アサルトリリィ EARTHES   作:湖森生気

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ようやく入学式も終わって行動できるようになった。

新しく入学してきた子ともようやく交流できる。

気合入れていこう。

まずはあのヒュージを倒した夢結達にお礼言っとかないと。

にしても守護天使制度か……女子高凄いな。


3話 守護天使・スズラン

アーシェスは外征ばかりをしている訳ではない。

百合ヶ丘に来て以来、有る意味一番多いアーシェスの仕事、それは…リリィとの模擬戦である。

 

 

【百合ヶ丘女学院 訓練場】

 

 

「行くよ樟美!」

「はい天葉姉さま!」

 

向ってくる樟美に向かって牽制弾を撃ちながら天葉の攻撃を回避する。

だが、回避の隙をついて接近した樟美が間をおかずに追撃してきた。

樟美の攻撃は牽制のおかげでワンテンポ遅れている。これなら危なげ無く避けられる。

しかしこれで、二人に接近を許してしまった。

 

「樟美このまま押し切るよ!」

「はい!」

≫『まだまだ!』

 

左手の拳銃で天葉を撃ちながら右手のパイルバンカーで樟美を打ち飛ばす。

 

「ッぐ」

「樟美!?」

≫『隙あり!』

 

天葉がの注意が樟美に向いた隙を付いてパイルバンカーで天葉を樟美の場所へぶっ飛ばす。

そのままスナイパーライフルに持ち替え追撃する。

後ろに樟美がいる天葉は回避する事はできずガードするしかない。

 

「天葉姉さま!」

「大丈夫…樟美いい、よく聞いて」

 

攻撃を続けながらも相手の次の手を待つ。

この距離では有効な攻撃は出来ないが、わざわざ接近する必要も無い。

 

「分かった?」

「はい!」

「じゃあ行くよ…1・2の3!!」

 

瞬間、二人が左右に飛び出した。

瞬時にチャームを射撃モードに切り替えた二人は銃撃しながら接近てくる。

こちらも二丁拳銃に切り替え反撃する…が。

 

「ヘリオスフィア!!」

 

天葉のレアスキル、ヘリオスフィアの恩恵を受けた二人に訓練弾ではほとんど意味が無い。

結局、再び二人に接近を許してしまった。

そして、天葉がレアスキルを使ったという事は当然。

 

「ファンタズム」

 

樟美もレアスキルを使うと言う事だ。

しかも、シュッツエンゲルである二人の絆は強固であり、樟美のファンタズムはかなり強力だ。

攻撃や牽制ができる隙など無い、今は回避と防御に集中してこの連撃をしのぎ切る!

 

 

そんな模擬戦を見ている影が3人。

 

「2年生の天野天葉様と1年生の江川樟美さん、お二人もシュッツエンゲルなんですよ!」

「え!? もう!?」

「お二人とも中等部時代からのお付き合いなんですよ」

 

CHARMの自主練をしに来た一柳梨璃と二川二水、楓・J・ヌーベルべある。

 

「なるほど、通りで…なかなかのコンビネーションですわね。そしてそれを凌ぎきっているのが」

「……ロボット?」

「アーシェスです、あの異物から発掘された唯一の起動ロボット! 多くの戦場でリリィの被害を0に留め続けている事から守護者…ガーディアンの異名を持ってます」

「へー、凄いんですね」

「わたくし自身、興味はございますが…それより今は梨璃さんの事です!」

 

3人がそうこうしている間に模擬戦はクライマックスに差し掛かる。

 

「…ダメ、押し切れない」

「相変わらず何て防御性能」

 

ファンタズムが切れた合間を狙い、天葉のフルスイングに合わせてパイルバンカーをぶつける。

流石にチャームを手放す事は無かったが態勢を崩すには十分。

その隙に天葉に銃口を向ける…フリをして。

 

「天葉姉さま!?」

「ッ! 駄目だ樟美!」

 

天葉に気を取られた一瞬の隙を付いて樟美の額に銃口を突きつけた。

 

「……ここまでね」

「ごめんなさい、天葉姉さま」

「樟美は悪くないわ、今までで一番動きも良かった」

 

樟美の頭を撫でて慰める天葉を見ながら何か言おうか悩むが…ここは天葉に任せるべきだろう。

 

「天葉姉さま」

 

その証拠に樟美に笑顔が戻る。

それを確認した天葉は改めてこちらを向く。

 

「アーシェスも訓練に付き合ってくれてありがとね」

「あ、ありがとう」

≫『どういたしまして』

 

この後二人は、CHARMのメンテナンスをするとの事で今日の模擬戦はお開きとなった。

なので、丁度ここに来ていた3人…今はミリアムさんが増えて4人の元へ向かう。

 

≫『ごきげんよう、梨璃さんと楓さんで間違いないかな?』

「は、はい。そうですけど」

「なにかご用ですの?」

≫『用と言うかお礼を、逃げ出したヒュージを倒してくれてありがとう』

「そう言えば、あのヒュージを捕まえたのはお主じゃったな」

 

なぜお礼を言われたのか解らない様子の2人を見て、ミリアムさんが思い出したかの様に補足する。

 

「ああ、そう言う事ですか。お礼には及びませんわ、リリィとして当然の事ですもの」

「そうですね、それに私なんてお二人の足を引っ張っただけでしたし」

「そんな事はございません! 梨璃さんの働きは素晴らしいものでした」

「あはは、ありがとう楓さん」

 

このままでは話が進まないと判断したのかミリアムさんが話を戻す。

 

「そうじゃアーシェス。工廠科に行かぬかと話しておったのじゃがお主もどうしゃ?」

≫『丁度、百由さんとメンテナンスの予定があるからご一緒させて貰おうかな』

 

 

【百合ヶ丘女学院B3 工廠科】

 

 

「ここが工廠科じゃ」

「へー、地下にこんな施設が有るんですね」

≫『因みに、アーシェスの保管庫もここに有るんだよ』

 

そんな雑談をしつつたどり着いた百由の工房前、ミリアムさんが早速チャイムを鳴らす。

 

「おい百由様おるか―?」

 

直ぐに開いた扉からは熱により発生した赤い光が飛び出して来た。

余りの眩しさに梨璃と二水は驚いてしまったようだ。

楓さんは驚く前に一番無駄なく対処している辺り流石である。

反応速度だけなら梨璃も同じくらい早かったので経験を積めば凄いリリィに成れるかもしれない。

 

「ごきげんよう、ちょっと待ってね今CHARMの硬化処理をしている所だから」

 

その後、軽く二水さんが自己紹介をしてから話はCHARMの事へと移っていく。

因みに、一か月の努力の結晶は無残にも失敗に終わってしまった。

梨璃さんにCHARMの説明を終えた所で百由さんは失敗を思い出して意気消沈してしまう。

 

「あーーー、やっちまったー」

「あれ、それじゃあアーシェス…さんもマギやCHARMを使ってるんですか?」

≫『いや、どっちも使ってないよ』

「え!? けどヒュージと何度も戦ってるんですよね?」

「ああ、それはねアーシェスの武器が私たちの物とは違うからと言うのが大きな理由よ」

 

そう言いつつ百由さんがディスプレイに武器の映像を映し出す。

パイルバンカーでは無く2丁拳銃の方だ。

 

「アーシェスの武器は大体アンチヒュージウェポンと同じくらいのダメージをヒュージに与える事が出来るわ」

「アンチヒュージウェポン?」

「マディックが使う対ヒュージの武器じゃ、CHARMほどの威力はないがな。故にラージ級のヒュージには対処できん」

「逆に言えばアーシェスの武装をアップデートしてCHARMレベルに出来れば、今以上の活躍が期待できるんだけど………中々うまく行かないのよね~」

 

アーシェスの使えるCHARMを作る、この作業は難航していた。

元々アーシェスが使っている武器を弄れれば難易度は下がるかもしれないが、その武器その物が未知の塊なので手の付けようが無い。

 

「実際、アーシェスのスキラー数値は77。十分にCHARMを動かせるはずなんだけどね……やっぱり人間用の物じゃうまく起動しないみたいで」

「待ってください、機械がスキラー数値を持つなんて聞いた事がありませんわ!?」

 

百由さんの言葉にいち早く反応したのは楓さんだ、グランギニョルの総帥を父に持つ身として最低限の知識は持っていたらしい。

 

「普通はあり得ないわよね、アーシェスの場合繋がってる異世界から送られて来てるのかアーシェスを動かしてる誰かの数値なのかハッキリして無いのよね……」

「繋がっている異世界?」

「動かしている誰か?」

「もしかしなくてもスクープなのでは!」

≫『それ、言っていいやつだっけ?』

「………あ」

「百由様……ここ最近寝ておらんかったからの」

 

いや、知られて困る事は無いけれど。

百由さんは大丈夫なのだろうか、その…情報漏洩的な意味で。

 

「あはは……どうか内密にお願い!!」

「だ、大丈夫です誰にも言いません」

「まぁ、面倒な事になるのは火を見るより明らかですね…分かりましたわ」

「わ、私も記事にはしませんのでご安心を」

 

素直に頭を下げた事に多少驚いたが…冷静に考えたら楓さんには嫌がらせ何かもできないだろうしな。

それにしても梨璃さん達が良い人で良かった。

ただ、安心して気が抜けたのか百由のお腹が大きな音を立てた。

 

≫『またご飯抜いて研究してたの』

「いやーついつい忘れちゃって」

≫『メンテナンスは何か食べてからお願いね』

 

食事に向かった百由さんと彼女に何か話があるらしい梨璃さん達を見送ってからメンテナンスルームへ先に移動する。

しかし、アーシェスの使えるCHARMの開発は難航している用だ。

何か手助け出来ればいいが、出来る事と言えば素材を集める事位だ。

 

≪起動から一定時間が経過したため、極秘ファイル01へのアクセスが解禁されました≫

≪極秘ファイル01を入手しました≫

 

………何だこれ。

メニュー画面を開いてアイテムから極秘ファイルを選択する。

それは、一つの動画と幾つかの画像ファイルだった。

 

 

[あ、あ~…もう撮れてるようね。久しぶりかしら、それとも初めまして? どちらにしてもコレを見ている人が『あなた』だけとは限らないし説明は必要かしら]

 

そこに写っていたのは向こうで出会った少女だ。

彼女が無駄な事をするとは思えない、どうやら真面目に聞くべき物のようだ。

 

[さて、この映像に同封してある画像ファイルはアーシェスのカスタム装備の設計図よ。もしかしたら不要だったり、用意できない可能性も有るけれど。備えるに越した事はないわ]

 

カスタム装備の設計図、それは…もしかして。

 

[なぜこんな設計図を用意できたか疑問に思うでしょうね。私は条件さえ満たせば未来が見えるの、その中に倒せない敵を相手に頑張っているアーシェスが見えた、そしてその先に時間軸で開発された装備、それを書き起こしたのがこの設計図よ]

[………何処に居るの~]

[イオナサルが探しに来たみたい、そろそろ止めるわね。最後に…久しぶりなら嬉しいわ。そうじゃないなら…早くイオナサルに会いに行ってあげてね。それじゃあさようなら]

 

≪ES45カソードCHARMカスタムの設計図を入手しました≫

≪トロフィ―:『あなたの力に』を獲得しました≫

 

 

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