『やはり俺のスターウォーズはまちがっている。』
第四話 やはりジェダイがフォースに頼り切るのはまちがっている。
銀河共和国全体に不穏な空気が流れる中、コルサントにて共和国軍設立に関する投票が行われることとなった。
アナキンとオビ=ワンの師弟はそれぞれパドメ・アミダラ議員の護衛と、議員を狙った暗殺者の捜索を拝命する。
同じころ、特に何の任務も与えられなかった八幡はいつも通りライトセーバーの訓練をしていると、セーバーの電池が少なくなってきたことに気付いた。
そして電池を変えようとセーバーのカバーを外すと、そこには聞いた事も無い星の座標が刻まれていた……。
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「あっれ?おかしいな…」
珍しい物をオビ=ワン・ケノービは見た。
比企谷八幡が調べ物をしているのだ。
アナキンとの試合をサボる時やマスターのアリス・アマリリスの手榴弾の除去ぐらいでしか公文書館には来ないのに。
「やあ、パダワン・ヒキガヤ。君が調べものとは珍しいな。」
「マスターケノービ。お久しぶりです。
実はライトセーバーの中からこんなものが。」
そう言って八幡はサイフォ・ディアスから贈られたライトセーバーのグリップ部分を真ん中で開いてその内側を見せる。
「これは…座標、それもカミーノだと?」
「ええ。最近電池を取り換えたときに気付いたんですよ。
気になって調べてみたんですけど、何回やってみても情報が無くて…。」
「そんな場所の情報をマスターサイフォ・ディアスは知っていた。か。」
「ええ。それがすごく気がかりで。
なにせあのマスターの師匠ですから。何企んでるか分かったもんじゃ無い。」
「はははっ!実に君らしい信頼の仕方だ。
パダワン・ヒキガヤ。実は私は任務でその星に向かう予定だったんだ。
ついて来てくれないか?マスターサイフォ・ディアスが関わっていたとなると、お気に入りの孫弟子の君がいた方が良い事が有るかもしれない。」
正直、最近共和国全体が不穏な雰囲気にある中下手に動きたくないというのが本音だったが、後から大問題になっても困るので八幡はオビ=ワンについて行くことにした。
オビ=ワンが赤いジェダイ・スターファイターに乗り込み、八幡はマゼンタの同型機に乗り込む。
何時も連れて行ってるアストロメクドロイドを呼びつける。
「頼むぞR3-Y3。座標は惑星カミ—ノだ。」
そこまで言うとピコピコと抗議するような電子音をR3は上げる。
「また結衣を泣かすようなロクでもない無茶をするつもりか?だと?
なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだよ母親か。」
また怒ったようなピコピコ音を鳴らすR3。
「あーはいはい分かったよ。
あーし様の言う通り無茶だけはしませんよ。」
そんなやり取りをしながらセーバーに記された座標通りに進むと水に覆われた星にたどり着いた。
「アウターリムの向こう側、か。果たして地球はどっちかね?」
珍しく故郷を思い出しながら八幡はオビ=ワンに続いて着陸する。
大雨が降る中降りると、中から灰色の肌を持つ首の長いエイリアンが出て来た。
「お待ちしておりました。マスタージェダイ、ジェダイ・パダワン。
ラマ・スー閣下がお待ちです。」
八幡とオビ=ワンは顔を見合わせる。
どうやらオーダー側が感知していなかっただけで物事は相当深刻な用だった。
アストロメク達にスターファイターを任せて、案内役に連れられるまま進んで行くとラマ・スーと思われるカミーノアンの執務室に通された。
「よく来られましたジェダイのお二人。
10年も交信が途絶え、正直諦めかけていました。」
口調だけでうれしそうな様子伝わって来る。
それは親愛というよりもっとビジネスライクな感じだ。
「それは申し訳ない。」
「それで、対価の方は?」
頭を下げたオビ=ワンにラマ・スーが立ち上がり寄っていく。
「こ、こちら、少ないですが交信が途絶えていたお詫びです。お納めください。」
と、八幡は内心惜しみながらオーダーから出る少ない俸給を溜めた貯金を(オビ=ワンの分も合わせてだが)ラマ・スーに差し出す。
事前にカミーノアンは金で動くと聞いていたから用意してきたが十年も待たせていたなら全部渡すぐらいでないと礼にもならない。
後で絶対経費で落としてやると心に決めた。
金額を見てラマ・スーは満足げにうなずき
「その様子を見るにあなた達は商品の、クローン兵団の状態を確かめに来ただけのようですね。
正式な報酬は弾むと考えていいのでしょうか?」
「もちろんです散々待たせて商品だけ貰ってしょっぱい金握らせて黙らせるとかいくらアウターリムの向こうの星に対してでも失礼すぎます。
オーダーは誠意を見せますよ。」
驚いて八幡を見るオビ=ワンだが、いつも以上に腐ってる彼の目を見て、『ああ、ストレスたまってるんだな。』と納得した。
八幡は
(あいつらも普段禁欲してるならこれぐらいいいはず。)
と、半ば八つ当たりに近い感情だった。
ラマ・ス―は十年ぶりの吉報にご満悦のご様子だ。
その後ラマ・スーに連れられて生産ラインを見せられる。
「すっげぇ……」
憮然とした表情だった八幡も、オビ=ワンも度肝を抜かれた。
いくつもの柱に付いた青いカプセルに胎児が入っている。
それが聖堂の中央エントランスぐらいの空間みびっしりなのだ。
「きっとご満足いただけると。」
「この施設も、クローン技術の報酬で?」
「ダマスクホールディングス様に巨額の出資をしていただき、最高の設備を整えることが出来たのです。」
すかさず八幡はダマスクホールディングスの名前をメモする。
どんな小さなヒントも見逃してはいけない。
サイフォ・ディアスの手掛かりになるかもしれないのだ。
「クローン兵の性能は?」
「ドロイドなどとは比べ物になりません。
個性こそ抑制していますが、自分で考え、行動します。
あなた方の手足となり共和国を良く守る事でしょう。」
歩きながら次のエリアに映る。
揃いの赤い服を着た少年たちが座学を、白に緑のアーマーを着た少年たちがドロイド相手に実戦形式の訓練をしている。
「彼らに施す戦闘教練のプログラムにも自信が有ります。
このグループは、五年前に造られた者たちです。」
十歳ぐらいの少年たちが一糸乱れぬ行進をしているのが映る。
「成長を速めているんですね。」
「当然、通常の人間と同じでは時間がかかりすぎます。
彼らは半分の時間で大人になります。」
「なるほど…」
偽物の命、と、八幡の頭に言葉がよぎる。
そう言ってしまうのは簡単だ。
だが彼らにも抑えられてるとはいえ個性が有る。
それを見てから判断しないのは欺瞞、否、傲慢だろうと八幡は己を戒めた。
「彼らは従順で、どんな命令にも決して逆らいません。
遺伝子操作でオリジナルのホストが持っていた自立心を大幅に削っています。」
「それは戦場で確かめます。」
「ハチマン?」
「彼らが本物かは本物の戦いで分かるという意味です。」
ラマ・スーは自信ありげに微笑み
「ご心配なく。彼らの遺伝子ホストは優れた人物です。」
「その人物とは誰です?」
オビ=ワンがすかさず問う。
「賞金稼ぎのジャンゴ・フェットです。」
「そのジャンゴ・フェットが何処に居るか分かりますか?」
「彼ならここにいますよ。
高額のホスト料とは別にフェットは一つだけ条件を出した。
自分と、同じクローンを造れとね。」
「同じ?それは成長速度も?」
「ええ。変わっているでしょ?
遺伝的に純粋な複製、もう一人の自分です。」
そこまで解説された所で八幡はまた口を開いた。
「欲しかったんじゃないですか?本物の息子が。」
「息子?」
「閣下。ジャンゴ・フェットは妻帯者ですか?」
「いいえ独身だったかと…ああ、つまり彼はジェダイで言う弟子が欲しかったわけですか。」
「大方、自分の名前を継ぐ賞金稼ぎにでもなって欲しかったんじゃないですかね?」
一同は見学ツアーの最後の場所に来た。
万単位の白いマンダロリアンに似たアーマーの兵隊たちが一糸乱れぬ隊列で進んで行く。
「いかがです?素晴らしいでしょう?」
「ええ。これはすごい。」
「きっとジェダイ評議会のお歴々も満足しますよ。
マスターケノービ。俺は評議会に報告してきます。」
「分かった。閣下。重ね重ねすまないですが、ジャンゴ・フェットに合えるように取り計らっていただけるでしょうか?」
「そのようにいたしましょう。」
オビ=ワンがジャンゴに会いに行ってる間に八幡はホロ再生装置を使い、聖堂のヨーダに連絡した。
『パダワン・ハチマン?急に何の用じゃ?』
「マスターケノービに代わってご報告します。
惑星カミ—ノを見つけました。」
サイフォ・ディアスのセーバー、ジャンゴにクローン兵団。
そしてダマスクホールディングスの件についてすべて報告した。
『ふむ、事態は極めて厄介かつ深刻じゃな。
して、パダワン・ハチマン。何故、オビ=ワンと共にいると報告しなかった?』
「俺はマスターサイフォ・ディアスのお気に入りの孫弟子ですよ?
もしサイフォが騙されて利用されていたなら次に口封じで殺されるのは俺か俺のマスターです。
カミ—ノまで逃げてからの方が安全と判断しました。
それに俺、ただでさ腐ってる目にセーバーの色に昔の件でまともに話す同期由比ヶ浜やスカイウォーカーぐらいしかいませんし。絶対疎まれてますしマスターウィンドウに嫌われてますし。」
『ふーむ。最後の悲しい独り言は置いといて、クローン軍を造った黒幕はコルサントにおると?』
「逆に聞きますけどジェダイに近付けて、尚且つ万単位のクローンを造れるような設備を造る金をダマスクホールディングスに、あの天下のダマスクホールディングスに出させられるような権力者ってコルサントぐらいにしかいませんよね?フォース使うよりちょっと頭使った方が簡単にただりつく真相です。」
なんならジェダイの誰かじゃないか?とは流石にヨーダの手前言わなかった。
言ってもどうにかなるとは思わなかった。
兎に角八幡の解説を聞き終え、ほう?と眉を持ち上げるヨーダ。
『流石ドゥークーのお気に入りは言う事が違うの。
あのサイフォの孫弟子なだけあるわい。』
「褒めて無いですよね?」
『好きに受け取れ。兎に角、パダワン・ヒキガヤ。
オビ=ワンにジャンゴ・フェットを追えと伝え、おぬしはもしもの事態、そんなこと起こらぬ事を願うが…クローン軍が必要な場合に備えカミーノにて待機せよ。』
「分かりました。もしこっちに来るなら大金を持ってきてください。
カミーノアンは守銭奴です。下手したら金が払われない限りクローンを使わせてもらえません。」
『ふんだくられた様じゃな。』
「あとで経費で落とさせてもらいますからね?」
『そんなに使わんじゃろ?』
「この前セーバーのバッテリー買い換えて手元に殆ど無いんですよ!
今回ふんだくられたのだって銀行から降ろしてきた奴だし!」
『分かった。善処しよう。では、頼んだぞ。
フォースと共にあらんことを。』
「ええ。お任せください。」
通信を切り、ここに来て陰謀を確信した八幡は思わず壁を叩く。
「畜生…」
これだけ話が進んでて10年間こちらは何も気づかされなかった。
つまりマスターサイフォ・ディアスは、もう死んでいる。
「マスター、あなたの贈り物。10年越しに受け取りました。」
彼の形見のライトセーバーを握り締める。
ここからが反撃だ。
「見てろよ。千葉県民の家族愛は深いんだ。
じいちゃんを殺ってくれた礼、存分にしてやる。」
比企谷八幡、クローン戦争開戦僅か1日前の出来事である。
オリキャラ解説
R3-Y3
アナキンの相棒R2-D2と同じ製作元のアストロメクドロイド。
AIの性別は女性で、おかん気質。
一人称は『あーし』。
結衣の八幡に対する思いに気付いており、いつも尻込みする結衣に発破をかけている。
基本的に誰の担当とか細かくは決まっていないが、本人は八幡や結衣、アリスやフォーモアに好んでついて行く。
能力は他のアストロメクとそん色なく、飛行補助、応急修理など一通り出来る。
R2-D2とはオビ=ワン、アナキン師弟とアリス、八幡師弟n合同任務以来の親友である。
言うまでもなく隠すほどでもないので言ってしまうが、元ネタは俺ガイルの三浦優美子。
三浦→3URで、R3。
優美子→YU3KOでY3。