「すみませんでした!」
まだ店の開いていない時間、昨日の彼が勘定を返しに|『豊穣の女主人』にやって来てくれた
「あの子がシルが言ってた冒険者かにゃ?」
「ですね、あの様子だと。」
「もう少しで私達が乗り込むところだったもんねぇ。」
「いやもう昨日の時点で押し掛ける寸前でしたよ!?」
「それがここのやり方ってものにゃ。おミャーもいい加減慣れるのにゃ。」
「ベルって私達より先に働いてるのになれない感じよね。」
「白髪頭はウブだから仕方が無いのにゃ。ただ、怒らせた時はミア母ちゃんとは違った恐ろしさにゃ。」
「ウブってなんですか!?ウブって!それに僕そんなに怖かったですか!?」
「そうにゃ。あれはもう鬼神が宿ってたにゃ。」
「まぁ、僕は基本裏方ですし・・何より。」
「行ってきます!」
裏口から勢いよく彼が出ていくのを見送る
「見守ってる方が好きだから。」
・・・・
「ベルさん!次はこれ食べましょう!」
「待ってくださいよシルさん!この人だかりじゃはぐれちゃいすよ!」
今日のシルさんはいつもより活発な気がする
そのくらい楽しみだったって事なのかな?
「ほらほら、ベルさん早くー。」
「お願いですから先行しないでください。」
「あ、ごめんなさい!」
さすがに年に一度のお祭りとだけあって人だかりもいつも以上だ
「すみませーん、クレープ2つ下さい。」
「あいよ!」
屋台のおじさんがクレープを作ってる間に財布を取り出していると
シルさんがポッケを探りながら困り顔をしていた
「ごめんなさいベルさん!財布忘れてきてしまって…」
「大丈夫です。僕も余分に持ってきましたし。今日は僕の奢りということで。」
「でもそれじゃベルさんが。」
「気にしないでください。この前の
「そうですか?じゃあお言葉に甘えさせていただきますね。」
・・・・
「あれ?シルさん?」
クレープを食べ終わって、他の屋台を見回っているといつの間にかシルさんとはぐれてしまった
「この人混みの中で探すのは骨が折れそうだなぁ・・・」
かれこれ五分くらい探してるけど一向に見つからない
かと言ってもこのまま一人で行動するのもなぁ
「きゃぁぁぁぁぁ!!モンスターだぁぁぁ!!!」
悲鳴の方向を向けば、闘技場の方からシルバーバックが逃げ出していた
出てきたところから考えても怪物祭に使う予定のモンスター!?
でも【ガネーシャ・ファミリア】がそんなポカをやらかすと思えない
「それより今はアイツをどうにかしないと!」
巡回の手伝いに入ってるらしい【アストレア・ファミリア】に任せれば確実なんだろうけど、やっぱり放っておけない
「念の為ナイフを用意しておいて良かった。」
とにかく皆の目線がちらばってる今のうちに・・
「あぁ!エイナの弟くんじゃん!」
「え?」
出鼻をくじかれ、声をした方に振り向くもそこには見覚えのない女性
制服から見てもギルドの職員なのは分かるけど見覚えがない
「今突然モンスターが暴れだして大変なの!【ロキ・ファミリア】の人達に頼んだから弟くんもすぐ逃げて!」
「えっちょっと待ってくださぁぁぁぁぁ!!」
ベルにヒロインは
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いる
-
いらない