコボだけか……!)

 

 

 王としてではなく、既に個人として思考していたエドガーは一人称が変わっていたが、それはさておき。

 ティナに申し訳ないが手伝ってもらおうとした時に大声が聞こえた。

 

 

「おいテメーらァァァ!!」

 

「「「「「「!!」」」」」」

 

 

「そのまま例の場所へ走れ!!」

 

「俺らは自分(てめー)で何とかするからよォォォ!!」

 

 

 エドガーらが声のした方を見ると、城壁に片足をかけながら笑っているノアと銀時がいた。

 策があるのかは分からないが、グズグズしていればケフカに追撃される可能性がある。

 二人を信じて頷き、エドガーは屋上にいた大臣へとさらなる指示を出した。

 

 

「いいぞ!やれ!」

 

 

 エドガーの指示に待っていましたとばかりに大臣も指示を出す。

 今こそ、フィガロ城の切り札を出す時だ。

 

 

「了解!フィガロ城、潜行モード!」

 

 

 なんと通路を格納しつつ離れの棟を全てフィガロ城に密着させ、窓や扉の部分はシャッターで砂が入り込まないように遮断しつつフィガロ城が砂漠に潜り出したのである。

 

 

「スゲェェェ!!何ですかアレ!?何ですかアレェェ!?」

「カッケェェェ!!城じゃなくて秘密基地だったアルゥゥゥ!!」

「あんなもんあるんだったら最初から出しなさいよ!」

 

 

 新八、神楽、アクアは興奮気味だ。仕方ない。

 

 

「これより黄金の大海原へダイブする!フィガロの勇姿、とくとご覧あれ!」

 

 

 そう言うと大臣もフィガロ城の中に入る。

 残るはケフカらを除けばノアと銀時だが……なんと、こっちはこっちでチョコボ無しなのに飛び降りた。

 通路が完全に格納される前に。

 

 

「「イィィィヤッホウゥゥゥゥゥゥ!!」」

 

 

 ヅラじゃない、プロだ。そんな声が聞こえそうな叫び声だった。当然の如く砂煙が盛大に舞い上がる。

 同時にフィガロ城はそのほとんどを地中に沈め、ケフカは砂漠に投げ出されていた。さすがに頭にきたのか、起き上がり帝国兵二人に指示を出す。

 

 

「行け!奴らを殺せ!」

 

 

 その指示を受け、魔導アーマーに乗った帝国兵がチョコボに乗ったエドガーたちを襲おうとするが、それは叶わなかった。

 

 

「んだよてっきり頑侍とか持ち出してくるかと思ったのによォ。せめてキングジョーくらいは持ってこいっつーの」

 

 

 未だ晴れやらぬ砂埃から一閃、魔導アーマーが2機まとめて爆散し、帝国兵は遥か彼方へと吹っ飛んで行った。

 

 

「んなあああ!?」

 

 

 帝国自慢の魔導アーマーが一瞬で撃破された事にケフカは目を見開いて驚くが、それに驚いていたのは彼だけではない。

 

 

(銀時という男、彼はあの木刀で鋼の魔導アーマーを斬り捨てたのか!?どうなっているんだ……あの木刀に何か仕掛けでもあるのか……!?)

 

 

 単なる通販で買える木刀です。

 いや、それはそれでおかしいが事実なのでどうしようもない。

 エドガーだけでなくティナやロックまで驚いている。

 確かに今までは生物相手に振るっていたので、まさか鋼鉄まであっさり斬り捨てるなど誰が予想できるだろうか。

 

 

「私たちにとってはいつもの事アル。銀ちゃんが使うとただの木刀がアルテマウェポンになるネ」

「夜王鳳仙を倒したのも木刀みたいですし」

「えっと……夜王って?」

「かつて夜兎族最強と言われた人物ですよ。とはいっても銀さんも一対一で勝ったわけじゃないですけど」

 

 

 ティナとロックはさらに驚く。

 エドガーは知らないが、夜兎族と言えば神楽と同じ戦闘民族だ。

 その中でも過去形とはいえ最強と呼ばれた鳳仙と真っ正面からやり合った時点でとんでもないのだが、結果勝利した(しかもノアの光気受ける前で)というのは偉業という他ない。

 

 

「ええーい!何なんだお前は!?」

「何だつみはってか。そうです俺が今からテメーをぶん殴る……」

「え?」

「その人の直属護衛だよ」

 

 

 ニッと笑う銀時が指差した方向をケフカが振り向いた瞬間……

 

 

ゴバキィィィィィッ!!!

 

「ブニョおおおおおおおっ!?」

 

 

 ノアの真っ赤に燃える拳がケフカの顔面にストレートでブチ込まれ、ケフカはフィガロ城の遥か南にある海まで吹っ飛んで行くとバシャーン!とド派手な水しぶきを上げて海に沈んでいった。

 たぶん死んでない。たぶん。

 

 

「フン。所詮は偉そうにしてるだけのピエロだったか」

 

 

 フッと拳に息を吹きかけるノア。

 やってきた銀時とクロスタッチを決め、エドガーたちのいる場所へゆっくりと歩いて行く。

 

 

「い……今、何をしたんだ?」

「あ?クロスタッチだよ。絆を結ぶ新たな印って偉大なるマン兄さんが言ってただろーが」

「いや、そっちの彼のパンチの事なんだが……」

「無論、ただのパンチだが?」

 

 

 ノア様の一撃は色々おかしいのです。

 そしてマン兄さんって誰?とティナやロックが言うならわかるが……

 

 

「マン兄さんって誰よ銀パ」

 

 

 よりにもよってアクアが言った。

 

 

「「「バカかお前はァァァ!!」」」

 

 

 ノアや銀時はもちろん、新八もキレながらツッコんだ。

 

 

「アクア!お前は何故ギンガビクトリーの部下でありながら彼を知らない!?あの基礎を極限まで極め、ウルトラの星において原点にして頂点と言われる彼を知らんとはどれだけバカなのだ!!」

「テメースペシウム光線が基本中の基本、最弱の光線技って知らねーだろ!?マン兄さんはなァ、逆にスペシウム光線の構え取っただけで相手が腰抜かすレベルの威力なんだよ!構えるだけで圧が半端ねーんだよ!」

「しかも年々筋肉増してますし!というかマン兄さんはマリンスペシウム光線とか、最終奥義ギガスペシウム光線まで後に控えさせてますからね!」

 

 

 ノアでさえ力説するほどの生ける伝説マン兄さん。ウルトラマンに関わる者で(女神、しかもギンガビクトリーの部下なのに)彼を知らないアクアがどれだけ失礼なのかは彼らの怒り具合で推して知るべしである。

 さすがにアクアも涙目。

 

 

「う……な、何もそこまで怒らなくたっていいじゃない!!」

「仕方ないアル。ウルトラシリーズのクロスオーバーなのにウルトラマンを知らないのはモグリもいいとこネ」

 

 

 エドガーやティナ、ロックはポカンとしていたが、ただ一つ……『マン兄さんという人物はとんでもなく偉大である』という事だけは理解できたようだった。

 

 

 ケフカと帝国兵?知らん。




マン兄さんのギガスペシウム光線とはゲームFERにてシナリオ上のみ使用できる正しくマン兄さん最強技です。
プラズマスパークのエネルギーを利用したそれは間違いなく究極のスペシウム光線なので、一見の価値有り。

次回『山登りの準備には手間暇を惜しむべからず』。
城と城下町が洞窟抜けるほど離れてるってほとんどないよね。

もし本作で、無理のない範囲でキャラ追加するなら?

  • 定春(マスコット枠)
  • 桂&エリザベス(ボケ加速)
  • 高杉(シリアス枠)
  • お妙(ある意味女性キャラ最強)
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