どこまでも真っ直ぐでお人好しな酒場の白兎   作:花見崎

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幕間 ギルド職員の憂鬱

「アル君が18階層に!?」

 

 

「そうなの!18階層で殺人事件が起こった時にたまたま居合わせた冒険者が居て!その子が可愛い子を見たってはしゃいでて、どんな子なのか気になって聞いたらさ!雪のような白髪の兎みたいな子だって!弟くんそっくりじゃん!」

 

 

「いやいやいや!流石にあの子でも18階層なんて流石に信じられないかなぁ。」

 

 

「でもさでもさ、うさぎみたいな見た目の冒険者って・・・」

 

 

白い髪をした兎のような冒険者は少なくとも私は1人しか知らない

それでもオラリオという長い括りで見れば合致する冒険者はいると思う

それでも、今現状冒険者登録されてる方達の中で知ってる中では1人だけ

 

 

「アル君・・・だよね。」

 

 

「確かに弟くん好奇心旺盛というか、危なっかしい所はあるけどエイナの言うことはちゃんと守ってるもんね。そもそもレベル1だと18階層どころか10階層に辿り着けるだけでも凄いもん!」

 

 

「そうだね・・・そうだと信じたい。冒険者たちを信じることもギルドの仕事だもんね。」

 

 

ギルドは冒険者たちに生き残るための知識は与えられても、行動をギチギチに縛ることはできない

死んじゃう時は第1級冒険者でも駆け出しの見習い冒険者でも一瞬だから

 

 

『冒険者は冒険しちゃダメ』

 

 

これがエイナの信念だった

どんなにスパルタだと言われても、自分のやり方を変えるつもりは無かった

 

 

『冒険者には情を移さない方がいい』

 

 

昔、上司から伝えられた言葉だった

冒険者というのは常に死と隣り合わせ

昨日まで馬鹿騒ぎして酒を酌み交わした仲の友でさえ、明日には居ないことなんてよく聞く話だった

 

 

「それにさ、弟くんにはサポーターも付いたんだからさ!」

 

 

「うん、そうだね。」

 

 

そのサポーターの子が悩みの種の1つだということは秘密にしよう

【ソーマ・ファミリア】とは常に喧騒が絶えなかった

 

 

我の強い人が多い冒険者とギルド間での対立は日常茶飯事

 

 

中でもほとんどを占めるのが【ソーマ・ファミリア】の眷属だった

 

 

「そこまで気になるんだったら弟くんに直接聞けばいいじゃん!今日も出かけたんだよね?ダンジョン。」

 

 

「でもなー・・・間違ってたら失礼というか・・・」

 

 

「そう?あの子そういうこと気にしなさそうじゃない?」

 

 

「うーん・・・分かった、それとなく聞いてみることにする。」

 

 

「そうそう!冒険者との隠し事は作らないのが1番だって!」

 

 

「ミィシャはオープンすぎだと思うけどね・・・」

 

 

同僚であり学区時代からの友人に少しだけ感謝を告げてまた、各々の仕事へと戻って行った

 

 

・・・・

 

 

「えっと・・・クラネル氏ですか?」

 

 

私は今、何故かヴァレンシュタイン氏の相談を受けている

 

 

聞けばアル君に用があるそうで、それなのにせっかく会えても数秒後には逃げられてしまい、まともに話も出来ないのだとか

 

 

「(多分()()()()()のせいなんだけど、流石に他派閥のヴァレンシュタイン氏に教える訳にもいかないし・・・)」

 

 

「逃げられないためには・・・どうしたら。」

 

 

す、すごい落ち込んでる・・・

お、教えてあげたい。アル君が逃げているわけじゃないと教えてあげたい!

 

 

「理由は了解しました。ですが、クラネル氏が来られた際にこちらから頼んでみます。」

 

 

「ありがとう・・・ございます?」

 

 

パァァァと効果音でもつきそうなほど雰囲気が明るくなった気がする

 

 

「アル君?」

 

 

ふと、ギルドの受付の方に目を向けるとそこには先まで話題に挙がっていた彼だった

 

 

こちらを見留めるが早いか、そそくさと出ていこうとする彼

そして流石第1級冒険者と言うべきか、彼を足止めするヴァレンシュタイン氏

 

 

兎にも角にも、これでヴァレンシュタイン氏の相談も解決し、一件落着となったわけだけど・・・

 

 

「一体なんの用で来たんだろ?」

 

 

自らの目的も忘れ、アルの目的も分からぬまま、戻っていくエイナであった

ベルにヒロインは

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